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王子の決断と、永遠の誓い 後編
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彼の吐息が、耳元を撫でる。
柔らかな髪先が、私の頬にふれた。
「……触れても、いいですか?」
そう囁いた彼の声が、やけに澄んで聞こえたのは、
それが許しを乞うためのものだったからかもしれない。
けれど私の返事は、ただの言葉にならなかった。
私は、彼の首に腕を回して、そっと唇を寄せた。
言葉の代わりに、肌と体温で答えた。
――いいわ。あなたが望むのなら、すべてをあげる。
その瞬間、彼の眼差しが変わった。
まだ幼さを残していた瞳が、獲物を捉えた雄のように細く鋭くなる。
「先生……もう、やさしくなんかしません」
次の瞬間、私の背は軽々と抱き上げられ、寝室のベッドに沈められていた。
まるで儀式のように、彼は私の靴を脱がせ、片膝をベッドに立てたままゆっくりと手袋を外す。
わざと、ゆっくり。
私が期待で濡れていく様子を、見逃すまいとするかのように。
「……やらしい目で、見ないで……」
情けない声が出てしまう。
けれど、彼は微笑まない。
じっと私の脚に指を這わせ、そのまま太腿の内側まで指を滑らせて──
「先生が、そう育てたんです」
舌が、私の脛に落ちる。
そこから、膝へ。
腿へ。
くすぐったく、でもぞわぞわと火が走るような熱が私を這い上がってくる。
下着に包まれたままの秘部に、彼の吐息がふれた瞬間、私はびくんと身をよじった。
「……待って、まだ……そんな……っ」
「待てません。……先生が、教えてくれたんですから」
恥ずかしい。
けれど、快感に沈む身体は、彼の愛撫を拒めなかった。
舌が、布越しに這い、濡れた下着を口でずらされる。
あの甘く鋭い舌先が、濡れた襞の奥に触れたとき──
「……あ、やっ、ダメっ……!」
言葉にならない声が、喉を震わせた。
指先も、脚も、無様なほどに震えている。
けれど、彼は構わず、執拗に、慈しむように舐め続けた。
私の恥ずかしい音が、部屋の中に響く。
膣口が、ぬるぬると蕩けて、糸を引いているのがわかる。
頭が真っ白になる。
「……中、ほしい……?」
耳元で囁かれ、私は小さくうなずいた。
羞恥に耐えられず、目を逸らしたけれど、彼の指が顎を掴み、正面から見つめられる。
「ちゃんと、目を見て言ってください。……欲しいって」
嗚呼。
なんて残酷な男に育ててしまったのだろう。
「……あなたの、が……ほしいの……奥まで、入れて……」
その言葉を聞いた瞬間、彼はベルトを外し、熱を帯びたものを取り出した。
見るのも久しぶりだったその姿は、思っていた以上に大きくて、硬くて、熱そうで──
先端には、私と同じ色をした透明な雫が、ぷっくりと浮かんでいた。
「入れますよ……もう、先生だけのものだから」
その宣言とともに、私の中へ、彼が──ゆっくりと、侵入してきた。
疼ききった襞が、悲鳴をあげるように彼を締めつける。
けれど、その痛みさえも、快感に溶けていった。
「……先生の中、前よりずっと……やらしくなってる」
「黙って……そんなこと……言わないで……!」
けれど、その証拠を突きつけるように、彼は腰を打ちつけてきた。
ベッドが軋み、奥が擦れ、私の名が、彼の喉から何度もこぼれる。
「愛してる、先生……あなたしか、いらない……」
涙が出そうになる。
いや、もう出ていた。
この想いが、嘘じゃないことに、身体が、心が震える。
「……私も……あなたじゃなきゃ、だめ……あなたのこと、ずっと……」
叫ぶように、私は彼を抱き締めた。
その胸の中で、何度も、何度も、高く昇って──
私は、ふたりの未来を、この中に感じていた。
* * *
──まるで夢だった。
優しく、けれど何度も激しく貫かれた身体は、まだ余韻のなかで熱を持ち、
肌の奥にまで、彼の体温が染みこんでいる。
薄明かりのランプが揺れる寝室で、私はエアリスの胸に抱かれながら、静かに呼吸を整えていた。
彼の指が、私の髪をゆっくりと梳いていく。
その仕草が心地よくて、私は瞼を閉じたまま、小さく笑った。
「……眠くなった?」
囁くように問われ、私は首を振る。
「眠るには、まだ……あなたの温もりが強すぎるのよ」
「じゃあ、こうしてましょう」
そう言って、彼は私をそっと抱き直した。
肌が、胸が、太腿が、また触れ合って、
私は羞恥と幸福に包まれながら、彼の鼓動を聞いていた。
まるで、子守唄のようだった。
けれど、その静けさのなかで、私の胸には一つの疑問が浮かんでいた。
「……あなた、本当に逃げ出してきたの?」
すると、彼は少しだけ頬を赤らめたように見えた。
「うん。……でも逃げたっていうより、迎えにきたんです」
私は顔を上げて、彼の眼を見つめる。
深い紫のその瞳には、迷いも、恐れもなかった。
「だって、先生を置いて、自分だけ王になっても意味がないから。
……僕には、先生しかいないって、わかったんです」
その真っ直ぐな告白に、胸の奥がじんわりと熱を持った。
唇が震えて、何も言えなくなる。
それを見た彼は、柔らかく微笑んで──
「クラウディア・レインハルト――僕と、結婚してください」
──世界が、静止した気がした。
最初に涙がこぼれたのは、自分でも気づかないほど自然だった。
だけど次には、どうしてこんなにも溢れるのかと、驚くほどに、止まらなくなった。
「……私、もう若くないのよ? あなたより、歳上で……」
「だからいいんです。あなたに教えてもらって、育ててもらって、恋をして、愛し方を知って……これからは、一緒に年を重ねたいんです」
指が、私の頬を拭った。
その温もりが、どんな言葉よりも誠実だった。
私は、頷いた。
この子と生きていきたい。
教育係ではなく、王妃として──何より、一人の女として。
「……ええ、喜んで」
その答えに、彼は子どものような笑顔を浮かべて、私に口づけた。
何度も、何度も。
優しく、確かめるように。
そしてふいに、彼がくすっと笑った。
「……先生、次の授業は何にしましょうか?」
その台詞に、私は思わず吹き出した。
でもすぐに、彼の頬に手を添えて、唇を寄せる。
「……まずは、夫婦の朝の迎え方から、教えてあげましょうか」
「……うん。早く、明日になってほしいです」
寝台の上で、もう一度、彼が私を求める気配がした。
この夜が、永遠に続いても構わない。
そう思えるほどに、私はいま、幸福の只中にいた。
──そしてこの時、私は気づいていなかった。
この愛の証が、やがて私の身体に、もうひとつの命を宿すことになる未来に。
その未来の名前は、まだ知らない。
けれど私はきっと、どんな未来でも──この人となら、笑っていける。
「……愛してるわ、エアリス」
その言葉に、彼は深く頷き、
静かな夜が、再びふたりを包み込んだ。
【完】
柔らかな髪先が、私の頬にふれた。
「……触れても、いいですか?」
そう囁いた彼の声が、やけに澄んで聞こえたのは、
それが許しを乞うためのものだったからかもしれない。
けれど私の返事は、ただの言葉にならなかった。
私は、彼の首に腕を回して、そっと唇を寄せた。
言葉の代わりに、肌と体温で答えた。
――いいわ。あなたが望むのなら、すべてをあげる。
その瞬間、彼の眼差しが変わった。
まだ幼さを残していた瞳が、獲物を捉えた雄のように細く鋭くなる。
「先生……もう、やさしくなんかしません」
次の瞬間、私の背は軽々と抱き上げられ、寝室のベッドに沈められていた。
まるで儀式のように、彼は私の靴を脱がせ、片膝をベッドに立てたままゆっくりと手袋を外す。
わざと、ゆっくり。
私が期待で濡れていく様子を、見逃すまいとするかのように。
「……やらしい目で、見ないで……」
情けない声が出てしまう。
けれど、彼は微笑まない。
じっと私の脚に指を這わせ、そのまま太腿の内側まで指を滑らせて──
「先生が、そう育てたんです」
舌が、私の脛に落ちる。
そこから、膝へ。
腿へ。
くすぐったく、でもぞわぞわと火が走るような熱が私を這い上がってくる。
下着に包まれたままの秘部に、彼の吐息がふれた瞬間、私はびくんと身をよじった。
「……待って、まだ……そんな……っ」
「待てません。……先生が、教えてくれたんですから」
恥ずかしい。
けれど、快感に沈む身体は、彼の愛撫を拒めなかった。
舌が、布越しに這い、濡れた下着を口でずらされる。
あの甘く鋭い舌先が、濡れた襞の奥に触れたとき──
「……あ、やっ、ダメっ……!」
言葉にならない声が、喉を震わせた。
指先も、脚も、無様なほどに震えている。
けれど、彼は構わず、執拗に、慈しむように舐め続けた。
私の恥ずかしい音が、部屋の中に響く。
膣口が、ぬるぬると蕩けて、糸を引いているのがわかる。
頭が真っ白になる。
「……中、ほしい……?」
耳元で囁かれ、私は小さくうなずいた。
羞恥に耐えられず、目を逸らしたけれど、彼の指が顎を掴み、正面から見つめられる。
「ちゃんと、目を見て言ってください。……欲しいって」
嗚呼。
なんて残酷な男に育ててしまったのだろう。
「……あなたの、が……ほしいの……奥まで、入れて……」
その言葉を聞いた瞬間、彼はベルトを外し、熱を帯びたものを取り出した。
見るのも久しぶりだったその姿は、思っていた以上に大きくて、硬くて、熱そうで──
先端には、私と同じ色をした透明な雫が、ぷっくりと浮かんでいた。
「入れますよ……もう、先生だけのものだから」
その宣言とともに、私の中へ、彼が──ゆっくりと、侵入してきた。
疼ききった襞が、悲鳴をあげるように彼を締めつける。
けれど、その痛みさえも、快感に溶けていった。
「……先生の中、前よりずっと……やらしくなってる」
「黙って……そんなこと……言わないで……!」
けれど、その証拠を突きつけるように、彼は腰を打ちつけてきた。
ベッドが軋み、奥が擦れ、私の名が、彼の喉から何度もこぼれる。
「愛してる、先生……あなたしか、いらない……」
涙が出そうになる。
いや、もう出ていた。
この想いが、嘘じゃないことに、身体が、心が震える。
「……私も……あなたじゃなきゃ、だめ……あなたのこと、ずっと……」
叫ぶように、私は彼を抱き締めた。
その胸の中で、何度も、何度も、高く昇って──
私は、ふたりの未来を、この中に感じていた。
* * *
──まるで夢だった。
優しく、けれど何度も激しく貫かれた身体は、まだ余韻のなかで熱を持ち、
肌の奥にまで、彼の体温が染みこんでいる。
薄明かりのランプが揺れる寝室で、私はエアリスの胸に抱かれながら、静かに呼吸を整えていた。
彼の指が、私の髪をゆっくりと梳いていく。
その仕草が心地よくて、私は瞼を閉じたまま、小さく笑った。
「……眠くなった?」
囁くように問われ、私は首を振る。
「眠るには、まだ……あなたの温もりが強すぎるのよ」
「じゃあ、こうしてましょう」
そう言って、彼は私をそっと抱き直した。
肌が、胸が、太腿が、また触れ合って、
私は羞恥と幸福に包まれながら、彼の鼓動を聞いていた。
まるで、子守唄のようだった。
けれど、その静けさのなかで、私の胸には一つの疑問が浮かんでいた。
「……あなた、本当に逃げ出してきたの?」
すると、彼は少しだけ頬を赤らめたように見えた。
「うん。……でも逃げたっていうより、迎えにきたんです」
私は顔を上げて、彼の眼を見つめる。
深い紫のその瞳には、迷いも、恐れもなかった。
「だって、先生を置いて、自分だけ王になっても意味がないから。
……僕には、先生しかいないって、わかったんです」
その真っ直ぐな告白に、胸の奥がじんわりと熱を持った。
唇が震えて、何も言えなくなる。
それを見た彼は、柔らかく微笑んで──
「クラウディア・レインハルト――僕と、結婚してください」
──世界が、静止した気がした。
最初に涙がこぼれたのは、自分でも気づかないほど自然だった。
だけど次には、どうしてこんなにも溢れるのかと、驚くほどに、止まらなくなった。
「……私、もう若くないのよ? あなたより、歳上で……」
「だからいいんです。あなたに教えてもらって、育ててもらって、恋をして、愛し方を知って……これからは、一緒に年を重ねたいんです」
指が、私の頬を拭った。
その温もりが、どんな言葉よりも誠実だった。
私は、頷いた。
この子と生きていきたい。
教育係ではなく、王妃として──何より、一人の女として。
「……ええ、喜んで」
その答えに、彼は子どものような笑顔を浮かべて、私に口づけた。
何度も、何度も。
優しく、確かめるように。
そしてふいに、彼がくすっと笑った。
「……先生、次の授業は何にしましょうか?」
その台詞に、私は思わず吹き出した。
でもすぐに、彼の頬に手を添えて、唇を寄せる。
「……まずは、夫婦の朝の迎え方から、教えてあげましょうか」
「……うん。早く、明日になってほしいです」
寝台の上で、もう一度、彼が私を求める気配がした。
この夜が、永遠に続いても構わない。
そう思えるほどに、私はいま、幸福の只中にいた。
──そしてこの時、私は気づいていなかった。
この愛の証が、やがて私の身体に、もうひとつの命を宿すことになる未来に。
その未来の名前は、まだ知らない。
けれど私はきっと、どんな未来でも──この人となら、笑っていける。
「……愛してるわ、エアリス」
その言葉に、彼は深く頷き、
静かな夜が、再びふたりを包み込んだ。
【完】
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