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第31話シャーサーとルーン
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「シャーサーとルーンが? ここに来たの?」
言葉とは裏腹に、声が少し掠れた。
眉間に自然と力が入り、胸の奥がじわりと冷える。
昼食後しばらくして、ハザードが珍しく慌てた様子で私の部屋に入って来た。
その足取りがいつもより早く、どこか躊躇いを含んでいるのを見て、嫌な予感がした。
「はい。ご自分で名乗られましたし、お顔もよく似ておられるので間違いないかと。いかがなさいますか?」
「どうされますか」という言葉に、無意識に指先を握りしめた。
爪が手のひらに食い込み、痛みでようやく現実に引き戻される。
会いたくなければ、追い返しますよ、という意味。
何ヶ月も経つのに、一度も様子を見に来なかった。
それなのに、今さら?
あのシャーサーが?
でも、ルーンも一緒。
ルーンは優しいから、きっと私の事が気になって、無理やり聞き出して来てくれたのだろう。
「どうされますか?」
柔らかく私の気持ちを優先させてくれる声に、一瞬、喉が詰まった。
私の、気持ち。
深く息を吸ってから、ようやく口を開く。
「……会います」
「客間でお待ちです」
「分かりました」
返事をしながら、胸の前で手を組み直す。
落ち着こうとする癖。
それでも指先は微かに震え、冷たくなっていた。
ルーンには会いたい。
心配しないでね、私は上手くやってるよ、と言ってあげたかった。
きっと、凄く心配しているはずだもん。
でも正直、シャーサーには会いたくなかった。
それでも、ここまで来ている以上、追い返すわけにはいかない。
理由があるのなら、聞かなければ。
もしかして、ルーンに言われて連れ戻しに来てくれたのかもしれない。
もしかして、心配、という気持ちが少し芽生えてくれたかもしれない。
もしかして……。
考えて、大きく息を吐き肩を落とす。
シャーサーにそんな気持ちがあるなら、とっくに来ている筈だ。
足取りは自然と重くなり、廊下の絨毯を踏む感触すら遠く感じた。
扉の前で一度立ち止まり、軽くノックして、中へ入る。
……?
私が中へ入った瞬間、ソファに座っていたルーンが、はっきりとした嫌悪を含んだ驚きを浮かべた。
一拍遅れて、困惑。
そして、隣に座るシャーサー。
面白がった視線を私に向けてくる。
迎えに来たわけじゃない。
直感で、そう思った。
「お久しぶりね、シャーリー」
柔らかく、甘い声。
昔と同じ、人前で使う、作られた声。
「……ええ。シャーサー、ルーン、久しぶりね」
声が少し低くなったのが、自分でも分かった。
視線を逸らし、距離を測るように少しずつ近づいた。
「そういうことか!?」
突然ルーンが立ち上がり、私を指差した。
「……ルーン?」
思わず肩が跳ねる。
同情されるはずの状況なのに、見たことのない怒りだった。
「シャーサーの言う通りだな!!」
「シャーサーの言う通り? 何を聞いたの?どうしてそんなに怒ってるの?」
「とぼけても無駄だ!!その格好と、この間の演劇……貴賓席にいただろ!?」
何故そんなに言葉が荒くなるの?そんな物言い一度も私にしたことなかった。
つきつき、と胸が苦しくなる。
唯一の味方だと思っていたルーンが、まるで、まるで、お父様達と同じように、責めてくる。
目の前が、チカチカする。
寒気がする。
「……ええ、いたわ。誘ってくださった方がその席を持っていたから、それがどうしたの?ルーンが、私の名を呼んだのね」
言いながら、胸の前で指を絡める。
落ち着け、と自分に言い聞かせる。
息が苦しくなる。
「どうしただって!? 君はここに、叔父さんの借金を返しに来たんだろ!!」
「そうよ」
「だったら、なぜそんなに質のいい服を着て、貴賓席に座れるんだ!?」
「ここの当主がお優しい方で、私によくしてくださって……の……よ……」
途中で、言葉が詰まる。
「……ルーン?」
彼の目が変わっていく。
汚いものを見るような、冷えた目。
「よくしてくれた!?それが答えだろ!!シャーサーの言う通りだな!!」
その瞬間、シャーサーが一歩、ルーンに近づいた。
さりげなく、肩に指をかける。
「シャーサー、何を吹き込んだの!?」
「やめて、シャーリー……」
シャーサーは震える声で言い、わざと私を見ない。
代わりに、ルーンの腕を掴む。
「何を言ったの!?」
「やめろよ。シャーサーのせいにするな!」
「……やめて……」
シャーサーは唇を噛み、涙を浮かべ、上目遣いで私を見る。
その仕草は、昔から変わらない自分の思い通りになった時だ。
「シャーサーの言う通りだった。君は自分の都合が悪くなると、人のせいにするって!!僕をずっと騙してたんだ!!」
「違うわ!!」
思わず声を張り上げる。
「私は何も変わってない!あなたを騙したことなんてないわ!!」
「変わったよ!」
ルーンの声が重なる。
「僕の知っているシャーリーは、控えめで大人しくて……そんな言い方はしなかった!」
……ああ、そう……か……。
あなたの中の私は、
虐げられて、黙って、笑わない私。
「やめて……ルーン……」
視線が落ちる。
床の模様をなぞるように、足先が動く。
「私が……悪いのよ……」
シャーサーが泣き出す。
「シャーサーは悪くない!!」
ルーンが声を荒げる。
「シャーサーは、毎日のように君を説得しに来たんだろうが!!」
「来てないわ!!」
反射的に顔を上げた。
「一度も来てない!!」
「……君がそう言うのも分かってる……」
ルーンは首を振る。
「全部、シャーサーの言う通りだ」
その言葉に、シャーサーが小さく息を吐いた。
安心したように。
「そんなにその男がいいのか!? 僕は……僕は……君を愛していたんだ!!」
はあ?
初めて聞いたわ。
言葉が出ない。
「ルーン、もうやめて……」
シャーサーが泣き崩れ、わざとらしく私を見る。
「それでも……シャーリーは……私の可愛い妹なの……」
これも、初めて聞いた。
「たとえ……たとえ……ウインザー子爵様の愛人になっても……」
ルーンがすぐに抱き寄せる。
頭が、驚くほど冷えてきて冷静になってくる。
「ウインザー子爵様を悪く言わないで」
声は静かだった。
怒りが湧き上がる。
「私は、あの方を尊敬しているわ」
それが気に入らなかったのだろう。
ルーンは私を睨みつける。
「帰ろう、シャーサー」
「ええ……」
二人は立ち上がる。
「……でも……シャーリーは……」
突然、シャーサーがこちらへ歩み寄り、抱きついた。
「……あんたの存在なんて無意味だと思ってた」
耳元で、囁く。
「でも、少しは役に立ったわ」
バシッ。
頬に痛み。
「……酷いわ、シャーリー!!」
私を叩いたのに、泣き叫ぶシャーサーがよろめきながら私を悲しそうに睨んできた。
「シャーサー!?」
すぐにルーンが駆け寄った。
「……ごめんなさい……。だって……だって……シャーリーが、幼なじみのルーンなら手なずけられるから楽でしょ、って!……酷いことを……!!私は……私は……ずっとルーンが好きだったの……! それを知っているのに、シャーリーは邪魔して……私が虐めているように見せていたのよ!!」
……もう、いいわ。
好きに言えばいい。
好きに勘違いすればいい。
……疲れた。
何か喚いている二人に背を向け、私はソファに腰を下ろした。
いつの間にか部屋は静かになっていた。
気づくと、ハザードが黙って私の頬を冷やしてくれていた。
「……ごめんなさい……。嫌なところを見せてしまったわ……」
そういえば、ハザードはずっと部屋にいたのだと、今さら思い出す。
頬を伝って、涙が落ちた。
「いいえ。ご主人様を、とても慕っておられるのが分かり……胸が熱くなりました」
「当たり前よ。キャウリー様は素敵な人よ……。まるで……本当のお父様みたい……」
溢れる涙に、胸がぎゅっと締めつけられた。
涙を拭うハザードの手を押しのけ、私は逃げるように自室へ戻り、泣いた。
悲しくて。
辛くて。
憎くて。
いろいろな感情が混ざり合い、泣いて、泣いて……
いつの間にか、疲れ果てて眠っていた。
言葉とは裏腹に、声が少し掠れた。
眉間に自然と力が入り、胸の奥がじわりと冷える。
昼食後しばらくして、ハザードが珍しく慌てた様子で私の部屋に入って来た。
その足取りがいつもより早く、どこか躊躇いを含んでいるのを見て、嫌な予感がした。
「はい。ご自分で名乗られましたし、お顔もよく似ておられるので間違いないかと。いかがなさいますか?」
「どうされますか」という言葉に、無意識に指先を握りしめた。
爪が手のひらに食い込み、痛みでようやく現実に引き戻される。
会いたくなければ、追い返しますよ、という意味。
何ヶ月も経つのに、一度も様子を見に来なかった。
それなのに、今さら?
あのシャーサーが?
でも、ルーンも一緒。
ルーンは優しいから、きっと私の事が気になって、無理やり聞き出して来てくれたのだろう。
「どうされますか?」
柔らかく私の気持ちを優先させてくれる声に、一瞬、喉が詰まった。
私の、気持ち。
深く息を吸ってから、ようやく口を開く。
「……会います」
「客間でお待ちです」
「分かりました」
返事をしながら、胸の前で手を組み直す。
落ち着こうとする癖。
それでも指先は微かに震え、冷たくなっていた。
ルーンには会いたい。
心配しないでね、私は上手くやってるよ、と言ってあげたかった。
きっと、凄く心配しているはずだもん。
でも正直、シャーサーには会いたくなかった。
それでも、ここまで来ている以上、追い返すわけにはいかない。
理由があるのなら、聞かなければ。
もしかして、ルーンに言われて連れ戻しに来てくれたのかもしれない。
もしかして、心配、という気持ちが少し芽生えてくれたかもしれない。
もしかして……。
考えて、大きく息を吐き肩を落とす。
シャーサーにそんな気持ちがあるなら、とっくに来ている筈だ。
足取りは自然と重くなり、廊下の絨毯を踏む感触すら遠く感じた。
扉の前で一度立ち止まり、軽くノックして、中へ入る。
……?
私が中へ入った瞬間、ソファに座っていたルーンが、はっきりとした嫌悪を含んだ驚きを浮かべた。
一拍遅れて、困惑。
そして、隣に座るシャーサー。
面白がった視線を私に向けてくる。
迎えに来たわけじゃない。
直感で、そう思った。
「お久しぶりね、シャーリー」
柔らかく、甘い声。
昔と同じ、人前で使う、作られた声。
「……ええ。シャーサー、ルーン、久しぶりね」
声が少し低くなったのが、自分でも分かった。
視線を逸らし、距離を測るように少しずつ近づいた。
「そういうことか!?」
突然ルーンが立ち上がり、私を指差した。
「……ルーン?」
思わず肩が跳ねる。
同情されるはずの状況なのに、見たことのない怒りだった。
「シャーサーの言う通りだな!!」
「シャーサーの言う通り? 何を聞いたの?どうしてそんなに怒ってるの?」
「とぼけても無駄だ!!その格好と、この間の演劇……貴賓席にいただろ!?」
何故そんなに言葉が荒くなるの?そんな物言い一度も私にしたことなかった。
つきつき、と胸が苦しくなる。
唯一の味方だと思っていたルーンが、まるで、まるで、お父様達と同じように、責めてくる。
目の前が、チカチカする。
寒気がする。
「……ええ、いたわ。誘ってくださった方がその席を持っていたから、それがどうしたの?ルーンが、私の名を呼んだのね」
言いながら、胸の前で指を絡める。
落ち着け、と自分に言い聞かせる。
息が苦しくなる。
「どうしただって!? 君はここに、叔父さんの借金を返しに来たんだろ!!」
「そうよ」
「だったら、なぜそんなに質のいい服を着て、貴賓席に座れるんだ!?」
「ここの当主がお優しい方で、私によくしてくださって……の……よ……」
途中で、言葉が詰まる。
「……ルーン?」
彼の目が変わっていく。
汚いものを見るような、冷えた目。
「よくしてくれた!?それが答えだろ!!シャーサーの言う通りだな!!」
その瞬間、シャーサーが一歩、ルーンに近づいた。
さりげなく、肩に指をかける。
「シャーサー、何を吹き込んだの!?」
「やめて、シャーリー……」
シャーサーは震える声で言い、わざと私を見ない。
代わりに、ルーンの腕を掴む。
「何を言ったの!?」
「やめろよ。シャーサーのせいにするな!」
「……やめて……」
シャーサーは唇を噛み、涙を浮かべ、上目遣いで私を見る。
その仕草は、昔から変わらない自分の思い通りになった時だ。
「シャーサーの言う通りだった。君は自分の都合が悪くなると、人のせいにするって!!僕をずっと騙してたんだ!!」
「違うわ!!」
思わず声を張り上げる。
「私は何も変わってない!あなたを騙したことなんてないわ!!」
「変わったよ!」
ルーンの声が重なる。
「僕の知っているシャーリーは、控えめで大人しくて……そんな言い方はしなかった!」
……ああ、そう……か……。
あなたの中の私は、
虐げられて、黙って、笑わない私。
「やめて……ルーン……」
視線が落ちる。
床の模様をなぞるように、足先が動く。
「私が……悪いのよ……」
シャーサーが泣き出す。
「シャーサーは悪くない!!」
ルーンが声を荒げる。
「シャーサーは、毎日のように君を説得しに来たんだろうが!!」
「来てないわ!!」
反射的に顔を上げた。
「一度も来てない!!」
「……君がそう言うのも分かってる……」
ルーンは首を振る。
「全部、シャーサーの言う通りだ」
その言葉に、シャーサーが小さく息を吐いた。
安心したように。
「そんなにその男がいいのか!? 僕は……僕は……君を愛していたんだ!!」
はあ?
初めて聞いたわ。
言葉が出ない。
「ルーン、もうやめて……」
シャーサーが泣き崩れ、わざとらしく私を見る。
「それでも……シャーリーは……私の可愛い妹なの……」
これも、初めて聞いた。
「たとえ……たとえ……ウインザー子爵様の愛人になっても……」
ルーンがすぐに抱き寄せる。
頭が、驚くほど冷えてきて冷静になってくる。
「ウインザー子爵様を悪く言わないで」
声は静かだった。
怒りが湧き上がる。
「私は、あの方を尊敬しているわ」
それが気に入らなかったのだろう。
ルーンは私を睨みつける。
「帰ろう、シャーサー」
「ええ……」
二人は立ち上がる。
「……でも……シャーリーは……」
突然、シャーサーがこちらへ歩み寄り、抱きついた。
「……あんたの存在なんて無意味だと思ってた」
耳元で、囁く。
「でも、少しは役に立ったわ」
バシッ。
頬に痛み。
「……酷いわ、シャーリー!!」
私を叩いたのに、泣き叫ぶシャーサーがよろめきながら私を悲しそうに睨んできた。
「シャーサー!?」
すぐにルーンが駆け寄った。
「……ごめんなさい……。だって……だって……シャーリーが、幼なじみのルーンなら手なずけられるから楽でしょ、って!……酷いことを……!!私は……私は……ずっとルーンが好きだったの……! それを知っているのに、シャーリーは邪魔して……私が虐めているように見せていたのよ!!」
……もう、いいわ。
好きに言えばいい。
好きに勘違いすればいい。
……疲れた。
何か喚いている二人に背を向け、私はソファに腰を下ろした。
いつの間にか部屋は静かになっていた。
気づくと、ハザードが黙って私の頬を冷やしてくれていた。
「……ごめんなさい……。嫌なところを見せてしまったわ……」
そういえば、ハザードはずっと部屋にいたのだと、今さら思い出す。
頬を伝って、涙が落ちた。
「いいえ。ご主人様を、とても慕っておられるのが分かり……胸が熱くなりました」
「当たり前よ。キャウリー様は素敵な人よ……。まるで……本当のお父様みたい……」
溢れる涙に、胸がぎゅっと締めつけられた。
涙を拭うハザードの手を押しのけ、私は逃げるように自室へ戻り、泣いた。
悲しくて。
辛くて。
憎くて。
いろいろな感情が混ざり合い、泣いて、泣いて……
いつの間にか、疲れ果てて眠っていた。
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