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第七話 王子は人知れず苦悩する
雪乃がまた、かわいくなった。
中学三年生になった雪乃は大人と子供の魅力が混ざり混んだこの時期特有の色気が出てくる……
例えば勉強中の伏し目がちな時とか、ケーキを食べてる時のとろけるような笑顔の瞬間。欲望に呑まれそうなのを我慢して、雪乃から離れると淋しそうに僕をみあげる。その顔が堪らなくなって何回僕の中の天使と悪魔が戦ったか雪乃は知らない……
だけど雪乃はまだ中学生で、僕はもう成人している。だから、まだ抑えなきゃいけない。
(好きな子と一つ屋根の下というのが、また……)
思春期の時からの拷問だ。それを発散するために、雪乃じゃない子を抱くことになった。
色白の子。髪が黒くて背中まである子。声がちょと高い子。どれも雪乃に似てる子を選んでしまう。
本音を言うと雪乃がいい。だけど、まだ僕のことを兄のようにしか思ってないみたいだから、少しずつ詰めていかなきゃいけない……
毎日送ってるのも雪乃は僕のだ、というマーキングを周りにしたいから。
他の男は僕が送ることによって雪乃を狙わなくなるようにして。それで雪乃が女の子に責められてしまうのも知ってる。
けれど、そのおかげで孤立した雪乃を慰めて、存分に甘やかすことができる。
傷ついて僕だけにすがる雪乃がなによりもいとおしい。
このまま僕だけを、見ればいいのに、と夢想してしまうほどに。
考えても埒があかないことに、ため息をはきながら時計を確認すると、勉強を教える時間になってることを知り、雪乃の部屋に向かう。
けれどノックをしても返事がない。いないのかなと思って、ちょっとだけ確認のために扉を開けると、机に突っ伏して寝てるのがみえる。イタズラ心がわき、驚かせようとこっそり入るけれど、気持ち良さそうに寝ているのが分かるとそんな気持ち霧散した。
なんか起こすのもかわいそうだなと思って勉強するときに使うピンクのミニ毛布をかけてあげて、部屋から出ようとすると、机の上に広がっているプリントが目に入った。雪乃の頭で下の方が見えないけど、上の部分なら見える。
志望校調査の第一希望欄だけ……
けれど聞いたこともない学園の名前だったから、持っていたケータイで調べる。
(なんだ、ここ……?)
学園案内を読んでいくうちに愕然とした。県外で全寮制が第一志望?
(そんなの、今まで知らなかった)
――だけど、冷静に考えたらこれはいいかもしれない。
僕は切実に雪乃を欲してる。他の女で穴埋めするくらい……
最近の僕はどんどん自制が効かなくなってきている。雪乃がキレイになっていくのを見ているのに、触れられないから。
(でもいつなら、いいんだろう?)
彼女が結婚を認められる年になったら? 十八歳になってポルノ法の問題がなくなったら? それとも、いっそ成人したら?
考えるたびに苦しくなる……
ホントは、すぐに手を出してしまいたいのに、できるのにしたらいけない距離がすごくもどかしい。
――自分の中の獣は毎日、僕に夢で訴えかける。
『お前はいつまで、耐える? 空腹だろう……目の前に大好きなごちそうがあるじゃないか? あれを欲望のままに食べてしまえば良い。それはいつだって、可能なんだから……』
それと葛藤する僕は自分でも危険なんだと思う。
他の女だったら、身体の欲が放たれてしまえば、それでいい。だから別に身体だけでもいい。
だけど、雪乃はちがう。
彼女の心も欲しいから、目先の欲に負けてはいけない。
雪乃に限っては、失敗できないから……
――だから、今は離れた方がいいかもしれない。
ちょっとした雪乃の言動でぐらつく僕は、まだ幼い彼女にとって、なによりも危険だから。
なにも見なかったことにして、いつものように振る舞う。
本当はつらいけれど、それと同じくらい彼女を脅かさなくてすむことに安堵しているのも、また事実。
(だって、もしも欲に負けてしまえば彼女が泣いたって無理矢理にでも繋ぎ止めてしまう。)
いまさら、彼女がいないなんて耐えれないから……
そうなったら、雪乃の心を諦めてでも、身体の繋がりだけは絶対に譲らない。泣かせて、奪って、閉じ込める。
(雪乃が側にいないと、僕はもう生きることすら難しいから)
だけど、僕の手で幸せにしたいから、今だけは離れる。
すやすや眠る雪乃の肩に、彼女のお気に入りのピンクのミニ毛布を起こさないようにかけて、こっそり口づけて、部屋を出る。
時々、眠っている雪乃にこっそりキスするのは僕だけの秘密。
(ねぇ、雪乃。早く僕だけのお姫さまになって)
僕が獣に負けないうちに……
中学三年生になった雪乃は大人と子供の魅力が混ざり混んだこの時期特有の色気が出てくる……
例えば勉強中の伏し目がちな時とか、ケーキを食べてる時のとろけるような笑顔の瞬間。欲望に呑まれそうなのを我慢して、雪乃から離れると淋しそうに僕をみあげる。その顔が堪らなくなって何回僕の中の天使と悪魔が戦ったか雪乃は知らない……
だけど雪乃はまだ中学生で、僕はもう成人している。だから、まだ抑えなきゃいけない。
(好きな子と一つ屋根の下というのが、また……)
思春期の時からの拷問だ。それを発散するために、雪乃じゃない子を抱くことになった。
色白の子。髪が黒くて背中まである子。声がちょと高い子。どれも雪乃に似てる子を選んでしまう。
本音を言うと雪乃がいい。だけど、まだ僕のことを兄のようにしか思ってないみたいだから、少しずつ詰めていかなきゃいけない……
毎日送ってるのも雪乃は僕のだ、というマーキングを周りにしたいから。
他の男は僕が送ることによって雪乃を狙わなくなるようにして。それで雪乃が女の子に責められてしまうのも知ってる。
けれど、そのおかげで孤立した雪乃を慰めて、存分に甘やかすことができる。
傷ついて僕だけにすがる雪乃がなによりもいとおしい。
このまま僕だけを、見ればいいのに、と夢想してしまうほどに。
考えても埒があかないことに、ため息をはきながら時計を確認すると、勉強を教える時間になってることを知り、雪乃の部屋に向かう。
けれどノックをしても返事がない。いないのかなと思って、ちょっとだけ確認のために扉を開けると、机に突っ伏して寝てるのがみえる。イタズラ心がわき、驚かせようとこっそり入るけれど、気持ち良さそうに寝ているのが分かるとそんな気持ち霧散した。
なんか起こすのもかわいそうだなと思って勉強するときに使うピンクのミニ毛布をかけてあげて、部屋から出ようとすると、机の上に広がっているプリントが目に入った。雪乃の頭で下の方が見えないけど、上の部分なら見える。
志望校調査の第一希望欄だけ……
けれど聞いたこともない学園の名前だったから、持っていたケータイで調べる。
(なんだ、ここ……?)
学園案内を読んでいくうちに愕然とした。県外で全寮制が第一志望?
(そんなの、今まで知らなかった)
――だけど、冷静に考えたらこれはいいかもしれない。
僕は切実に雪乃を欲してる。他の女で穴埋めするくらい……
最近の僕はどんどん自制が効かなくなってきている。雪乃がキレイになっていくのを見ているのに、触れられないから。
(でもいつなら、いいんだろう?)
彼女が結婚を認められる年になったら? 十八歳になってポルノ法の問題がなくなったら? それとも、いっそ成人したら?
考えるたびに苦しくなる……
ホントは、すぐに手を出してしまいたいのに、できるのにしたらいけない距離がすごくもどかしい。
――自分の中の獣は毎日、僕に夢で訴えかける。
『お前はいつまで、耐える? 空腹だろう……目の前に大好きなごちそうがあるじゃないか? あれを欲望のままに食べてしまえば良い。それはいつだって、可能なんだから……』
それと葛藤する僕は自分でも危険なんだと思う。
他の女だったら、身体の欲が放たれてしまえば、それでいい。だから別に身体だけでもいい。
だけど、雪乃はちがう。
彼女の心も欲しいから、目先の欲に負けてはいけない。
雪乃に限っては、失敗できないから……
――だから、今は離れた方がいいかもしれない。
ちょっとした雪乃の言動でぐらつく僕は、まだ幼い彼女にとって、なによりも危険だから。
なにも見なかったことにして、いつものように振る舞う。
本当はつらいけれど、それと同じくらい彼女を脅かさなくてすむことに安堵しているのも、また事実。
(だって、もしも欲に負けてしまえば彼女が泣いたって無理矢理にでも繋ぎ止めてしまう。)
いまさら、彼女がいないなんて耐えれないから……
そうなったら、雪乃の心を諦めてでも、身体の繋がりだけは絶対に譲らない。泣かせて、奪って、閉じ込める。
(雪乃が側にいないと、僕はもう生きることすら難しいから)
だけど、僕の手で幸せにしたいから、今だけは離れる。
すやすや眠る雪乃の肩に、彼女のお気に入りのピンクのミニ毛布を起こさないようにかけて、こっそり口づけて、部屋を出る。
時々、眠っている雪乃にこっそりキスするのは僕だけの秘密。
(ねぇ、雪乃。早く僕だけのお姫さまになって)
僕が獣に負けないうちに……
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