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第五章 「結末」
第十三話
しおりを挟む「なら協力はできない」
そうか、そうなのか。どこまでも鼓という男は……。
「先に行って欲しい、ここは俺たちが何とかする」
告げる鼓。顎に使われて、先に行く能力者たち。あたかも『自身がお前たちのために戦う』と指し示すように言葉を吐き、それに背を押されて人々は行く。こいつは俺と戦いだけだというのに。
どこまでも正義気取りのやつだ。
残ったのは六人だった。女性が四人、男性が二人。
そのうちの四人には見覚えがある。
一人は鼓だ。耳に胼胝ができるほどに聞いた名。未来視の能力者。
そして和乃という名の女性、先ほど口をはさんでいた彼女は分身の能力者だ。
金髪の少女はイヴリンという名で、治癒の能力者。その首元の花は開花している。
加えてもう一人、名前は知らずとも見覚えのある女性がいる。黒髪のお下げを二本おろした女性、彼女は思考共有の能力者で間違いないだろう。
しかし残りの二人に見覚えはない。
まず肩まで黒髪が降りた男がいる。彼はこちらを睨み腰元の刀に手をかけている。スーツを着用し、スッと背筋が伸びている。姿勢よく立ったその男の首元には、コスモスの入れ墨が入っている。
対して少女の側はまるで戦う意思を示していない。突然に空に舞いあがり、高みの見物とでもいうばかりに住宅の上に腰かけている。
銀髪、百四十近い身長に華奢な体つき。フリルの込んだ黒いワンピースを着た少女。この少女は空へと舞う直前、鼓と簡単な言い合いを交わしていた。彼女はまだ鼓の仲間になり切っていない可能性がある。
六人、計六人だ。たった二人を相手に、随分な数の暴力じゃないか。
「前と同じです、鼓を頼みます。ただ注意してください、現在の鼓は開花しています」
「はい、ありがとうございます。けれどまぁそんなことだろうと思っていました。あいつのバックには、偶然がついていますから」
それを聞き、悲しく笑うモノクローム。こちらに歩み寄ってきたかと思えば、すぐ手前で息をつく。ニ十センチも離れていないその場所、彼女が目を伏せる様子は印象深い。
「開花後の障壁のアクセサリーです。受け取ってください」
上目遣い、俺の顔を真っすぐに見る。そしてそのまま俺の首元へと手を伸ばす。息がかかりそうなその位置から、俺の後ろ首へと両手を回す。抱きしめるように覆いかぶさり、そしてカチッとアクセサリーを止める。
首に掛かったのは、銀色に輝くネックレスだった。花の絵柄のついた、障壁が宿ったネックレス。
「勝ちましょう」
無邪気に笑いかける。それへの返答は決まっていた。
「ええ、もちろん」
彼女が頷けば、そのまま身体を宙に浮かせる。そしてモノクロームが和乃の元へと空を駆けるのを見送り、鼓の元へと視線を移す。
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