9 / 32
第9話 夢の終わり
しおりを挟む
小暮と志麻が肩を並べている。まるで初めから、監督と助監督であったかのようだ。本来の助監督は、志麻の物怖じしない態度とその提案力、提案内容の的確さや発想力に押され、早々に一歩引いてしまっていた。なにしろ小暮との相性が抜群なのだ。
「テスト終了。次、本番いくぞ~」
メガホンを取り、小暮が叫ぶ。ONAGAと雨歌はメイク直しに入り、いよいよ本番。時間的にも余裕はなく、雨も降らせるため、可能な限り一発で終わらせたいと願っていた。
「あいつ、くっつき過ぎだろうがっ」
イライラしながら真広が呟く。撮影現場に入るのは初めてだ。好奇心が掻き立てられる場面であることは間違いないのだが、目の前で芸能人を見る興奮より、雨歌が自分以外の男と抱き合う嫌悪感の方が何倍も強い。
「くそっ」
誰にも聞こえないよう、小声で毒を吐く。
雨歌はこれから先、こんな風に別世界で演技をするようになるのだろう。今日は免れたが、近い将来、誰かとキスシーンを演じることもあるはずだ。それを思うと、居ても立っても居られない気持ちになる。
「これは呑気に構えてる場合じゃなさそうだ」
決意を新たにする。なんとしてでも雨歌の心を手に入れたいし、誰にも渡す気はない。改めて脳裏に刻み付ける。
「なんで真広がここにいるの?」
メイク直しを終えた雨歌が、後ろから声を掛けてきた。真広は振り返り、
「俺のミューズがデビューする瞬間を見に来た」
と告げる。
雨歌は眉を寄せ、
「志麻先輩に呼ばれてホイホイ来たのね。真広、今日は練習じゃなかった?」
「夕方からだから問題ない」
「そう。ならいいけど」
真広は空手をやっている。大会が近く、雨歌はそのことを気にしているのだろう。気にかけてもらえたことで、真広は気分がよくなった。単純だ。
「今日の練習、見に来てくれる?」
「なんで私が」
「いてくれたら頑張れる」
「そんな子供みたいなことを……」
「いいだろ?」
可愛くお願いすると、雨歌が「ま、別にいいけど」と呟く。ただ、それは照れでもなんでもなく、本当にどっちでもいいのだということを真広は知っている。なんなら、空手をやっている真広を見て、それを餌にする勢いだ。雨歌にとっては、すべてが演技に直結している。見るもの、聞くもの、感じるものすべてが。
「そろそろ始まるから、行ってくる」
「俺のミューズ、最高の演技見せてくれよ」
そう言って微笑むと、雨歌が親指を突き出して見せた。
寂しいと嬉しいが、混在する。それでも自分は雨歌を全力で応援する。真広にとって雨歌は、どこまでも特別で、唯一無二の存在なのだから。
◇
雨の降る公園。
傘を差した女がゆっくりと歩いてくる。反対側から、男が歩いてきた。
すれ違いざま、女がふと何かを感じる。立ち止まり、歩き続ける男の姿を振り返る。知らない誰か。なのに、どうしてか目を奪われる。わからない。けれど目を離せない。気持ちが吸い込まれるような感覚。胸を抉られるような、切ない思いが湧き上がる。
すると、歩いていた男が足を止める。どうしてかはわからない。でも、立ち止まらずにはいられなかった。振り返る男。女と視線がぶつかる。
その瞬間、時が止まった。
いや、もしくは時が……動き始める――。
失くしていたはずの記憶が蘇る。女はそこにいるのが誰かを悟った。しかし男は……? まだ彼女には会っていないはずだ。それでも。
女が傘から手を離す。転がる、傘。さっきまで降っていた雨が止み始める。女は男を見つめる。懐かしそうに。愛おしそうに。男はそんな女を不思議そうに見返す。そして一瞬、二人の間を風が流れた。
「君は……」
言葉を発したのはシオン。そして声を聞いたあまねは、すべてを思い出し、シオンに向かってまっすぐと走り出す。
「君はっ」
走り寄るあまねを、シオンが抱き留めた。抱擁のあと体を離すと、見つめ合う二人。それまでの大人びたあまねの顔が、一瞬、少女のそれへと変わった。化粧をしたままなのに、明らかに幼く見えたのだ。
そのまま目を閉じ、二人が微笑みを浮かべ額を合わせた。まるで、思い出した記憶を分け合うかのように……。
二人の想いが交じり合い、そして、あまねの頬を一筋の涙が伝う――。
◇
「はい、オッケー!」
カチンコが鳴り、現実に戻る。ONAGAが大きく息を吐き出した。
なんだ、今のは? というのが正直なところだ。芝居の経験ならないわけじゃない。だが、今日の撮影は異次元だ。まるで自分が自分じゃなくなる感覚……。
「お疲れ! 二人とも、よかった!」
小暮が手を叩きながらそう口にすると、周りのスタッフからも拍手が上がる。
「お疲れさまでした」
雨歌がONAGAにぺこりと頭を下げた。
「あ、うん、お疲れ様……」
まだ現実に戻れずにいるONAGAが、困惑した表情を浮かべ、返す。
目の前の少女に、すべてを奪われた。そんな気分だった。
撮影が終われば、赤の他人だ。相手は素人。もうこれきり、二度と会えないかもしれないのだ。そう思うだけで、息が出来なくなる。
「あ、あのさっ」
背を向けようとする雨歌の手を、ONAGAが掴む。
「……なにか?」
「あ、いや、イチゴちゃん……よかったらその、連絡先を」
「イチゴ!」
話に割って入ってきたのは、真広。ONAGAの手を掴むと、そっと雨歌から引き離す。
「駄目ですよ、こいつは俺のミューズなんで」
キッパリとそう言い、雨歌の手を引く。
「おい、ちょっと!」
「芸能人が一般人に手を出したとか知れたらまずいだろ?」
真広が無表情のまま、告げる。ONAGAがグッと息を飲んだ。
「行こう」
真広はそのまま雨歌の手を取り、スタッフがいる方へと行ってしまった。残されたONAGAは、唇を噛み、そんな二人をただじっと見つめていた。
「何とか間に合いましたね」
志麻が時計を見ながら小暮に言った。
「いや、ほんと佐伯さんのおかげだよ! すごくいい画が撮れたし、時間的にも最短だったと思う。ONAGA君の拘束時間も、ここの撤収時間もギリギリの中、ここまでの映像が撮れたのは奇跡だっ。もちろんイチゴちゃんのおかげも大いにあるが」
「イチゴも私も貴重な体験をさせていただきました。憧れだった小暮監督とこうして肩並べてモニター見られるだなんて、夢のようです!」
志麻がそう言って頬を染めた。
「あ、イチゴちゃん!」
真広に連れられて雨歌が来たのに気付き、小暮が声を掛ける。
「イチゴちゃん、ほんっとうにありがとな!」
そう言って頭を下げる。雨歌は慌てて手を振る。
「いえ、とんでもないです。私の方こそ、素人の身分でこんな大役をさせていただき、ありがとうございました」
丁寧に頭を下げる。
「この後、予定は? もしよければオフィスに来るかい? 早速編集作業に掛かろうと思うんだけど」
小暮が志麻と雨歌を見て言った。志麻の目がギラリと輝く。
「本当ですかぁぁ! 私、行きます! イチゴの契約書も書かなきゃだし。……あ、でも残念ながら真広とイチゴはこのあと用があるんで、残念ながらここまでですね」
しれっとそう口にする。
「そうか、残念だな。でも仕方ない。じゃ、佐伯さんだけ一緒にロケバスでオフィスまで行こうか」
「はーい」
手を挙げ嬉しそうに返事をする志麻。それから雨歌に視線を移し、
「メイク落として着替えたら、真広と一緒に先帰ってね」
と言ってウインクをする。ここから先は裏方の仕事だ。雨歌はもうお役御免ということなのだろう。
「了解」
雨歌はそう言ってロケバスの方へと向かった。ONAGAがマネージャーと何か話しているのが遠くに見える。
「雨歌、行こう」
小さな声で真広が呟き、雨歌を促す。一刻も早くここを去りたい、という気持ちが駄々洩れている。
「俺、待ってるから支度してきて」
「うん」
急かされ、ロケバスへ向かう。化粧を落とし髪を無造作に束ねると、服を着替えいつもの冴えない風体の女の子に戻る。さっきまであまねだった自分は、もうどこにもいない。芝居とは、不思議なものだ。
スタッフに礼を述べ、バスを降りた。
「お帰り、俺のミューズ」
真広が微笑みで迎える。
「それ、やめてってば」
雨歌が軽く真広の腕を叩いた。
「テスト終了。次、本番いくぞ~」
メガホンを取り、小暮が叫ぶ。ONAGAと雨歌はメイク直しに入り、いよいよ本番。時間的にも余裕はなく、雨も降らせるため、可能な限り一発で終わらせたいと願っていた。
「あいつ、くっつき過ぎだろうがっ」
イライラしながら真広が呟く。撮影現場に入るのは初めてだ。好奇心が掻き立てられる場面であることは間違いないのだが、目の前で芸能人を見る興奮より、雨歌が自分以外の男と抱き合う嫌悪感の方が何倍も強い。
「くそっ」
誰にも聞こえないよう、小声で毒を吐く。
雨歌はこれから先、こんな風に別世界で演技をするようになるのだろう。今日は免れたが、近い将来、誰かとキスシーンを演じることもあるはずだ。それを思うと、居ても立っても居られない気持ちになる。
「これは呑気に構えてる場合じゃなさそうだ」
決意を新たにする。なんとしてでも雨歌の心を手に入れたいし、誰にも渡す気はない。改めて脳裏に刻み付ける。
「なんで真広がここにいるの?」
メイク直しを終えた雨歌が、後ろから声を掛けてきた。真広は振り返り、
「俺のミューズがデビューする瞬間を見に来た」
と告げる。
雨歌は眉を寄せ、
「志麻先輩に呼ばれてホイホイ来たのね。真広、今日は練習じゃなかった?」
「夕方からだから問題ない」
「そう。ならいいけど」
真広は空手をやっている。大会が近く、雨歌はそのことを気にしているのだろう。気にかけてもらえたことで、真広は気分がよくなった。単純だ。
「今日の練習、見に来てくれる?」
「なんで私が」
「いてくれたら頑張れる」
「そんな子供みたいなことを……」
「いいだろ?」
可愛くお願いすると、雨歌が「ま、別にいいけど」と呟く。ただ、それは照れでもなんでもなく、本当にどっちでもいいのだということを真広は知っている。なんなら、空手をやっている真広を見て、それを餌にする勢いだ。雨歌にとっては、すべてが演技に直結している。見るもの、聞くもの、感じるものすべてが。
「そろそろ始まるから、行ってくる」
「俺のミューズ、最高の演技見せてくれよ」
そう言って微笑むと、雨歌が親指を突き出して見せた。
寂しいと嬉しいが、混在する。それでも自分は雨歌を全力で応援する。真広にとって雨歌は、どこまでも特別で、唯一無二の存在なのだから。
◇
雨の降る公園。
傘を差した女がゆっくりと歩いてくる。反対側から、男が歩いてきた。
すれ違いざま、女がふと何かを感じる。立ち止まり、歩き続ける男の姿を振り返る。知らない誰か。なのに、どうしてか目を奪われる。わからない。けれど目を離せない。気持ちが吸い込まれるような感覚。胸を抉られるような、切ない思いが湧き上がる。
すると、歩いていた男が足を止める。どうしてかはわからない。でも、立ち止まらずにはいられなかった。振り返る男。女と視線がぶつかる。
その瞬間、時が止まった。
いや、もしくは時が……動き始める――。
失くしていたはずの記憶が蘇る。女はそこにいるのが誰かを悟った。しかし男は……? まだ彼女には会っていないはずだ。それでも。
女が傘から手を離す。転がる、傘。さっきまで降っていた雨が止み始める。女は男を見つめる。懐かしそうに。愛おしそうに。男はそんな女を不思議そうに見返す。そして一瞬、二人の間を風が流れた。
「君は……」
言葉を発したのはシオン。そして声を聞いたあまねは、すべてを思い出し、シオンに向かってまっすぐと走り出す。
「君はっ」
走り寄るあまねを、シオンが抱き留めた。抱擁のあと体を離すと、見つめ合う二人。それまでの大人びたあまねの顔が、一瞬、少女のそれへと変わった。化粧をしたままなのに、明らかに幼く見えたのだ。
そのまま目を閉じ、二人が微笑みを浮かべ額を合わせた。まるで、思い出した記憶を分け合うかのように……。
二人の想いが交じり合い、そして、あまねの頬を一筋の涙が伝う――。
◇
「はい、オッケー!」
カチンコが鳴り、現実に戻る。ONAGAが大きく息を吐き出した。
なんだ、今のは? というのが正直なところだ。芝居の経験ならないわけじゃない。だが、今日の撮影は異次元だ。まるで自分が自分じゃなくなる感覚……。
「お疲れ! 二人とも、よかった!」
小暮が手を叩きながらそう口にすると、周りのスタッフからも拍手が上がる。
「お疲れさまでした」
雨歌がONAGAにぺこりと頭を下げた。
「あ、うん、お疲れ様……」
まだ現実に戻れずにいるONAGAが、困惑した表情を浮かべ、返す。
目の前の少女に、すべてを奪われた。そんな気分だった。
撮影が終われば、赤の他人だ。相手は素人。もうこれきり、二度と会えないかもしれないのだ。そう思うだけで、息が出来なくなる。
「あ、あのさっ」
背を向けようとする雨歌の手を、ONAGAが掴む。
「……なにか?」
「あ、いや、イチゴちゃん……よかったらその、連絡先を」
「イチゴ!」
話に割って入ってきたのは、真広。ONAGAの手を掴むと、そっと雨歌から引き離す。
「駄目ですよ、こいつは俺のミューズなんで」
キッパリとそう言い、雨歌の手を引く。
「おい、ちょっと!」
「芸能人が一般人に手を出したとか知れたらまずいだろ?」
真広が無表情のまま、告げる。ONAGAがグッと息を飲んだ。
「行こう」
真広はそのまま雨歌の手を取り、スタッフがいる方へと行ってしまった。残されたONAGAは、唇を噛み、そんな二人をただじっと見つめていた。
「何とか間に合いましたね」
志麻が時計を見ながら小暮に言った。
「いや、ほんと佐伯さんのおかげだよ! すごくいい画が撮れたし、時間的にも最短だったと思う。ONAGA君の拘束時間も、ここの撤収時間もギリギリの中、ここまでの映像が撮れたのは奇跡だっ。もちろんイチゴちゃんのおかげも大いにあるが」
「イチゴも私も貴重な体験をさせていただきました。憧れだった小暮監督とこうして肩並べてモニター見られるだなんて、夢のようです!」
志麻がそう言って頬を染めた。
「あ、イチゴちゃん!」
真広に連れられて雨歌が来たのに気付き、小暮が声を掛ける。
「イチゴちゃん、ほんっとうにありがとな!」
そう言って頭を下げる。雨歌は慌てて手を振る。
「いえ、とんでもないです。私の方こそ、素人の身分でこんな大役をさせていただき、ありがとうございました」
丁寧に頭を下げる。
「この後、予定は? もしよければオフィスに来るかい? 早速編集作業に掛かろうと思うんだけど」
小暮が志麻と雨歌を見て言った。志麻の目がギラリと輝く。
「本当ですかぁぁ! 私、行きます! イチゴの契約書も書かなきゃだし。……あ、でも残念ながら真広とイチゴはこのあと用があるんで、残念ながらここまでですね」
しれっとそう口にする。
「そうか、残念だな。でも仕方ない。じゃ、佐伯さんだけ一緒にロケバスでオフィスまで行こうか」
「はーい」
手を挙げ嬉しそうに返事をする志麻。それから雨歌に視線を移し、
「メイク落として着替えたら、真広と一緒に先帰ってね」
と言ってウインクをする。ここから先は裏方の仕事だ。雨歌はもうお役御免ということなのだろう。
「了解」
雨歌はそう言ってロケバスの方へと向かった。ONAGAがマネージャーと何か話しているのが遠くに見える。
「雨歌、行こう」
小さな声で真広が呟き、雨歌を促す。一刻も早くここを去りたい、という気持ちが駄々洩れている。
「俺、待ってるから支度してきて」
「うん」
急かされ、ロケバスへ向かう。化粧を落とし髪を無造作に束ねると、服を着替えいつもの冴えない風体の女の子に戻る。さっきまであまねだった自分は、もうどこにもいない。芝居とは、不思議なものだ。
スタッフに礼を述べ、バスを降りた。
「お帰り、俺のミューズ」
真広が微笑みで迎える。
「それ、やめてってば」
雨歌が軽く真広の腕を叩いた。
90
あなたにおすすめの小説
異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる
七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。
だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。
そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。
唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。
優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。
穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。
――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。
異世界転移した元コンビニ店長は、獣人騎士様に嫁入りする夢は……見ない!
めがねあざらし
BL
過労死→異世界転移→体液ヒーラー⁈
社畜すぎて魂が擦り減っていたコンビニ店長・蓮は、女神の凡ミスで異世界送りに。
もらった能力は“全言語理解”と“回復力”!
……ただし、回復スキルの発動条件は「体液経由」です⁈
キスで癒す? 舐めて治す? そんなの変態じゃん!
出会ったのは、狼耳の超絶無骨な騎士・ロナルドと、豹耳騎士・ルース。
最初は“保護対象”だったのに、気づけば戦場の最前線⁈
攻めも受けも騒がしい異世界で、蓮の安眠と尊厳は守れるのか⁉
--------------------
※現在同時掲載中の「捨てられΩ、癒しの異能で獣人将軍に囲われてます!?」の元ネタです。出しちゃった!
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
🥕おしどり夫婦として12年間の結婚生活を過ごしてきたが一波乱あり、妻は夫を誰かに譲りたくなるのだった。
設楽理沙
ライト文芸
☘ 累計ポイント/ 180万pt 超えました。ありがとうございます。
―― 備忘録 ――
第8回ライト文芸大賞では大賞2位ではじまり2位で終了。 最高 57,392 pt
〃 24h/pt-1位ではじまり2位で終了。 最高 89,034 pt
◇ ◇ ◇ ◇
紳士的でいつだって私や私の両親にやさしくしてくれる
素敵な旦那さま・・だと思ってきたのに。
隠された夫の一面を知った日から、眞奈の苦悩が
始まる。
苦しくて、悲しくてもののすごく惨めで・・
消えてしまいたいと思う眞奈は小さな子供のように
大きな声で泣いた。
泣きながらも、よろけながらも、気がつけば
大地をしっかりと踏みしめていた。
そう、立ち止まってなんていられない。
☆-★-☆-★+☆-★-☆-★+☆-★-☆-★
2025.4.19☑~
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる