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第三話 第四章
第三節
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「ッ!!?」
「うわぁああああああ!?」
「ぎゃぁぁぁァァァァ!!?R・R様ぁぁァァァァァァァァァァァァ!!!?」
大広間にいた全員が暗闇の中に吸い込まれていく。敵も困惑に似た叫び声をあげている事から知らされていない。R・Rのみの凶行であると否が応でも理解出来る。
「わわわッ!!?」
「ミコ!手を伸ばしてッ!!」
同じく落下しているミコに手を伸ばす晴菜。ミコも言われるがままその手を掴む。
【演目】『爆炎 炎爆 イグニッション』
ミコを抱え【演目】を演つ晴菜。炎の爆弾を顕現、即時に爆発させその爆風により上に跳ぶ。
だが上空の大広間へと戻る直前、その軌道上に突如として四本の機械腕が現れる。
重機のアームの様な荒唐無稽な形状の四本の腕は晴菜を叩く様な形で撃ち落とした。
「くぅッッ!!」
(これも想定されていたか…ッ!)
『横紙破りは困るな…こちらも折角準備したのだから、キッチリと従ってもらわないと…』
暗闇に響くR・Rの声。
崩された体制で続けての【演目】は流石に晴菜も難しく、そのまま晴菜とミコは暗闇の中に落ちて行く。
落ちて少し経った先、空気が少し変わったのを感じた晴菜。
その数瞬後、勢いよく水場に叩きつけられる。
「ッ!!?」
「おごごごごごッッ………!!??」
身体を藻掻かせ何とか水面へと上がる晴菜。掴んではいるが軽いパニックになっているミコを引っ張り上げる。
「おごッ、ゲゲッ!!……」
「暗闇だけど水場に落ちて良かったわ……いや違うわね……」
即座に前言を撤回した晴菜。恐らく落下の勢いを殺す為にR・Rがあえて水場にしたのだろう。
参戦者をそんな簡単に斃さないように……。
「舐めた真似してくれるじゃない……服を汚い水でずぶ濡れにした分も含めて代償を支払わせてやるわ……」
恨み言を呟きながら、ミコの服共々炎で乾かした晴菜。更にはその炎を用いて周囲の様子を探る。
「どうやらここは地下牢みたいね……」
流れる水路に填め込まれた鉄格子。至るところに繋がれている鎖付きの手枷。そして白骨死体。人間の負の部分が詰め込まれたような空間である。
「『星炎騎士団』もおそらく使っていないか知らないわね……でないと趣味を疑わざるを得ないわ……」
『ふむ…彼等は存在すら知らなかったらしいですね…』
とそこで、睦美からの通信が入る。
水場から上がった直後にノイズ音が混ざり、応答が難しい状態であったがどうやら復旧したようであった。
『すみません。大広間にて晴菜達が落下した瞬間、障害が入り通信が切断されていましたが…別の通信ルートを使って復旧させました。位置だけはまだノイズが入っているようですが…』
「通信できるだけ御の字ね……それで彼等は存在すら知らなかったって?」
『そのままの意味です。『星炎騎士団』のナビゲーター経由で聞きましたが、この古城にそのような地下空間が存在すること自体。彼等は知らなかったみたいです』
「それは上辺だけを利用していたからじゃないの?」
『「決して違う」と…拠点として使うにあたり古城の隅から隅まで調べたようですが……空間どころか通じる道すら見当たらなかったとのことらしいです』
「真偽のほどはわからないけれど…今はそんな事で時間を使っている場合じゃあないわね…」
現に今その空間にいるが…これ以上は水かけ論になるとこの話を止めた晴菜。それよりも先の事を話す。
「ミコ以外の全員とはぐれてしまったけれど…落とされた他の参戦者もこの地下空間に居るのよね?」
『ええ、他のナビゲーターと連絡を取っておりますが…全員この地下空間に居るようです。同じく現在位置はわからないようですが…』
「了解。それだけ分かれば十分だわ…」
いるという事はこの地下空間を動き回れば出会えるだろう。今はだれでも良いから味方と合流する事が重要である。
「通信が途切れないように音声は入れっぱなしにするわね睦美……そちらも他と連絡を取りつつナビを願い」
『ふむ、わかりました』
「ミコもそういう感じで行くわよ…暗いからはぐれないでね」
「ゲホゴホ…はいッ!!」
ようやく復帰したのか少し涙目で応じたミコ。
と次の瞬間、晴菜の背後に気配が感じる。
カツンカツンカツンカツンと足音が響く。
音からして二名。晴菜達と同じく二人組である。
「味方かしら?」
先の通り、誰でもいいので味方との合流は急務だ。だが、あの大広間には敵も大勢存在していた。
という事は、敵の【星】もこの地下空間に居り、鉢合わせる可能性も十二分にあるのである。
炎の拳銃を顕現させ構える晴菜と背中の『月下の雫』の柄を掴んだミコ。
ハンドサインを交わし、逆に足音の主へとこちらから一気に近づいた。
そこにいたのは……。
「ビックリした!?いきなりなんだァ!!?」
『星炎騎士団』のウルフとウォーロックであった。
「ウルフさんご無事だったのですねッ!?」
「…あ、ああ…そっちも……だな………」
驚いた様子の騎士ウルフ。騎士ウォーロックは無言だが、どうやら二名とも無事のようだ。
「他に誰かと合流出来た?」
「…いや、この地下に落ちて歩き回り始めているが……アンタ等が初めてだ…」
「成程、コチラもたった今通信が回復し、これが初めてです……」
「そうか……」
そう呟く騎士ウルフ。
初対面の時と少々違和感を覚える晴菜。
『………………』
無言の睦美も同様であった。
「しかし貴方がたと合流できた事は僥倖です。このまま共に地上への出口を見つけましょう」
「……ええ、喜んで……」
その違和感を胸の内に仕舞うことにした晴菜。
とそこでR・Rの声が地下に響き渡った。
「うわぁああああああ!?」
「ぎゃぁぁぁァァァァ!!?R・R様ぁぁァァァァァァァァァァァァ!!!?」
大広間にいた全員が暗闇の中に吸い込まれていく。敵も困惑に似た叫び声をあげている事から知らされていない。R・Rのみの凶行であると否が応でも理解出来る。
「わわわッ!!?」
「ミコ!手を伸ばしてッ!!」
同じく落下しているミコに手を伸ばす晴菜。ミコも言われるがままその手を掴む。
【演目】『爆炎 炎爆 イグニッション』
ミコを抱え【演目】を演つ晴菜。炎の爆弾を顕現、即時に爆発させその爆風により上に跳ぶ。
だが上空の大広間へと戻る直前、その軌道上に突如として四本の機械腕が現れる。
重機のアームの様な荒唐無稽な形状の四本の腕は晴菜を叩く様な形で撃ち落とした。
「くぅッッ!!」
(これも想定されていたか…ッ!)
『横紙破りは困るな…こちらも折角準備したのだから、キッチリと従ってもらわないと…』
暗闇に響くR・Rの声。
崩された体制で続けての【演目】は流石に晴菜も難しく、そのまま晴菜とミコは暗闇の中に落ちて行く。
落ちて少し経った先、空気が少し変わったのを感じた晴菜。
その数瞬後、勢いよく水場に叩きつけられる。
「ッ!!?」
「おごごごごごッッ………!!??」
身体を藻掻かせ何とか水面へと上がる晴菜。掴んではいるが軽いパニックになっているミコを引っ張り上げる。
「おごッ、ゲゲッ!!……」
「暗闇だけど水場に落ちて良かったわ……いや違うわね……」
即座に前言を撤回した晴菜。恐らく落下の勢いを殺す為にR・Rがあえて水場にしたのだろう。
参戦者をそんな簡単に斃さないように……。
「舐めた真似してくれるじゃない……服を汚い水でずぶ濡れにした分も含めて代償を支払わせてやるわ……」
恨み言を呟きながら、ミコの服共々炎で乾かした晴菜。更にはその炎を用いて周囲の様子を探る。
「どうやらここは地下牢みたいね……」
流れる水路に填め込まれた鉄格子。至るところに繋がれている鎖付きの手枷。そして白骨死体。人間の負の部分が詰め込まれたような空間である。
「『星炎騎士団』もおそらく使っていないか知らないわね……でないと趣味を疑わざるを得ないわ……」
『ふむ…彼等は存在すら知らなかったらしいですね…』
とそこで、睦美からの通信が入る。
水場から上がった直後にノイズ音が混ざり、応答が難しい状態であったがどうやら復旧したようであった。
『すみません。大広間にて晴菜達が落下した瞬間、障害が入り通信が切断されていましたが…別の通信ルートを使って復旧させました。位置だけはまだノイズが入っているようですが…』
「通信できるだけ御の字ね……それで彼等は存在すら知らなかったって?」
『そのままの意味です。『星炎騎士団』のナビゲーター経由で聞きましたが、この古城にそのような地下空間が存在すること自体。彼等は知らなかったみたいです』
「それは上辺だけを利用していたからじゃないの?」
『「決して違う」と…拠点として使うにあたり古城の隅から隅まで調べたようですが……空間どころか通じる道すら見当たらなかったとのことらしいです』
「真偽のほどはわからないけれど…今はそんな事で時間を使っている場合じゃあないわね…」
現に今その空間にいるが…これ以上は水かけ論になるとこの話を止めた晴菜。それよりも先の事を話す。
「ミコ以外の全員とはぐれてしまったけれど…落とされた他の参戦者もこの地下空間に居るのよね?」
『ええ、他のナビゲーターと連絡を取っておりますが…全員この地下空間に居るようです。同じく現在位置はわからないようですが…』
「了解。それだけ分かれば十分だわ…」
いるという事はこの地下空間を動き回れば出会えるだろう。今はだれでも良いから味方と合流する事が重要である。
「通信が途切れないように音声は入れっぱなしにするわね睦美……そちらも他と連絡を取りつつナビを願い」
『ふむ、わかりました』
「ミコもそういう感じで行くわよ…暗いからはぐれないでね」
「ゲホゴホ…はいッ!!」
ようやく復帰したのか少し涙目で応じたミコ。
と次の瞬間、晴菜の背後に気配が感じる。
カツンカツンカツンカツンと足音が響く。
音からして二名。晴菜達と同じく二人組である。
「味方かしら?」
先の通り、誰でもいいので味方との合流は急務だ。だが、あの大広間には敵も大勢存在していた。
という事は、敵の【星】もこの地下空間に居り、鉢合わせる可能性も十二分にあるのである。
炎の拳銃を顕現させ構える晴菜と背中の『月下の雫』の柄を掴んだミコ。
ハンドサインを交わし、逆に足音の主へとこちらから一気に近づいた。
そこにいたのは……。
「ビックリした!?いきなりなんだァ!!?」
『星炎騎士団』のウルフとウォーロックであった。
「ウルフさんご無事だったのですねッ!?」
「…あ、ああ…そっちも……だな………」
驚いた様子の騎士ウルフ。騎士ウォーロックは無言だが、どうやら二名とも無事のようだ。
「他に誰かと合流出来た?」
「…いや、この地下に落ちて歩き回り始めているが……アンタ等が初めてだ…」
「成程、コチラもたった今通信が回復し、これが初めてです……」
「そうか……」
そう呟く騎士ウルフ。
初対面の時と少々違和感を覚える晴菜。
『………………』
無言の睦美も同様であった。
「しかし貴方がたと合流できた事は僥倖です。このまま共に地上への出口を見つけましょう」
「……ええ、喜んで……」
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とそこでR・Rの声が地下に響き渡った。
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