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第25話夜会2
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「なにかオススメはあるか?」
カルヴァン様のその一言に、キラリーン、と音がした。
「野菜を最初に食べるのがいいんです。特に温野菜。食前酒を飲んでいるので空腹をより感じているかと思いますが、ここで重いものを食べていると胃に負担となります。かと言って生野菜だと体を冷やし、酒を飲む方には、お腹を下すことがあります。温野菜を先に食べ、次にお肉や魚を食べた方がいいんです。今回温野菜は種類を増やしました」
「シャーリー様がご用意した、黒ごまと白ごまのドレッシングがオススメです。勿論私が用意したドレッシングもオススメです。温野菜も十種類以上の野菜を準備させて頂きましたので楽しめるかと思います」
そばで控えていた料理長が温野菜を器に入れ、カルヴァン様と私に渡した。
料理長、ナイスタイミング。
「シャーリーが考えたのか?」
「あの、まあ、ドレッシングは、そうですね。栄養的なというよりは、今回は見た目ですね。ほら、黒と白が野菜にかかると面白くないですか?」
実際、綺麗なんだよね。
「・・・ふっ」
急に笑いだした。
え?
何か変なこと言った?
「いや、すまない。面白いというよりも、シャーリーがあまりに嬉しそうに喋るのが楽しかったんだ」
「そうですか?」
普通ですけど。
「ああ、では、そこに座ろう。あの重鎮の方々とご一緒には、まだまだなのでね」
カルヴァン様が、サロンの隅にある小さなテーブルを指さした。
「確かにそうですね」
私も、あの輪には入れない。
キャウリー様達は、円卓を囲んで既に食事をしながら談笑している。
これがいつもの光景なのだろう。
キャウリー様が、何か話している。
皆が、笑っている。
ワインが注がれ、料理が運ばれ、笑い声が響く。
スクルト公爵様が、グラスを傾けながら昔話をしているようだ。
「あの時は、本当に死ぬかと思った」
そんな言葉が、聞こえてくる。
ミネルバ侯爵様が、眼鏡を直しながら、「それでもキャウリーが助けてくれたからな」と言っている。
ギャウカ公爵様が、「あの作戦は無茶だった」と笑っている。
イエガー侯爵様が、「だが、成功した」と頷いている。
奥様たちも、楽しそうに笑っている。
見ていて穏やかになる光景だ。
「今日はどうして来られたのですか?」
小さなテーブルに座りながら、カルヴァン様に聞いた。
「お爺様が、一緒に来なさい、と声をかけてきたんだ。先日も、あの日のあの時間に行くように、と言ったのもお爺様だった。シャーリーに会わせたかったのだろうな」
モグモグとサラダを食べながら、うん、ドレッシングは美味いな、と言ってくれた。
良かった。
「キャウリー様の言う通りか。運よく、ではなくカルヴァン様と出会ったのは必然だったのですね」
運命、か。
その後は好きな物を食べたが、カルヴァン様が全部選んでくれた。
「シャーリー」
「はい」
食事を楽しんでいると、キャウリー様が、急に私の名を呼んだ。
円卓から、こちらを見ている。
「すまないが少し込み入った話をするから、カルヴァン殿とバルコニーに出てくれないか?」
込み入った話?
大人の話、ですか。
「分かりました」
「では、参りましょう、シャーリー」
「はい」
サロンを出てバルコニーに行くと、綺麗な半月だった。
夜風が、心地いい。
少し冷たいけど、気持ちいい。
「寒くないか?」
「大丈夫です」
優しく頷くと、近くにあった石造りのベンチに座ろうと言われ、座った。
隣同士に勿論座ったが、勿論少し離れて、だ。
なんだか落ち着かない。
「シャーリーは、演劇には興味あるか?一緒に行かないか?」
ポケットから、少し皺の出来たチケットを私に渡してきた。
これ・・・。
見覚えがある。
シャーサーがお父様にねだって手に入れていたチケットだ。とても人気があって即完売したのを、お父様がどうにか手に入れていた。
ちらりと広告を見たけど、とても有名な方ばかりが出ていて、私も見てみたいと思っていた。
でも、シャーサーが行きたいのであって、私が行けるわけがない。
何故これを私に?
カルヴァン様の立場を知った今、この方なら引く手あまたの筈だ。
恐らくご自分のお爺様やキャウリー様の手前、私を誘ってくれたのだろう。そうでなければ、私なんかに声をかけることはない。
義理、だよね。
「・・・いえ、興味がないので。他の方を誘ってください」
チケットを返そうと顔を見ると、とても不機嫌な顔をされた。
え?
何で?
「では、これは必要ないな」
両手で持つと、破ろうとした!
「ま、待って!」
勿体ないよ!
すごぉく高いんだよ、それ。
「どうした?興味がないんだろ?だったらこんな物ゴミだろうが」
今度は私の気持ちを見透かすような言い方をしてきた。
うっ。
「・・・あ、あの・・・、私ではなく、カルヴァン様に相応しい方と観に行かれた方が良いかと思って・・・」
正直に言ったのに、また、不機嫌な顔になった。
なんでよ。
私間違ったこと言ってないよ。
「相応しい方、か。その言葉の意味はシャーリーが言うよりも俺が一番理解している。あの家の嫡男に産まれ育ってきたんだ。履き違えることなどない!」
何でそんなに怒るんですか。
それも、嫡男なんですね。
それこそ引く手あまたじゃないですか。
ますます違う世界の人ですね。
「それを理解して誘っているんだ」
意味が分からない。
私はここにお父様の借金を返す為に来ている。本来ならメイドとして働くはずが、キャウリー様のご好意でこのような形になり、お会いしただけだ。
確かに出会ったのは必然だったのかもしれないが、これまでも、これから先も、この方に相応しい令嬢になれるとは思えない。
「・・・申し訳ありませんが・・・意味が分かりません・・・」
「そうか?キャウリー様と呼ぶ時点で、シャーリーは認められているんだ」
「・・・始めからそう呼びなさいと言われただけです」
「その顔だと、本当にあの方を何も知らないんだな
ウインザー様の所に来るのがシャーリーにとって必然だったのだろうな」
呆れたように言いながらも、優しい微笑みに、胸がきゅっとなった。
必然。
きっとあの五人の中で飛び交う言葉なんだ。
運命、とか。
必然、とか。
そういう言葉。
「・・・さっきそのチケットを見た時にとても嬉しそうだった。行きたいんだろ?・・・仕方がないな」
肩を竦め、楽しそうにため息をついた。
「シャーリー、俺と一緒に行かないか?俺は君と一緒に行きたいんだ。だから、わざわざ持ってきたんだ」
もう・・・そんなやり直しの仕方はずるいし、そんなふうに今度はお願いする顔されたら、
答えは一つしかないじゃない。
行きたい。
私は、本当に、行きたい。
「・・・はい。喜んで」
「じゃあこれはシャーリーが持っていてくれ。この演劇、十八時から始まって二十時に終わるみたいだから、夕食は終わってからでいいか?」
夕食!!
外食!!
「・・・なんで、そこでそんな嬉しそうなんだ?俺が誘った演劇よりも、食事が気になるか?」
あ、バレた。
「・・・えーと、美味しいものは・・・食べたいと思うのは・・・普通かと・・・」
外食をするの本当に久しぶりだし、カルヴァン様が連れて行ってくれるという事は、それなりのお店だろう。
嬉しいのは当たり前です。
だって、美味しいもの食べたいもん。
「だが、シャーリーが食べる姿を見るのは好きだ。本当に美味しそうに食べるから」
「美味しいんです!美味しくないものは基本食べません。いいですか?何もかも冷めてからは美味しくないの。この間みたいに、色々聞く前に口に入れる。毒味なんて馬鹿げ・・・た・・・。いや、なんでもありません!」
しまった!
そこから大爆笑が始まり、食い気が先か、とまた、笑っていた。
しまった・・・。ここに来てから自由になりすぎて、前みたいに我慢をする事を忘れてしまう。
口が軽くなってる。
でも、カルヴァン様が楽しそうに笑っているから、いいか。
ずっと笑うカルヴァン様に、だんだんつられて、私も笑ってしまった。
その笑い声が、バルコニーに響く。
やっと落ち着いた頃に、先日の揚げ菓子は美味かった、と言われた。
「屋敷に帰って食後ゆっくり食べていたら、お母様に見つかり、あらあら、と言われ、取られてしまった」
「え?取られたんですか?」
「ああ。ほとんど食べられてしまい、物足りなかった」
カルヴァン様が、少し残念そうに言った。
それは申し訳ない。
「それではお作りしましょうか?」
「それもいいが、また、一緒に街に出かけたい」
楽しそうに言われた。
その顔が、嬉しそう。
「また、揚げ餅とか、色々食べたい」
「いいですよ。私も楽しかったし、もっと色々食べてみたいです」
本当に、楽しかった。
そんな、他愛のない話がとても楽しかった。
カルヴァン様が、笑っている。
私も、笑っている。
半月が、綺麗だ。
夜風が、心地いい。
サロンからも、笑い声が聞こえてくる。
キャウリー様たちの、楽しそうな声。
温かい夜だ。
幸せな夜だ。
こんな夜が、ずっと続けばいいのに。
カルヴァン様のその一言に、キラリーン、と音がした。
「野菜を最初に食べるのがいいんです。特に温野菜。食前酒を飲んでいるので空腹をより感じているかと思いますが、ここで重いものを食べていると胃に負担となります。かと言って生野菜だと体を冷やし、酒を飲む方には、お腹を下すことがあります。温野菜を先に食べ、次にお肉や魚を食べた方がいいんです。今回温野菜は種類を増やしました」
「シャーリー様がご用意した、黒ごまと白ごまのドレッシングがオススメです。勿論私が用意したドレッシングもオススメです。温野菜も十種類以上の野菜を準備させて頂きましたので楽しめるかと思います」
そばで控えていた料理長が温野菜を器に入れ、カルヴァン様と私に渡した。
料理長、ナイスタイミング。
「シャーリーが考えたのか?」
「あの、まあ、ドレッシングは、そうですね。栄養的なというよりは、今回は見た目ですね。ほら、黒と白が野菜にかかると面白くないですか?」
実際、綺麗なんだよね。
「・・・ふっ」
急に笑いだした。
え?
何か変なこと言った?
「いや、すまない。面白いというよりも、シャーリーがあまりに嬉しそうに喋るのが楽しかったんだ」
「そうですか?」
普通ですけど。
「ああ、では、そこに座ろう。あの重鎮の方々とご一緒には、まだまだなのでね」
カルヴァン様が、サロンの隅にある小さなテーブルを指さした。
「確かにそうですね」
私も、あの輪には入れない。
キャウリー様達は、円卓を囲んで既に食事をしながら談笑している。
これがいつもの光景なのだろう。
キャウリー様が、何か話している。
皆が、笑っている。
ワインが注がれ、料理が運ばれ、笑い声が響く。
スクルト公爵様が、グラスを傾けながら昔話をしているようだ。
「あの時は、本当に死ぬかと思った」
そんな言葉が、聞こえてくる。
ミネルバ侯爵様が、眼鏡を直しながら、「それでもキャウリーが助けてくれたからな」と言っている。
ギャウカ公爵様が、「あの作戦は無茶だった」と笑っている。
イエガー侯爵様が、「だが、成功した」と頷いている。
奥様たちも、楽しそうに笑っている。
見ていて穏やかになる光景だ。
「今日はどうして来られたのですか?」
小さなテーブルに座りながら、カルヴァン様に聞いた。
「お爺様が、一緒に来なさい、と声をかけてきたんだ。先日も、あの日のあの時間に行くように、と言ったのもお爺様だった。シャーリーに会わせたかったのだろうな」
モグモグとサラダを食べながら、うん、ドレッシングは美味いな、と言ってくれた。
良かった。
「キャウリー様の言う通りか。運よく、ではなくカルヴァン様と出会ったのは必然だったのですね」
運命、か。
その後は好きな物を食べたが、カルヴァン様が全部選んでくれた。
「シャーリー」
「はい」
食事を楽しんでいると、キャウリー様が、急に私の名を呼んだ。
円卓から、こちらを見ている。
「すまないが少し込み入った話をするから、カルヴァン殿とバルコニーに出てくれないか?」
込み入った話?
大人の話、ですか。
「分かりました」
「では、参りましょう、シャーリー」
「はい」
サロンを出てバルコニーに行くと、綺麗な半月だった。
夜風が、心地いい。
少し冷たいけど、気持ちいい。
「寒くないか?」
「大丈夫です」
優しく頷くと、近くにあった石造りのベンチに座ろうと言われ、座った。
隣同士に勿論座ったが、勿論少し離れて、だ。
なんだか落ち着かない。
「シャーリーは、演劇には興味あるか?一緒に行かないか?」
ポケットから、少し皺の出来たチケットを私に渡してきた。
これ・・・。
見覚えがある。
シャーサーがお父様にねだって手に入れていたチケットだ。とても人気があって即完売したのを、お父様がどうにか手に入れていた。
ちらりと広告を見たけど、とても有名な方ばかりが出ていて、私も見てみたいと思っていた。
でも、シャーサーが行きたいのであって、私が行けるわけがない。
何故これを私に?
カルヴァン様の立場を知った今、この方なら引く手あまたの筈だ。
恐らくご自分のお爺様やキャウリー様の手前、私を誘ってくれたのだろう。そうでなければ、私なんかに声をかけることはない。
義理、だよね。
「・・・いえ、興味がないので。他の方を誘ってください」
チケットを返そうと顔を見ると、とても不機嫌な顔をされた。
え?
何で?
「では、これは必要ないな」
両手で持つと、破ろうとした!
「ま、待って!」
勿体ないよ!
すごぉく高いんだよ、それ。
「どうした?興味がないんだろ?だったらこんな物ゴミだろうが」
今度は私の気持ちを見透かすような言い方をしてきた。
うっ。
「・・・あ、あの・・・、私ではなく、カルヴァン様に相応しい方と観に行かれた方が良いかと思って・・・」
正直に言ったのに、また、不機嫌な顔になった。
なんでよ。
私間違ったこと言ってないよ。
「相応しい方、か。その言葉の意味はシャーリーが言うよりも俺が一番理解している。あの家の嫡男に産まれ育ってきたんだ。履き違えることなどない!」
何でそんなに怒るんですか。
それも、嫡男なんですね。
それこそ引く手あまたじゃないですか。
ますます違う世界の人ですね。
「それを理解して誘っているんだ」
意味が分からない。
私はここにお父様の借金を返す為に来ている。本来ならメイドとして働くはずが、キャウリー様のご好意でこのような形になり、お会いしただけだ。
確かに出会ったのは必然だったのかもしれないが、これまでも、これから先も、この方に相応しい令嬢になれるとは思えない。
「・・・申し訳ありませんが・・・意味が分かりません・・・」
「そうか?キャウリー様と呼ぶ時点で、シャーリーは認められているんだ」
「・・・始めからそう呼びなさいと言われただけです」
「その顔だと、本当にあの方を何も知らないんだな
ウインザー様の所に来るのがシャーリーにとって必然だったのだろうな」
呆れたように言いながらも、優しい微笑みに、胸がきゅっとなった。
必然。
きっとあの五人の中で飛び交う言葉なんだ。
運命、とか。
必然、とか。
そういう言葉。
「・・・さっきそのチケットを見た時にとても嬉しそうだった。行きたいんだろ?・・・仕方がないな」
肩を竦め、楽しそうにため息をついた。
「シャーリー、俺と一緒に行かないか?俺は君と一緒に行きたいんだ。だから、わざわざ持ってきたんだ」
もう・・・そんなやり直しの仕方はずるいし、そんなふうに今度はお願いする顔されたら、
答えは一つしかないじゃない。
行きたい。
私は、本当に、行きたい。
「・・・はい。喜んで」
「じゃあこれはシャーリーが持っていてくれ。この演劇、十八時から始まって二十時に終わるみたいだから、夕食は終わってからでいいか?」
夕食!!
外食!!
「・・・なんで、そこでそんな嬉しそうなんだ?俺が誘った演劇よりも、食事が気になるか?」
あ、バレた。
「・・・えーと、美味しいものは・・・食べたいと思うのは・・・普通かと・・・」
外食をするの本当に久しぶりだし、カルヴァン様が連れて行ってくれるという事は、それなりのお店だろう。
嬉しいのは当たり前です。
だって、美味しいもの食べたいもん。
「だが、シャーリーが食べる姿を見るのは好きだ。本当に美味しそうに食べるから」
「美味しいんです!美味しくないものは基本食べません。いいですか?何もかも冷めてからは美味しくないの。この間みたいに、色々聞く前に口に入れる。毒味なんて馬鹿げ・・・た・・・。いや、なんでもありません!」
しまった!
そこから大爆笑が始まり、食い気が先か、とまた、笑っていた。
しまった・・・。ここに来てから自由になりすぎて、前みたいに我慢をする事を忘れてしまう。
口が軽くなってる。
でも、カルヴァン様が楽しそうに笑っているから、いいか。
ずっと笑うカルヴァン様に、だんだんつられて、私も笑ってしまった。
その笑い声が、バルコニーに響く。
やっと落ち着いた頃に、先日の揚げ菓子は美味かった、と言われた。
「屋敷に帰って食後ゆっくり食べていたら、お母様に見つかり、あらあら、と言われ、取られてしまった」
「え?取られたんですか?」
「ああ。ほとんど食べられてしまい、物足りなかった」
カルヴァン様が、少し残念そうに言った。
それは申し訳ない。
「それではお作りしましょうか?」
「それもいいが、また、一緒に街に出かけたい」
楽しそうに言われた。
その顔が、嬉しそう。
「また、揚げ餅とか、色々食べたい」
「いいですよ。私も楽しかったし、もっと色々食べてみたいです」
本当に、楽しかった。
そんな、他愛のない話がとても楽しかった。
カルヴァン様が、笑っている。
私も、笑っている。
半月が、綺麗だ。
夜風が、心地いい。
サロンからも、笑い声が聞こえてくる。
キャウリー様たちの、楽しそうな声。
温かい夜だ。
幸せな夜だ。
こんな夜が、ずっと続けばいいのに。
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