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第三章
47. 竜王の誕生
男を葬った後、もう一人の男を追って里の中心部に行くと──もう一人の男は既にチェフェンによって確保されていた。
男は俺の姿を見て驚いた顔をする。
というのも、俺があの強さの男と交戦していたのを知っているからだろう。
「お前…ディエンはどうしたんすか⁉︎」
「ディエン?俺と交戦してた男のことか?…なら殺した」
「はあ⁉︎ディエンのヤローが殺られた?冗談すよね?」
目の前の男はディエンに相当な信頼を置いていたようで、俺の言葉をまだ受け入れられない様子だ。
だが、俺の失った左手を見て何かを悟ったようにため息を吐く。
「サイディスさんも特に強い緑竜は殺したし、藍竜もシグルズで無効化したって言ってたのに全部全部嘘じゃないすか!てかなんでここに人間がいるんすか!」
予定が狂った、とでも言いたげに叫んでみせる男。
緑竜とはネルタのことだろうか?
やはりディエンが言っていた通りサイディスとやらが藍竜…チェフェンにヒドラを寄生させた人物と確定していいだろうな。
ん?シグルズ?それがヒドラの正式名称っぽいな。
「お前は古代の代理人の一員か?」
「そこまで知ってるんすか…」
目を細め、あからさまに嫌な顔をして見せる男。いや、別に確信して言ったわけじゃないんだがな。
「だとしたらお前は第何支部の人間だ」
「第二支部っすよ。まあ、今は壊滅したんすけどね。第三支部もやられたっすし、もう古代の代理人も終わりっすかねー」
男は自嘲気味に笑っているが、俺は聞き捨てならない言葉を指摘する。
「第二支部が壊滅しただと?どういうことだ?」
レジェードは、古代の代理人第二支部はルフェゴール大森林にあると言っていた。
それに、数日前に第二支部の人間が様子を見てきたとも言っていた。
つまり、第二支部が壊滅したというのはつい最近の話なのだ。
いったいどんな理由で?見当もつかない。
「最悪の五芒星に手を出した結果っすね。自業自得っす」
「銀鏡の蜘蛛か?」
銀鏡の蜘蛛がルフェゴール大森林に現れた時期と確かに重なるが、
「違うっす。女王蜂っす」
女王蜂か。銀鏡の蜘蛛じゃないのならそれほど重要な情報ではない。
もっと重要なことを聞くか。
「古代の代理人は…シグルズを使って何を企んでいる?まさか竜の里にいる竜全てを操り人形にしようとしているのか?」
「ご明察っすね…流石に全ての竜に使うほどの在庫はないっすから、選別はやる予定でしたけど…全部おじゃんっす」
「随分とペラペラと喋ってくれるんだな」
「自分、おしゃべりな方っすから。…拷問されるくらいなら最初から話しておこうって話っすよ」
そうやってニヤけて見せる男。
捕まって絶望的な状況だと言うのにこの余裕、随分と不気味だ。
ってか拷問なんてする気はなかったがな。やり方も分からないし、人間の悲鳴なんて聞きたくない。
「お前、名前は?」
「自分はローレイっす。名前なんて聞いてどうするんすか?」
「どうもしないが、知っといた方がいいと思ってな。…第一支部の場所はどこだ?」
「それは…この後案内するっすよ」
やけに素直な応答を繰り返すローレイ。俺はそれに何か裏のようなものがあるように思えてしょうがない。
「そいつ、嘘ついてる!」
ここで口を挟んできたのは、先ほどシグルズの寄生によって理性を失い自らの手で母親のことを殺めてしまった子竜。
ローレイが嘘をついてるというのは、一体全体何を根拠に?
子竜の方を見る。
すると子竜は紋章を展開しており、その紋章を男の方へと向けていた。
マジか。子竜は嘘発見器的な魔法を使えるってことか?だとしたらかなり尋問に使えるぞ。
「ベリク。お前…アリヤはどうした?」
ここまで黙って俺とローレイの問答を聞いていたチェフェンが、突如声を荒げた子竜…ベリクという名らしい…に対して母親の所在を尋ねた。
この口ぶりからして、ベリクはいつも母親のアリヤとともにいたのだろう。
「母さんなら…死ん…だ」
ゆっくりと、咀嚼するように事実を述べるベリク。
その目は涙の後か、真っ赤に染まってしまっている。
「は…?嘘…だろ?」
あまりに驚いたためか、少し声が裏返ってしまっているチェフェン。
チェフェンとアリヤは仲が良かったのだろうか。
「だから僕は絶対にコイツを許さない」
幼いながらも精一杯の憎悪、憎しみを込めた声で言い放つベリクに、チェフェンは何か良くないものを感じたのか口を閉ざす。
ディエンを殺すことは躊躇したものの、やはりベリクには確かな憎しみが宿っていたようだ。
それは俺にも痛いほどわかる。
魔王護六将校の一人であるレオールドによって、リリシアは殺された。俺の目の前で。俺の手を介して。もう、それは他人ごとのようには思えなかった。
「お前の紋章魔法は相手の嘘を見抜けるのか?」
俺は紋章を展開するベリクの元まで歩み寄り、尋ねた。
それに対しベリクは「うん」と言って小さく頷く。
「協力してもらえるか?」
再びベリクは頷き、了承を得る。後はローレイに尋問するのみだ。
「ってことで改めて質問だ。第一支部はどこにある?」
「話せないっす」
さっきとは打って変わって素直に、そして端的に言葉を交わすローレイ。随分と潔いもんだな。
「……この場所はどうやって知った?」
「自分の紋章魔法の力っすね。そこの竜をマーキングして、跡を追ってきたっす」
ローレイはレジェードを指さして言った。
それにより一気にレジェードに集まる、疑心と侮蔑が込められた沢山の視線。
一気に縮こまってしまうレジェード。
なんだか可哀想だが、これで納得のいった点もある。
それはレジェードが言っていた、住処に古代の代理人の奴らが訪れてきたというのに何もせずに帰ったこと。
つまり古代の代理人の奴ら…ローレイは邪竜としてそこらで有名だったレジェードをマーキングし、竜の里、或いは仲間の竜の元までレジェードが行くのを待って、シグルズを使って一気に竜たちを自分らの手駒にしようとしたのだ。
竜は目撃情報が少ないし、レジェードの住処があるルフェゴール大森林は第二支部が近いという。
だからレジェードは格好の標的にされたんだろう。実際レジェードは強くないし。
いや、しかし腑に落ちない点もある。
それはサイディスがネルタとチェフェンを襲撃した時系列が合わない点。
まさか、サイディスという男は自力でララー大迷宮を発見したのか??
レジェードによってバレたのは、原竜山の存在か。
あれ…そういえば邪竜討伐の依頼を出していたジルダは邪竜によって村が壊滅されたと言っていたよな?
語ったのはジルダではなくレイトだが…レジェードにそんなことが出来るとは思えない。
古代の代理人の奴らの仕業か?ちょうどいいし一応聞いてみるか。
「話が変わるが、お前ら古代の代理人の奴らは、数年前にルフェゴール大森林近くの村を壊滅させたりしたか?」
「…?知らないっすね。たぶん自分らの仕業じゃないっすよ。第三支部の奴らならやりかねないっすけど、ルフェゴールまでは来ないと思われるんで」
聞かれた内容の真意がわからない、といったように首を傾げて見せるローレイ。
じゃあジルダの村を壊滅させたのはレジェードでも古代の代理人の奴らでもないってことか?…なんだか不気味だ。
とりあえず聞きたいことは聞けたな。
後はコイツをどうするか、だ。第一支部については語りそうにないが、他のことについては案外スラスラと話してくれるので殺すには惜しい。でももう用無しだ。
「コイツ、どうする?そっちでなんとかするか?」
ローレイの扱いはとりあえずこの里の長であるヴァロメに任せることにしとく。
…竜の里の所在を知ってしまった人間、それもマーキングとかいう魔法を使える者を生かしておくとも思えないが…俺は無責任なのだろうか?
「ああ、此奴のことは任せてくれ…と言っても村の者は死を所望するだろうがな」
「そりゃないっすよ~。割と素直に喋ったじゃないすか~」
初めて焦りのようなものを見せたローレイだったが、目は嗤っておりその不気味さは払拭されない。
この状況下から逆転できる何かがあるというのだろうか?考えられるものとしては…サイディスとかいう男の介入。
だとしたら早急にコイツは殺すべきだろうな。
奪還でもされようものなら厄介だ。あるいは何かのタイミングを見計らっているのか。
「お前とディエン、サイディス以外にこの場所を知る者はいるか?」
「その人たち以外には後一人いるっすね。サイディスさんが言いふらしてるかもしれないすけど」
「そうか……やはりこの場所は捨てなければならぬか」
ヴァロメのその言葉に騒ぎ始める野次馬たち。無理もないだろう。何百年もの間、竜たちの秘密を守ってきた場所を捨てるというのにはあまりに突然すぎるのだから。
「元はと言えばレジェードが悪いんだ!レジェードがそのサイディスとかいう奴を殺してこいよ!なんで俺たちがこの場所から追い出されないといけないんだ!!」
突如、場を支配するそんな声。
それに便乗するように「そうだそうだ!」、「レジェードに責任を取らせろ!」などと言った声が巻き起こる。そんな、醜く、悪辣な声がレジェードに向けられる。
「僕は…そんなつもりじゃ……竜王のリングをみんなに…みんなの役に立ちたかっただけなのに……ひどいよ…」
レジェードは目に精一杯の涙を浮かべ、どこかに駆け出してしまった。あの方向は…原竜山の方か。
あの豆腐メンタルにあれだけ酷い言葉をぶつければそうなるのは目に見えていただろう。それを狙ってやっていたのかもしれないが。
「随分と薄情な奴らなんだな、竜ってのは」
その光景を見て冷ややかな目で感想を述べるローレイ。だがどこか楽しそうだ。これから殺されるというのに。
って、レジェードいなかったら俺、帰れなくないか??
「俺、これから予定あるんだが。お前ら、レジェードを追い出しといて俺の帰り道は保証してくれるんだろうな?あとな、サイディスがネルタとチェフェンを襲った時系列からして、レジェードがマーキングされてなくてもお前らは見つかってたぞ」
少しムカついたので少し威圧的に一歩前に出てみる。
すると多少後ずさりする竜たち。コイツら、実力はないくせに口だけは達者だな。
「すまないワタル。俺がお前を帰そう」
見かねたのかチェフェンが名乗り出てくれた。
俺はレイトと別れる際、戦える竜たちを引き連れて戻ってくると約束した。
チェフェンなら戦力になりそうだし、たとえ一匹だけでも銀鏡の蜘蛛を倒せればレイトも納得するだろう。
「ありがとうチェフェン。それでなんだが、俺はルフェゴール大森林に戻ったら銀鏡の蜘蛛と戦わなければならない。チェフェンも協力してくれないか?」
「銀鏡の蜘蛛⁉︎あの最悪の五芒星のか?随分と急な話だな」
「まあな。俺が竜の里に来たのは竜に銀鏡の蜘蛛討伐の協力を要請しようとしていたからなんだ」
「そういうことだったのか。…わかった。俺でいいなら協力するが、まずは竜王のリングの承認を完了してからでいいか?」
「もちろんだ。竜王のリングを引き合いにしようと思っていたからな」
俺は竜王のリングを外し、チェフェンに手渡した。
次の竜王候補はネルタとチェフェンだったという。ネルタ亡き今、チェフェンが竜王となることに異議を唱える者はもういない。
竜王のリングを受け取ったチェフェンは紋章を展開し、竜王のリングとの間の認証を開始する。
俺が持っていた時は一切反応しなかったが、チェフェンが手に取った瞬間に竜王のリングから認証用の紋章が顕現した。
ヴァロメに渡した時は反応しなかったから、竜王たる資質がある竜にしか反応しないのだろう。
認証完了により淡い光に包まれたチェフェンの紋章の蒼い小円は一つ増え、チェフェンのレベルが十となったことが確認できた。
これで晴れてチェフェンは竜王となり、竜種たちを率いる存在、そして最悪の五芒星の一員となった。
「この時を待ってたんすよね!」
チェフェンが認証を済ませた瞬間、力任せに拘束具を引きちぎり、シグルズ片手にチェフェンの首元へと跳躍するローレイ。
何か狙っているとは思っていたが…チェフェンが竜王となるのを待っていたとは。迂闊だった。
だが俺が対処するよりも早く、チェフェンは自らの尻尾を高速で振るい、ローレイを地面に叩きつけた。
ローレイは白目を剥いて吐血し、一瞬で意識が削り取られたようである。
ローレイの不意の跳躍は決してすぐに反応できるような代物ではなかった。
それは拘束されていたローレイの余裕さからもわかる。──だが、竜王となったチェフェンの実力の方がそれを上回った。
「すごいな…体に力が漲っている」
いとも容易くローレイの不意打ちを返り討ちにしてみせたチェフェンは、どうやらレベルアップによってかなりの力を得たようだった。
これならあの銀鏡の蜘蛛にも勝てるかもしれない。
「待たせている人がいる。今からでも行けるか?」
「ああ。背に乗ってくれ」
こうしてローレイのことはヴァロメに任せ──俺は竜王となったチェフェン=リントヴルムの背に乗って竜の里を飛び出した。
※
レジェードの数倍の速さで飛ぶチェフェンを案内しながら戻ってきた、ルフェゴール大森林。
火炎、黒煙、鼻を覆いたくなる死のニオイ。
──森は燃えていた。
燃えているのは以前確認した銀鏡の蜘蛛の巣が張り巡らされていた濃霧のエリア。
レイトは『不滅の炎』の異名を持つグライトの弟子。
つまりそのレイトが使える紋章魔法が炎系統の魔法であると考えても違和感はない。
もしかして俺たちの帰りが待ちきれず、銀鏡の蜘蛛に手を出してしまったというのか?
そこまで考えて、俺はひとまずレイトに待機を命じていた場所──ジルダの小屋へとチェフェンを急がせた。
幸いにもジルダの小屋まで火が回っていることはなく、周囲に人がいないことを確認して小屋の横に着陸する。
何も知らない人間がこんな場所で竜を見たらパニックを起こしてしまいかねないが、緊急事態なので仕方ない。
「ジルダ!レイトはいるか?」
勢いよく開けた扉の先で、コーヒーを挽きながらポカンとした表情でこちらを向くジルダの姿を確認する。他にも数人の冒険者の姿が見えた。
よかった。
いや、よくないのかもしれない。
この様子を見るにまだジルダは森林の惨状に気付いていないということだ。
それはつまり大規模な消化作業を行えるギルドに連絡がいってないということ。
火災は早急に対処しなければ手に負えなくなる。
もしかしたら森林から立ち登る相当な黒煙を見た近隣住民たちがギルドに報告を行っているかもしれないが、確実に自分の口から人に頼んだ方がいいだろう。
あの炎がレイトの魔法であるならば、話は別だが。
「どうした…?そんなに慌てて」
「外を見てみろ。大変なことになってるぞ」
優雅に挽き終わったコーヒーを淹れようとするジルダの手を止め、外に出させる。
火災が発生している場所は年中濃霧が立ち込めている地域だというが、それを凌駕するほどに立ち込める黒煙を見てジルダは目を見開いていた。
そこまではかなり距離が離れているが、煙の臭いが微かにするほどである。
「ルフェゴール大森林が…燃えてんのか…?」
信じられない、そんな口調で話すジルダは頭を抱えてしまっている。
俺の話を聞いていたであろう小屋にいた冒険者たちも、あまりの光景に騒ぎ立て始めていた。
「竜!?」
ここで冒険者の一人が、小屋の傍で俺を待っているチェフェンの存在に気が付いた。
説明するのも億劫なので俺はそいつに指示を出す。
「お前、ギルドまでルフェゴール大森林で火災が発生したことを報告しろ」
「なんで俺が──」
「いいから早くいけ!銀鏡の蜘蛛と竜王が戦ってる。お前は巻き込まれたいのか?」
「銀鏡の蜘蛛がいるってのは聞いてたが…竜王もいるのか…?まさかその竜が…」
「事情はわかっただろ?お前らもここにいては危険だ。近隣住民を避難させるなりしててくれ」
俺がギルドへ行くよう促した冒険者以外の人たちにも指示を仰ぐ。
というのも最もらしい理由をつけて足手纏いを払ってるだけだ。
チェフェンがいることで俺のハッタリも信じることだろう。
俺の言葉を聞いて大人しく近くにある村の方まで散る冒険者たち。
「ジルダ。レイトはどうした」
小屋の中にレイトはいなかった。
「レイトは…今朝いつものように森へ出て行ったっきりだ。何もなければいいんだが…でもどうして…森の守り神様はどうなったんだ…」
やはりこの火災が起こったのはついさっきのことみたいだな。
…ん?
「森の守り神?」
突如ジルダから出た妙な言葉を復唱する。森の守り神なんてものが存在するのか?
「ああ…この森がここまで繁栄できたのには森の守り神様の存在が大きい。俺も実際には見たことがないが…」
「そうか。おそらくこの火元には銀鏡の蜘蛛がいる。俺はそいつを倒してくる。あと…お前の村を滅ぼしたのは邪竜じゃなかった」
とりあえず森の守り神などという曖昧な存在は置いといてジルダが気になっているであろうことを報告する。詳細な情報についてを今話す時間はないが。
「え…?それはどういうことで…?」
「話は後だ。とりあえずお前もこの場から逃げてくれ。まあここまで被害が来るとは思えないが一応だ」
「わかった…お前を…信じよう」
俺の失った左手を見てから、何か思ったのか頷いて見せるジルダ。
俺はそれを見てすぐさまチェフェンの元まで駆け寄り、その背中に飛び乗った。
俺の合図でチェフェンは翼を羽ばたかせ、周囲には風が巻き起こり、そのまま一気に飛翔する。
みるみる内にジルダの姿は小さくなり見えなくなった。
男は俺の姿を見て驚いた顔をする。
というのも、俺があの強さの男と交戦していたのを知っているからだろう。
「お前…ディエンはどうしたんすか⁉︎」
「ディエン?俺と交戦してた男のことか?…なら殺した」
「はあ⁉︎ディエンのヤローが殺られた?冗談すよね?」
目の前の男はディエンに相当な信頼を置いていたようで、俺の言葉をまだ受け入れられない様子だ。
だが、俺の失った左手を見て何かを悟ったようにため息を吐く。
「サイディスさんも特に強い緑竜は殺したし、藍竜もシグルズで無効化したって言ってたのに全部全部嘘じゃないすか!てかなんでここに人間がいるんすか!」
予定が狂った、とでも言いたげに叫んでみせる男。
緑竜とはネルタのことだろうか?
やはりディエンが言っていた通りサイディスとやらが藍竜…チェフェンにヒドラを寄生させた人物と確定していいだろうな。
ん?シグルズ?それがヒドラの正式名称っぽいな。
「お前は古代の代理人の一員か?」
「そこまで知ってるんすか…」
目を細め、あからさまに嫌な顔をして見せる男。いや、別に確信して言ったわけじゃないんだがな。
「だとしたらお前は第何支部の人間だ」
「第二支部っすよ。まあ、今は壊滅したんすけどね。第三支部もやられたっすし、もう古代の代理人も終わりっすかねー」
男は自嘲気味に笑っているが、俺は聞き捨てならない言葉を指摘する。
「第二支部が壊滅しただと?どういうことだ?」
レジェードは、古代の代理人第二支部はルフェゴール大森林にあると言っていた。
それに、数日前に第二支部の人間が様子を見てきたとも言っていた。
つまり、第二支部が壊滅したというのはつい最近の話なのだ。
いったいどんな理由で?見当もつかない。
「最悪の五芒星に手を出した結果っすね。自業自得っす」
「銀鏡の蜘蛛か?」
銀鏡の蜘蛛がルフェゴール大森林に現れた時期と確かに重なるが、
「違うっす。女王蜂っす」
女王蜂か。銀鏡の蜘蛛じゃないのならそれほど重要な情報ではない。
もっと重要なことを聞くか。
「古代の代理人は…シグルズを使って何を企んでいる?まさか竜の里にいる竜全てを操り人形にしようとしているのか?」
「ご明察っすね…流石に全ての竜に使うほどの在庫はないっすから、選別はやる予定でしたけど…全部おじゃんっす」
「随分とペラペラと喋ってくれるんだな」
「自分、おしゃべりな方っすから。…拷問されるくらいなら最初から話しておこうって話っすよ」
そうやってニヤけて見せる男。
捕まって絶望的な状況だと言うのにこの余裕、随分と不気味だ。
ってか拷問なんてする気はなかったがな。やり方も分からないし、人間の悲鳴なんて聞きたくない。
「お前、名前は?」
「自分はローレイっす。名前なんて聞いてどうするんすか?」
「どうもしないが、知っといた方がいいと思ってな。…第一支部の場所はどこだ?」
「それは…この後案内するっすよ」
やけに素直な応答を繰り返すローレイ。俺はそれに何か裏のようなものがあるように思えてしょうがない。
「そいつ、嘘ついてる!」
ここで口を挟んできたのは、先ほどシグルズの寄生によって理性を失い自らの手で母親のことを殺めてしまった子竜。
ローレイが嘘をついてるというのは、一体全体何を根拠に?
子竜の方を見る。
すると子竜は紋章を展開しており、その紋章を男の方へと向けていた。
マジか。子竜は嘘発見器的な魔法を使えるってことか?だとしたらかなり尋問に使えるぞ。
「ベリク。お前…アリヤはどうした?」
ここまで黙って俺とローレイの問答を聞いていたチェフェンが、突如声を荒げた子竜…ベリクという名らしい…に対して母親の所在を尋ねた。
この口ぶりからして、ベリクはいつも母親のアリヤとともにいたのだろう。
「母さんなら…死ん…だ」
ゆっくりと、咀嚼するように事実を述べるベリク。
その目は涙の後か、真っ赤に染まってしまっている。
「は…?嘘…だろ?」
あまりに驚いたためか、少し声が裏返ってしまっているチェフェン。
チェフェンとアリヤは仲が良かったのだろうか。
「だから僕は絶対にコイツを許さない」
幼いながらも精一杯の憎悪、憎しみを込めた声で言い放つベリクに、チェフェンは何か良くないものを感じたのか口を閉ざす。
ディエンを殺すことは躊躇したものの、やはりベリクには確かな憎しみが宿っていたようだ。
それは俺にも痛いほどわかる。
魔王護六将校の一人であるレオールドによって、リリシアは殺された。俺の目の前で。俺の手を介して。もう、それは他人ごとのようには思えなかった。
「お前の紋章魔法は相手の嘘を見抜けるのか?」
俺は紋章を展開するベリクの元まで歩み寄り、尋ねた。
それに対しベリクは「うん」と言って小さく頷く。
「協力してもらえるか?」
再びベリクは頷き、了承を得る。後はローレイに尋問するのみだ。
「ってことで改めて質問だ。第一支部はどこにある?」
「話せないっす」
さっきとは打って変わって素直に、そして端的に言葉を交わすローレイ。随分と潔いもんだな。
「……この場所はどうやって知った?」
「自分の紋章魔法の力っすね。そこの竜をマーキングして、跡を追ってきたっす」
ローレイはレジェードを指さして言った。
それにより一気にレジェードに集まる、疑心と侮蔑が込められた沢山の視線。
一気に縮こまってしまうレジェード。
なんだか可哀想だが、これで納得のいった点もある。
それはレジェードが言っていた、住処に古代の代理人の奴らが訪れてきたというのに何もせずに帰ったこと。
つまり古代の代理人の奴ら…ローレイは邪竜としてそこらで有名だったレジェードをマーキングし、竜の里、或いは仲間の竜の元までレジェードが行くのを待って、シグルズを使って一気に竜たちを自分らの手駒にしようとしたのだ。
竜は目撃情報が少ないし、レジェードの住処があるルフェゴール大森林は第二支部が近いという。
だからレジェードは格好の標的にされたんだろう。実際レジェードは強くないし。
いや、しかし腑に落ちない点もある。
それはサイディスがネルタとチェフェンを襲撃した時系列が合わない点。
まさか、サイディスという男は自力でララー大迷宮を発見したのか??
レジェードによってバレたのは、原竜山の存在か。
あれ…そういえば邪竜討伐の依頼を出していたジルダは邪竜によって村が壊滅されたと言っていたよな?
語ったのはジルダではなくレイトだが…レジェードにそんなことが出来るとは思えない。
古代の代理人の奴らの仕業か?ちょうどいいし一応聞いてみるか。
「話が変わるが、お前ら古代の代理人の奴らは、数年前にルフェゴール大森林近くの村を壊滅させたりしたか?」
「…?知らないっすね。たぶん自分らの仕業じゃないっすよ。第三支部の奴らならやりかねないっすけど、ルフェゴールまでは来ないと思われるんで」
聞かれた内容の真意がわからない、といったように首を傾げて見せるローレイ。
じゃあジルダの村を壊滅させたのはレジェードでも古代の代理人の奴らでもないってことか?…なんだか不気味だ。
とりあえず聞きたいことは聞けたな。
後はコイツをどうするか、だ。第一支部については語りそうにないが、他のことについては案外スラスラと話してくれるので殺すには惜しい。でももう用無しだ。
「コイツ、どうする?そっちでなんとかするか?」
ローレイの扱いはとりあえずこの里の長であるヴァロメに任せることにしとく。
…竜の里の所在を知ってしまった人間、それもマーキングとかいう魔法を使える者を生かしておくとも思えないが…俺は無責任なのだろうか?
「ああ、此奴のことは任せてくれ…と言っても村の者は死を所望するだろうがな」
「そりゃないっすよ~。割と素直に喋ったじゃないすか~」
初めて焦りのようなものを見せたローレイだったが、目は嗤っておりその不気味さは払拭されない。
この状況下から逆転できる何かがあるというのだろうか?考えられるものとしては…サイディスとかいう男の介入。
だとしたら早急にコイツは殺すべきだろうな。
奪還でもされようものなら厄介だ。あるいは何かのタイミングを見計らっているのか。
「お前とディエン、サイディス以外にこの場所を知る者はいるか?」
「その人たち以外には後一人いるっすね。サイディスさんが言いふらしてるかもしれないすけど」
「そうか……やはりこの場所は捨てなければならぬか」
ヴァロメのその言葉に騒ぎ始める野次馬たち。無理もないだろう。何百年もの間、竜たちの秘密を守ってきた場所を捨てるというのにはあまりに突然すぎるのだから。
「元はと言えばレジェードが悪いんだ!レジェードがそのサイディスとかいう奴を殺してこいよ!なんで俺たちがこの場所から追い出されないといけないんだ!!」
突如、場を支配するそんな声。
それに便乗するように「そうだそうだ!」、「レジェードに責任を取らせろ!」などと言った声が巻き起こる。そんな、醜く、悪辣な声がレジェードに向けられる。
「僕は…そんなつもりじゃ……竜王のリングをみんなに…みんなの役に立ちたかっただけなのに……ひどいよ…」
レジェードは目に精一杯の涙を浮かべ、どこかに駆け出してしまった。あの方向は…原竜山の方か。
あの豆腐メンタルにあれだけ酷い言葉をぶつければそうなるのは目に見えていただろう。それを狙ってやっていたのかもしれないが。
「随分と薄情な奴らなんだな、竜ってのは」
その光景を見て冷ややかな目で感想を述べるローレイ。だがどこか楽しそうだ。これから殺されるというのに。
って、レジェードいなかったら俺、帰れなくないか??
「俺、これから予定あるんだが。お前ら、レジェードを追い出しといて俺の帰り道は保証してくれるんだろうな?あとな、サイディスがネルタとチェフェンを襲った時系列からして、レジェードがマーキングされてなくてもお前らは見つかってたぞ」
少しムカついたので少し威圧的に一歩前に出てみる。
すると多少後ずさりする竜たち。コイツら、実力はないくせに口だけは達者だな。
「すまないワタル。俺がお前を帰そう」
見かねたのかチェフェンが名乗り出てくれた。
俺はレイトと別れる際、戦える竜たちを引き連れて戻ってくると約束した。
チェフェンなら戦力になりそうだし、たとえ一匹だけでも銀鏡の蜘蛛を倒せればレイトも納得するだろう。
「ありがとうチェフェン。それでなんだが、俺はルフェゴール大森林に戻ったら銀鏡の蜘蛛と戦わなければならない。チェフェンも協力してくれないか?」
「銀鏡の蜘蛛⁉︎あの最悪の五芒星のか?随分と急な話だな」
「まあな。俺が竜の里に来たのは竜に銀鏡の蜘蛛討伐の協力を要請しようとしていたからなんだ」
「そういうことだったのか。…わかった。俺でいいなら協力するが、まずは竜王のリングの承認を完了してからでいいか?」
「もちろんだ。竜王のリングを引き合いにしようと思っていたからな」
俺は竜王のリングを外し、チェフェンに手渡した。
次の竜王候補はネルタとチェフェンだったという。ネルタ亡き今、チェフェンが竜王となることに異議を唱える者はもういない。
竜王のリングを受け取ったチェフェンは紋章を展開し、竜王のリングとの間の認証を開始する。
俺が持っていた時は一切反応しなかったが、チェフェンが手に取った瞬間に竜王のリングから認証用の紋章が顕現した。
ヴァロメに渡した時は反応しなかったから、竜王たる資質がある竜にしか反応しないのだろう。
認証完了により淡い光に包まれたチェフェンの紋章の蒼い小円は一つ増え、チェフェンのレベルが十となったことが確認できた。
これで晴れてチェフェンは竜王となり、竜種たちを率いる存在、そして最悪の五芒星の一員となった。
「この時を待ってたんすよね!」
チェフェンが認証を済ませた瞬間、力任せに拘束具を引きちぎり、シグルズ片手にチェフェンの首元へと跳躍するローレイ。
何か狙っているとは思っていたが…チェフェンが竜王となるのを待っていたとは。迂闊だった。
だが俺が対処するよりも早く、チェフェンは自らの尻尾を高速で振るい、ローレイを地面に叩きつけた。
ローレイは白目を剥いて吐血し、一瞬で意識が削り取られたようである。
ローレイの不意の跳躍は決してすぐに反応できるような代物ではなかった。
それは拘束されていたローレイの余裕さからもわかる。──だが、竜王となったチェフェンの実力の方がそれを上回った。
「すごいな…体に力が漲っている」
いとも容易くローレイの不意打ちを返り討ちにしてみせたチェフェンは、どうやらレベルアップによってかなりの力を得たようだった。
これならあの銀鏡の蜘蛛にも勝てるかもしれない。
「待たせている人がいる。今からでも行けるか?」
「ああ。背に乗ってくれ」
こうしてローレイのことはヴァロメに任せ──俺は竜王となったチェフェン=リントヴルムの背に乗って竜の里を飛び出した。
※
レジェードの数倍の速さで飛ぶチェフェンを案内しながら戻ってきた、ルフェゴール大森林。
火炎、黒煙、鼻を覆いたくなる死のニオイ。
──森は燃えていた。
燃えているのは以前確認した銀鏡の蜘蛛の巣が張り巡らされていた濃霧のエリア。
レイトは『不滅の炎』の異名を持つグライトの弟子。
つまりそのレイトが使える紋章魔法が炎系統の魔法であると考えても違和感はない。
もしかして俺たちの帰りが待ちきれず、銀鏡の蜘蛛に手を出してしまったというのか?
そこまで考えて、俺はひとまずレイトに待機を命じていた場所──ジルダの小屋へとチェフェンを急がせた。
幸いにもジルダの小屋まで火が回っていることはなく、周囲に人がいないことを確認して小屋の横に着陸する。
何も知らない人間がこんな場所で竜を見たらパニックを起こしてしまいかねないが、緊急事態なので仕方ない。
「ジルダ!レイトはいるか?」
勢いよく開けた扉の先で、コーヒーを挽きながらポカンとした表情でこちらを向くジルダの姿を確認する。他にも数人の冒険者の姿が見えた。
よかった。
いや、よくないのかもしれない。
この様子を見るにまだジルダは森林の惨状に気付いていないということだ。
それはつまり大規模な消化作業を行えるギルドに連絡がいってないということ。
火災は早急に対処しなければ手に負えなくなる。
もしかしたら森林から立ち登る相当な黒煙を見た近隣住民たちがギルドに報告を行っているかもしれないが、確実に自分の口から人に頼んだ方がいいだろう。
あの炎がレイトの魔法であるならば、話は別だが。
「どうした…?そんなに慌てて」
「外を見てみろ。大変なことになってるぞ」
優雅に挽き終わったコーヒーを淹れようとするジルダの手を止め、外に出させる。
火災が発生している場所は年中濃霧が立ち込めている地域だというが、それを凌駕するほどに立ち込める黒煙を見てジルダは目を見開いていた。
そこまではかなり距離が離れているが、煙の臭いが微かにするほどである。
「ルフェゴール大森林が…燃えてんのか…?」
信じられない、そんな口調で話すジルダは頭を抱えてしまっている。
俺の話を聞いていたであろう小屋にいた冒険者たちも、あまりの光景に騒ぎ立て始めていた。
「竜!?」
ここで冒険者の一人が、小屋の傍で俺を待っているチェフェンの存在に気が付いた。
説明するのも億劫なので俺はそいつに指示を出す。
「お前、ギルドまでルフェゴール大森林で火災が発生したことを報告しろ」
「なんで俺が──」
「いいから早くいけ!銀鏡の蜘蛛と竜王が戦ってる。お前は巻き込まれたいのか?」
「銀鏡の蜘蛛がいるってのは聞いてたが…竜王もいるのか…?まさかその竜が…」
「事情はわかっただろ?お前らもここにいては危険だ。近隣住民を避難させるなりしててくれ」
俺がギルドへ行くよう促した冒険者以外の人たちにも指示を仰ぐ。
というのも最もらしい理由をつけて足手纏いを払ってるだけだ。
チェフェンがいることで俺のハッタリも信じることだろう。
俺の言葉を聞いて大人しく近くにある村の方まで散る冒険者たち。
「ジルダ。レイトはどうした」
小屋の中にレイトはいなかった。
「レイトは…今朝いつものように森へ出て行ったっきりだ。何もなければいいんだが…でもどうして…森の守り神様はどうなったんだ…」
やはりこの火災が起こったのはついさっきのことみたいだな。
…ん?
「森の守り神?」
突如ジルダから出た妙な言葉を復唱する。森の守り神なんてものが存在するのか?
「ああ…この森がここまで繁栄できたのには森の守り神様の存在が大きい。俺も実際には見たことがないが…」
「そうか。おそらくこの火元には銀鏡の蜘蛛がいる。俺はそいつを倒してくる。あと…お前の村を滅ぼしたのは邪竜じゃなかった」
とりあえず森の守り神などという曖昧な存在は置いといてジルダが気になっているであろうことを報告する。詳細な情報についてを今話す時間はないが。
「え…?それはどういうことで…?」
「話は後だ。とりあえずお前もこの場から逃げてくれ。まあここまで被害が来るとは思えないが一応だ」
「わかった…お前を…信じよう」
俺の失った左手を見てから、何か思ったのか頷いて見せるジルダ。
俺はそれを見てすぐさまチェフェンの元まで駆け寄り、その背中に飛び乗った。
俺の合図でチェフェンは翼を羽ばたかせ、周囲には風が巻き起こり、そのまま一気に飛翔する。
みるみる内にジルダの姿は小さくなり見えなくなった。
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