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第三話 第二章
第九節
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『コイツは…』
「成る程、確かにこれはエイプリルちゃんと同じね……」
演られた【演目】を見て言葉を失う狗と静かに分析した三笠。
現れた獣達の姿は実に様々。頭部まで裂ける程の口を有するモノや岩のようなゴツゴツした身体つきに人の背丈と同じ角を一対生やすモノ。つくしの様な頭部と首の様な長さの頸部を持つモノ等色々いる。
正体は全くわからない。ただ一つ言える確かなことは、既存の動物では決して存在しない怪物達だということである。
「コレが俺の奥の手【演目】『樹海猟犬 獣の猟群』だ…毒による魔獣を形作るものと思えばいい」
『将軍、ビビる事はねェ!?見かけはヤバいが、先程の毒ガスが集まって出来た存在だ!虚仮威しに近い!』
「そう思いたいならそう思うと良い。だが先程のガスなんかとは違ってこの獣達は物理的な強度を持ち…」
「…ッ!?うッ!!?」
「そして速く…」
『ぎッ!?』
「そして力強い…」
「『がッッ!!?』」
動き出しエイプリル達に接近したガスの獣達。
前腕や尻尾により振るわれた打撃は元がガスと言うにはあまりにも重く速い。
何とか防いだエイプリルであったが吹き飛ばされた。
「理解出来たか?」
「………う、ぃッツ!!」
銃士隊を展開したエイプリル。戦列による一斉射撃を行う。
マスケット銃により放たれた弾丸は獣の肉体を幾分か穿つ。
だが獣達は即座に穴を塞ぎ突撃を始めた。
突撃してきた獣達を止める事が出来ず掻き消される影達。
獣達の牙がエイプリルを貫いた。
「うッ!アアアアアアァアアあアアア!!?」
肩を貫かれたエイプリル。鮮血を流す。
杖によって何とか獣達を振り払ったが、痛々しい歯形が肩に刻まれる。
『将軍ッ!?』
「…………」
吼えた狗と目を閉じる三笠。エイプリルはその場に屈みこんだ。
「それにコイツ等の毒自体も消えたわけではない…噛みつかれた時点で体内に直接毒を注入されたのと同じだ…もう指一本も動かせまい……」
「ぅ……」
「終わりだ」
短剣を手にとどめを刺そうと近づくフッド。後は首か心臓にでも突き立ててやれば良いそう考える。
だがエイプリルは杖を支えに立ち上がった。
『将軍ッ!?』
「お前、何故…ッ!?」
「はぁはぁはぁ……」
杖を支えに荒い息を吐きながらなんとか立ち上がったエイプリル。
驚きの声を上げたフッドであったが、直ぐにある推測が頭に浮かぶ。
「そうか……抗体が出来ていたか……」
同一の毒であり、以前の戦闘にて同じく受けた際に創られてていたのだろう。これまで大半の敵を一度で仕留めて来たが故にその考えが少々頭の中から外れていたフッド。
それに……。
「立てただけだな……」
隠せない程にわかる満身創痍。とてもじゃあないが先程と同じ動きなんて出来る状況じゃあないと即座に理解出来る。
「もう息をするのもやっとだろ?そのまま意識を失っていた方が苦痛なく楽になれたというのに…」
「うぃ…おそらくそうでしょうね……ですが折角貴方の【演目】を見せて頂いたんです。こちらも魅せるというのが礼儀でしょう?」
「ほぅ…」
「魅せてあげますよ…私の【演目】。能力である『死せる忠臣の影』を昇華させた特別版…名を……」
【演目】『幻想夜会劇団』
※次週は休筆致します。次回更新は7/15予定です。
「成る程、確かにこれはエイプリルちゃんと同じね……」
演られた【演目】を見て言葉を失う狗と静かに分析した三笠。
現れた獣達の姿は実に様々。頭部まで裂ける程の口を有するモノや岩のようなゴツゴツした身体つきに人の背丈と同じ角を一対生やすモノ。つくしの様な頭部と首の様な長さの頸部を持つモノ等色々いる。
正体は全くわからない。ただ一つ言える確かなことは、既存の動物では決して存在しない怪物達だということである。
「コレが俺の奥の手【演目】『樹海猟犬 獣の猟群』だ…毒による魔獣を形作るものと思えばいい」
『将軍、ビビる事はねェ!?見かけはヤバいが、先程の毒ガスが集まって出来た存在だ!虚仮威しに近い!』
「そう思いたいならそう思うと良い。だが先程のガスなんかとは違ってこの獣達は物理的な強度を持ち…」
「…ッ!?うッ!!?」
「そして速く…」
『ぎッ!?』
「そして力強い…」
「『がッッ!!?』」
動き出しエイプリル達に接近したガスの獣達。
前腕や尻尾により振るわれた打撃は元がガスと言うにはあまりにも重く速い。
何とか防いだエイプリルであったが吹き飛ばされた。
「理解出来たか?」
「………う、ぃッツ!!」
銃士隊を展開したエイプリル。戦列による一斉射撃を行う。
マスケット銃により放たれた弾丸は獣の肉体を幾分か穿つ。
だが獣達は即座に穴を塞ぎ突撃を始めた。
突撃してきた獣達を止める事が出来ず掻き消される影達。
獣達の牙がエイプリルを貫いた。
「うッ!アアアアアアァアアあアアア!!?」
肩を貫かれたエイプリル。鮮血を流す。
杖によって何とか獣達を振り払ったが、痛々しい歯形が肩に刻まれる。
『将軍ッ!?』
「…………」
吼えた狗と目を閉じる三笠。エイプリルはその場に屈みこんだ。
「それにコイツ等の毒自体も消えたわけではない…噛みつかれた時点で体内に直接毒を注入されたのと同じだ…もう指一本も動かせまい……」
「ぅ……」
「終わりだ」
短剣を手にとどめを刺そうと近づくフッド。後は首か心臓にでも突き立ててやれば良いそう考える。
だがエイプリルは杖を支えに立ち上がった。
『将軍ッ!?』
「お前、何故…ッ!?」
「はぁはぁはぁ……」
杖を支えに荒い息を吐きながらなんとか立ち上がったエイプリル。
驚きの声を上げたフッドであったが、直ぐにある推測が頭に浮かぶ。
「そうか……抗体が出来ていたか……」
同一の毒であり、以前の戦闘にて同じく受けた際に創られてていたのだろう。これまで大半の敵を一度で仕留めて来たが故にその考えが少々頭の中から外れていたフッド。
それに……。
「立てただけだな……」
隠せない程にわかる満身創痍。とてもじゃあないが先程と同じ動きなんて出来る状況じゃあないと即座に理解出来る。
「もう息をするのもやっとだろ?そのまま意識を失っていた方が苦痛なく楽になれたというのに…」
「うぃ…おそらくそうでしょうね……ですが折角貴方の【演目】を見せて頂いたんです。こちらも魅せるというのが礼儀でしょう?」
「ほぅ…」
「魅せてあげますよ…私の【演目】。能力である『死せる忠臣の影』を昇華させた特別版…名を……」
【演目】『幻想夜会劇団』
※次週は休筆致します。次回更新は7/15予定です。
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