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1:ドSとドM
しおりを挟む”ニセモノの花でも、ちゃんと飾れば、それなりにキレイだよな”
そんな早川くんのことばを、抱かれながら思い出した。
――いつものラブホテル。
かび臭いベッドと小さな冷蔵庫とシャワーブースしかない、いちばん安い部屋。
「……声――出せよ……」
ベッドの上で、後ろから覆いかぶさってきた早川くんが、はだけた制服のシャツの中を荒々しくまさぐる。
乳首をキュッとつままれ、こらえていた声が「ンンッ……!」と漏れる。
「――すんげー、ピンピンにおっ勃ってんぞ、おまえの乳首」
揶揄するように耳もとで囁かれ、恥ずかしさで気が狂いそうになる。
なのに、体の中心にあるぼくのそこは、もう隠しようもないくらい張りつめ――早川くんに気づかれるそのときを待ちわびている。
やがて、
「……あれ――?」
わざと声を上げた早川くんが、ぼくの制服のスラックスの前に手を回し、
「こっちももう、ビンビンじゃん」
膨らんだ股間を、布の上からギュッと握りしめた。
「……ッ――!」
いきなり与えられた強すぎる刺激にのけぞったぼくをくるっとひっくり返し、仰向けにさせた早川くんは、真上からぼくを覗き込む。
――明るい金髪と、目じりの切れ上がったキレイな平行二重瞼。
形のいい薄ピンク色の唇が、ふっとかすかに歪み、
「乳首だけでこんなに感じんのかよ」
と笑う。
そして、ぼくの脚をガバッと大きく開かせ、
「……もっと気持ちよくなりたかったら、自分で扱いてみろ」
と命じる。
悪魔の啓示みたいなその言葉に凍りついたぼくに、
「いまさら何恥ずかしがってんだよ。――見られたほうが感じるんだろ?」
鼻先で笑う。
「…………」
ぼくは何も言えない。
だって、それは本当で――その証拠に、ぼくのペニスは、いまにもパンツのなかで爆発しそうなくらい、かたくなっている。
制服のスラックスのジッパーを下ろし、パンツに手をかけたぼくは、つまみ出したペニスを左手で握り、扱きはじめる。
見られている――そう思うだけでよりいっそう、快楽のジェットコースターは速くなる。
もう少しで絶頂に辿り着きそうになったそのとき、早川くんが突然ぼくの右手をつかみ、
「……ストップ」
と告げた。
そして、ぼくのペニスの根もとを、手首に嵌めていたヘアゴムで縛り、
「……そんなに簡単にイかせてもらえると思った?」
と言う。
スラックスのベルトを外し、前を開けた早川くんは、黒いボクサーパンツの中から、屹立したペニスをつまみ出す。
我慢汁で光った、大きい、猛々しい「雄」を感じさせる浅黒い肉棒に、ぼくは息を呑む。
早川くんは、ぼくの上に馬乗りになり、口の中にペニスを突っ込んだ。
「……ッ……!」
喉の奥深く穿たれ、身もだえるぼくに、少しだけ腰を浮かせて呼吸する隙間を作り、
「――ちゃんとしゃぶれよ」
と命じる。
ぼくは、目に涙をためながら、早川くんのモノに奉仕する。
イきたい。
なのにイけない。
哀れなモノを縛られ、男の欲望をしゃぶりあげるぼくの姿は、傍から見たら、いったいどんなふうに映るんだろう。
やがて、口からペニスを引き抜いた早川くんは、ぼくを再び腹ばいにさせた。
ほっとしたのも束の間、制服のスラックスとパンツをまとめてずり下ろされる。
次の瞬間、侵入してきた指の感覚に、ぼくは息を詰める。
用意してあったローションでぼくの後ろをほぐしながら、早川くんはそそり勃ったペニスをぐいぐい内腿に押しつけてくる。
とたん、放出をせき止められたぼくの欲望が、開放を求めて疼き出す。
早く――もう早く――。
ぼくの心の叫びを見透かしたかのように、
「……すげぇ、ヌチュヌチュしてんぜ、おまえのここ――」
「……ウッ――あぁっ……ンッ……!」
前立腺とその周辺をピンポイントで攻められ、あふれる快楽に、ぼくは激しく腰をくねらせる。
どうして、こんなに感じてしまうんだろう。
――ドMのぼくと、ドSの彼。
彼の名は、早川 紺。
早川くんとぼく――浅海 里李の最初の出会いは、朝のラッシュの電車の中だった。
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