可愛くない僕は愛されない…はず

おがとま

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1.始まりは突然

 僕は可愛くない。可愛くないんだ。だから誰も…

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・

 比嘉 まさと 男Ωで恋愛経験なし。本来Ωは容姿が可愛らしく、守りたくなるような雰囲気になるのだが俺は真逆だ。170cm越えで肩幅は広く、痩せ型でもちもちの肌とは言えない。そんな自分があまり好きじゃない。


 午後7:00
 帰宅ラッシュの電車に揺られながら会社から帰る途中。
 横にたっていたΩの女子高生が冷や汗をかいていた。

 しばらく様子を見ていると、スカートが変に揺れているのがわかった。後ろを確認したところ、やはりβらしき人がもぞもぞと手を動かしている。
 Ωには男女問わずよくあることで、社会問題にまでなっている。まあ、俺とは無縁だ。
 その子と男の間に割って入り、その場を収める。一応俺もΩなのだがそいつは不機嫌そうに去っていった。

 ・・・・・・


 「さっきはありがとうございました!みんな見て見ぬふりするし今日に限って防犯グッズ忘れるしでもうどうしようかと…」

 「いえいえそんな。お役に立てて何よりです。」

 駅に降りた後も震えていた彼女を放っておくわけにもいかず、家まで送ることになった。いいとこのお嬢さんらしく、今回が初めての電車だったようだ。

 「お兄さんていくつなのですか?」

 「恋人はいるのですか?」

 「好みのタイプは?!男女のこだわりはありまして?!」

 「ぜひ連絡先を教えて頂きたいです!!」

「えっと…」

 さっきから様子がおかしい。僕がΩなのはチョーカーで分かっているはずだ。ならなんだ。なぜそんなにグイグイ来るんだ。正直男の方が好みだし恋人はいないし今年で30だ。どうすればいい。そんなことをぐるぐると考えていると遠くから声が聞こえた。

 「ともみーーーー!!!!」

 「あ!お兄ちゃん!!!」


 あ、保護者か。ほっと息をつく。


 「心配かけちゃってごめんない。でもね!この人が助けてくれたのよ!お兄ちゃんの好みど真ん中でびっくりしたわ!前言ってた条件もクリアしてるわ!運命みたいじゃない?!」


 なんか変なことが聞こえた気がしたがスルーした。
 軽く挨拶して去ろう。もうなんか疲れた。さっきから胸騒ぎがするし。

 「もう安心ですね。じゃあ気をつけて。」

 「ああ妹をありがとう。感謝する…っ?」

『?!!』

 「あ″っ、」

 目が合った瞬間、ぶわっと全身が熱くなりその場に崩れ落ちた。おかしい。発情期は終わったばかりだ。

 「はあ、はあ…なんれ?やだ、苦しっ…」

なんかふわふわしてきた。思考がまとまらない。怖いっ…

 「ふぅ…っ、はあ、と、ともみ!薬!」

 「え?!うそ!?なんで?え?!」

 「いいから!早く!」

 なんか頭上がうるさい。くるしい…あつい、触って欲しい…。
 考えては消えていく思考の中、足に刺すような痛みが走り、じわっと広がると共に意識は途切れた。






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