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「!?」
それは一瞬の事だった。
地面から生えた鎖が、庵、目掛けて鋭い音とともに伸ばされ今、まさに貫こうとした時に、同じく地面から「何か」が生まれてその鎖を弾いていった。
「なっ!・・・・・・何事だ?」
それはルードヴィッヒさえも驚愕してしまい、動きが止まってしまう。
弾かれた鎖は戦意喪失なのかそのまま地面にジャラジャラと音をたてて落ちていく。その様子はルードヴィッヒの心情と似ているようにも見える。
「・・・・・鎖?違う・・・・蔦?まさか荊?」
伸ばした手はそのままに、庵を守るように伸びていた紐状の「何か」を凝視する。
そして、その形状に見覚えがあり夜神は、自分の足首に視線を向ける。
自分の足に絡まり、庵の元に行くのを阻止し続けたものと同じ形状だったからだ。
「・・・・荊だと?その力は・・・・おいっ!餌っ!どうして貴様がその力を使っている?・・・・・まさか、王弟の子孫?」
ルードヴィッヒの言葉の最後の方は誰にも聞こえなかった。呟き、何かを確認する。
「俺も最初はびっくりしたけど、残念ながら一時的にしか使いこなせない。だから、わずかな時間で決着をつける!」
最後の言葉と共に、傷付いた腕を横に振るう。腕からの血を自分の周り点々と撒き散らす。
すると、地面を突き破り数本の荊がルードヴィッヒ目掛けて伸びていく。
「ちっ!王弟の末裔がっ!!目障りだ!消えろ!」
さっきまでは遊んでいると思うほど、余裕だった顔が一瞬で殺気立った険しい顔になる。
剣を右肩上に構えて、体に剣を預けるように乗せる。
伸びてくる数本の荊に狙いを定めて、一気に走り出すと横に薙いでいく。
ボタボタと斬られた先端の荊が落ちていくが、すぐに斬られたところから再生し、伸びる。
「目障りだっ!!荊っ!!」
地面から鎖が伸びて、次々に荊を貫いていく。再生する暇も与えないほど、自由自在に鎖を操るルードヴィッヒと対象的に、脂汗を額に滲ませて、肩で息をしながら険しい顔の庵の様子に、ルードヴィッヒは勝ちを確信した。
「はっ!貴様・・・・・力を使いこなせていないな?紛らわしい。消えろっ!!」
強者の、絶対的強者の余裕を取り戻してルードヴィッヒは更に畳み掛ける。
「ぐぅ・・・・負けるかぁぁ━━━っ!!」
必死に喰らいつく庵だったが、勝負は決まってしまった。
伸びていた荊は、鎖に次々に貫かれ、散り散りになり、地面に落ちていく。
そして、その鎖が次々に庵の肩や足を貫いていく。
致命傷はない。痛みはあるが喋れる範囲での傷にとどめられていた。
「ゔゔぅ、しまったっ!!」
「海斗っ!!」
貫かれた瞬間に夜神は背中がゾワゾワとした。
見たくもない、思い出したくもない、けど、脳裏に焼き付いてしまった光景がフラッシュバックする。
逃がそうと駆け寄ってきたお母さんの背中を貫き地面に倒れていく姿や、先生の腹を貫き、その生暖かい鮮血を顔に浴びた時の姿が繰り返し脳内に蘇る
「ゃだ・・・・やだ!もう・・・・・」
もう、なくしたくない
目の前で人が亡くなるのはもう沢山だ
知らない、赤の他人でも心がザワつくのに
知っている人なら尚更だ
それも、心から愛する人なら事更にだ
心が抉られるように辛い
もう、終わりにしないと
だから・・・・・
「お願い・・・・私の足を解放して?」
巻き付いている荊に問いかけ、そっと撫でる。まるであやしているように優しく、優しく。
「ぐぅぅ・・・・」
「昨日、今日で得た力を使いこなそうなんて愚かだね。私は生まれたときから今日まで使い続けているんだよ?歴然の差だよね?・・・・・まぁ、いいよ」
愉悦した声と表情が、庵の力は赤子と同じだと語りかけているようにも感じ取れる。
地面に澌尽灰滅の薔薇色の刀身を突き立て、肩で息をしながら地面に倒れないようにと必死に堪える。
そんな様子を見て、ルードヴィッヒは疑問に思ったことを口にする。
もし、自分の知りたい情報を、目の前の餌が持っているとしたら?
もし、長年の疑問が解明されるとしたら?
それはとんでもないことであり、そして心を揺さぶる大切な情報でもある。
庵に向けて剣の切っ先を向けると、ルードヴィッヒは楽しさも興奮も抑えきれない声のトーンで庵に問いかけていく。
「その力は生まれた時からの力ではないな?貴様は一体何者だ?答えろ!」
ルードヴィッヒの鋭い声に、庵は一瞬躊躇ったが、覚悟を決めて話し始める。
「俺の家に古い本がある。その中は外国語で読めなかった。父親は「ご先祖様は外国人なのかも」と、言っていたが、それは本当の事だと分かったのは俺が、軍大学にはいってその本と同じ語学を習ったからだ」
ルードヴィッヒの金色の愉悦した眼差しをそらすことなく見続ける
「そして、分かったことはご先祖様はやっぱり外国人で、無実の罪で兄に処刑されそうだったのを一人の女性が命を投げてでも助け逃してくれたこと。そして、逃げて日本にたどり着いたこと。けど、その兄は執念深いからそれに対抗するために組織を作り、武器を作っていったこと・・・・・」
そこまで話すと庵は懐から何かを取り出す。
それはパッケージ袋で、中には赤い小粒の塊が数個入っている。
「あとは、これの使い方だけだ」
その袋をルードヴィッヒに突き出して見せる。
「・・・・・・へぇ~~兄に女性ねぇ・・・そして、処刑・・・・やはり貴様は・・・・」
口の端を歪めたルードヴィッヒはゆっくりと、軍靴を鳴らしながら庵に近づいていく。
それを見た庵も、何とかして立ち上がると澌尽灰滅を構える。
庵が刀を構えるのを待ってルードヴィッヒは駆け出した
再び、鈍い金属音を響かせる。互いの視線は逸らさない。
愉悦と怨嗟の視線が複雑に絡み合う。そして、余裕のあるルードヴィッヒが庵にだけ聞こえるように話し始める。
「ねぇ、凪ちゃんと会った時、何か感じだろう?例えるなら「離したくない」とか?」
「何言っている?」
「あるはずだよ?」
ルードヴィッヒの何か含みのある言葉に気を取られて、力の均衡が崩れてしまう。
そのまま、互いに後ろに飛んで睨みを効かせながら、次の一手を模索しながらも、庵はルードヴィッヒの言葉が離れない。
確かにある。最初は憧れだった。軍最強と言われる人物に会えるのを。
そして、優越感もあった。そんな軍最強が「教育係」になり、人物に指導してくれるのを。
そして、帝國に拉致され、返ってきた時、安堵と自分の力の無さに嘆いた。
病室で泣きながら縋ってきた事が頭から離れない。そして、それで気がついた。自分は大佐の事が好きなのだと。
思いを告げて、大佐も同じ気持ちだったと知ったときは嬉しかった。けど、そこで何かが生まれた。
━━━━━二度と離さない・・・・・・・
帝國に連れて行かれたのが関係するかも知れないが、それ以上の何かが自分の腹の底から生まれてきた。
誰かにナンパされているのを見ると湧き上がる嫉妬と、自分の大切なものを奪われてしまうのではないかと不安が生まれる。
そして、必要以上に求めてしまう。特に、抱いたときは気絶するまで抱いてしまう。
そこまでする必要はないのに、気絶するまで抱き、その体を抱きしめた時に安堵する。
「これで逃げなくなる」と。何に逃げるのか分からないが、手元に居てくれることが喜びに変わる。
自分でも異常だと思っているが、何故なのかは説明できない。したくても出来ない。本能なのか無意識にしてしまう。
そして、何故皇帝はこの事を知っているのか不思議だ。
まるで、何もかも知っていると言っているようで怖い。
「ぐぅぅ・・・・・くそっ!!」
頭で考えていながらも、剣の攻撃は止まらない。何とか寸止の所で躱したが、腹に一発蹴り喰らわされる。
地面に再び膝を突いてしまう。
そして、ルードヴィッヒが高らかと剣を掲げる。これで終わりだと言っているようで庵は恐怖を覚えた。
白刃を太陽の光で煌めかせて、風を切りながら振り下ろす。
もう、終わりだ・・・・・
そう思ってた時に、一人の人間が間に割り込みルードヴィッヒの狂剣から、庵を守った。
「っ・・・・凪さん!!」
白練色の髪を輝かせて、庵を守ったのは夜神大佐だった。
それは一瞬の事だった。
地面から生えた鎖が、庵、目掛けて鋭い音とともに伸ばされ今、まさに貫こうとした時に、同じく地面から「何か」が生まれてその鎖を弾いていった。
「なっ!・・・・・・何事だ?」
それはルードヴィッヒさえも驚愕してしまい、動きが止まってしまう。
弾かれた鎖は戦意喪失なのかそのまま地面にジャラジャラと音をたてて落ちていく。その様子はルードヴィッヒの心情と似ているようにも見える。
「・・・・・鎖?違う・・・・蔦?まさか荊?」
伸ばした手はそのままに、庵を守るように伸びていた紐状の「何か」を凝視する。
そして、その形状に見覚えがあり夜神は、自分の足首に視線を向ける。
自分の足に絡まり、庵の元に行くのを阻止し続けたものと同じ形状だったからだ。
「・・・・荊だと?その力は・・・・おいっ!餌っ!どうして貴様がその力を使っている?・・・・・まさか、王弟の子孫?」
ルードヴィッヒの言葉の最後の方は誰にも聞こえなかった。呟き、何かを確認する。
「俺も最初はびっくりしたけど、残念ながら一時的にしか使いこなせない。だから、わずかな時間で決着をつける!」
最後の言葉と共に、傷付いた腕を横に振るう。腕からの血を自分の周り点々と撒き散らす。
すると、地面を突き破り数本の荊がルードヴィッヒ目掛けて伸びていく。
「ちっ!王弟の末裔がっ!!目障りだ!消えろ!」
さっきまでは遊んでいると思うほど、余裕だった顔が一瞬で殺気立った険しい顔になる。
剣を右肩上に構えて、体に剣を預けるように乗せる。
伸びてくる数本の荊に狙いを定めて、一気に走り出すと横に薙いでいく。
ボタボタと斬られた先端の荊が落ちていくが、すぐに斬られたところから再生し、伸びる。
「目障りだっ!!荊っ!!」
地面から鎖が伸びて、次々に荊を貫いていく。再生する暇も与えないほど、自由自在に鎖を操るルードヴィッヒと対象的に、脂汗を額に滲ませて、肩で息をしながら険しい顔の庵の様子に、ルードヴィッヒは勝ちを確信した。
「はっ!貴様・・・・・力を使いこなせていないな?紛らわしい。消えろっ!!」
強者の、絶対的強者の余裕を取り戻してルードヴィッヒは更に畳み掛ける。
「ぐぅ・・・・負けるかぁぁ━━━っ!!」
必死に喰らいつく庵だったが、勝負は決まってしまった。
伸びていた荊は、鎖に次々に貫かれ、散り散りになり、地面に落ちていく。
そして、その鎖が次々に庵の肩や足を貫いていく。
致命傷はない。痛みはあるが喋れる範囲での傷にとどめられていた。
「ゔゔぅ、しまったっ!!」
「海斗っ!!」
貫かれた瞬間に夜神は背中がゾワゾワとした。
見たくもない、思い出したくもない、けど、脳裏に焼き付いてしまった光景がフラッシュバックする。
逃がそうと駆け寄ってきたお母さんの背中を貫き地面に倒れていく姿や、先生の腹を貫き、その生暖かい鮮血を顔に浴びた時の姿が繰り返し脳内に蘇る
「ゃだ・・・・やだ!もう・・・・・」
もう、なくしたくない
目の前で人が亡くなるのはもう沢山だ
知らない、赤の他人でも心がザワつくのに
知っている人なら尚更だ
それも、心から愛する人なら事更にだ
心が抉られるように辛い
もう、終わりにしないと
だから・・・・・
「お願い・・・・私の足を解放して?」
巻き付いている荊に問いかけ、そっと撫でる。まるであやしているように優しく、優しく。
「ぐぅぅ・・・・」
「昨日、今日で得た力を使いこなそうなんて愚かだね。私は生まれたときから今日まで使い続けているんだよ?歴然の差だよね?・・・・・まぁ、いいよ」
愉悦した声と表情が、庵の力は赤子と同じだと語りかけているようにも感じ取れる。
地面に澌尽灰滅の薔薇色の刀身を突き立て、肩で息をしながら地面に倒れないようにと必死に堪える。
そんな様子を見て、ルードヴィッヒは疑問に思ったことを口にする。
もし、自分の知りたい情報を、目の前の餌が持っているとしたら?
もし、長年の疑問が解明されるとしたら?
それはとんでもないことであり、そして心を揺さぶる大切な情報でもある。
庵に向けて剣の切っ先を向けると、ルードヴィッヒは楽しさも興奮も抑えきれない声のトーンで庵に問いかけていく。
「その力は生まれた時からの力ではないな?貴様は一体何者だ?答えろ!」
ルードヴィッヒの鋭い声に、庵は一瞬躊躇ったが、覚悟を決めて話し始める。
「俺の家に古い本がある。その中は外国語で読めなかった。父親は「ご先祖様は外国人なのかも」と、言っていたが、それは本当の事だと分かったのは俺が、軍大学にはいってその本と同じ語学を習ったからだ」
ルードヴィッヒの金色の愉悦した眼差しをそらすことなく見続ける
「そして、分かったことはご先祖様はやっぱり外国人で、無実の罪で兄に処刑されそうだったのを一人の女性が命を投げてでも助け逃してくれたこと。そして、逃げて日本にたどり着いたこと。けど、その兄は執念深いからそれに対抗するために組織を作り、武器を作っていったこと・・・・・」
そこまで話すと庵は懐から何かを取り出す。
それはパッケージ袋で、中には赤い小粒の塊が数個入っている。
「あとは、これの使い方だけだ」
その袋をルードヴィッヒに突き出して見せる。
「・・・・・・へぇ~~兄に女性ねぇ・・・そして、処刑・・・・やはり貴様は・・・・」
口の端を歪めたルードヴィッヒはゆっくりと、軍靴を鳴らしながら庵に近づいていく。
それを見た庵も、何とかして立ち上がると澌尽灰滅を構える。
庵が刀を構えるのを待ってルードヴィッヒは駆け出した
再び、鈍い金属音を響かせる。互いの視線は逸らさない。
愉悦と怨嗟の視線が複雑に絡み合う。そして、余裕のあるルードヴィッヒが庵にだけ聞こえるように話し始める。
「ねぇ、凪ちゃんと会った時、何か感じだろう?例えるなら「離したくない」とか?」
「何言っている?」
「あるはずだよ?」
ルードヴィッヒの何か含みのある言葉に気を取られて、力の均衡が崩れてしまう。
そのまま、互いに後ろに飛んで睨みを効かせながら、次の一手を模索しながらも、庵はルードヴィッヒの言葉が離れない。
確かにある。最初は憧れだった。軍最強と言われる人物に会えるのを。
そして、優越感もあった。そんな軍最強が「教育係」になり、人物に指導してくれるのを。
そして、帝國に拉致され、返ってきた時、安堵と自分の力の無さに嘆いた。
病室で泣きながら縋ってきた事が頭から離れない。そして、それで気がついた。自分は大佐の事が好きなのだと。
思いを告げて、大佐も同じ気持ちだったと知ったときは嬉しかった。けど、そこで何かが生まれた。
━━━━━二度と離さない・・・・・・・
帝國に連れて行かれたのが関係するかも知れないが、それ以上の何かが自分の腹の底から生まれてきた。
誰かにナンパされているのを見ると湧き上がる嫉妬と、自分の大切なものを奪われてしまうのではないかと不安が生まれる。
そして、必要以上に求めてしまう。特に、抱いたときは気絶するまで抱いてしまう。
そこまでする必要はないのに、気絶するまで抱き、その体を抱きしめた時に安堵する。
「これで逃げなくなる」と。何に逃げるのか分からないが、手元に居てくれることが喜びに変わる。
自分でも異常だと思っているが、何故なのかは説明できない。したくても出来ない。本能なのか無意識にしてしまう。
そして、何故皇帝はこの事を知っているのか不思議だ。
まるで、何もかも知っていると言っているようで怖い。
「ぐぅぅ・・・・・くそっ!!」
頭で考えていながらも、剣の攻撃は止まらない。何とか寸止の所で躱したが、腹に一発蹴り喰らわされる。
地面に再び膝を突いてしまう。
そして、ルードヴィッヒが高らかと剣を掲げる。これで終わりだと言っているようで庵は恐怖を覚えた。
白刃を太陽の光で煌めかせて、風を切りながら振り下ろす。
もう、終わりだ・・・・・
そう思ってた時に、一人の人間が間に割り込みルードヴィッヒの狂剣から、庵を守った。
「っ・・・・凪さん!!」
白練色の髪を輝かせて、庵を守ったのは夜神大佐だった。
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