可愛くない僕は愛されない…はず

おがとま

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5.助けて…

「……うるさい…煩いんだよあんたら!!!」

「「?!」」

「なんで俺に構うんだよ!なんで俺なんか心配してんだよ!!!期待させるようなことすんな!!!もううんざりだ!そうやって弱ってるとこにつけ込んで助けたらすぐポイなんだろ?!だったら最初から手ぇ差し伸べてくんな!」

「「……そんなつもりじゃ、」」

「信頼してると思ってたやつに裏切られる気持ちがわかんのかよ?!会社のやつだってそうだ……。い、今まで誰からも愛されたことないやつは……っ、少し優しくされただけで強く信じちゃうんだよ……グスッ……分かっててやってんならお前らは最低だよ!人の気持ち踏みにじりやがって……」

「「……まさとさん。」」

「煩い!もう僕を呼ばないで!いいんだよもう。全部諦めたんだ!だいたいメール無視してる時点で察しろよ!なんでそこまで俺と関わりたいわけ?!やっぱりみんな同じだ……グス…。僕なんか要らなかったんだ。欠陥品なんてさっさと処分しないと……。悪影響しかないもんね。ごめんねこんなやつが。運命の番?だっけ。そんな特別扱いしなくてもいいよ。自分の価値なんて自分がよくわかってる。」

「「……。」」

こんなに自分が喋れるとは思ってなかった。しかも同僚の件、そんなに引きずってたのか俺。渡辺さん達に当たり散らしても意味ないのに。なんなら心配して電話までしてくれた人に、あまりにも失礼すぎる。こんなに自分はおちぶれたのかと落胆するしか無かった。

気がつくと電話は切れていた。いや、切ったのかもしれない。自分と向き合うのが、渡辺さんたちに迷惑をかけるのはとても辛すぎる。


あれからすごく長い時間が流れたような気がする。
何も出来ないし動けない。頭も回んない。わけも分からずドアの前で倒れ込んでいた時だった。


カチャカチャ…ガチャン!



「え……?」


今…鍵空いた?

なんで目の前に…渡辺さんが…


「まさとさん!!!」


なんでこんなに安心してしまうんだろう。渡辺さんが抱きしめてくれる。僕汚いのに、どうしてそんなに優しくしてくれるんだろう。まるで壊れ物を大事に持つような、暖かい感覚はどこか懐かしくて、離したくなかった。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

~渡辺慶次side~


「「ツーツー」」

「まさとさん?……まさとさん!!!」

明らかにまさとさんの様子がおかしい。少ししか話したことは無いが、いきなり大声をあげるような人では無いはずだ。あんなに苦しそうに、助けてと叫ぶように語る声音にすごく心が痛くなった。またかけ直すが一向に出る気配がない。

「……いちゃん……お兄ちゃん!!!」

「?!」

「何モタモタしてるの?!早くまさとさんの家に行くのよ!!!あれは緊急だわ!すぐ行ってあげないと大変なことになるかも!!!」

そうだな。すぐにでも駆けつけたい。しかし僕としたことが住所を聞くのを忘れていた。最悪だ。誰か僕を殴ってくれ。今から探そうにも手がかりが無さすぎて無理だ。電話も繋がらない。一体どうしたら……

ん?ともみが何かをパソコンで操作している。まさかとは思うがそれ……

「うん!その通りよ!GPS!お兄ちゃん鈍臭いから住所とが重要なこと聞いてないかもと思って仕掛けておいたの!」

「……さすがすぎるよ。」


本当に流石すぎる。若干怖いがナイスだ。それから僕らは早かった。必要になりそうなものを車に積み込んで、一応専属の医者であるジョニーも連れていく。

「よし!まさとさんを迎えに行くぞ!」

「「おー!」」

気合いを入れて出発した僕達は、スピード違反で罰金を食らうなど紆余曲折を経て、家に着いた。



鍵をピッキングしてドアを開ける。そこに広がる光景は、酷いものだった。まるでまさきさんの心の中を表しているようで胸が痛む。

「まさとさん!!!」

奥で倒れているまさきさんをみつけたと同時に駆け寄り抱きしめた。よかった、息してる……。だがすごく衰弱していて、意思の疎通はできていない。

「ジョニー!早く手当を!!まさとさんごめん。ちょっとここで待って……?!」

一旦寝かせようと腕を緩めると、ガシッと抱きしめ返されて不意にキュンとしてしまう。首を勢いよく振り煩悩を取り除く。どうしたの?と声をかけた。


「……かないで……置いてかないで!!!行っちゃヤダって!ひとりにしないで!!」


「……大丈夫。僕はここにいるよ。絶対離さないから安心して。約束する。」


また意識を失ったまさとさんを抱きしめる。どうしてそんなに辛そうなんだ。何が君をここまで……。

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