ブラッドゲート〜月は鎖と荊に絡め取られる〜 《軍最強の女軍人は皇帝の偏愛と部下の愛に絡め縛られる》

和刀 蓮葵

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191 流血表現あり

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月よモーント勝利をズィーク!」
「抜刀!蒼月!吼えよ!駆けよ!」
二人の声が重なり、それぞれの武器を抜刀する。そして、二人の刀と剣は金属音を響かせてぶつかる。
何度か音をさせながらぶつかったが、一旦距離を置くためにそれぞれ後方に飛んで睨み合う。

「まだまだ力は残っていたんだね?良かったよ。簡単に潰されたら楽しくないからね。けど、私の小鳥はあとどれくらい持つかな?」
余裕の声と表情が夜神の心を乱していく。
影武者の戦闘に、先程まで絡みついていた鎖のせいで体力は限界を迎えようとしている。
いくら、武器の恩恵があって、元々身体能力が高くても、目の前の皇帝には遠く及ばない・・・・・・

「いい事を教えてあげよう。あの影武者には私の力をほんの少しあげたんだよ?けど、凪ちゃん大変そうだったね?そんな事で私に勝とうと考えているの?身の程知らずだね?これは沢山教えないとね?己の立場を確りと教えてあげるよ!!」
「黙れ!!抜刀!紅月!!喰らえ!舞えっ!!」
脇差しの紅月を抜刀して、交差して二刀流の構えを取る。
それを見たルードヴィッヒも笑いながら、右肩上に剣を構える。

血よブルート導けヒューレ・ミヒ!!」
互いに駆け出していき、肩から夜神目掛けて振り下ろした剣を、交差した二本の刀で受け止める。
そこから、互いの鍔迫り合いが始まっていく。
ギリギリ・・・・と音をさせて反撃の機会を伺う。
けど、それは夜神だけで、ルードヴィッヒは反撃どころか、夜神の抵抗を楽しんでいるようにも見える。

赤い瞳と金の瞳がぶつかり合う。
殺意と愉悦の視線が混ざり合う。

だが、あきらかにルードヴィッヒの方が優勢で、夜神はどんどん後ろに、剣と刀を交差したまま追いやられていく。
「くぅ・・・・・・・」
「あ~剣で刺すと跡が残りそうだね。ならば・・・・・」
力で押されて、バランスを崩した夜神に、素早い動きで剣の柄を夜神に向き直させると、その柄頭ポンメルを夜神の肩や腹に打ち込んでいく。
「がッッ・・・・・」
その衝撃に加えて、空いた手と柄頭ポンメルを握った手の両方で、夜神の刀を持った手をそれぞれ攻撃されて、二本の刀を離してしまう。

刀が鈍い音をたてて地面に落ちる。それと同じように夜神も胸倉を掴まれて地面に背中から叩きつけられる。
「ううっ・・・・・・」
受け身も出来ない状態で背中から叩きつけられたせいか、呼吸が止まる。そして、背中全体が痛みだす。
一瞬、目を閉じた時に顔の横をルードヴィッヒの持っていた剣が、地面を深々と刺していた。夜神の顔スレスレの所に剣の冷たい温度を感じる。
「剣は駄目だけど、ならいいか・・・・凪ちゃん。私に逆らったらどうなるのか、ちゃんと教えてあげるね?もちろん城でも教えるけど、今は・・・・・」
「あぁあぁぁ━━━━━━━!!」

肩に鋭い痛みがしたと思ったら、そこに向かって熱が集中する。
ルードヴィッヒが夜神の髪に挿した、仕込み簪を抜き取ると、夜神の肩に向かって細い刃を埋め込んでいた。
「いい声で鳴くね。私の可愛い小鳥さんは・・・」
笑いながら、赤い血を刃から撒き散らし、抜き取るともう片方の肩や二の腕、手のひら、太腿と次々に刺していく。
逃げたくても、腹の上にドカッと、座って逃げ出すことも出来ず、ルードヴィッヒの行為を受け入れるしかなかった。

「うぅぅ・・・・・」
最初の悲鳴以外、声を出さず呻いている夜神を感心するように眺めながらルードヴィッヒは感嘆の声を出す。
「痛いね?苦しいね?あぁ、とっても甘いね。やっぱり凪ちゃんの血が一番甘くて美味しい・・・・・」
満足したのか、仕込み簪の刃を赤く濡らした血を舐め取ると、法悦した顔を夜神に向けて味の感想を教える。
痛みと苦痛に耐えながら、激しく上下する胸を掴むと揉みしだき始めたルードヴィッヒに、涙で濡れてぼやき始めた視界は、何か恐ろしいものを写しているようにも見えた。

人の形なのに人ではない。
悪鬼、悪魔・・・・
そして
━━━━吸血鬼

自分の上に乗り、笑いながら刃物を体に突き刺して、その血を啜る
その姿はまさに血を吸い喜ぶ鬼、吸血鬼だった。

「ふふふっ・・・・ここでは犯さないよ?ちゃんと閨を用意しているからね?一年前も沢山で愛されたでしょう?凪ちゃんの体内中に沢山注いであげるね?もちろん孕むまで。孕んだ後も注いであげようか?あぁ、お口にも欲しい?欲しがりな凪ちゃんの願いは叶えてあげようね?」
血で赤く染めた唇をペロッと舐めると、赤く染まった簪を投げ捨てる。

ルードヴィッヒの言葉に鳥肌が立つた。そして忌まわしい記憶が甦る。
肉体も精神もボロボロにされた。人質を取られ、食事をしなければ進軍を言われ、血を吸われ、気絶するまで何度も抱かれて、自分の中に何度も注ぎ込まれた。

怖かった。万が一の事があったら私はどうなるのか。考えることが怖くて考えたくなかった。
けど、いつの間にか軍の病室にいて、安心したのか沢山泣いた。
体の事もなんにもなくて良かったと、喜んでいた。

けど、今度は違う。
確実に皇帝の言っていることが現実になってしまう。

「ぁ、いゃぁ・・・・・」
ルードヴィッヒを見る目が好戦的な目から、怯えた目に変わる。その瞬間を見たルードヴィッヒは、唇を歪めて笑う。
胸を揉んでいた手を、血が流れる肩まで伝わせて指先に血をまとわせる。
その指を、夜神の唇に紅を引くように伝わせると、突然平手打ちをする。
「つぅ・・・・・」
乾いた音をさせて打たれた頬が熱を持つ。
それを左右の頬に数度される。
いくら加減されてるとは言え、吸血鬼の皇帝。ある程度の力が加わる。その時に、口の中を噛んだんだろう。口の端から血を流してしまう。

「怯えた表情も可愛いね。私の小鳥は本当に楽しませてくれるよ・・・・・けど、残念。続きは城でたっぷりとしてあげようね?」
ルードヴィッヒの声を聞いて力が抜けていく。
もう、勝つことなど出来ない。
出来ない・・・・・

夜神の心が挫けそうになりかけた時、一つの号令が辺に響いた。
その声の主は、夜神を小さい時から見ていた人物で、軍の中では「元帥」の立場である人物だった。

「後方支援っっ!!撃てぇぇぇ━━━━━━っっ!!」
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