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10.お誕生日(後編)
12月27日。誕生日会当日だ。恥ずかしいことにあまり寝付けなかったので少し眠い。顔を洗おうとドアを開けると、パンッ!という音と共に紙吹雪が舞った。
「「まさとさん!お誕生日おめでとう!!」」
いきなりの爆音にびっくりする。一体いつから待機していたのだろう。ともみと慶次さんの目の下は少し隈が出来ていた。
ふはっと笑いがこぼれる。
「一体いつから居たんですか?ふふっ」
「「・・・・・・・」」
問いかけに返事がないので焦る。あれ、もしかしてダメな反応をしてしまったのだろうか。もっと喜ぶべきだった?驚いて転んだ方が良かったかな。こういうのされたことないから分からない。1人で悶々と考えて少し落ち込んでいるとやっと声が聞こえてきた。
「...まさとさんが、笑った?今、笑いましたよね...?めっちゃ可愛い」
「すごく素敵よまさとさん!ねえお願い!もう一度笑って!」
顔がかあっと熱くなる。どうしよう。そんなに俺笑ってたか?!一体どんな顔してたんだ。自分がとても恥ずかしい。恥ずかしくてたまらない。
「...もう絶対笑いません。」
「え?!なんでですか!あれ?まさとさん顔赤い...」
「今顔みたらドア閉めます。」
本当にデリカシーがない。顔を見られたくなくて既に閉めかけているドアを慶次さんが腕力で阻止する。
「あ、それはダメですさせません!今日はハードスケジュールですよ?誕生日を心置きなく堪能してください!」
「まさとさん!早く朝食食べて!お買い物に一緒に行きましょう!」
一体どんなスケジュールを組んだというのだ。張り切りすぎだ。でも、俺のために頑張ってくれたのかな。そう思うとちょっと嬉しい。
俺は腕を引っ張られながら部屋を後にした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
本当にハードスケジュールだとは思わなかった。体力ではなく精神的にだ。ここからここまで全部ください!と聞いた時は全力で止めた。
気持ちだけ受け取ると言っても不機嫌になったので、ひとつだけ。ジュエリーのお店で見つけた、とても綺麗なピアスをプレゼントしてもらった。ムーンストーンという青い綺麗な宝石で、引き込まれる美しさだ。だいぶ気に入っている。
隣で慶次さんが意味深に微笑んでいるが...無視しておこう。
誕生日会は盛大に行われた。渡辺家にはシェフがいるらしく、すごく豪華な食事で祝われた。ここまで来ると恥ずかしくなる。30になるおっさんにどうしてここまでしてくれるのだろう。みんな親切で優しい。こんなに暖かい世界があったんだとほっこりした。
「まさとさん。実はもうひとつプレゼントがあるんだ。遠慮しないでね。僕達からの思い、受け取ってください。」
「なんですか改まって。」
「目隠しして!早く早く!」
そう言って急に視界を遮られる。ガラガラと何かが運ばれてくる音がするが、そんなに大きいものなのか?!朝みたいな失敗しないように念入りに喜ぶ練習を頭の中で行った。
「「ハッピーバースデーまさとさん♪♪
ハッピーバースデーまさとさん♪♪」」
「お誕生日おめでとう!!!!」
「いい?さんにーいちで目隠し外すよ?」
まさか暗いまま歌を歌ってくれるとは。でも、ちょっとワクワクしている。目の前に何があるんだろう。
「さん!にー!いち!オープン!!!」
バッと目隠しが取られる。目の前に広がる光景に、唖然とした。そこにあったのは、お母さんと食べたあのケーキだった。
「どうですかまさとさん!脅威の全部のせですよ!サンタ・雪だるま・僕・ともみ。そして、まさとさん!シェフ監修ですよ!」
「ケーキは全てジョニーと私とお兄ちゃんが作ったの!チョコプレートはお兄ちゃんが!!」
「chocolate sprayハ僕ガ!」
「まさとさん!どうですか?可愛く出来た気がする...て、え?!まさとさん?!」
いつの間にか涙が溢れだしていた。止めようと涙を拭うけど流れてしまう。いっぱい練習したのにまた失敗したゃった。でも懐かしいのと、嬉しいので胸がいっぱいで。どうすることも出来なかった。
「...エッグ、す、すごく...うれしぃ...グスツ...俺、こんな年になって...こんなに祝ってもらえて...グス...今日、死ぬのかな...グス」
「...まさとさん。そんな事言わないでください。これから僕達ともっと沢山楽しいことしましょう。」
「グス...そうよまさとさん!絶対毎年祝うんだから!!!」
そう言って2人は俺に抱きついてきた。強く抱きしめられて身動きが取れない。でも、拒もうとしないどころか俺は2人に抱きついてもっと泣いてしまった。大の大人が情けない。でも、すごく心がポカポカした。これが幸せってやつなのだろうか。こんなに幸せでいいのだろうか。
「「まさとさん!お誕生日おめでとう!!」」
いきなりの爆音にびっくりする。一体いつから待機していたのだろう。ともみと慶次さんの目の下は少し隈が出来ていた。
ふはっと笑いがこぼれる。
「一体いつから居たんですか?ふふっ」
「「・・・・・・・」」
問いかけに返事がないので焦る。あれ、もしかしてダメな反応をしてしまったのだろうか。もっと喜ぶべきだった?驚いて転んだ方が良かったかな。こういうのされたことないから分からない。1人で悶々と考えて少し落ち込んでいるとやっと声が聞こえてきた。
「...まさとさんが、笑った?今、笑いましたよね...?めっちゃ可愛い」
「すごく素敵よまさとさん!ねえお願い!もう一度笑って!」
顔がかあっと熱くなる。どうしよう。そんなに俺笑ってたか?!一体どんな顔してたんだ。自分がとても恥ずかしい。恥ずかしくてたまらない。
「...もう絶対笑いません。」
「え?!なんでですか!あれ?まさとさん顔赤い...」
「今顔みたらドア閉めます。」
本当にデリカシーがない。顔を見られたくなくて既に閉めかけているドアを慶次さんが腕力で阻止する。
「あ、それはダメですさせません!今日はハードスケジュールですよ?誕生日を心置きなく堪能してください!」
「まさとさん!早く朝食食べて!お買い物に一緒に行きましょう!」
一体どんなスケジュールを組んだというのだ。張り切りすぎだ。でも、俺のために頑張ってくれたのかな。そう思うとちょっと嬉しい。
俺は腕を引っ張られながら部屋を後にした。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
本当にハードスケジュールだとは思わなかった。体力ではなく精神的にだ。ここからここまで全部ください!と聞いた時は全力で止めた。
気持ちだけ受け取ると言っても不機嫌になったので、ひとつだけ。ジュエリーのお店で見つけた、とても綺麗なピアスをプレゼントしてもらった。ムーンストーンという青い綺麗な宝石で、引き込まれる美しさだ。だいぶ気に入っている。
隣で慶次さんが意味深に微笑んでいるが...無視しておこう。
誕生日会は盛大に行われた。渡辺家にはシェフがいるらしく、すごく豪華な食事で祝われた。ここまで来ると恥ずかしくなる。30になるおっさんにどうしてここまでしてくれるのだろう。みんな親切で優しい。こんなに暖かい世界があったんだとほっこりした。
「まさとさん。実はもうひとつプレゼントがあるんだ。遠慮しないでね。僕達からの思い、受け取ってください。」
「なんですか改まって。」
「目隠しして!早く早く!」
そう言って急に視界を遮られる。ガラガラと何かが運ばれてくる音がするが、そんなに大きいものなのか?!朝みたいな失敗しないように念入りに喜ぶ練習を頭の中で行った。
「「ハッピーバースデーまさとさん♪♪
ハッピーバースデーまさとさん♪♪」」
「お誕生日おめでとう!!!!」
「いい?さんにーいちで目隠し外すよ?」
まさか暗いまま歌を歌ってくれるとは。でも、ちょっとワクワクしている。目の前に何があるんだろう。
「さん!にー!いち!オープン!!!」
バッと目隠しが取られる。目の前に広がる光景に、唖然とした。そこにあったのは、お母さんと食べたあのケーキだった。
「どうですかまさとさん!脅威の全部のせですよ!サンタ・雪だるま・僕・ともみ。そして、まさとさん!シェフ監修ですよ!」
「ケーキは全てジョニーと私とお兄ちゃんが作ったの!チョコプレートはお兄ちゃんが!!」
「chocolate sprayハ僕ガ!」
「まさとさん!どうですか?可愛く出来た気がする...て、え?!まさとさん?!」
いつの間にか涙が溢れだしていた。止めようと涙を拭うけど流れてしまう。いっぱい練習したのにまた失敗したゃった。でも懐かしいのと、嬉しいので胸がいっぱいで。どうすることも出来なかった。
「...エッグ、す、すごく...うれしぃ...グスツ...俺、こんな年になって...こんなに祝ってもらえて...グス...今日、死ぬのかな...グス」
「...まさとさん。そんな事言わないでください。これから僕達ともっと沢山楽しいことしましょう。」
「グス...そうよまさとさん!絶対毎年祝うんだから!!!」
そう言って2人は俺に抱きついてきた。強く抱きしめられて身動きが取れない。でも、拒もうとしないどころか俺は2人に抱きついてもっと泣いてしまった。大の大人が情けない。でも、すごく心がポカポカした。これが幸せってやつなのだろうか。こんなに幸せでいいのだろうか。
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