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第34話おつまみ5
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「今日は何を作るんだ?」
「何を作られるんですか?」
厨房には、料理長と、今日は珍しくハザードの姿があり、二人とも興味津々といった様子だ。
「ハザード?どうしたの?」
じゃがいも、ナス、ズッキーニを用意しながら尋ねる。
「いえ、私も興味がありまして。旦那様がいつも美味しそうに召し上がっ……り、料理長!!そのワインは何ですか!?ここは仕事場ですよ!!」
仰る通りです。
もう、毎回で慣れてしまったけれど、おかしな事だよね。
また本人は、当然のように嬉しそうに半分になったワイン瓶を片手に持っている。
まるで勲章のように、誇らしげに。
「何を言うんだ! もう仕事は終わりだろう!」
もう少し悪びれてくれたら、可愛げもあるのだろうに、全く、ない。
その上反論ですか。
「違います! 立派な仕事場です!!それも私物を、それもお酒など、もってのほかです!!」
ハザードの声が、一段と厳しくなる。
その通りです。
もっと言ってください。
だから、ワインを背中に隠して、「これでいいだろ」と言う得意顔をしてもどうかと思う。
ほら、逆にハザードの目がつり上がった。
眉間に皺が寄り、口元がきゅっと引き締まっている。
じゃがいもの皮を剥きながら、私は大きく溜息をついた。
「じゃあ、外で飲めばいいんだな」
いや、そこじゃない。
ほら、案の定、ハザードの目が、さらにつり上がった。
「外で飲もうが中で飲もうが! 勤務中は駄目です!!」
「もう勤務は終わったと言っているだろう!?」
「終わっておりません!!シャーリー様がまだ厨房におられるではありませんか!!」
「シャーリー様は客人だ!!」
「客人なら尚更、酒臭い場所でお料理させるなど!!」
「酒のつまみを作っているんだろうが!」
ああ、もう。
とりあえず放っておこう。
皮を剥いたじゃがいも、ナス、ズッキーニを、五ミリほどの薄さにスライスする。
包丁がまな板に当たる、規則正しい音が心地いい。
トン、トン、トン、と、リズミカル。
じゃがいもは、切った端から水にさらす。
白い断面が、みずみずしく光っている。
ナスは、切るとすぐに変色し始めるから、手早く。
紫色の皮が美しい。
ズッキーニは、淡い緑色。
三種類の野菜が、それぞれの色を主張している。
オーブントレーに薄く油をひく。
後ろで、まだまだ、言い合いを続けている二人を横目に、作業を進める。
「それに! 料理長、あなたは毎回シャーリー様のお料理を真似して作っているではありませんか!!」
「真似とは失礼な!! 勉強だ!!」
「勉強ならメモを取ればよろしいでしょう!!」
「料理は目で見て、鼻で嗅いで、舌で味わって覚えるものだ!!」
まあ、確かにね。
「お酒のつまみはいりませんよ!!」
悪いけれど、料理長の相手はハザードに任せましょう。
いつも横に来てごちゃごちゃうるさいからね。
トレーに、三種類の野菜を彩りよく並べる。
白、紫、淡い緑。
それだけで、楽しくなる。
まるで、絵を描いているみたい。
少し重ねながら、丁寧に、美しく。
その上に、少し手間だけれど、一枚一枚にガーリックをきかせたトマトソースを塗る。
刷毛で、薄く、均一に。
トマトの赤が、野菜の上で鮮やかに映える。
ガーリックの香りが、ふわりと鼻をくすぐる。
さらに、スライスしたベーコン、小さく切ったピーマン、トマト、アボカド、ほうれん草、かぼちゃを小さく切って、その三種類の上に彩りよく散らしていく。
これ全部、残り物の切れっ端などを貰いました。
でも、こうして丁寧に扱えば、立派な料理になる。
赤、緑、黄色、オレンジ。
色とりどりの野菜が、トレーの上で美しいモザイクを描いている。
オーブンに入れ、まずは焼く。
「それに! 私物のワインを持ち込むなど、規律が!!」
「細かいことを!!」
「細かくありません!!」
「細か、え、おい!?ピザ作るだろ!?チーズは!?」
あら、もうこちらに注目してるの?
振り返ると、ハザードも料理長も、揃ってこちらを見ていた。
さっきまでの言い合いはどこへやらですか。
その視線が、妙に真剣で、少し可笑しかった。
「合ってますけど、チーズは後です。まずは水分を飛ばします」
「水分を?」
料理長が首を傾げる。
「はい。このままチーズを乗せても出来ますが、そうすると中の野菜が、どうしても水っぽくなるんです。なので、先に一度焼いて、軽く焦げ目をつけてから、チーズを乗せてもう一度焼いた方が、美味しく仕上がります」
オーブンを開けると、野菜の甘い香りとトマトの酸味がふわりと広がった。
ベーコンの脂が、じゅわっと滲み出ている。
野菜の表面が、ほんのり色づいて、美味しそう。
「あ、ちょうどいいですね」
トレーを取り出し、とろけるチーズをたっぷり散らす。
白いチーズが、温かい野菜の上で、すぐに柔らかくなってとろっとろ。
まるで雪が溶けるように。
これでも美味しいけどね。
再びオーブンへ。
扉を閉めると、ガラス越しに、チーズがゆっくりと溶けていくのが見える。
ぷくぷくと泡立ち、黄金色に色づいていく。
「なるほど……揚げ物で中まで火を通すための、二度揚げと同じ原理か」
料理長が、感心したように頷く。
「そうですね」
「シャーリー様は……こんなことを、以前からなさっていたのですね……」
ハザードが、ぽつりと呟いた。
その声は、いつもより少し柔らかいというか、悲しんでいた。
まるで、私の過去を思って、胸を痛めているような。
「でも、今こうして役に立っていますから。無駄じゃなかったですよ。あ、出来ました」
焼き上がった香ばしい匂いに、ハザードの優しさに泣きそうになった気持ちを誤魔化すように、顔を背ける。
チーズが、こんがりと焼けて、表面が黄金色になった。
ところどころ、焦げ目がついて、食欲をそそるが、なんだか心は重かった。
だって、明日。
キャウリー様がお父様のところへ、サインをもらいに行く。
不安で、不安で、たまらなかった。
胸の奥が、きゅっと締め付けられて、落ち着かなかった。
もし、サインを貰えなかったら?
もし、サインを貰いに行くのをやめたら?
色んな、もし、が頭を駆け巡った。
でも、今はこのふたりの騒ぎが少し気を紛らわせてくれた。
「仕上げに、パセリのみじん切りを散らして、オリーブオイルを少しかけて、ブラックペッパーを挽いて、完成です」
緑のパセリが、色鮮やかに映える。
オリーブオイルが、野菜の上でキラキラと光る。
ブラックペッパーの香りが、最後の一押し。
ミルをガリガリと回し振りかける。
「おお!」
「まあ!!」
二人の声が、重なった。
えへへ。
その声、その顔を見ると、胸の奥の不安が、少しだけ軽くなる。
「ハザード、お願いがあるの」
「なんでしょうか?」
「今日は、私もキャウリー様とご一緒したいの。それをお願いしてきてほしいの。それから……出来たら、ハザードも一緒にいてほしい、な……と」
「かしこまりました。必ず、了承を得て参ります」
キラリン、どころか、ギラリ、と光る瞳。
その表情を見て、思う。
この人が負けるところなんて、想像できない。
まるで、戦いに向かう騎士のよう。
「お願いします!」
最近、私が料理を作り終えた後、料理長がせっせと同じものを作るようになった。
正確には、
「自分がたくさん食べたいから作っている」
が正しい。
キャウリー様も、それに気づいているのだろうけど、何も言わない。
「シャーリーが来てから、皆とても楽しそうだ。それを邪魔するつもりはないよ」
そう言ってくださった。
ああ。
あの方は、本当に大きな心をお持ちだ。
「シャーリー様、許可は取りました。参りましょう」
いつも冷静なハザードが、少しだけ息を上げていた。
頬が、ほんのり紅潮している。
きっと、私のために走ってくれたのだろう。
「ありがとう。キャウリー様が待っているわ。行きましょう」
「はい」
キャウリー様の部屋で、初めてシャンパンを口にした。
お酒は殿方の嗜みで、
女性が飲むものではない。
そう母に教えられて育った。
それでも、
シャーサーや義母様は、夜会でも家でも、
当たり前のように父と飲んでいた。
そのあとの酔っ払った姿を見るたびに、母の言葉が正しいのだと思っていた。
だから、前にキャウリー様に勧められた時も、
丁寧にお断りしたのだけれど、
「少しなら。それにこのシャンパンはアルコールも弱めで甘めですよ」
キャウリー様が優しく微笑みながら言う。
あの厳しいハザードが、今日に限ってそう言ったから、
つい、口をつけてしまった。
グラスを傾けると、細かい泡が、シュワシュワと立ち上る。
それが、
とても、美味しかった。
フルーティーで、爽やかで、ほんのり甘い。
ハザードが「アルコールはかなり弱めで、炭酸だから、すぐお腹も膨れますよ」
と言いながら、ぐいぐいシャンパンを飲むハザードに、
ハザードにとってはジュースと同じなのね、
と、内心思いつつ、キャウリー様は、当たり前のように、ハザードのグラスに注ぐ。
琥珀色の液体が、グラスの中で優雅に揺れる。
けれど、三人で他愛のない話をしているうちに、
不思議と心が落ち着いていった。
胸に溜まっていた不安が、
静かに、泡のように消えていく気がした。
キャウリー様の優しい笑顔と、
ハザードの、いつもより柔らかな表情に、
包まれているような、安心感。
明日は、大丈夫、
そう思えた。
修正した箇所:
「毎回で慣れしまった」→「毎回で慣れてしまった」
「他愛のない話し」→「他愛のない話を」
キャウリー様のセリフに「キャウリー様が優しく微笑みながら言う」を追加(文脈の補足)
「何を作られるんですか?」
厨房には、料理長と、今日は珍しくハザードの姿があり、二人とも興味津々といった様子だ。
「ハザード?どうしたの?」
じゃがいも、ナス、ズッキーニを用意しながら尋ねる。
「いえ、私も興味がありまして。旦那様がいつも美味しそうに召し上がっ……り、料理長!!そのワインは何ですか!?ここは仕事場ですよ!!」
仰る通りです。
もう、毎回で慣れてしまったけれど、おかしな事だよね。
また本人は、当然のように嬉しそうに半分になったワイン瓶を片手に持っている。
まるで勲章のように、誇らしげに。
「何を言うんだ! もう仕事は終わりだろう!」
もう少し悪びれてくれたら、可愛げもあるのだろうに、全く、ない。
その上反論ですか。
「違います! 立派な仕事場です!!それも私物を、それもお酒など、もってのほかです!!」
ハザードの声が、一段と厳しくなる。
その通りです。
もっと言ってください。
だから、ワインを背中に隠して、「これでいいだろ」と言う得意顔をしてもどうかと思う。
ほら、逆にハザードの目がつり上がった。
眉間に皺が寄り、口元がきゅっと引き締まっている。
じゃがいもの皮を剥きながら、私は大きく溜息をついた。
「じゃあ、外で飲めばいいんだな」
いや、そこじゃない。
ほら、案の定、ハザードの目が、さらにつり上がった。
「外で飲もうが中で飲もうが! 勤務中は駄目です!!」
「もう勤務は終わったと言っているだろう!?」
「終わっておりません!!シャーリー様がまだ厨房におられるではありませんか!!」
「シャーリー様は客人だ!!」
「客人なら尚更、酒臭い場所でお料理させるなど!!」
「酒のつまみを作っているんだろうが!」
ああ、もう。
とりあえず放っておこう。
皮を剥いたじゃがいも、ナス、ズッキーニを、五ミリほどの薄さにスライスする。
包丁がまな板に当たる、規則正しい音が心地いい。
トン、トン、トン、と、リズミカル。
じゃがいもは、切った端から水にさらす。
白い断面が、みずみずしく光っている。
ナスは、切るとすぐに変色し始めるから、手早く。
紫色の皮が美しい。
ズッキーニは、淡い緑色。
三種類の野菜が、それぞれの色を主張している。
オーブントレーに薄く油をひく。
後ろで、まだまだ、言い合いを続けている二人を横目に、作業を進める。
「それに! 料理長、あなたは毎回シャーリー様のお料理を真似して作っているではありませんか!!」
「真似とは失礼な!! 勉強だ!!」
「勉強ならメモを取ればよろしいでしょう!!」
「料理は目で見て、鼻で嗅いで、舌で味わって覚えるものだ!!」
まあ、確かにね。
「お酒のつまみはいりませんよ!!」
悪いけれど、料理長の相手はハザードに任せましょう。
いつも横に来てごちゃごちゃうるさいからね。
トレーに、三種類の野菜を彩りよく並べる。
白、紫、淡い緑。
それだけで、楽しくなる。
まるで、絵を描いているみたい。
少し重ねながら、丁寧に、美しく。
その上に、少し手間だけれど、一枚一枚にガーリックをきかせたトマトソースを塗る。
刷毛で、薄く、均一に。
トマトの赤が、野菜の上で鮮やかに映える。
ガーリックの香りが、ふわりと鼻をくすぐる。
さらに、スライスしたベーコン、小さく切ったピーマン、トマト、アボカド、ほうれん草、かぼちゃを小さく切って、その三種類の上に彩りよく散らしていく。
これ全部、残り物の切れっ端などを貰いました。
でも、こうして丁寧に扱えば、立派な料理になる。
赤、緑、黄色、オレンジ。
色とりどりの野菜が、トレーの上で美しいモザイクを描いている。
オーブンに入れ、まずは焼く。
「それに! 私物のワインを持ち込むなど、規律が!!」
「細かいことを!!」
「細かくありません!!」
「細か、え、おい!?ピザ作るだろ!?チーズは!?」
あら、もうこちらに注目してるの?
振り返ると、ハザードも料理長も、揃ってこちらを見ていた。
さっきまでの言い合いはどこへやらですか。
その視線が、妙に真剣で、少し可笑しかった。
「合ってますけど、チーズは後です。まずは水分を飛ばします」
「水分を?」
料理長が首を傾げる。
「はい。このままチーズを乗せても出来ますが、そうすると中の野菜が、どうしても水っぽくなるんです。なので、先に一度焼いて、軽く焦げ目をつけてから、チーズを乗せてもう一度焼いた方が、美味しく仕上がります」
オーブンを開けると、野菜の甘い香りとトマトの酸味がふわりと広がった。
ベーコンの脂が、じゅわっと滲み出ている。
野菜の表面が、ほんのり色づいて、美味しそう。
「あ、ちょうどいいですね」
トレーを取り出し、とろけるチーズをたっぷり散らす。
白いチーズが、温かい野菜の上で、すぐに柔らかくなってとろっとろ。
まるで雪が溶けるように。
これでも美味しいけどね。
再びオーブンへ。
扉を閉めると、ガラス越しに、チーズがゆっくりと溶けていくのが見える。
ぷくぷくと泡立ち、黄金色に色づいていく。
「なるほど……揚げ物で中まで火を通すための、二度揚げと同じ原理か」
料理長が、感心したように頷く。
「そうですね」
「シャーリー様は……こんなことを、以前からなさっていたのですね……」
ハザードが、ぽつりと呟いた。
その声は、いつもより少し柔らかいというか、悲しんでいた。
まるで、私の過去を思って、胸を痛めているような。
「でも、今こうして役に立っていますから。無駄じゃなかったですよ。あ、出来ました」
焼き上がった香ばしい匂いに、ハザードの優しさに泣きそうになった気持ちを誤魔化すように、顔を背ける。
チーズが、こんがりと焼けて、表面が黄金色になった。
ところどころ、焦げ目がついて、食欲をそそるが、なんだか心は重かった。
だって、明日。
キャウリー様がお父様のところへ、サインをもらいに行く。
不安で、不安で、たまらなかった。
胸の奥が、きゅっと締め付けられて、落ち着かなかった。
もし、サインを貰えなかったら?
もし、サインを貰いに行くのをやめたら?
色んな、もし、が頭を駆け巡った。
でも、今はこのふたりの騒ぎが少し気を紛らわせてくれた。
「仕上げに、パセリのみじん切りを散らして、オリーブオイルを少しかけて、ブラックペッパーを挽いて、完成です」
緑のパセリが、色鮮やかに映える。
オリーブオイルが、野菜の上でキラキラと光る。
ブラックペッパーの香りが、最後の一押し。
ミルをガリガリと回し振りかける。
「おお!」
「まあ!!」
二人の声が、重なった。
えへへ。
その声、その顔を見ると、胸の奥の不安が、少しだけ軽くなる。
「ハザード、お願いがあるの」
「なんでしょうか?」
「今日は、私もキャウリー様とご一緒したいの。それをお願いしてきてほしいの。それから……出来たら、ハザードも一緒にいてほしい、な……と」
「かしこまりました。必ず、了承を得て参ります」
キラリン、どころか、ギラリ、と光る瞳。
その表情を見て、思う。
この人が負けるところなんて、想像できない。
まるで、戦いに向かう騎士のよう。
「お願いします!」
最近、私が料理を作り終えた後、料理長がせっせと同じものを作るようになった。
正確には、
「自分がたくさん食べたいから作っている」
が正しい。
キャウリー様も、それに気づいているのだろうけど、何も言わない。
「シャーリーが来てから、皆とても楽しそうだ。それを邪魔するつもりはないよ」
そう言ってくださった。
ああ。
あの方は、本当に大きな心をお持ちだ。
「シャーリー様、許可は取りました。参りましょう」
いつも冷静なハザードが、少しだけ息を上げていた。
頬が、ほんのり紅潮している。
きっと、私のために走ってくれたのだろう。
「ありがとう。キャウリー様が待っているわ。行きましょう」
「はい」
キャウリー様の部屋で、初めてシャンパンを口にした。
お酒は殿方の嗜みで、
女性が飲むものではない。
そう母に教えられて育った。
それでも、
シャーサーや義母様は、夜会でも家でも、
当たり前のように父と飲んでいた。
そのあとの酔っ払った姿を見るたびに、母の言葉が正しいのだと思っていた。
だから、前にキャウリー様に勧められた時も、
丁寧にお断りしたのだけれど、
「少しなら。それにこのシャンパンはアルコールも弱めで甘めですよ」
キャウリー様が優しく微笑みながら言う。
あの厳しいハザードが、今日に限ってそう言ったから、
つい、口をつけてしまった。
グラスを傾けると、細かい泡が、シュワシュワと立ち上る。
それが、
とても、美味しかった。
フルーティーで、爽やかで、ほんのり甘い。
ハザードが「アルコールはかなり弱めで、炭酸だから、すぐお腹も膨れますよ」
と言いながら、ぐいぐいシャンパンを飲むハザードに、
ハザードにとってはジュースと同じなのね、
と、内心思いつつ、キャウリー様は、当たり前のように、ハザードのグラスに注ぐ。
琥珀色の液体が、グラスの中で優雅に揺れる。
けれど、三人で他愛のない話をしているうちに、
不思議と心が落ち着いていった。
胸に溜まっていた不安が、
静かに、泡のように消えていく気がした。
キャウリー様の優しい笑顔と、
ハザードの、いつもより柔らかな表情に、
包まれているような、安心感。
明日は、大丈夫、
そう思えた。
修正した箇所:
「毎回で慣れしまった」→「毎回で慣れてしまった」
「他愛のない話し」→「他愛のない話を」
キャウリー様のセリフに「キャウリー様が優しく微笑みながら言う」を追加(文脈の補足)
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