1 / 9
序章 ゲームスタート
運ゲー
しおりを挟むその日、その時間、日本中の空気が震えた。
国内で、世界で、初めて完成させた、夢の詰まった機械が、遂に完成したのだ。
『本日を以って、完全潜入型VRMMOゲーム、”ムーゲ・スデ”の完成を宣言します。先行販売は、抽選によって選ばれた1,000名様。発売開始は、**月**日に致します』
国民は、芸人は、社会人は、主婦は、いや、過半数の者が、その発表に震えたのだった。
この日の先行版の申し込みを覆すことは不可能だ、と宣言したお偉いさんもいる。
国民の、10分の9が申し込んだ計算になるのだった。
『このゲームは、我々が運に賭けたように、初期は全てが運によって決まる!!!どんな下手なプレイヤーも、運によって最強になれるのだ!!』
カチ、カチ、カチ、カチ
近くにある時計の針の音が聞こえ、緊張が高まる。
目元にある隈は、かなり濃くなってしまっているが、まあ大丈夫と信じよう。
ベッドに寝転がり、専用の機器を装着して、その時を待っている。
俺こと<三雲 練磨>の家は、両親ともに出張でほとんど家にはいない。
一年で一ヶ月も家にいれば、奇跡と考えられるほどの少なさだ。
その代わり、金とコネだけにはまったく困っていない。
恐らく、一生遊んで過ごしても使い切れない額が溜まっているだろう。
そんな俺が、コネを使用して買ったムーゲ・スデ。
親友とも呼べる<笠井 宗斗>とプレイするのが目的だ。
リリリリリリリリ!!!!
目覚まし時計が、運営の開始を告げた。
一度深呼吸をしてから、高揚感のままに、その起句を告げる。
「ログオン!!!」
一瞬にして視界がブラックアウトしていき、暗闇に落ちた。
「暗いな。そして、心無しか寒い。まあ、寒いのは現実の身体が冷えてる可能性もあるのか」
こんな状況でも、呑気に考えが出来るのは、流石親譲りの能天気さだ。
ふと、視界の隅に輝く光を見つけた。
別に、辺りを照らしている訳では無いようで、ただ輝いているように見える何かがあるのだ。
その何かが、どんどんと大きくなっていく。
やがて、俺の目前にやって来た時、それが起こった。
パアァァン!!
高い音を発して、爆散した。
散った粒子は、俺の身体に吸い込まれていく。
「これは………初期の能力が得られているのか?」
予備知識がまったく無いので、この状況も分からない。
そんな俺の目前に、一枚のパネルが現れた。
_______
初期ステータス
筋力値 100
俊敏値 100
知能値 100
魔力値 100
耐性 火、水、風、土、闇、光、雷、氷、毒、斬、突、打、
HP 1000
MP 3000
_______
そのパネルは暫く経つと消え、今度は別のものが現れる。
_______
初期装備
右手 神剣・デュランダル
左手 神剣・フェニックス
頭 神鎧・ソロモン
胴体 神鎧・ソロモン
足 神鎧・ソロモン
装飾品 無限収納
神装・ソロモン
_______
そしてまた、違うパネルが現れる。
_______
初期スキル
全能 LV1
↑全てのスキルを、そのLVで扱うことが出来る。しかし、LV制限の無い、__となっているスキルは強化されない。また、バッシブスキルに限っては限定的なものしか扱えない。尚、固有スキルならびに特殊スキルは取得されていない。
_______
_______
初期職業
神 LV1
↑全ての職業を併せ持つ職業。全てのステータスに補正が掛かり、全ての耐性をMAXにする。また、職業特有のスキルも使用出来る。
_______
最後の一枚のパネルが消失したと同時に、今度は別のパネルが現れた。
上部に表示される、『ステータス』という文字が赤色に点滅している。
_______
ステータス
LV 1
職業 神(1)
スキル 全能(1)
HP 1000
MP 3000
平均能力 100
装備 神鎧・ソロモン(全身) 神剣・デュランダル 神剣・フェニックス 無限収納
_______
酷く、長い時間が経った気がする。
視界右上に表示される時間は、未だ1分と経っていないと表示されているが、体感では1時間だ。
このステータスについて、長い間(1分)考えた。
とりあえず、最初に何をするかは決まったのだ。
気楽にいこう。
___
~ヘルプ~
バグですか?いじめですか?
~運営~
仕様です。おめでとう♪
____
まあ、開き直るという選択肢しかないようだが。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
19
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる