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8.名前で呼んで
「しばらく僕の家で休んでください!お願いです!!!」
「だから!もう十分休めましたって!!!」
「まだ腕治ってないじゃないですか!!!無茶です考え直してください!それに僕が一緒に居たいんです!どうかこのとおり!!!」
「意味がわかりません!!!」
いきなり言い争いで始まって申し訳ない。俺は倒れてから2日ほどお世話になり、今帰ろうと支度していたところなのだが...なぜか引き止められている。腕と摂食障害?は治ってないがこのくらいなんともない。何故そこまで俺をとどまらせたいんだろう。なにか裏があるのだろうか。足にへばりつく渡辺さんを無視しながら考えていると、勢いよくドアが空いた。
「まさとさん待ってください!!!まさとさんの帰るところはありませんわ!!!」
「...え?」
ひとたびの静寂が部屋を流れる。俺の混乱は頭を極めた。いや違う間違えた。俺の頭は混乱を極めていた。
「ど、どういうことですかともみさん?!」
「と、ともみ...まて...」
「まさとさんが住んでるアパートを取り壊して大家さんのご子孫のお家を建てたいそうなので私が話しをつけておきました!!!」
一息でよく言えたな~と関心...ではなく?!
確かにそんな話あったが1,2年先のはずだ。
ほんとにどういうことだ。
「あ!安心してまさとさん!荷物は全部お兄ちゃんの隣の部屋に運びましたわ!!!いいですか?と・な・り!です!」
いやそういうことではなく...。チラリと渡辺さんを見るとそっぽを向かれた。冷や汗をかいて明らかに動揺してるのが見て取れる。こうなると知ってたな渡辺さん。はぁとため息を着いて落ち着きを取り戻す。
「これ以上お世話にはなれませんて。ちゃんと治療費も出したいし...」
「まさとさんったら!!そんなの気にしなくていいのよ!!それよりも、まだ怪我治ってないのでしょう?ねえ是非うちに住んでください!私まさとさんとお話したいの!」
もう一度隣を見るとうんうんと頷く渡辺さんがいた。もう好きにしてくれ...俺をどうしたいんだこのふたりは。そんなこんなで渡辺兄妹の圧に負け、この家に住むことになったのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「...ツ...ツカレタ...」
ふっかふかのベットに倒れ込む。渡辺家専属の医者であるジョニーにより絶対安静を言い渡されてしまい、仕事は探せていない。監視の目が強すぎるんだ。
ではなぜこんな消え入りそうなのかって?連日の兄妹訪問だ。子供の頃の話とか最近はこうであーでと他愛もない世間話だ。満足すると帰っていくのだが、今日はずぅっと居たのだ。時計の針は9時を示していた。まだ早いがもう今日はねたい。そう思っていたのに、部屋のドアがノックされる。
「「まさとさん!入っていいですか?」」
渡辺さんの声だ。
「絶対やだ入ってこないでください。」
「「もう!冷たいですねぇ。でもそんなところも可愛いですね☆」」
何言ってんだ本気で疲れてんだ寝かせてくれ。
しかも俺は可愛くは無い。イカつい部類だ。誰と間違えてんだ。暫くほうっておいてみる。
「あ!待って寝ないで!お願いがあってきたんです!」
なんのお願いだろうか。ろくなことでは無いと思うがお世話になってるので断るわけにはいかない。ドアを半分開け顔を覗かせる。
「なんですか。早急にお願いします。」
「うわ可愛いっ、下から目線やば」
「もう寝ますねおやすみなさい」
「待ってください!ごめんなさい」
イラッとしながら待っていると急にモジモジし始めた。今度はなんだ。恋の相談なら俺は乗ってあげられないぞ。乗って欲しいくらいだ。
「あ、あの。呼び方なんですけど…渡辺さんじゃなくて、慶次(けいじ)って呼んでくれませんか」
「え?それは...構いませんけど。」
「やった!いいですか?け・い・じ!ですからね!約束ですよ?!」
「...分かりましたから。もう寝てください。」
夜分にすみません!おやすみなさい!と夜分とは思えないほど元気に戻って行った。もう、なんなんだよ。...ちょっと顔が熱く感じるのは疲れてるからだ。早く寝よう。
「だから!もう十分休めましたって!!!」
「まだ腕治ってないじゃないですか!!!無茶です考え直してください!それに僕が一緒に居たいんです!どうかこのとおり!!!」
「意味がわかりません!!!」
いきなり言い争いで始まって申し訳ない。俺は倒れてから2日ほどお世話になり、今帰ろうと支度していたところなのだが...なぜか引き止められている。腕と摂食障害?は治ってないがこのくらいなんともない。何故そこまで俺をとどまらせたいんだろう。なにか裏があるのだろうか。足にへばりつく渡辺さんを無視しながら考えていると、勢いよくドアが空いた。
「まさとさん待ってください!!!まさとさんの帰るところはありませんわ!!!」
「...え?」
ひとたびの静寂が部屋を流れる。俺の混乱は頭を極めた。いや違う間違えた。俺の頭は混乱を極めていた。
「ど、どういうことですかともみさん?!」
「と、ともみ...まて...」
「まさとさんが住んでるアパートを取り壊して大家さんのご子孫のお家を建てたいそうなので私が話しをつけておきました!!!」
一息でよく言えたな~と関心...ではなく?!
確かにそんな話あったが1,2年先のはずだ。
ほんとにどういうことだ。
「あ!安心してまさとさん!荷物は全部お兄ちゃんの隣の部屋に運びましたわ!!!いいですか?と・な・り!です!」
いやそういうことではなく...。チラリと渡辺さんを見るとそっぽを向かれた。冷や汗をかいて明らかに動揺してるのが見て取れる。こうなると知ってたな渡辺さん。はぁとため息を着いて落ち着きを取り戻す。
「これ以上お世話にはなれませんて。ちゃんと治療費も出したいし...」
「まさとさんったら!!そんなの気にしなくていいのよ!!それよりも、まだ怪我治ってないのでしょう?ねえ是非うちに住んでください!私まさとさんとお話したいの!」
もう一度隣を見るとうんうんと頷く渡辺さんがいた。もう好きにしてくれ...俺をどうしたいんだこのふたりは。そんなこんなで渡辺兄妹の圧に負け、この家に住むことになったのだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「...ツ...ツカレタ...」
ふっかふかのベットに倒れ込む。渡辺家専属の医者であるジョニーにより絶対安静を言い渡されてしまい、仕事は探せていない。監視の目が強すぎるんだ。
ではなぜこんな消え入りそうなのかって?連日の兄妹訪問だ。子供の頃の話とか最近はこうであーでと他愛もない世間話だ。満足すると帰っていくのだが、今日はずぅっと居たのだ。時計の針は9時を示していた。まだ早いがもう今日はねたい。そう思っていたのに、部屋のドアがノックされる。
「「まさとさん!入っていいですか?」」
渡辺さんの声だ。
「絶対やだ入ってこないでください。」
「「もう!冷たいですねぇ。でもそんなところも可愛いですね☆」」
何言ってんだ本気で疲れてんだ寝かせてくれ。
しかも俺は可愛くは無い。イカつい部類だ。誰と間違えてんだ。暫くほうっておいてみる。
「あ!待って寝ないで!お願いがあってきたんです!」
なんのお願いだろうか。ろくなことでは無いと思うがお世話になってるので断るわけにはいかない。ドアを半分開け顔を覗かせる。
「なんですか。早急にお願いします。」
「うわ可愛いっ、下から目線やば」
「もう寝ますねおやすみなさい」
「待ってください!ごめんなさい」
イラッとしながら待っていると急にモジモジし始めた。今度はなんだ。恋の相談なら俺は乗ってあげられないぞ。乗って欲しいくらいだ。
「あ、あの。呼び方なんですけど…渡辺さんじゃなくて、慶次(けいじ)って呼んでくれませんか」
「え?それは...構いませんけど。」
「やった!いいですか?け・い・じ!ですからね!約束ですよ?!」
「...分かりましたから。もう寝てください。」
夜分にすみません!おやすみなさい!と夜分とは思えないほど元気に戻って行った。もう、なんなんだよ。...ちょっと顔が熱く感じるのは疲れてるからだ。早く寝よう。
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