9 / 325
8
しおりを挟む
・・・・色々と視線がすごいわね。こうなることは予測はしていたけど、あからさまに見られると不愉快だわ。
元々、自分の瞳の色でも色々見られてきたが、今回は相手がいての目線だ。
自分一人だけなら何とも思わないが、相手が学生なのだからもう少し大人な対応をすればいいのに。
夜神は顔には出さなかったが、不愉快だと心の中で思っていた。顔に出せば隣で悩んでいる庵まで不安にさせてしまうだろう。ならば自分は何も思ってない、態度と表情で対応するのが一番の安心材料になるのだから。
心のなかでは色々と見てくる相手に毒を吐きながらも、表情は穏やかにすることを心掛け、射撃訓練場に着くと受付を済ませて、庵に微笑みながら受付で渡された銃を渡す。
「私は後ろから見てるから、学校で学んだ通りに撃ってみて。的に当てようとか思わず、基礎通りにすることを意識してね」
「はい。分かりました」
夜神は準備する庵の後ろに立って、一連の動作を観察しながら射撃を見ていく。何発か撃たせてターゲットペーパーを見る。
緊張もあるのだろう。中心から外れているが人形のターゲットペーパーにはしっかりと穴が空いている。動作も基本的出来ている。後は緊張をなくして何処まで出来るのが気になる所だ。
「今度は違うターゲットペーパーを出すね。心臓と頭部をそれぞれ狙ってみて」
人間でも、吸血鬼でも確実に死をもたらす急所だ。
夜神の指示で、庵はその言われた二箇所に狙いを定めて撃つ。だが頭部は撃ち抜いたが、心臓は大幅にずれていた。
「緊張してる?確かに緊張も大事だけど、緊張しすぎて肩に余計な力が入っているのが分かるよ。もう少しリラックスしないと」
私後ろにいないほうがいいのかな?ガチガチな肩のうえ、余計な力が入っているのが分かる。
基本は出来てるのだから、もう少し自信を持っても良いのに、意外と出来ている部類には入っているのだから。
両手でしっかりと狙いを定めて、撃っている庵を見て夜神は微笑みを忘れず、だが目だけは冷静にして見ている。
何発か撃たせて、庵にストップをかけて、今まで撃たせたターゲットペーパーを見る。少しずつではあるが中心寄りになってきている。
「銃に関しては練習あるのみね。後は実践になったとき、何処まで冷静に対応して、確実に仕留めることが出来るのかが大切だからね。庵君は技術・精神・身体・戦略・武具の五要素のうち技術・精神・身体が低から、そこを底上げしていくことを重点的に進めていきましょう」
「はい。分かりました。あの、もしよければなのですが中佐が撃っている所を見させて頂く事はできますか?」
何か手厳しい事を言われるのかと、少しビクビクしていたが、あまり言われることもなく今後の課題を言われて少し安堵した。
それと同時に軍のトップクラスの人は、どのくらいの腕前があるのかと興味が出てきた。
「普段の中佐はどのような訓練をしているのか、参考までに見させて頂きたいと思ってしまって。すみません。無理なら大丈夫です」
純粋に気になる。「最強」などと言われる人が眼の前に居るのだから見てみたい。無理なら仕方ないが、もし見られるのなら、見てみたい。
「うーん。別にいいけど、参考になるのかは分からないけど、私で良ければ」
そう言って、庵と場所を代わり、手元のボタンで的の操作をする。すると的は動く的に代わり、夜神は庵から渡された銃のマガジンを新しくして、片手でドンドン撃っていく。マガジンが空になれば、すぐさまマガジンを新しくして撃つ。撃ち尽くして、手元のボタンを操作して射撃を終わらせて夜神は庵の顔を見た。
ものすごくびっくりな顔でこちらを見ているのだ。
私、何か変なことしたかな?普段通りにしたのだけど。そこまで驚くことないのに。あれ?周りに居る大学生も何かびっくりな顔で見ている。
「夜神ー!いきなり片手でドンドン撃っていれば、周りの人間、特に大学生はびっくりするだろう。相変わらずマイペース人間だな。少しは自分の実力を自覚しろ!!」
少し離れたところからこの部屋の主こと狙撃主任・射撃教官の相澤時也中将が呆れ顔で現れた。軍服に「教官」とかかれた腕章と金ライン、眼鏡姿は誰かにとても似ている。
「相澤中将。私はマイペースなんですか?普段のを見たいと言われたので、普段通りにしたんですけど?間違ってますか?」
「普段通りだろうが、いきなり片手撃ちは驚くだろう。せめて基本の型でやってやれよ。特に大学生の前では。君も驚くよな。目の前であんなにドンドン撃たれれば。可哀想に」
あれ?相澤中将?眼鏡姿で少し神経質そうな顔。自分の知っている人に凄く似ている。
「間違っていたらすみません。相澤中将は第一室の相澤少佐と関係のある方でしょうか?」
庵は不躾な質問と分かっていたが、聞けずにいられなかった
「関係者中の関係者だね。アイツは俺の倅だよ。庵学生」
神経質そうな顔が笑顔になり、目尻を下げて笑う。雰囲気や顔の造りが似ていたので、もしやと思ったが合っていた。
「倅ともども、宜しくな。俺は射撃教官の相澤時也だ。わからないことがあったらドンドン質問してくれ。君たちを一人前にするのが俺の仕事だからな」
ニッコリと笑顔で庵と周りで固まっていた学生に声をかけていく相澤であった。
元々、自分の瞳の色でも色々見られてきたが、今回は相手がいての目線だ。
自分一人だけなら何とも思わないが、相手が学生なのだからもう少し大人な対応をすればいいのに。
夜神は顔には出さなかったが、不愉快だと心の中で思っていた。顔に出せば隣で悩んでいる庵まで不安にさせてしまうだろう。ならば自分は何も思ってない、態度と表情で対応するのが一番の安心材料になるのだから。
心のなかでは色々と見てくる相手に毒を吐きながらも、表情は穏やかにすることを心掛け、射撃訓練場に着くと受付を済ませて、庵に微笑みながら受付で渡された銃を渡す。
「私は後ろから見てるから、学校で学んだ通りに撃ってみて。的に当てようとか思わず、基礎通りにすることを意識してね」
「はい。分かりました」
夜神は準備する庵の後ろに立って、一連の動作を観察しながら射撃を見ていく。何発か撃たせてターゲットペーパーを見る。
緊張もあるのだろう。中心から外れているが人形のターゲットペーパーにはしっかりと穴が空いている。動作も基本的出来ている。後は緊張をなくして何処まで出来るのが気になる所だ。
「今度は違うターゲットペーパーを出すね。心臓と頭部をそれぞれ狙ってみて」
人間でも、吸血鬼でも確実に死をもたらす急所だ。
夜神の指示で、庵はその言われた二箇所に狙いを定めて撃つ。だが頭部は撃ち抜いたが、心臓は大幅にずれていた。
「緊張してる?確かに緊張も大事だけど、緊張しすぎて肩に余計な力が入っているのが分かるよ。もう少しリラックスしないと」
私後ろにいないほうがいいのかな?ガチガチな肩のうえ、余計な力が入っているのが分かる。
基本は出来てるのだから、もう少し自信を持っても良いのに、意外と出来ている部類には入っているのだから。
両手でしっかりと狙いを定めて、撃っている庵を見て夜神は微笑みを忘れず、だが目だけは冷静にして見ている。
何発か撃たせて、庵にストップをかけて、今まで撃たせたターゲットペーパーを見る。少しずつではあるが中心寄りになってきている。
「銃に関しては練習あるのみね。後は実践になったとき、何処まで冷静に対応して、確実に仕留めることが出来るのかが大切だからね。庵君は技術・精神・身体・戦略・武具の五要素のうち技術・精神・身体が低から、そこを底上げしていくことを重点的に進めていきましょう」
「はい。分かりました。あの、もしよければなのですが中佐が撃っている所を見させて頂く事はできますか?」
何か手厳しい事を言われるのかと、少しビクビクしていたが、あまり言われることもなく今後の課題を言われて少し安堵した。
それと同時に軍のトップクラスの人は、どのくらいの腕前があるのかと興味が出てきた。
「普段の中佐はどのような訓練をしているのか、参考までに見させて頂きたいと思ってしまって。すみません。無理なら大丈夫です」
純粋に気になる。「最強」などと言われる人が眼の前に居るのだから見てみたい。無理なら仕方ないが、もし見られるのなら、見てみたい。
「うーん。別にいいけど、参考になるのかは分からないけど、私で良ければ」
そう言って、庵と場所を代わり、手元のボタンで的の操作をする。すると的は動く的に代わり、夜神は庵から渡された銃のマガジンを新しくして、片手でドンドン撃っていく。マガジンが空になれば、すぐさまマガジンを新しくして撃つ。撃ち尽くして、手元のボタンを操作して射撃を終わらせて夜神は庵の顔を見た。
ものすごくびっくりな顔でこちらを見ているのだ。
私、何か変なことしたかな?普段通りにしたのだけど。そこまで驚くことないのに。あれ?周りに居る大学生も何かびっくりな顔で見ている。
「夜神ー!いきなり片手でドンドン撃っていれば、周りの人間、特に大学生はびっくりするだろう。相変わらずマイペース人間だな。少しは自分の実力を自覚しろ!!」
少し離れたところからこの部屋の主こと狙撃主任・射撃教官の相澤時也中将が呆れ顔で現れた。軍服に「教官」とかかれた腕章と金ライン、眼鏡姿は誰かにとても似ている。
「相澤中将。私はマイペースなんですか?普段のを見たいと言われたので、普段通りにしたんですけど?間違ってますか?」
「普段通りだろうが、いきなり片手撃ちは驚くだろう。せめて基本の型でやってやれよ。特に大学生の前では。君も驚くよな。目の前であんなにドンドン撃たれれば。可哀想に」
あれ?相澤中将?眼鏡姿で少し神経質そうな顔。自分の知っている人に凄く似ている。
「間違っていたらすみません。相澤中将は第一室の相澤少佐と関係のある方でしょうか?」
庵は不躾な質問と分かっていたが、聞けずにいられなかった
「関係者中の関係者だね。アイツは俺の倅だよ。庵学生」
神経質そうな顔が笑顔になり、目尻を下げて笑う。雰囲気や顔の造りが似ていたので、もしやと思ったが合っていた。
「倅ともども、宜しくな。俺は射撃教官の相澤時也だ。わからないことがあったらドンドン質問してくれ。君たちを一人前にするのが俺の仕事だからな」
ニッコリと笑顔で庵と周りで固まっていた学生に声をかけていく相澤であった。
0
あなたにおすすめの小説
病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜
来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。
望んでいたわけじゃない。
けれど、逃げられなかった。
生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。
親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。
無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。
それでも――彼だけは違った。
優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。
形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。
これは束縛? それとも、本当の愛?
穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
お腹の子と一緒に逃げたところ、結局お腹の子の父親に捕まりました。
下菊みこと
恋愛
逃げたけど逃げ切れなかったお話。
またはチャラ男だと思ってたらヤンデレだったお話。
あるいは今度こそ幸せ家族になるお話。
ご都合主義の多分ハッピーエンド?
小説家になろう様でも投稿しています。
愛する殿下の為に身を引いたのに…なぜかヤンデレ化した殿下に囚われてしまいました
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のレティシアは、愛する婚約者で王太子のリアムとの結婚を約1年後に控え、毎日幸せな生活を送っていた。
そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜
来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、
疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。
無愛想で冷静な上司・東條崇雅。
その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、
仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。
けれど――
そこから、彼の態度は変わり始めた。
苦手な仕事から外され、
負担を減らされ、
静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。
「辞めるのは認めない」
そんな言葉すらないのに、
無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。
これは愛?
それともただの執着?
じれじれと、甘く、不器用に。
二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。
無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。
※この物語はフィクションです。
登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる