闇千夜の系譜・櫻花の理(ことわり)〜鬼は永久(とわ)に最愛の女を探し彷徨う〜

和刀 蓮葵

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※ 徹底的にお教えしましょう。間違えば・・・・・

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ごめんなさい
長くなるので分けます

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

「薫子?私の名前は?」
下がる顔の表情は一体、どんな表情?分かっている。からかいも、偽りもない、正真正銘何かを求めている獣の顔だ。
舌が張り付いて動かせない・・・・・いや、無理矢理にでも動かさないといけない。
「・・・・・・け、いご様・・・・・」
「「様」はいらないけど・・・・まぁ、いいですよ」
言ったのに、顔は下がることをやめない。そして、鼻と鼻がついてしまう。

朔耶は堪らず目をぎゅっと閉じてしまった。鼻先が擦れる。この後は・・・・・・
体が固まって動かない。まるで銅像になった気分だ。
けど、唇が塞がれる事はなく、火澄様の薄い唇は私の耳元で言葉を紡ぐ。
「もっと、名前を呼んで下さい。薫子?」
私の顎を持ち上げていた殿方らしい、節のある指はいつの間にかなくなり、代わりに私の髪の間に指を入れ頭を固定し、腰を抱き寄せ二人の体は密着してしまう。
膝においていた自分の手は、寝間着をきつく握り締める。何かに掴まらないと自分を保てない。

「圭吾様・・・・・圭吾様・・・・・・」
必死になって動かない口を動かす。相手が満足するまで名前を呼べば、この心臓に悪い時間は過ぎ去るのだろうか?
「上手ですよ・・・・・・・ねぇ、薫子?いや、朔耶様。何故、私はこんなにも貴女の事が気になるのでしょうね?」
褒めたと思えば、今度は質問。その質問は私が聞きたい質問でもある。
何故、火澄様は私に対して恋人のような、夫婦のような事をしてくるのだろう?
「わ、かりません・・・・・火澄様こそ、何故、私に対してこのような・・・・・・こ、恋人や、夫婦のような振る舞いを」「圭吾です」
「っ!・・・・・・圭吾様、なぜです。何故、私に対してこの様な振る舞いを!!」

相手も本名を言ったので自分も言ったのに、訂正される。仕方なく偽名で訂正して、聞きたいことを尋ねる。
沈黙が二人の間を漂う。部屋は静かで物音一つしない。聞こえるのは、朔耶の少し乱れた呼吸と、征一郎の規則正しい呼吸だけ。
その、沈黙を打ち壊したのは征一郎の静かな声だった。
「あれは、一目惚れと言えばいいんですかね?最初は友達の・・・・・・羽佐間気船の息子は私の友達の一人です。その、友に「壬生雀院家の当主が来るぞ」と言われたんです。興味本位でした。噂の真相を確かめたい・・・・・そんな事を思いながら。今、思えば浅墓で幼稚だと己を叱り飛ばしたいですよ。そして、響士郎殿と踊っている貴女を見た時に、何故、私は貴女の近くにいないんだ、その手を離してくれ、視線を交わすなと自分の心に焦燥感を、相手には殺意を覚えた」

朔耶を抱く腕が少しずつ、朔耶をきつく抱いていく。
「口元は微笑んでいるのに、瞳はとても物悲しい視線だった。一体、貴女は何を思い、そんな悲しい瞳をしているのか気になった。ダンスが終わったあとも視線は貴女を追った。そして、突然、気分が悪くなったのか外に出られましたよね?気になって後を追いかけたんです。そしたら貴女に乱暴を働く輩を見た時に、自然と体は動き貴女を助けていた。あの場に現れたのは偶然ではなかった。追いかけていたから助けられた」

あの時は私も終わりを悟った。自分の人生を呪った。けど、助けられた瞬間光が見えた。
「あの時は感謝しております・・・・・けど、なぜ、あ、あんな・・・・・」
感謝を告げ、その続きを言いたかったが、の記憶が一気に脳内を駆け巡り、言葉が最後まで言えない。
朔耶は赤くなった顔が更に赤くなる。耳や首まで赤くなっていった。
「それは、反省してます。ですが、後悔はしてません。あの時はするのが妥当でした。と確かめたい事もあったので・・・・・・・けど、そのおかげで私は自分の気持ちに蓋をすることなく、包み隠さず打ち明けられる」

朔耶を抱き締めていた腕が弱くなり、二人の密着はなくなっていく。
征一郎の手は移動して、朔耶の両肩を軽く掴み、少しだけ体を引き離す。
「この気持ちを打ち明けるなら、「好いている」なんて簡単な言葉では言い表せない程の気持ちです。閉じ込めて、昼夜、私だけを見て欲しい。私だけに微笑んで、言葉を紡いで欲しい・・・・・実際はしませんけどね?それ程、貴女の事が狂おしいほど・・・・・・・」

言葉が止まる。征一郎は朔耶の顔をまじまじと見つめてくる。狂気と正気の間を漂う瞳は、人の道に外れないように必死に踏ん張っている様にも見える。
ここで、踏み外したら本当にやりかねないぐらいの雰囲気に、朔耶は唾を飲み込む。
あやかしと対峙する時とは違う緊張感が生まれる。背中に一つ汗が伝い落ちるのが分かる。
「ひず・・・・圭吾さ、ま?」
名前を呼ぼうとしたが、慌てて訂正した。今は「薫子」と「圭吾」と名前を呼び合う時だ。

「狂おしいほど・・・・・・」
立ち止まった言葉を再び告げる。けど、やはりそこで止まる。その続きをは一体、何を言いたいの?
朔耶は征一郎の目を見る。体は緊張しすぎなのか動かない、いや、動かせない。
動かしたらいけないような雰囲気があるからだ。

肩に置いた手が朔耶の両方の頬をそっと包み込む。優しい、慈しむような手つきなのに、それのせいで顔を逸らすことも、動かすことも出来ない。
「け、いごさま・・・・・・!!ん、ん゛ん~~!!」
朔耶は何故か不安になって、名前を呼ぶ。呼び終えたと同時に、急激に近づいた征一郎の顔が動かせない朔耶の顔の前に来たと思ったら、朔耶の唇は荒々しく塞がれた。

名前を呼んで僅かに空いた唇に、遠慮など知らない肉厚の舌が我が物顔で入り込む。
朔耶の舌を絡め、転がしていく。弄ばれて、いつまで続くのだろうかと思ったら、今度は口内を蹂躙する。硬口蓋、歯裏、舌裏、歯列を知らない別の生き物のように動く舌が怖い。

口の中を這いずる感覚に震える。唇を塞がれた時から、朔耶は目を閉じていたが更に眉間が寄り、目をぎゅっと瞑る。堪えきれず征一郎の羽織の衿を縋るように握り締める。
息の仕方なんて知らない朔耶は、呼吸を止めていたが、段々と苦しくなり衿を握っていた手が激しく震え出す。
征一郎は朔耶が息をしていないことをやっと分かり、慌て唇を離す。
苦しいし、体がしっかりと支えられなくて朔耶は、征一郎の胸に倒れ込む。
肩で激しく息をし、何とかして息を整えている朔耶は気づくのが遅れた。肩を抱き、膝の裏から腕を差し込まれ、軽々しく抱き上げられて先程まで座っていたベットに横たわっているのを。
気づいた時には視線は天井の方を向いていたが、見えるのは天井ではなく、征一郎の顔。
それも、光を背にしているせいで顔の表情はきちんと見えない。
分かるのは、獣のように研ぎ澄まされた瞳だけ。
「続けましょう。確実に、間違っても本名を言わないようにする為に・・・・・・ねぇ、薫子?」



「ん、んんっ!!━━━━━━━ん゛!」
クチュ、クチュと粘ついた水音が、朔耶と征一郎の繋がった口同士から漏れ出す。
逃げたいのに、逃げ出せない。八方塞がりもいいところだ。ベットに横たわっているせいで、真上から覆いかぶさり、朔耶の体を己の屈強な体格で隠す。
征一郎は両方の前腕を朔耶の顔を挟み込み、手を使い頭を固定する。動かせなくなった顔は、征一郎にとっては格好の餌でしかない。

『接吻の時の息は鼻でするんですよ』
朔耶に優しく教えた征一郎は、まるで復習させるように朔耶の唇を塞ぎ、舌を捩じ込み、くまなく動かす。
満足に息も出来なくて、頭も少しずつ考える事が難しくなっていく。でも、肺は空気を求めている。このまま窒息死をしてしまうのではないかと、不安な気持ちが強くなり、朔耶は教えられた通りに鼻で何とか息をする。
それでも肺に満足に空気を運べなくて苦しい。

頭は固定され動かせない。体も覆われて逃げ出せない。唯一動かせる手袋をした手を使い押し退けようと試みるが、体格もさることながら、息も満足にできない接吻のせいで力なんて上手く入らない。
「ん゛、ん゛ぅぅ・・・・・ごくん、んん!━━━━━━ンぅ!!」
溜まる唾液が苦しくて飲み込む。自分だけの唾液ではない事は十分に理解している。それでも飲み込まないと苦しかった。けど、不思議と嫌悪感は生まれない。それが当たり前の事だと、脳の何処か教えてくれる。

唾を飲み込んだありから、火澄様の舌が更に激しくなる。舌を絡めたと思ったら、突然、舌を吸われる。一気に背中がぞくぞくとして堪らず背中を仰け反らす。
「ハァ━━━ハァ━━━ハァ━━━」
やっと、唇が離れていく。相変わらず顔は固定されているが、そんな事関係ない。

朔耶は息を体全体を使いする。肺に酸素を取り入れる行為を征一郎は見下ろす。その表情は妖しく、恍惚とした表情にも似ている。
大きな呼吸を繰り返す朔耶の首筋に顔を近づけ、征一郎は朔耶の口内を蹂躙していた舌を今度は首筋に這わす。

「!!やぁ!も、う、ゆるして・・・・・・」
征一郎の髪が頬に当たる。少し興奮しているのか多少荒い息が首筋にあたる。そして、滑って、温かくて、柔らかい舌があたる。
肌をぞわぞわさせる感覚に朔耶は飛び跳ねる。それだけでも体温は上がるのに、頭を固定していた手はいつの間にか羽織の紐を解き、寝間着の衿の合わせをくつろげ、豊満とは程遠い、小ぶりな胸をその大きな手ですっぽりと覆っていた。

舌が優しく這いずり、時には甘く噛む。胸を隠すように掴んだ手は、やわやわと動き胸を揉む。
堪えられず朔耶は、押し退けようとしていた手で征一郎の寝間着を掴んでしまった。
「圭吾様!け、いごさま・・・・・堪忍で、す・・・・・どうかもう、や、めてぇ・・・・・・」
朔耶はやめて欲しくて何度も名前を呼ぶ。なのに、当の征一郎からは返事も何もない。それどころか返事の代わりなのか、胸を揉む手が一段と強くなる。

「薫子は誰かに閨の事を教えてもらいましたか?」
突然の言葉に、朔耶は体が固まってしまう。
「閨」と聞いたが間違いないだろうか?閨・・・閨とは・・・・・
「教えてもらったことなどありません!!」
口に出すのも恥ずかし過ぎる。元々、あまり勉強も呪術も教えてもらえなかったが、閨事なんて・・・・東雲からも教えてもらってない!

余りにも恥ずかし過ぎる言葉に、征一郎からされていた行為を忘れてしまいそうになりながら、しどろもどろになり征一郎を見てしまう。
けど、征一郎は朔耶の言葉や口調、焦る表情を見て、本当に知らない事を確かめる。
「そうですか・・・・・なら、私が教えて差し上げますよ。まずは、気持ちに素直になる事」
潤んだ瞳で見つめる朔耶と目が合う。征一郎は笑いながら話す。だが、手は相変わらず胸を揉んでいる。

「ん!圭吾様!!」
「声を我慢したり、気持ちを我慢したりするのはいけない事なんですよ?言葉も同じで「嫌」や「駄目」は使ってはいけませんよ」
征一郎の言葉に朔耶は絶句する。そんなに厳しい決まり事があるなんて知らなかった・・・・・・
なら、私は今まで火澄様に無礼を働いていた事になるの?
「・・・・私は無礼を働いていたのですか?」
申し訳ない顔になった朔耶に征一郎は、笑って顔を左右に振る。
「良いのですよ・・・・・誰からも教わってなかったのですから。今から私がお教えしますから、安心して?」
優しく微笑む征一郎に朔耶は安堵する。状況的には征一郎に襲われかけている朔耶にしか見えない。けど、言葉巧みに誘導し朔耶をその気にさせた事に、征一郎は事を運び心の中で笑った。

心では笑いながらも、顔は真剣になり再び朔耶の体に舌を這わせる。鎖骨の窪みを舐め、出ている骨を伝い、胸の膨らみまでやってくる。
朔耶は堪えきれず征一郎の肩を掴んでしまう。
「圭吾、さま・・・・・・擽ったいです・・・・」
「大丈夫ですよ?もっと自分に素直になりましょう?」
征一郎はそう伝えると、舌で胸の頂を舐めあげる
「ぃっ!!火澄様!!」
小ぶりな胸の膨らみを下から持ち上げ、既に尖が固くなり始めている粒を舐めやすいようにする。

「薫子?今は「圭吾」ですよ?」
「ああぁぁ!!な、めない、でぇ!!」
舌のザラザラとした感覚が胸の頂点を掠める度に、何とも言えない感覚が震える。堪えきれず背中が仰け反る。
間違えて「火澄様」と呼んだことが、いけないことだと知らしめるように舌の動きが早くなる。

舌を尖らせ先だけでチロチロと粒を舐める。時には押さえつけながら、震えるように動かしたり、尖の周りを舐め回す。その度に朔耶の体がビクッ、ビクッと震える。肩に置いた手は堪えたいのか縋りたいのか、きつく握り締められている。
肌が粟立ち、腰が引ける。背中はベットから離れ緩い弧を描く。その分、頭とお尻は押し付け釣り合いを取る。
征一郎から与えられる行為に、お腹の奥に熱がたまる。信じがたい事に股の割れ目が濡れ始め、朔耶は驚く。こんな状況で自分は粗相をしたのかと愕然としてしまう。

「あ・・・・・・っ、ん、んん!」
「駄目」「嫌」が使用してはならない言葉なら、一体、何を言えば分からなくて言葉にならない単語しか出てこない。
片方は舐められ、片方は武人らしいマメのあるごつごつとした大きな手が揉む。
寒いときでもないのに、固くなった粒がマメに当たるたびに、変な感覚がそこから生まれる。それが背中に伝わり、背中はそんな感覚を逃がしたいのか仰け反ってしまう。
「け、いごさま!!私は、んん!!なに、を、言えば、ああっ!!いいのぉ!!」
自分でも何を言っているのかよく分からない。考えたいのに頭が白くなり始めている。霞がかってきている思考は深く考える事が難しい。
「ん?何とは何を?」
言葉の合間に桜色から赤くなった尖りを舐める征一郎に、朔耶は濡れた瞳を向ける。
「ん、駄目や・・・・・っん、い、やぁの言葉のぉ!あ、んああ!代わりに!!」

必死になって朔耶は言葉を紡ぐ。何とか言い切った事に安堵したが、その安堵はすぐに掻き消される。
「ぃ、ん!あ゛ああぁぁ━━━━━━━!!」
舐めているだけだったのに、突然、口いっぱいに咥えて、じゅぅ~~と吸い始めた。それは揉んでいる手も同じで、揉んでいただけなのに、掴みやすくなった尖を親指と人差し指の腹同士できゅっと摘み、くりくりとこよりを作るように擦り合わせる。
同時に異なる刺激は、間違いなく朔耶を追い詰める刺激で間違いない。刺激は朔耶を確実に追い詰める。そして、とどめの様に与えられたものは、朔耶の頭と心を真っ白にするには十分だった。

「否定の言葉の代わりは肯定です。「もっと」や「いい」と言えばいいのですよ。そうすれば私は嬉しくなります・・・・・言って?」
再び征一郎は頂を吸い始める。吸われながら舌先でくにくにと弄ばれてしまう。
時々当たる歯が、ぞわぞわとした感覚になる。けど、これが嫌かと聞かれたらよく分からない。背中は仰け反るけど・・・・・
「ん、あぁ・・・・はぁ、い、いの・・・・・よい、ですぅ・・・・・」
息継ぎの合間に、体の奥から湧き上がる歓喜の合間に、朔耶は何とかして征一郎から教えられた言葉を言う。
「その調子です。上手ですよ薫子」
褒められることにあまり慣れてないせいで、恥ずかしい。むず痒い、こそばゆいそんな気持ちになる。

朔耶の辿々しい言葉に征一郎は称賛の言葉を言う。すると、恥ずかしいのか更に顔を赤くする朔耶を見て、征一郎は朔耶が身につけている腰巻の紐を解き始める。
「!!圭吾様っ!!それだけは堪忍して下さい!粗相を・・・・・駄目です!!」
蕩けた目をしていた朔耶の目が一瞬で覚醒する。
腰巻を取られたら残るのは裸の自分しかない。
傷だらけ、火傷だらけの体を見せるのは嫌としか言えない。それも、火澄様だけには見られたくない・・・・
朔耶は体を摺り動かし逃げようとしてしまった。
けど、体の動きは機敏とは言えない。そんなゆっくりな動き、征一郎にとっては造作もない。

「大丈夫です。それに、粗相ではないので安心して下さい。あぁ、そうそう、薫子?手の置く場所も一定の決まりがあるのですよ?手は・・・・・ここです。押しのけたりするのはいけない事ですよ?」
そんな決まり事なんてない。けど、征一郎は朔耶の何も知らない、初心な気持ちを自分のいいように支配する。
征一郎は朔耶の押しのけようとしていた手袋をしている手首を握り、横たわる朔耶の横に押し付ける。
すると案の定、朔耶は目を大きく見開き「ごめんなさい・・・・・」と悲しそうな顔をする。

邪魔をしていた手がなくなると、征一郎は腰巻を脱がしてしまう。ついでに解けかけている帯も抜き取り、ただ、着物と羽織をはおり、前を開けさせた状態の朔耶を前にして、自分が恐ろしく興奮しているのがすぐに分かる。
激しく呼吸を繰り出す胸や、腹が上下に揺れる。それだけで欲望を煽られる。
白い肌は新雪のように白い。けど、その肌に消えることのない傷や火傷が目につく。古傷は肌と一体化しているが、引き攣り盛り上がり、その部分だけ肌の色と違う。それは火傷の跡も同じ。
腹辺りの傷跡に手を置くと優しく撫で回す。けど、その手はだんだんと下にさがり、黒い和毛辺りまで下がる。

朔耶は征一郎の動きをただ見つめるしかないなかった。
手の置き場所にも決まりがあることなんて知らず、火澄様に指摘され直される。
けど、あまりにも恥ずかしくてシーツを握り締める。皺が出来てしまう事に抵抗があるが、気持ちを紛らわせる為に致し方ないと割り切る。
「あ・・・・ん、ん!」
足を閉じたいのに、足の合間に火澄様がいるせいで閉じられない。そのせいで腰巻も帯も抜き取られてしまう。開けた肌を見られ堪えきれず顔を背けた。

正直、私の肌は綺麗なものではない。火傷、古傷が着物で見えない部分にある。一つ二つならまだしも、数えるのも辛いほど多くある。
そんな体を見られて恥ずかしい。恥ずかしすぎて体を少しでも火澄様の視線から避けようとする。
けど、突然、お腹辺りに火澄様の手が置かれ、優しく、ゆっくりと撫でられる。
あまりにも驚いて自分の動きが止まってしまう。
「あ、圭吾さ、ま・・・・・・」
その手は撫でながら下にさがる。そして、人には見せることなどない和毛辺りまで来ると、あろう事かその和毛を指でくるくると、巻き取るように撫でていく。

信じられなくて朔耶は叫んでしまった。
「火澄殿!!もう、お許しください!!も、う・・・・・」
言葉が出てこない。涙が止まらない。涙で霞んでしまう。閨での決まり事がなければ、手で顔を覆うのに。それさえも叶わないなんて・・・・・
「・・・・・・粗相の事を気にしているのですか?なら、大丈夫です。股の間が濡れているのは粗相ではなく気持ちよくなっている証拠です。閨では大事なこと・・・・・あと、私は「圭吾」です。忘れないで「薫子」?」
「っああぁぁ!!」
和毛で遊んでいた指が、朔耶の言い間違いを叱るように、蜜で濡れた微肉を数度撫あげる。

一つの雷鳴が落ちたような、びりびりとした感覚が触られたところに生まれる。その雷鳴は体全体に生き渡り朔耶の背中を仰け反らせる。
「け、いごさまぁ・・・・・」
はぁ、はぁと、息を吐きながら征一郎の偽名を呼ぶ。
すると、征一郎は朔耶の微肉を撫であげた指の腹同士を付けたり、離したりする動作を朔耶の目の前でする。
離した指の腹には透明な糸が、架け橋のように掛かる。
ソレを見せつけられて朔耶は恥ずかしくなり、居た堪れなくなり、涙が溢れてくる。

「これは、薫子が気持ちよくなった証。粗相ならこんな事にはならないよ。だから安心して?でも、もっと気持ちよくなって、沢山、蜜を流さないとが辛いからね?今日は、いつかは、ね?今日は薫子が気持ちよくなることと、名前を間違わないこと。けど、既に何度か間違っているから、今から徹底的に教えるから・・・・・間違ったらその都度お仕置きするよ?」

朔耶は目を逸らさず、征一郎の指を見つめ、そして、指の向こう側の征一郎を見た。
嗜虐的な目をした征一郎に動悸が乱れる。落ち着かせる為に、息を沢山吐いて身体で呼吸しているのに、全然、落ち着かない。それどころか余計に荒くなる。
獣のように鋭い目は、家に飼われた猫や犬のように人間に慣れ、牙の抜けた獣の目ではない。
餌に飢え、狩りをする獰猛な獣そのものの目だ。なのに、その餌を嬲ろうと嗜虐的な目にも見える。

シーツを掴む手が一段と強くなる。自分でも分かるぐらい息が乱れる。
「け、いご、さ、ま・・・・」
分からない・・・・・閨の事など一切分からないからこの後、何があるのかも分からないし、自分がどうなるかも分からない。
火澄様に言われた通りにするしか方法はない。

怖い・・・・・・
朔耶は唾を一つ飲み込んだ。それが合図だったのか、征一郎は獰猛な目をしたまま口を僅かに持ち上げた。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

何も知らない朔耶様を教え込むなんて・・・・
ある意味、えげつないよ征一郎

知らないから、「こうだよ~」と言われたら素直に応じる朔耶様。
いや、違うって!!と片手ツッコミを入れつつ、まぁ、いいか!で楽しくなってきている私・・・・一番の原因は私か・・・・・・(笑)

さて、この後どうなるのかは、征一郎がどこまで教育したいのか次第なのでお付き合い下さい。
アヤツの教育はどこまでも、ひん曲がった教育しかしないので、そこも楽しんで下さい

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