問題児×問題児=大恋愛(1)

Taki

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STEP.03 少しだけの笑顔

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───やっぱり私、本当にストーカーなのかもしれない。

そんでもってその素質を持っているのかもしれない。


だって私、


「…君、めげないねぇ」


そう苦笑いを浮かべる冬真君の言う通り、


「はい!今は元気だけが取り柄です!」

「………」


どんなに冷たい反応をされようが、どんなに面倒そうなため息をつかれようが。

全然めげていないんだから。


「顔疲れきってるよ。場所変える?」


眉間に皺が寄りかけている冬真君に本性を出して少しでも疲れないようにと思って出した提案。


「君が来なくなってくれたら、それが1番楽になるんだけど」


にっこり極悪の笑顔で却下されてしまった。


「人の親切を──…」


ひどいなぁと思いながら、額に手を当てて疲れたようにため息をつく冬真君に文句を言おうとした時、私の言葉と視界を遮るようにひょいと現れた人。


「雛乃ちゃん、だよね?」


冬真君の後ろからひょっこり姿を現した男の人は、冬真君より少しだけ背が高くて切れ長な目に前髪が少しだけかかっていた。

そして目を細めるように満面の笑みを浮かべた彼は、


「あ!滝川さんだ!」


私も知っている顔だった。


私が失礼にも目の前の笑顔の人を指差すと、その人はきょとんと目を丸くして。


「雛乃ちゃん、俺のこと知ってんの?」


そう言って自分のことを指差した。


そんな彼に笑顔で頷いて、


「だって滝川さん、中学の時から冬真く…いや、冬真先輩といるでしょ?」


あたりまえのようにそう答えると、滝川さんではなく冬真君が驚いた顔をして。


「おま…なんでそのことを?」


明らかにあたしのことを"おまえ"と呼びかけた冬真君。

しかし慌てて驚いた顔を柔らかい表情に変え、声もいつものトーンに無理矢理戻して尋ねてくる。


「え、だって、あの時も一緒にいたし」


そんなに驚かれる理由が分からず、首を傾げながらそう答えると彼らは2人して首を傾げてきて。


「あの時って、いつのこと?」


不思議そうに優しく尋ねてくる滝川さん。

その問いに思わずぎゅっと口を閉じた。


─やっぱり覚えてない。


そう思うと少し悲しくなって。


「今はまだ言いたくない」


顔から笑顔を消して2人を見ていた目を廊下に落とす。


そんな私のあからさまな落ち込みようが効いたのか。


「じゃあ、雛乃ちゃんが言える時になったら教えてね」


黙ったままの冬真君の隣で笑顔を浮かべた滝川さんがそう言ってくれた。

そんな滝川さんはお兄さんオーラ全開で、なんだか落ち着く雰囲気がある。


それは、あの時とまるで違うもの。


あの時の滝川さんはもっとトゲトゲしかった気がするのに。

冬真君の後ろで笑っていたとしてもどこか冷たい目をしていた、そんなイメージだったのに。


「んー、じゃあさ。今話せる時点での、雛乃ちゃんのこと教えてくれる?何でもいいから」

「私のこと?」


そんなことを考えていた私に優しい声をかけてくる滝川さん。

その内容に少し驚いて聞きなおすと、うんうんと頷いている。


先程の流れからどうしてこんな話になったのか。

疑問に思いつつもそれを了承すると、滝川さんは慣れたように笑顔で私の肩にそっと手を添えて、「よかったら、中入って」なんて言いつつ強制で教室に招こうとしてくる。 

促されるまま慣れない教室に足を踏み入れると、


「ここ俺の席だから」


そう言って紹介された滝川さんの席。

そこにほぼ強制で私の腰を下ろさせて。


私の前の席に滝川さん。

私の左隣の席には冬真君。


と、摩訶不思議なトライアングルが冬真君の教室に出来上がってしまった。


そしてそれを興味津々に遠くから見てくる教室内の先輩方
明らかに私を睨んでいるお姉さま、など。

色んな人達からの視線をヒシヒシと感じる。


「えーと。じゃあ雛乃ちゃんのプロフィール的なこと何でもいいからどうぞ」


─え、どうぞってなんて適当なフリ!


チラッと左にいる冬真君を見る。

少し面倒そうにしながらも教室だからか私のことを見てくれているから、背筋をピンと伸ばして咳払いをした。


「えぇと、久遠雛乃15歳です。10月が誕生日。性別は女。親友が大好きで、好きな食べ物はパスタとなすび。好きなことはボーっとすることと昼寝。あと長所はマイペースで適当なところで、好きな場所は隅っこと端っこ。えーと、それから───…」

「うん。うん、そういうのはもう充分に分かった」


思いつくプロフィールを思いつく限り述べていると、滝川さんに笑顔でそれ以上をストップされてしまった。


「そういうのは分かったから…ほら、出身中学とか。そういうのは?」


そして少し考えるように上を向きながらそう言った滝川さん。


「中学?中学はここから少し行ったとこに見える中学だよ。南中」


とりあえず聞かれたことに素直に答えることにした。


「南中ってことは、雛乃ちゃん、ここ超地元じゃん」

「超地元。家から近いから選んだんだもん」

「じゃあ、冬真がいるの知って来たわけじゃないんだ?」


探りを入れるような滝川さんの質問。

滝川さんの指す冬真というのは、きっと‘魔王’の冬真君のこと。


だから私も、


「うん。超偶然。むしろ最近までそのことに気づかなかった」


それで伝わるだろうと思いながら、言葉を少し濁しつつ他の人にバレないようにそう答える。


‘優等生の後藤君が魔王の桜咲冬真だとは最近まで気づかなかった’

そう言った意味が滝川さんには伝わったようで、


「そっか。だから最近になってストーカー中なんだね」

「ス、ストーカー…」


にっこりと笑顔でそう言われる始末。

思わずその単語に口の端をヒクつかせた私を見て、冬真君が顔を反らした。


─嫌味なのかしら?
それとも天然の毒舌か?


笑顔のた滝川さんをガッと見据える。


「まぁ、そういうことになるかな!」

「はは、なるほどねぇ」


負けじと笑顔で返すがやっぱり笑顔の滝川さん。

どうやら天然の毒舌とみた。

滝川さんを軽く睨んでみたが、そんなものは全く気にしていない様子で。


今度は顔をぐっと近づけてきたかと思えば、


「で?なんで南中の雛乃ちゃんが冬真のこと知ってたの?」


声のボリュームをうんと落として、どうして魔王を知っているのかと尋ねてくる。

その質問は冬真君も答えを知りたいようで、彼も今までより少し体を前に傾けた。


「…名前は有名だったから」


そんな彼らに、的を射ているようでいない答えを返す。


「それじゃあ、なんで雛乃ちゃんは冬真がいるって気づいたの?」


私のない頭で考えて必死にはぐらかした答え。
それに一枚上手の質問をしてくる優しくない滝川さん。


「つまり顔も知ってたってことだよね?」


逃さないぞといったように更にこちらにに近づけてきた顔に思わず目線を反らしてしまう。


「冬真は他の地区には顔出さないようにしてんだよ?」


そう言って笑う滝川さん。

要は私が全く別の地区に住んでいたのに冬真君の顔を知っていることが疑問らしい。


「それに同じ地区にいたって名前は知ってても顔は知らない人の方がきっと多い」


つまり、先程から彼はずっと"どこで冬真に会ったのか"と聞いているのだ。

そしてこうして度々質問の仕方を少し変えれば、私がそれに気づかずに答えるとでも思ったんだろうか。

聞き方は違っているけれど、結局廊下で尋ねられた"あの時"のことを聞かれていることはさすがに私でも気付くというのに。


「それは今は答えたくないって言った」


何度聞かれても質問の仕方を変えられても答えはせん!と、口を尖らせた私に対して滝川さんはちぇっと拗ねた声を出して「雛乃ちゃんってそこまで馬鹿なわけじゃないんだね」なんて言ってくる。

なんて失礼な奴だろうか。


「それって喜んでいいとこ?」

「褒めてるんだから喜んでいいよ」

「バカにしてるでしょ」

「そんなわけないよ!」


─何とも反応しずらい。


彼はやっぱり天然の毒舌というよりも天然の嫌味体質なのかもしれない。

滝川さんはどうにも納得がいかず口を尖られた私の機嫌をとるかのように笑いながら謝った後、


「ごめんって!あ、じゃあさ。中学の時の雛乃ちゃんってどんなだったの?今と同じ感じ?」


と、すぐさま次の質問をしてくる。


でもその質問だってきっと冬真君達を知っている私は冬真君達とどこかで出会っているはずだから。

だから、自分達とどこかで会っているかもしれない、そんな中学生の時の私を思い出す為に知りたいだけのはずで。


だから答えないでおこうかとも、ちょっとだけ思ったけれど。


「…今はこれでも、だいぶ丸くなった」


私のことを思い出してくれたら。

そう思わずにはいられなくて。

しぶしぶ答えてしまった私の言葉を、


「え?雛乃ちゃん今でもかなり細いのにもっと細かったってこと?それ以上痩せたら倒れる───…」

「そういう意味じゃない」


全く的外れな風に捉えた滝川さんの言葉を遮って思いきり否定してしまった。


「そういう意味の丸いじゃなくて…性格が丸くなったってこと」

「性格が?」

「そう。親友にもそう言われるし、自分でもそうだと思う」


私の言葉に、よく意味が分からないのか首を傾げる目の前の人。

冬真君も理解できていない様子できょとんとしてこちらを見ているのが少し可愛らしい。


「つまり…前はもっと尖がってたってこと?性格が?」

「そういうことになりますね」


理解できていないような、できたような複雑な表情をしている滝川さん。

彼の問いに頷いてみせるとこちらを間近でじっと観察してきて。


─いや、普通に恥ずかしいです。


真っ直ぐな視線に耐えられなかった私が泳いだ目を冬真君に向けると、冬真君は信じられないという顔で私を見ていた。


「え、じゃあ…まさか」


滝川さんの驚いたような声が耳に響いて視線を再び前へと戻すと、そこには冬真君と似た表情を浮かべた滝川さんがいた。

そんな彼は私と目が合うと目を大きく見開いたまま口を開いた。


「雛乃ちゃん…表現おかしいかもしんないけど、マジで問題児だったってこと?」

「んー中2の秋ぐらいまでの話だけどね」

「え、今とは別の意味で問題児だったってこと?」

「ん?今あたしどんな意味で問題児って言われてるの?」


滝川さんの言う今の問題児の意味はよく分からないが、どうやら彼らには色々意味が分かったようで。

滝川さんは目の前で大きく頷き、何やら納得したように大きく手を叩いている。


「だから嫌がらせしようとしてた冬真のファンも、雛乃ちゃんの名前出しただけで逃げてく奴とかがいたんだなぁ」

「あぁ、たぶんね。中学一緒だったとかなんじゃないかなぁ。自分がどんくらい知られてたとか知らないし、よく分かんないけど」


「そういうことか、ようやく理解できたよ」と楽しげに笑う滝川さんをぼんやりと見ながら少し昔を思い出す。


─私は中学の時、ちょこっとだけ荒れていて。
まぁそうは言っても可愛いもんで。

義務教育なのをいいことに、授業は出ないし。

学校もほぼ行かないし。
行っても教室行かないし。
よくケンカするし。
おまけにケンカ強かったし。
もちろん校則なにそれだったし。

たまに警察のお世話にもなって。
親も呼び出されたり泣かせたり。

…荒れたそんな感じの中学生活を送っていた。


当時の私がそんなことで有名だって、自分に似たような誰かがそう教えてくれたことがあったけど私自身はそんなことに興味なかったからそういうのは全然よく知らなくて。

そして中学2年の秋頃に、そんな生活ともきっぱりおサラバできて。

今ではだいぶ丸くなったほうなのだ

…まぁ何でか今も問題児とか言われてるけど。


「その時の雛乃ちゃん、見た目は今と全然違うの?」

「え?見た目?」


当時をざっくり振り返っていた私に滝川さんがそんな質問をしてくる。


「見た目かぁ…化粧は濃かったかな。まぁ第一まだ顔が今よりも幼かったから全く変わってないとは言わないけど。だから多少は違うと思うけど特にそんな変わりはないんじゃないかなぁ」


少し考えながらそう答えると、私よりもっと考えこみ始めた滝川さん。

冬真君まで下を向いてどこかで会っていないか考えているようだ。

そんな2人が口を開くのを待っていると、


「うーん、そっか」


顔を上げたもののまだ考えるように顎に手を当てている滝川さん。

私をじぃっと見て、私が説明した中学の時の姿を目の前にいる私とを照らし合わせて想像しているんだろうけれど。


「うーん…」


どれだけ必死なのか。

すごくに難しい表情に変わっていく。


そして滝川さんはこちらに向けていた目をまだ考え込んでいる冬真君に向けると、冬真君もそれに気づいたのか顔を上げた。


「冬真、どう?」

「無理。まるで想像できない」

「今の印象強すぎるからな」

「確かに」


そんな短い会話をしたと思えば冬真君は再びどこで私と会ったか考え始めたのか下に視線を落とした。


「ね、それ本当の話?」

「なんでそんな嘘つくの」

「だよね」


滝川さんに至っては私が嘘をついていないかなんて失礼な質問をしてくる始末だ。

どうもそれ程までに2人には当時の私の姿ぎ微塵も想像すらできないようだ。


「写真とか持ってくる気ない?」

「全然ない」

「だよね、言うと思った」


写真という目で見える力に頼ろうとする滝川さんの言葉は"自力で思い出せ"という意味を込めて拒否しておいた。


「私もう教室帰ってもいい?」


冬真君のクラスに招かれてからもうだいぶ時間が経っている。

冬真君と話すだけのつもりが自分のことについて発表させられて正直今日は私が疲れたのでもう帰りたい。


「あ、うん。ごめんね、無理矢理みたいになって」

「ううん」


私の表情はそんなに疲れきっているのだろうか。

滝川さんが申し訳なさそうに謝りながら立ち上がって教室から出ていこうとする私をお見送りしてくれるらしく、廊下まで着いてきてくれた。

ドアを少し出た所で立ち止まって振り返ると冬真君も後ろからゆっくり着いてきていたのが窺えて。


「質問される側になって、冬真君の疲れる気持ちが少し分かった気がする」


冬真君に向けてそう笑うと、ドアから少し顔を覗かせた冬真君が、


「それはよかった」


そう言って、優等生の後藤君の爽やかスマイルとはまた違う、口元だけでかすかに笑うような。
下手したらそれに気づかずに見逃してしまうような。

そんな笑顔をうっすら浮かべた。


「───わ、わ、わ!」


─冬真君があたしに笑いかけてくれた!!!



そう思った瞬間。

疲れは遥か彼方へ吹っ飛んでいき。
目には薄っすら涙が溜まり。


「笑ったぁ───!!!」


思わずこれ以上ないってくらいの笑顔でそう叫びながら、その場で何度も飛び跳ねてしまった。


「笑った!笑った!笑ったぁ!」


私の小躍りにぎょっとした表情を浮かべてすぐさま少し距離をとる2人。

すごい失礼だと思ったけど、今はそんなことどうでも良い。


「な、なにごと?」


目を潤ませて喜ぶ私に滝川さんが恐る恐る尋ねてくる。

私は満面の笑みで、


「今、今ね!冬真君が笑ったの!私に笑いかけてくれたの!」


興奮しながら万歳三唱をあげつつも事実を答える。


「おまえが!?」

「俺が!?」


2人ともびっくりして勢いよく顔を見合わせ、1人で馬鹿騒ぎをしている私に、


「それは気のせいじゃないの?」

「俺、笑った覚えない」


2人して疑問の眼差しを向けてくる。

冬真君に関してはは自分のことなのに自分のした表情に自覚がないとは何事か。


「いーや!笑った!確かに笑った!」


─しかし、嬉しすぎるのだが!!!

微かに!それはもう微かに!
ほんの少し口角上がっただけだけど!

今までのあの冷たい目から考えれば進歩の笑顔!


「あたしが見逃すわけないじゃん!」


胸をドンと叩いてみせると、2人はまた顔を見合わせて信じられないような表情を浮かべた。


「よし、笑ったってことでいいから万歳三唱あげるのはやめてくれない?」


もう何でもいいといった様子で頷きいた後で苦笑いでそう言う滝川さん。

あまだまだ喜びたいがしぶしぶ「はぁい」返事して仕方なく手を下ろして冬真君を見る。


「その目、やめて」

「へ?」


─って、こわ!


じっと冬真君を見ていた私に優等生スマイルを向けてくる冬真君の目の奥がドス黒い。

しかし言われている意味が分からず、冬真君をじっと見たままでいると、


「雛乃ちゃん、目がキラキラ輝いてる」


滝川さんが苦笑いでそう教えてくれて。

どうやら冬真君の笑顔にテンションが上がりすぎて、目が子供のように輝いていたらしいと理解した。


しかし別にそれくらいいいじゃないか、と思うが。


「あ、今日は教室にお招きいただきありがとうございました」

「いえいえ、こちらこそ強引にごめんね」


そんな気持ちを押さえ、嬉しさの余韻だけを残して滝川さんにペコっと頭を下げると滝川さんも笑顔でそうしてくれる。


「いえいえいえ。冬真君の笑顔見れたんで」

「俺、笑ってないからね」

「んふ、そういうことにしておきます」


冬真君には笑顔で睨みつけられた。


「じゃあ今日は戻ります。また明日」


そう言って手を振ると笑顔で見送ってくれる滝川さんと、形だけ見送ってくれる冬真君。


「むふふふ」


彼らが見えなくなったところで思わず笑みが零れてくるのは仕方ない。

変わってしまった冬真君が、見間違えるかの域の笑顔だけど、ほんの少しでも笑ってくれるだなんて。


大収穫の日となった。


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