70 / 89
ホイップたっぷり、さくら待ちラテはいかがでしょうか。
8
しおりを挟む
「田中さん、モテるって言ったじゃないですか。だから、田中さんが夜勤の時って用もないのに宿舎に泊まる女の人が多いんですよ。動物の様子次第で急な当直があるのはおかしなことじゃないんですが、田中さんのときだけ、人が増えるっていうんで、上の人たちはそろそろ注意をしないとって言っているところでした。でも、動物の体調が、とか、様子がいつもと違うからなんて言われたら、何も言えないし」
「しかし、あそこは公立の動物園ですか?」
「正しくは公益法人が運営しています。殆ど公務員みたいな感じですね。だから余計にそういうのは許されないんですよ。真面目で熱心な職員が必要な夜勤もできなくなっちゃうから」
「爾志君の言う通りですね。その高橋さん以外に、問題視されていた方はいらっしゃいますか?」
「カンガルー担当の鈴木さん、コアラ担当の浅見さん、事務員の藤木さんです」
「皆さん独身でしょうか」
「はい、20代から30代前半で、あわせて4名です」
「被害者は非常に魅力的な方だったようですね」
紗川の言葉に、爾志は「うーん」とうなった。
「確かにカッコいいとは思うけど、そこまで騒ぐこともないと思うんですよね。紗川先生のほうがよっぽどカッコいいと思いますよ。三枝から色々聞いててもそう思うし」
三枝はギョッとして爾志を見る。
「ありがとうございます、恐縮です」
紗川は控えめに微笑んで礼を述べた。言われ慣れているのがよくわかる。河西も顔をしかめていた。
「本気でいってるの、爾志くん? こいつさ、高校のころ、喫茶店でこうやって店員呼ぶような奴だったんだぞ?」
そう言って河西は足を汲み、片手をあげて指を鳴らすしぐさをした。
「パチン――『オーダーを頼みます』って」
キメ顔で三枝たちを見つめた後、足と姿勢を崩した河西はへらへら笑いだした。
「なあ、どうよ。この厨二っぷり。こんなことする高校生って嫌だろ」
「若気の至りだ」
「面白くなーい。そこはさ、テンション高いこと言おうよ。もっとホストごっこするとかさ」
「悪いなニシ。僕の見た目が悪くないのは昔からだ」
「うわ……サイテー。こいつ自分がカッコイイの分かっててかっこつけてるからホント、たち悪い」
「客観的事実だろう。それより、君は忘れているようだが、仕事中だ。爾志君の話を邪魔するのはよせ」
「ああ、そうだったそうだった、お前って、そういうやつだった。はい、どうぞ爾志君。どんどん話して?」
制服を着た高校生の紗川が、嫌味なほどカッコつけて指を鳴らしているのを想像してしまった三枝は、顔が引きつってしまった。
(同級生でそんなことをする奴がいたら、ドン引きするよ)
そう思いながらも、間違いなく似合うであろう仕草に、頭を抱えたくなった。
紗川は、やれやれと前髪を書き上げてけだるげにため息をついている。これも計算の上の仕草なのかと思うと、三枝こそため息をつきたくなった。
「こっちのニシをつるし上げるのはあとにするとして……爾志君」
突然呼ばれた西は、びくりと肩を揺らした。
「現場にいた人物を覚えている限り教えていただけますか?」
「はい。後は、俺の父親と、俺と……あと他の動物園の飼育員が2、3人かな……。勉強のために来たらしくて、獣医さんたちとずっと一緒でした。記録映像を撮ってる人もいました」
「その映像は……」
「お産のシーンしか映ってません。人の会話も入ってません。警察はそれを見てがっかりしてました」
「その方々の名前は分かりますか?」
「すみません、外部の人なので把握してません。でも、ずっと複数でいたのと、田中さんとは全く交流がなかったらしいです」
「わかりました。あとは……」
「あ、はい。俺と父親です。警察では、ほとんどの人が昼飯前に帰らせてもらえたんですけど、何人か、容疑者だって言われて残された人もいます」
「容疑者として残ったのは?」
「最後に会話したっていう理由で俺と、高橋さんと鈴木さんと浅見さんと藤木さんです」
「それは、被害者に好意を寄せていた女性でしたか」
紗川の視線が三枝に向いた。思考力、推察力が優れている代わりに、紗川は人の名前を覚えるのが苦手だ。
それを補うのが自分の役目だと三枝は思っている。
「ショートヘアの可愛い夜勤の人と、カンガルーの人と、コアラの人と、事務の人です」
三枝のサポートを、爾志は目を見開いて聞いていた。
「何て言い方するんだ、三枝」
呆れて目をまるくする爾志に、三枝は紗川のするように肩をすくめてみせた。
「しょうが無いよ。こういう言い方でないと先生の頭の中に入らないんだ」
「失礼に当たるかとは思いますが、覚えるためにご容赦ください」
紗川が申し訳なさそうに言ったので、逆に爾志は恐縮してしまった。
「いえ、そういう事なら俺も、その言い方に合わせます。あ、でも、田中さんは覚えましたよね?」
紗川が頷くと、爾志は「なら、田中さんだけ名前でいいですよね」と、了解を取った。
「えっと。四人は田中さんが好きだったみたいです。刑事の話だと、四人は田中さんを取り合って牽制し合ってるって感じだったみたいです」
「被害者は困っているようでしたか?」
「むしろ、田中さんはそれを面白がってるトコがあった気がします。俺、田中さんが死ぬ前に会ったんですけど、何か、嫌な男でした。カンガルーの人とコアラの人がキリンの所で喧嘩始めちゃったんですよ」
「手が出るような喧嘩を?」
「いえ、口喧嘩です。確認した訳じゃないですけど、俺の印象だと、田中さん、四マタかけてたような感じで」
「それは凄いですね」
「弄んでる感じがして、嫌いでした。死んだ人をこういうのは悪いとは思うけど、自業自得って思ってます」
爾志の気持ちは分からなくもないが、三枝は親友の意外な一面を見た気がした。
「事件のあった日って、クリスマスじゃないですか」
死体の発見が25日で、当直の夜だったという事は、彼らは24日の夜から泊まり込んでいたという事になる。
「四人は手作りのお菓子を用意していました」
「容疑者の女性からすれば、特別な日だからこそ一緒にいたいと思ったのでしょうね。それにしても4人とも手作りですか」
「田中さんは長いこと一人暮らしで、手作り料理が好きだって言ってたそうです。手作りのものが食べたいって」
「へえ、それは性格が想像できるね」
河西が口をはさんできた。今度は紗川もうなずく。
「え、どういうことですか?」
三枝の問いに答えたのは紗川ではなく河西だった。
「手作り料理が――ってさ、女を自分の部屋に連れ込む常套手段だからねえ。一人暮らしで家庭の味が懐かしくて、なんてさ。わかりやすすぎ」
「もちろん、違う可能性も考えているぞ?」
「それは清明の仕事な? 俺は素直に想像するだけだからさ」
河西の言っていることに、三枝はうなってしまった。言われるとその通りだとうなずいてしまう。
なにしろ、4人の女性と同時に付き合っているほどだ。計算高くなければできない。
寂しさゆえに家庭の味が懐かしいと思っているとは考えにくかった。
「普段からそう言っていたのですか?」
紗川の問いに、爾志は頷いた。
「いつも、高価な品物より手作りの食事がいいって言ってるらしくて」
「それだ。高価な物より素朴な手作り。動物園で働こうって女の子は、真面目で優しいだけじゃなくて、母性本能も強そうだからさ。そういうところ、くすぐられると弱いんじゃないかな。全部計算づくの発言だと思うよ。ねえ、清明?」
「……その話の振り方に悪意を感じるのは僕だけか?」
「そんなことないって。天然タラシの清明からすると、どうなのかなあって思っただけ」
「推理をするうえで決めつけは危険だが、計算しているだろうという点については同感だ」
「しかし、あそこは公立の動物園ですか?」
「正しくは公益法人が運営しています。殆ど公務員みたいな感じですね。だから余計にそういうのは許されないんですよ。真面目で熱心な職員が必要な夜勤もできなくなっちゃうから」
「爾志君の言う通りですね。その高橋さん以外に、問題視されていた方はいらっしゃいますか?」
「カンガルー担当の鈴木さん、コアラ担当の浅見さん、事務員の藤木さんです」
「皆さん独身でしょうか」
「はい、20代から30代前半で、あわせて4名です」
「被害者は非常に魅力的な方だったようですね」
紗川の言葉に、爾志は「うーん」とうなった。
「確かにカッコいいとは思うけど、そこまで騒ぐこともないと思うんですよね。紗川先生のほうがよっぽどカッコいいと思いますよ。三枝から色々聞いててもそう思うし」
三枝はギョッとして爾志を見る。
「ありがとうございます、恐縮です」
紗川は控えめに微笑んで礼を述べた。言われ慣れているのがよくわかる。河西も顔をしかめていた。
「本気でいってるの、爾志くん? こいつさ、高校のころ、喫茶店でこうやって店員呼ぶような奴だったんだぞ?」
そう言って河西は足を汲み、片手をあげて指を鳴らすしぐさをした。
「パチン――『オーダーを頼みます』って」
キメ顔で三枝たちを見つめた後、足と姿勢を崩した河西はへらへら笑いだした。
「なあ、どうよ。この厨二っぷり。こんなことする高校生って嫌だろ」
「若気の至りだ」
「面白くなーい。そこはさ、テンション高いこと言おうよ。もっとホストごっこするとかさ」
「悪いなニシ。僕の見た目が悪くないのは昔からだ」
「うわ……サイテー。こいつ自分がカッコイイの分かっててかっこつけてるからホント、たち悪い」
「客観的事実だろう。それより、君は忘れているようだが、仕事中だ。爾志君の話を邪魔するのはよせ」
「ああ、そうだったそうだった、お前って、そういうやつだった。はい、どうぞ爾志君。どんどん話して?」
制服を着た高校生の紗川が、嫌味なほどカッコつけて指を鳴らしているのを想像してしまった三枝は、顔が引きつってしまった。
(同級生でそんなことをする奴がいたら、ドン引きするよ)
そう思いながらも、間違いなく似合うであろう仕草に、頭を抱えたくなった。
紗川は、やれやれと前髪を書き上げてけだるげにため息をついている。これも計算の上の仕草なのかと思うと、三枝こそため息をつきたくなった。
「こっちのニシをつるし上げるのはあとにするとして……爾志君」
突然呼ばれた西は、びくりと肩を揺らした。
「現場にいた人物を覚えている限り教えていただけますか?」
「はい。後は、俺の父親と、俺と……あと他の動物園の飼育員が2、3人かな……。勉強のために来たらしくて、獣医さんたちとずっと一緒でした。記録映像を撮ってる人もいました」
「その映像は……」
「お産のシーンしか映ってません。人の会話も入ってません。警察はそれを見てがっかりしてました」
「その方々の名前は分かりますか?」
「すみません、外部の人なので把握してません。でも、ずっと複数でいたのと、田中さんとは全く交流がなかったらしいです」
「わかりました。あとは……」
「あ、はい。俺と父親です。警察では、ほとんどの人が昼飯前に帰らせてもらえたんですけど、何人か、容疑者だって言われて残された人もいます」
「容疑者として残ったのは?」
「最後に会話したっていう理由で俺と、高橋さんと鈴木さんと浅見さんと藤木さんです」
「それは、被害者に好意を寄せていた女性でしたか」
紗川の視線が三枝に向いた。思考力、推察力が優れている代わりに、紗川は人の名前を覚えるのが苦手だ。
それを補うのが自分の役目だと三枝は思っている。
「ショートヘアの可愛い夜勤の人と、カンガルーの人と、コアラの人と、事務の人です」
三枝のサポートを、爾志は目を見開いて聞いていた。
「何て言い方するんだ、三枝」
呆れて目をまるくする爾志に、三枝は紗川のするように肩をすくめてみせた。
「しょうが無いよ。こういう言い方でないと先生の頭の中に入らないんだ」
「失礼に当たるかとは思いますが、覚えるためにご容赦ください」
紗川が申し訳なさそうに言ったので、逆に爾志は恐縮してしまった。
「いえ、そういう事なら俺も、その言い方に合わせます。あ、でも、田中さんは覚えましたよね?」
紗川が頷くと、爾志は「なら、田中さんだけ名前でいいですよね」と、了解を取った。
「えっと。四人は田中さんが好きだったみたいです。刑事の話だと、四人は田中さんを取り合って牽制し合ってるって感じだったみたいです」
「被害者は困っているようでしたか?」
「むしろ、田中さんはそれを面白がってるトコがあった気がします。俺、田中さんが死ぬ前に会ったんですけど、何か、嫌な男でした。カンガルーの人とコアラの人がキリンの所で喧嘩始めちゃったんですよ」
「手が出るような喧嘩を?」
「いえ、口喧嘩です。確認した訳じゃないですけど、俺の印象だと、田中さん、四マタかけてたような感じで」
「それは凄いですね」
「弄んでる感じがして、嫌いでした。死んだ人をこういうのは悪いとは思うけど、自業自得って思ってます」
爾志の気持ちは分からなくもないが、三枝は親友の意外な一面を見た気がした。
「事件のあった日って、クリスマスじゃないですか」
死体の発見が25日で、当直の夜だったという事は、彼らは24日の夜から泊まり込んでいたという事になる。
「四人は手作りのお菓子を用意していました」
「容疑者の女性からすれば、特別な日だからこそ一緒にいたいと思ったのでしょうね。それにしても4人とも手作りですか」
「田中さんは長いこと一人暮らしで、手作り料理が好きだって言ってたそうです。手作りのものが食べたいって」
「へえ、それは性格が想像できるね」
河西が口をはさんできた。今度は紗川もうなずく。
「え、どういうことですか?」
三枝の問いに答えたのは紗川ではなく河西だった。
「手作り料理が――ってさ、女を自分の部屋に連れ込む常套手段だからねえ。一人暮らしで家庭の味が懐かしくて、なんてさ。わかりやすすぎ」
「もちろん、違う可能性も考えているぞ?」
「それは清明の仕事な? 俺は素直に想像するだけだからさ」
河西の言っていることに、三枝はうなってしまった。言われるとその通りだとうなずいてしまう。
なにしろ、4人の女性と同時に付き合っているほどだ。計算高くなければできない。
寂しさゆえに家庭の味が懐かしいと思っているとは考えにくかった。
「普段からそう言っていたのですか?」
紗川の問いに、爾志は頷いた。
「いつも、高価な品物より手作りの食事がいいって言ってるらしくて」
「それだ。高価な物より素朴な手作り。動物園で働こうって女の子は、真面目で優しいだけじゃなくて、母性本能も強そうだからさ。そういうところ、くすぐられると弱いんじゃないかな。全部計算づくの発言だと思うよ。ねえ、清明?」
「……その話の振り方に悪意を感じるのは僕だけか?」
「そんなことないって。天然タラシの清明からすると、どうなのかなあって思っただけ」
「推理をするうえで決めつけは危険だが、計算しているだろうという点については同感だ」
0
あなたにおすすめの小説
熟女愛好家ユウスケの青春(熟女漁り)
MisakiNonagase
現代文学
高校まで勉強一筋で大学デビューをしたユウスケは家庭教師の教え子の母親と不倫交際するが、彼にとって彼女とが初の男女交際。そこでユウスケは自分が熟女好きだと自覚する。それからユウスケは戦略と実戦を重ねて、清潔感と聞き上手を武器にたくさんの熟女と付き合うことになるストーリーです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる