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おつまみ1
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調理場に行くと、誰もいなくて真っ暗だったので、壁に掛けられたランプに火を灯し、その暖かな光を頼りに中へ入った。石造りの調理場は静まり返っていて、昼間の喧騒が嘘のようだ。
「シャーリー様?どうしたんですか?お腹すきました?」
廊下を通りかかった男性が、驚いたように声を掛けてきた。
「キャウリー様のおつまみを作ろうと思ってきました」
「え!?シャーリー様が!?料理を?」
「はい」
目を丸くして何か言いたそうな彼を、悪いと思いながらスルーし、てきぱきと動いていく。さて、つまみというのはすぐ作らないとね。
袖をまくり上げ、急いで調理場にあるの小さいな方の暖炉に薪をくべて火をつける。
火はとても大事だし、大きな暖炉ではなかなか火がつかないし、勿体ない。
パチパチと薪が弾ける音が心地よい。
保冷庫の重い扉を開けると、ひんやりとした空気と共に、きれいに並べられた食材が目に入る。
お、豚バラのスライスがある。これは使えるな。
野菜保管の木箱を次々と開け、残りの野菜を確認していく。キャベツ、人参、パセリ、エシャロットかぁ。
うーん、よし、あれでいこうかな。
頭の中でレシピが浮かぶ。
豚バラを取り出し、まな板の上に綺麗に並べる。薄くスライスされた豚肉は、ほんのりピンク色で艶やかだ。全体に岩塩と粗挽き黒胡椒をパラパラと振り、手のひらで優しく押さえて馴染ませる。味が染み込むように少し置いている間に、下ごしらえだ。
夕食の時に、どんな食材があるかはしっかり覚えていた。サラダ用に既に切ってある、キャベツと人参の千切りをボウルに取り出す。シャキシャキとした歯ごたえが残るよう、水気をしっかり切っておく。それから、パセリとエシャロットを洗い、水滴を拭き取って準備完了。
馴染んだ豚バラに、茶漉しで軽く小麦粉を振る。薄く雪のように降りかかる粉が、肉の表面を覆っていく。その上に、キャベツと人参の千切りをふんわりと置き、くるくると巻いていく。野菜が飛び出さないように、きゅっと締めながら巻くのがコツ。最後に爪楊枝をプスリと刺して固定する。一つ、二つ、三つ...リズミカルに手を動かしていくと、あっという間に肉巻きが並んだ。
深めのフライパンに水を張り、その上に脚付きの金属製の皿を逆さに置く。その上にさらに平らな深皿を乗せ...よし、簡易蒸し器の出来上がりだ。まだ、蓋はしないよ。
暖炉の火加減を見ながら、フライパンを火にかける。ごごごと水が沸き始める音がしてきた。火が強くなってきたら、少し弱めて...うん、これくらいかな。湯気がゆらゆらと立ち上っている。
別のフライパンを取り出し、オリーブオイルを薄く引いて温める。表面がキラキラと輝き始めたところで、巻いた豚肉を一つずつ、転がしながら並べていく。ジュワーッと心地好い音を立てて、肉の表面に焼き色がつき始める。香ばしい匂いが調理場に広がっていく。
全体にこんがりと焼き色がついたところで、蒸し器の皿の上に並べる。ジュージューと音を立てながら、豚肉からは脂がじんわりと滲み出している。蓋をカタンと閉めると、もう蒸気が勢いよく立ち上がり始めた。
この間に、ソース作り。パセリとエシャロットを、トントントンとリズミカルにみじん切りにしていく。まな板に緑と白の小山ができる。ボウルに移し、岩塩、レモン汁、オリーブオイルを加えて混ぜ合わせる。鼻をくすぐる爽やかな香り。ハーブとレモンが香る、塩ベースのさっぱりソースの完成だ。
そして、もう一つ。別の器にワインビネガーを注ぎ、その中にすりおろしたばかりのホースラディッシュをたっぷりと加える。白い雪のような西洋わさびが、琥珀色のビネガーに混ざっていく。少量の生クリームを垂らして滑らかさを出し、最後に粗挽きの黒胡椒をガリガリと挽いてパラリと振りかける。ピリリとした辛味と酸味がアクセントになる、クリーミーなソースだ。
ふわっと蒸気の香りが強くなってきた。蒸し器の蓋を開けると、程よく火が通った豚肉巻きが、ふっくらと膨らんでいる。野菜の甘い香りと、豚肉の旨味が混ざり合った湯気が顔にかかる。爪楊枝を一本抜いて、断面を確認する。キャベツと人参の鮮やかな色が、豚肉の淡いピンク色に包まれて美しい。
「よし、出来上がり♪」
「すげ・・・あっという間に」
白い陶器の皿に、豚肉巻きを丁寧に並べていく。湯気がゆらゆらと立ち上がり、艶やかに輝いている。小さなココットに、二種類のソースをそれぞれ入れる。緑のハーブソースと、白いホースラディッシュクリームソース。色のコントラストも美しい。
早くキャウリー様に届けなきゃ、とお皿を両手で持ち上げると、急に袖をぐいっと引っ張られた。
「ちょっと!!それ、俺にも作って下さい!!」
「は、はい!?」
その男の人が、まるで子供のように物欲しそうな目で訴えてくる。あまりの真剣さに、思わず「分かりました」と答えると、「やった!!」と両手を握って喜んでくれた。
...でも、この人、誰だったんだろう?
「これ、君が作ったのか?」
執務室に入り、ワゴンから料理を一つずつ机に並べる私を、キャウリー様は興味深そうに見つめながら訝し気に質問した。湯気の立つ皿を見て、少し驚いたような表情を浮かべている。
「はい、勝手にですが、そのお、いつもお父様に作っているので」
グラスに注がれたワインを持ったまま、キャウリー様は料理に視線を落とす。
「夜にチーズや燻製ばかりだと胃に重くなりますから、次の日が辛くなる時があるんです。これは、豚バラを使っていますが、中にキャベツと人参をたっぷり巻き込んで蒸してあるので、お肉の余分な脂が落ちているんです。野菜の甘みも出て、サッパリと食べられると思います。ソースは二種類ご用意しました。一つはパセリとエシャロットのハーブソース、もう一つはホースラディッシュの入ったクリーミーなビネガーソースです」
「へえ!ホースラディッシュか。珍しいな」
キャウリー様は私の説明を、私の目をじっと見つめながら、きちんと聞いてくれた。そして、すぐに、スプーンで二種類のソースをそれぞれの肉巻きにかけ、フォークで刺して頬張った。
パクリ。
咀嚼しながら、キャウリー様の表情がぱっと明るくなる。
「うん!上手い!肉は柔らかいし、野菜の食感がいいな。このハーブソースのレモンの酸味が爽やかで、塩加減も絶妙だ。そして、こっちのホースラディッシュのソースは...ほう、ピリッとした辛みとビネガーの酸味、それに生クリームのまろやかさが合わさって深みがあるな。二種類あると飽きんし、味変も楽しめる。ワインにも実に合う。確かに、ボリュームはあるが、野菜が多い分、重たくならずに食べやすいな」
美味しそうに次々と肉巻きを口に運びながら、キャウリー様はどんどんワインを傾けていく。グラスの赤いワインが、喉を通るたびに減っていく。
ぐびぐびと美味しそうに飲み干し、空になったグラスにワインをなみなみと注ぐ。
「あの、でも、ワインは程々にしてくださいね」
美味しく食べてくれるのは嬉しいけれど、ぐびぐびとワインを飲み、ボトルがどんどん軽くなっていく。
「ん?ああ、言われてみれば、そうだな」
ほぼ一本なくなりそうな勢いだった。キャウリー様は、ボトルを見て、少し名残惜しそうな顔をする。
そんな寂しそうな顔をされると、作った甲斐があるというものだ。
「あの、では、私、呼ばれているので下がります。明日も何か用意してもいいですか?」
「勿論だ!いつも同じつまみばかりで飽き飽きしていたんだ。これは嬉しい」
「それなら明日もご準備します。それと、ガイナ料理長に調理場を使用する事を許して貰えるよう、お言葉を頂けますか?」
今更ながら勝手に使ってしまって、どうしようと思ってしまう。
「構わん。何なら、今一筆書いてあげよう。調理場に置いておけば、明日見てくれるのではないか?」
「す、」
すみません、と言いかけて止める。あ、違うな。ここは感謝を伝える場面だ。言葉を飲み込み、にっこりと笑顔を作る。
「ありがとうございます!」
言い直した私に、キャウリー様は一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに柔らかく微笑み、頷きながら羊皮紙とペンを取り出し、さらさらと一筆書いてくれた。インクの匂いがふわりと漂う。
「ありがとうございます。では、私これで失礼致します」
ぺこりと頭を下げ、羊皮紙を大切に手に持ち、急いで調理場に戻った。廊下を小走りで進みながら、今日の成功に小さくガッツポーズをする。
明日は何を作ろうかな。そんなことを考えながら、夜の廊下を静かに走った。
「シャーリー様?どうしたんですか?お腹すきました?」
廊下を通りかかった男性が、驚いたように声を掛けてきた。
「キャウリー様のおつまみを作ろうと思ってきました」
「え!?シャーリー様が!?料理を?」
「はい」
目を丸くして何か言いたそうな彼を、悪いと思いながらスルーし、てきぱきと動いていく。さて、つまみというのはすぐ作らないとね。
袖をまくり上げ、急いで調理場にあるの小さいな方の暖炉に薪をくべて火をつける。
火はとても大事だし、大きな暖炉ではなかなか火がつかないし、勿体ない。
パチパチと薪が弾ける音が心地よい。
保冷庫の重い扉を開けると、ひんやりとした空気と共に、きれいに並べられた食材が目に入る。
お、豚バラのスライスがある。これは使えるな。
野菜保管の木箱を次々と開け、残りの野菜を確認していく。キャベツ、人参、パセリ、エシャロットかぁ。
うーん、よし、あれでいこうかな。
頭の中でレシピが浮かぶ。
豚バラを取り出し、まな板の上に綺麗に並べる。薄くスライスされた豚肉は、ほんのりピンク色で艶やかだ。全体に岩塩と粗挽き黒胡椒をパラパラと振り、手のひらで優しく押さえて馴染ませる。味が染み込むように少し置いている間に、下ごしらえだ。
夕食の時に、どんな食材があるかはしっかり覚えていた。サラダ用に既に切ってある、キャベツと人参の千切りをボウルに取り出す。シャキシャキとした歯ごたえが残るよう、水気をしっかり切っておく。それから、パセリとエシャロットを洗い、水滴を拭き取って準備完了。
馴染んだ豚バラに、茶漉しで軽く小麦粉を振る。薄く雪のように降りかかる粉が、肉の表面を覆っていく。その上に、キャベツと人参の千切りをふんわりと置き、くるくると巻いていく。野菜が飛び出さないように、きゅっと締めながら巻くのがコツ。最後に爪楊枝をプスリと刺して固定する。一つ、二つ、三つ...リズミカルに手を動かしていくと、あっという間に肉巻きが並んだ。
深めのフライパンに水を張り、その上に脚付きの金属製の皿を逆さに置く。その上にさらに平らな深皿を乗せ...よし、簡易蒸し器の出来上がりだ。まだ、蓋はしないよ。
暖炉の火加減を見ながら、フライパンを火にかける。ごごごと水が沸き始める音がしてきた。火が強くなってきたら、少し弱めて...うん、これくらいかな。湯気がゆらゆらと立ち上っている。
別のフライパンを取り出し、オリーブオイルを薄く引いて温める。表面がキラキラと輝き始めたところで、巻いた豚肉を一つずつ、転がしながら並べていく。ジュワーッと心地好い音を立てて、肉の表面に焼き色がつき始める。香ばしい匂いが調理場に広がっていく。
全体にこんがりと焼き色がついたところで、蒸し器の皿の上に並べる。ジュージューと音を立てながら、豚肉からは脂がじんわりと滲み出している。蓋をカタンと閉めると、もう蒸気が勢いよく立ち上がり始めた。
この間に、ソース作り。パセリとエシャロットを、トントントンとリズミカルにみじん切りにしていく。まな板に緑と白の小山ができる。ボウルに移し、岩塩、レモン汁、オリーブオイルを加えて混ぜ合わせる。鼻をくすぐる爽やかな香り。ハーブとレモンが香る、塩ベースのさっぱりソースの完成だ。
そして、もう一つ。別の器にワインビネガーを注ぎ、その中にすりおろしたばかりのホースラディッシュをたっぷりと加える。白い雪のような西洋わさびが、琥珀色のビネガーに混ざっていく。少量の生クリームを垂らして滑らかさを出し、最後に粗挽きの黒胡椒をガリガリと挽いてパラリと振りかける。ピリリとした辛味と酸味がアクセントになる、クリーミーなソースだ。
ふわっと蒸気の香りが強くなってきた。蒸し器の蓋を開けると、程よく火が通った豚肉巻きが、ふっくらと膨らんでいる。野菜の甘い香りと、豚肉の旨味が混ざり合った湯気が顔にかかる。爪楊枝を一本抜いて、断面を確認する。キャベツと人参の鮮やかな色が、豚肉の淡いピンク色に包まれて美しい。
「よし、出来上がり♪」
「すげ・・・あっという間に」
白い陶器の皿に、豚肉巻きを丁寧に並べていく。湯気がゆらゆらと立ち上がり、艶やかに輝いている。小さなココットに、二種類のソースをそれぞれ入れる。緑のハーブソースと、白いホースラディッシュクリームソース。色のコントラストも美しい。
早くキャウリー様に届けなきゃ、とお皿を両手で持ち上げると、急に袖をぐいっと引っ張られた。
「ちょっと!!それ、俺にも作って下さい!!」
「は、はい!?」
その男の人が、まるで子供のように物欲しそうな目で訴えてくる。あまりの真剣さに、思わず「分かりました」と答えると、「やった!!」と両手を握って喜んでくれた。
...でも、この人、誰だったんだろう?
「これ、君が作ったのか?」
執務室に入り、ワゴンから料理を一つずつ机に並べる私を、キャウリー様は興味深そうに見つめながら訝し気に質問した。湯気の立つ皿を見て、少し驚いたような表情を浮かべている。
「はい、勝手にですが、そのお、いつもお父様に作っているので」
グラスに注がれたワインを持ったまま、キャウリー様は料理に視線を落とす。
「夜にチーズや燻製ばかりだと胃に重くなりますから、次の日が辛くなる時があるんです。これは、豚バラを使っていますが、中にキャベツと人参をたっぷり巻き込んで蒸してあるので、お肉の余分な脂が落ちているんです。野菜の甘みも出て、サッパリと食べられると思います。ソースは二種類ご用意しました。一つはパセリとエシャロットのハーブソース、もう一つはホースラディッシュの入ったクリーミーなビネガーソースです」
「へえ!ホースラディッシュか。珍しいな」
キャウリー様は私の説明を、私の目をじっと見つめながら、きちんと聞いてくれた。そして、すぐに、スプーンで二種類のソースをそれぞれの肉巻きにかけ、フォークで刺して頬張った。
パクリ。
咀嚼しながら、キャウリー様の表情がぱっと明るくなる。
「うん!上手い!肉は柔らかいし、野菜の食感がいいな。このハーブソースのレモンの酸味が爽やかで、塩加減も絶妙だ。そして、こっちのホースラディッシュのソースは...ほう、ピリッとした辛みとビネガーの酸味、それに生クリームのまろやかさが合わさって深みがあるな。二種類あると飽きんし、味変も楽しめる。ワインにも実に合う。確かに、ボリュームはあるが、野菜が多い分、重たくならずに食べやすいな」
美味しそうに次々と肉巻きを口に運びながら、キャウリー様はどんどんワインを傾けていく。グラスの赤いワインが、喉を通るたびに減っていく。
ぐびぐびと美味しそうに飲み干し、空になったグラスにワインをなみなみと注ぐ。
「あの、でも、ワインは程々にしてくださいね」
美味しく食べてくれるのは嬉しいけれど、ぐびぐびとワインを飲み、ボトルがどんどん軽くなっていく。
「ん?ああ、言われてみれば、そうだな」
ほぼ一本なくなりそうな勢いだった。キャウリー様は、ボトルを見て、少し名残惜しそうな顔をする。
そんな寂しそうな顔をされると、作った甲斐があるというものだ。
「あの、では、私、呼ばれているので下がります。明日も何か用意してもいいですか?」
「勿論だ!いつも同じつまみばかりで飽き飽きしていたんだ。これは嬉しい」
「それなら明日もご準備します。それと、ガイナ料理長に調理場を使用する事を許して貰えるよう、お言葉を頂けますか?」
今更ながら勝手に使ってしまって、どうしようと思ってしまう。
「構わん。何なら、今一筆書いてあげよう。調理場に置いておけば、明日見てくれるのではないか?」
「す、」
すみません、と言いかけて止める。あ、違うな。ここは感謝を伝える場面だ。言葉を飲み込み、にっこりと笑顔を作る。
「ありがとうございます!」
言い直した私に、キャウリー様は一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに柔らかく微笑み、頷きながら羊皮紙とペンを取り出し、さらさらと一筆書いてくれた。インクの匂いがふわりと漂う。
「ありがとうございます。では、私これで失礼致します」
ぺこりと頭を下げ、羊皮紙を大切に手に持ち、急いで調理場に戻った。廊下を小走りで進みながら、今日の成功に小さくガッツポーズをする。
明日は何を作ろうかな。そんなことを考えながら、夜の廊下を静かに走った。
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