10 / 325
9
しおりを挟む
「相澤中将、特に何もなければ私達は次に行きたいのですが?」
「まー待てや。夜神のターゲットペーパーを見てからでも遅くないだろう」
笑いながら、夜神が先程撃っていた的を見る。全部ど真ん中を見事に撃ち抜いている。
「相変わらず可愛げのない結果だな」
ヒラヒラと紙を動かしながら、苦笑いで言ってくる
(全部ど真ん中とか信じられない。それに的、動いてたよな!片手でドンドン撃ってなんで当たるの?信じられないんですけど!!)
庵は目の前で、教官と笑いながら話している夜神を見ながら心のなかで、誰にも聞こえないが大声で思っていたことを叫んでいた。
周りの学生も何だか、これは幻?えっ現実ですか?な顔をしているような気がする。
「お前さんには教える事はあまりねーな。つまらんな」
「でも、ライフルとかはあまり使用したことないから、その時は宜しくお願いしますね。教・官・様」
「その時は宜しくしてやるよ~」
微笑みながら、やり取りをしていた夜神が、庵を見てニッコリとして話しかけてきた
「庵君。何か質問とかあればドンドン聞くといいよ。ここの主、射撃教官様だからさ」
突然話を振られてしまい、質問とか考えてなかったので慌ててしまい
「えーっと・・・・すみません。質問が今は見当たりません。また、わからないことが出てきたら教官色々と教えて下さい」
当たり障りのない答えを言ってしまったと思う。あまりにも正確な射撃に関心がいってしまい、質問したいことが頭の中に浮かばなかった
質問が見当たらないとか、大丈夫なのかな?なんか相澤中将が持っている紙を凄い目で見ているけど、別に珍しくもなんともないものなのに。
夜神は少し眉間にシワを寄せて、庵の答えに納得いかなかったが、初日なのであまり強く言わないでおこうと思った。今まで教育係を経験していた者達から話を聞いていると、初日から厳しくするとダメらしい。最初が肝心みたいだ。
相澤中将も笑顔で「そ~か~。何かあればドンドン聞いてくれよ~」と言っているし私からは特に言わないでおこう。最初が肝心。うん、最初が肝心。
まるで、まじないのように二回も心に言い聞かせ、再び微笑みをつくり
「特に質問もないなら、次に剣術を見たいから剣道場に行こうか?見ての通り私の持っている武器は日本刀だから覚悟していてね」
夜神は帯刀している、日本刀の柄に手を置いて微笑んで庵を見た。
「はい。宜しくお願いします」
その微笑みながら柄に手を置くとか、本気で怖いんですが。俺は生きてることができるのだろうか?
夜神の持っている武器は二本の日本刀。「双剣の舞姫」などと言われるのだから、きっと二刀流なのだろう。剣道は習ったが、二刀流相手は分からない。未知の相手だ。多分、打ち合いをすることになると思うが、体がもつのだろうか?本気で怖い。
射撃において、庵君はいい成績を残している。動かないものならば。動くもの、そして剣術・体術など相手と手合わせをするときに、咄嗟の判断力が必要になるものはとても弱い。
学生が見るものでなく、私達が共有するいわば内申書には判断力が弱いと書かれていた。
経験的なものもあるので一概には言えないが、判断力は戦闘において大切な「生き抜く」事への必要な一つでもある。
さて、これを鍛えるには、手合わせしかないかな。打ち合いで五分持てばいいけど、この様子では無理だろう。ただ、そんな悠長な事は言ってられない。前期テストで五位以内に結果を残してもらわないと、次に進めない。庵君は早い段階で「高位クラス武器」を所有してもらう。私の感が何故かうるさい程に、彼に所有してもらえと囁いている。
「それでは、教官またご指導のほど宜しくお願い致します。庵君、次は剣道場に行こうか」
敬礼を相澤中将にすると、庵も慌てて敬礼をして、夜神の後ろに続いた。
「庵学生、今度は俺が指導してやるからな~宜しく!!━━━夜神のやつ何をそんなに焦っているんだ?何もなければいいが、心配だなぁー。俺の感て意外とあたるんだよなぁー」
夜神達が消えた扉を見ながら相澤は呟いた。誰にも聞かれない声で
「まー待てや。夜神のターゲットペーパーを見てからでも遅くないだろう」
笑いながら、夜神が先程撃っていた的を見る。全部ど真ん中を見事に撃ち抜いている。
「相変わらず可愛げのない結果だな」
ヒラヒラと紙を動かしながら、苦笑いで言ってくる
(全部ど真ん中とか信じられない。それに的、動いてたよな!片手でドンドン撃ってなんで当たるの?信じられないんですけど!!)
庵は目の前で、教官と笑いながら話している夜神を見ながら心のなかで、誰にも聞こえないが大声で思っていたことを叫んでいた。
周りの学生も何だか、これは幻?えっ現実ですか?な顔をしているような気がする。
「お前さんには教える事はあまりねーな。つまらんな」
「でも、ライフルとかはあまり使用したことないから、その時は宜しくお願いしますね。教・官・様」
「その時は宜しくしてやるよ~」
微笑みながら、やり取りをしていた夜神が、庵を見てニッコリとして話しかけてきた
「庵君。何か質問とかあればドンドン聞くといいよ。ここの主、射撃教官様だからさ」
突然話を振られてしまい、質問とか考えてなかったので慌ててしまい
「えーっと・・・・すみません。質問が今は見当たりません。また、わからないことが出てきたら教官色々と教えて下さい」
当たり障りのない答えを言ってしまったと思う。あまりにも正確な射撃に関心がいってしまい、質問したいことが頭の中に浮かばなかった
質問が見当たらないとか、大丈夫なのかな?なんか相澤中将が持っている紙を凄い目で見ているけど、別に珍しくもなんともないものなのに。
夜神は少し眉間にシワを寄せて、庵の答えに納得いかなかったが、初日なのであまり強く言わないでおこうと思った。今まで教育係を経験していた者達から話を聞いていると、初日から厳しくするとダメらしい。最初が肝心みたいだ。
相澤中将も笑顔で「そ~か~。何かあればドンドン聞いてくれよ~」と言っているし私からは特に言わないでおこう。最初が肝心。うん、最初が肝心。
まるで、まじないのように二回も心に言い聞かせ、再び微笑みをつくり
「特に質問もないなら、次に剣術を見たいから剣道場に行こうか?見ての通り私の持っている武器は日本刀だから覚悟していてね」
夜神は帯刀している、日本刀の柄に手を置いて微笑んで庵を見た。
「はい。宜しくお願いします」
その微笑みながら柄に手を置くとか、本気で怖いんですが。俺は生きてることができるのだろうか?
夜神の持っている武器は二本の日本刀。「双剣の舞姫」などと言われるのだから、きっと二刀流なのだろう。剣道は習ったが、二刀流相手は分からない。未知の相手だ。多分、打ち合いをすることになると思うが、体がもつのだろうか?本気で怖い。
射撃において、庵君はいい成績を残している。動かないものならば。動くもの、そして剣術・体術など相手と手合わせをするときに、咄嗟の判断力が必要になるものはとても弱い。
学生が見るものでなく、私達が共有するいわば内申書には判断力が弱いと書かれていた。
経験的なものもあるので一概には言えないが、判断力は戦闘において大切な「生き抜く」事への必要な一つでもある。
さて、これを鍛えるには、手合わせしかないかな。打ち合いで五分持てばいいけど、この様子では無理だろう。ただ、そんな悠長な事は言ってられない。前期テストで五位以内に結果を残してもらわないと、次に進めない。庵君は早い段階で「高位クラス武器」を所有してもらう。私の感が何故かうるさい程に、彼に所有してもらえと囁いている。
「それでは、教官またご指導のほど宜しくお願い致します。庵君、次は剣道場に行こうか」
敬礼を相澤中将にすると、庵も慌てて敬礼をして、夜神の後ろに続いた。
「庵学生、今度は俺が指導してやるからな~宜しく!!━━━夜神のやつ何をそんなに焦っているんだ?何もなければいいが、心配だなぁー。俺の感て意外とあたるんだよなぁー」
夜神達が消えた扉を見ながら相澤は呟いた。誰にも聞かれない声で
0
あなたにおすすめの小説
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる