200 / 650
本編
501 宿直と学院七不思議・その4 水島ァ
しおりを挟む
「ポロオオオオオオン!!」
もはやピアノの音でもなんでもない、怒りの声が音楽室に響いた。
暗がりの中、ぼんやりの何かがピアノの正面に形作る。
「キュ!」
「あれは音の精霊の眷属だって、水島が!」
音の精霊……、そんな精霊もいるのか。
神様だったらウーラニア、精霊だったらセイレーン。
音に関するもので、思い浮かぶのはそのあたりか。
他にもいたかもしれないけど、他は知らん。
別の存在だったら、それもそれで別になんでも良い。
「ポロォォォーーーーーッ!」
「キュィィィーーーーーッ!」
音の精霊とイルカのおっさん。
それぞれの音波攻撃の応酬が、音楽室に響き渡る。
いずれにせよ。
音楽室に居座るこいつをなんとかするしかない。
宿直初日で音楽室がボロボロになるのは不味い。
俺の責任問題となる。
それだけはご勘弁願いたいのだ。
「水島! 精霊とかそういう類ならウネウネくん出すぞ!」
「キュイ!」
「そっちの方が教室ぐちゃぐちゃになるってさ!」
「確かに」
巨大キングさんやワシたかくんの前には霞むけど、あいつもそれなりに大きい。
考えなしに召喚したら、逆に教室を荒らしてしまうことになる。
「だったら窓開けて外に出すのは?」
「キュッ!」
「近所迷惑になるって!」
「うーむ……非常事態ならしかないと思うけど……」
なんか魔物出て来て戦いましたって扱いなら許される。
あ、でも。
これで学院が一時休校とかそんな扱いになったら、2000万がお釈迦?
いや、さすがに不測の事態だったら仕方ないと思うけどなあ……。
「キュイ!」
「秘策があるから任せてくれだって」
「あ、そう? だったら早めに──」
──バサバサバサバサ!
その時、俺の顔面にナニカが大量にまとわりついて来た。
「うわっ」
「トウジ!? あ、あれは七不思議の一つ、目が光る肖像画だし!」
顔に飛んで来た正体。
それは音楽室の壁に飾られている肖像画たちだった。
本当に目が光っている。
そして、古い紙に描かれた顔が怪しく笑っている。
「あれも精霊の類?」
「たぶんそうだし!」
いっぱいいるなあ……。
「これさ、無闇にぶった斬ったら器物破損扱いになったりするかな?」
「そんなこと言ってないでさっさと倒すし!」
「別にダメージ全く受けてないから、倒せるには倒せるけど……」
なんか水島が最初の一撃を与えて怒り出した。
だから、放置でも良いんじゃないかと思った。
その七不思議とやらの言い伝えでは夜しか出ない。
さらに今までも生徒に被害はないんだろ?
「もう面倒だから逃げようぜ」
そんでもってドア閉めて封印だ、封印。
もしかしたら、こいつらは単純にピアノが弾きたいだけなのかもしれない。
古紙に描かれたおっさんの目から生徒を見守りたいだけなのかもしれない。
「いや、さすがにそれはダメだし」
「やっぱり?」
「普通に考えて、今までは運が良かっただけだし。七不思議の噂で生徒が怖がって、夜の音楽室に入らなかったから今まで何もおこならなかっただけだと思うし」
「でも宿直で普通に巡回するコースだぞ」
「人は襲わない精霊だったとしても、攻撃して刺激して怒らせちゃったのはトウジだし、そうなったらこれから宿直で回る人がもしかしたら攻撃を受けることになるかもしれないし、なんにせよ明確な敵意持ってるみたいだから、このまま放置って言うわけにはいかないし」
「うぐっ」
珍しく長いセリフだと思ったら、至極真っ当なことを言いやがる。
パンケーキ師匠に論破された瞬間だった。
確かにもう引き金は引いてしまったから、ケリをつけるしかない。
「生徒たちの安全は、学院の平和は、あたしたちが守るし!」
「それ誰目線の発言なんだよ……」
「宿直!」
「まあ、得体の知れないものを放置しておくのもアレだし、きちんと倒しておくしかないか」
インベントリから霧散の秘薬を取り出して、向かってくる紙連中に一気に振りまいた。
どうせ精霊が取り付いたもんだったら、これで剥がれる。
濡れてしまうけど、なんか湿気でやられてましたって言えばなんとかなるか。
最悪弁償になっても、高価な楽器とかじゃない限りどうにでもなる。
もっとも、楽器とか複雑な構造じゃない限り。
こういう肖像画とか売ってるところにお邪魔して、適当な装備にカナトコするのさ。
「ポロ」「ポロロ」「ポロン」「ポロリ」
肖像画から強制的に剥がされた音の精霊たちが、水島と音波合戦している音の精霊に集まっていく。
ピアノを弾いていた振りをしていた精霊はどうやら周りの精霊の親玉的存在だったようだ。
「──ポロロオオオオオオオ!!」
集まって一回り大きくなった音の精霊が叫ぶ。
水島の相殺音波をかき消して、音楽室全域に激しい振動。
至近距離にいた水島は、勢いに圧されてぶっ飛ばされた。
「ぐっ……!」
膝をつく。
まるでキングさんの雄叫びを至近距離で受けた様な気分だ。
あれほどの破壊力はないにせよ。
装備を貫通して、なんか体の芯に響いた気がする。
「トウジ! 大丈夫だし!?」
「まあね、とっさに耳塞いでくれてありがと」
「あたしは異常状態食らっても別に影響ないし、当然!」
耳を塞いで効果があるのかはわからない。
しかし、ジュノーがフードにいるだけで、それだけで。
なんとなくバフがかかった気が……しないでもない。
「ど、どうするしトウジ!? でっかくなっちゃったし!?」
「大丈夫だろ」
そのまま片手剣で敵を斬りつけても良いのだけど。
水島が、俺がやると言わんばかりの表情をしている。
そんな強い意志が伝わってくる。
「──水島ァ、秘策があるんだろ、水島ァ!」
「キュイ!」
立ち上がった水島が、音の精霊に肉薄する。
行く手を阻む様に、さらなる音波攻撃が水島に襲いかかるが……トゥルン。
水島のトゥルトゥルの体表面から、なんかヌルヌルした液体が出た。
まるで、音の中を泳ぐ様に動く水島。
なんだあれ、なんだこいつ!
激しく気持ち悪い動きだが、俺は嫌いじゃない。
「キュイィィ!」
そして、手から生み出したドロドロの液体が精霊を取り囲んだ。
さらになんだあれ!
イルカのおっさんから出た脂汗にしか思えないのだけど。
それによって音の精霊の音波攻撃が封じ込められていた。
「キュイ」
「音波系を遮断する体液だってさ、つまり水島の脂汗だし」
脂汗なんだ……?
やっぱり?
「キュイ」
「最初のエコーロケーションで、いっぱい居るのがわかったからひと塊りになるまで待ってたんだって」
「なるほど」
やるじゃん水島。
俺はお前はできる子だって、最初からわかっていたぞ。
「お疲れ水島」
「キュ、キュイ……」
トゥルパァン。
ヌルヌルの手とハイタッチしたら、水島がプルプルと震えだした。
「どうした水島!?」
「キュィィ」
「これで封じるのが精一杯だから、倒すのは頼みますだって、あと5秒持たないらしいし」
「うおおおおお! 水島ァーーー!」
音の精霊は、俺が脂汗の玉の中に手を突っ込み滅多斬りにしてなんとかなった。
=====
一方その頃、別箇所担当の宿直のおじさんは……。
「……ん? なんかすごい音がした様な気がするが……気のせいか……クラブ棟はおっかなくて仕方ないなあ……」
校舎からでた生徒玄関先で、呑気に葉巻を吸っていた。
もはやピアノの音でもなんでもない、怒りの声が音楽室に響いた。
暗がりの中、ぼんやりの何かがピアノの正面に形作る。
「キュ!」
「あれは音の精霊の眷属だって、水島が!」
音の精霊……、そんな精霊もいるのか。
神様だったらウーラニア、精霊だったらセイレーン。
音に関するもので、思い浮かぶのはそのあたりか。
他にもいたかもしれないけど、他は知らん。
別の存在だったら、それもそれで別になんでも良い。
「ポロォォォーーーーーッ!」
「キュィィィーーーーーッ!」
音の精霊とイルカのおっさん。
それぞれの音波攻撃の応酬が、音楽室に響き渡る。
いずれにせよ。
音楽室に居座るこいつをなんとかするしかない。
宿直初日で音楽室がボロボロになるのは不味い。
俺の責任問題となる。
それだけはご勘弁願いたいのだ。
「水島! 精霊とかそういう類ならウネウネくん出すぞ!」
「キュイ!」
「そっちの方が教室ぐちゃぐちゃになるってさ!」
「確かに」
巨大キングさんやワシたかくんの前には霞むけど、あいつもそれなりに大きい。
考えなしに召喚したら、逆に教室を荒らしてしまうことになる。
「だったら窓開けて外に出すのは?」
「キュッ!」
「近所迷惑になるって!」
「うーむ……非常事態ならしかないと思うけど……」
なんか魔物出て来て戦いましたって扱いなら許される。
あ、でも。
これで学院が一時休校とかそんな扱いになったら、2000万がお釈迦?
いや、さすがに不測の事態だったら仕方ないと思うけどなあ……。
「キュイ!」
「秘策があるから任せてくれだって」
「あ、そう? だったら早めに──」
──バサバサバサバサ!
その時、俺の顔面にナニカが大量にまとわりついて来た。
「うわっ」
「トウジ!? あ、あれは七不思議の一つ、目が光る肖像画だし!」
顔に飛んで来た正体。
それは音楽室の壁に飾られている肖像画たちだった。
本当に目が光っている。
そして、古い紙に描かれた顔が怪しく笑っている。
「あれも精霊の類?」
「たぶんそうだし!」
いっぱいいるなあ……。
「これさ、無闇にぶった斬ったら器物破損扱いになったりするかな?」
「そんなこと言ってないでさっさと倒すし!」
「別にダメージ全く受けてないから、倒せるには倒せるけど……」
なんか水島が最初の一撃を与えて怒り出した。
だから、放置でも良いんじゃないかと思った。
その七不思議とやらの言い伝えでは夜しか出ない。
さらに今までも生徒に被害はないんだろ?
「もう面倒だから逃げようぜ」
そんでもってドア閉めて封印だ、封印。
もしかしたら、こいつらは単純にピアノが弾きたいだけなのかもしれない。
古紙に描かれたおっさんの目から生徒を見守りたいだけなのかもしれない。
「いや、さすがにそれはダメだし」
「やっぱり?」
「普通に考えて、今までは運が良かっただけだし。七不思議の噂で生徒が怖がって、夜の音楽室に入らなかったから今まで何もおこならなかっただけだと思うし」
「でも宿直で普通に巡回するコースだぞ」
「人は襲わない精霊だったとしても、攻撃して刺激して怒らせちゃったのはトウジだし、そうなったらこれから宿直で回る人がもしかしたら攻撃を受けることになるかもしれないし、なんにせよ明確な敵意持ってるみたいだから、このまま放置って言うわけにはいかないし」
「うぐっ」
珍しく長いセリフだと思ったら、至極真っ当なことを言いやがる。
パンケーキ師匠に論破された瞬間だった。
確かにもう引き金は引いてしまったから、ケリをつけるしかない。
「生徒たちの安全は、学院の平和は、あたしたちが守るし!」
「それ誰目線の発言なんだよ……」
「宿直!」
「まあ、得体の知れないものを放置しておくのもアレだし、きちんと倒しておくしかないか」
インベントリから霧散の秘薬を取り出して、向かってくる紙連中に一気に振りまいた。
どうせ精霊が取り付いたもんだったら、これで剥がれる。
濡れてしまうけど、なんか湿気でやられてましたって言えばなんとかなるか。
最悪弁償になっても、高価な楽器とかじゃない限りどうにでもなる。
もっとも、楽器とか複雑な構造じゃない限り。
こういう肖像画とか売ってるところにお邪魔して、適当な装備にカナトコするのさ。
「ポロ」「ポロロ」「ポロン」「ポロリ」
肖像画から強制的に剥がされた音の精霊たちが、水島と音波合戦している音の精霊に集まっていく。
ピアノを弾いていた振りをしていた精霊はどうやら周りの精霊の親玉的存在だったようだ。
「──ポロロオオオオオオオ!!」
集まって一回り大きくなった音の精霊が叫ぶ。
水島の相殺音波をかき消して、音楽室全域に激しい振動。
至近距離にいた水島は、勢いに圧されてぶっ飛ばされた。
「ぐっ……!」
膝をつく。
まるでキングさんの雄叫びを至近距離で受けた様な気分だ。
あれほどの破壊力はないにせよ。
装備を貫通して、なんか体の芯に響いた気がする。
「トウジ! 大丈夫だし!?」
「まあね、とっさに耳塞いでくれてありがと」
「あたしは異常状態食らっても別に影響ないし、当然!」
耳を塞いで効果があるのかはわからない。
しかし、ジュノーがフードにいるだけで、それだけで。
なんとなくバフがかかった気が……しないでもない。
「ど、どうするしトウジ!? でっかくなっちゃったし!?」
「大丈夫だろ」
そのまま片手剣で敵を斬りつけても良いのだけど。
水島が、俺がやると言わんばかりの表情をしている。
そんな強い意志が伝わってくる。
「──水島ァ、秘策があるんだろ、水島ァ!」
「キュイ!」
立ち上がった水島が、音の精霊に肉薄する。
行く手を阻む様に、さらなる音波攻撃が水島に襲いかかるが……トゥルン。
水島のトゥルトゥルの体表面から、なんかヌルヌルした液体が出た。
まるで、音の中を泳ぐ様に動く水島。
なんだあれ、なんだこいつ!
激しく気持ち悪い動きだが、俺は嫌いじゃない。
「キュイィィ!」
そして、手から生み出したドロドロの液体が精霊を取り囲んだ。
さらになんだあれ!
イルカのおっさんから出た脂汗にしか思えないのだけど。
それによって音の精霊の音波攻撃が封じ込められていた。
「キュイ」
「音波系を遮断する体液だってさ、つまり水島の脂汗だし」
脂汗なんだ……?
やっぱり?
「キュイ」
「最初のエコーロケーションで、いっぱい居るのがわかったからひと塊りになるまで待ってたんだって」
「なるほど」
やるじゃん水島。
俺はお前はできる子だって、最初からわかっていたぞ。
「お疲れ水島」
「キュ、キュイ……」
トゥルパァン。
ヌルヌルの手とハイタッチしたら、水島がプルプルと震えだした。
「どうした水島!?」
「キュィィ」
「これで封じるのが精一杯だから、倒すのは頼みますだって、あと5秒持たないらしいし」
「うおおおおお! 水島ァーーー!」
音の精霊は、俺が脂汗の玉の中に手を突っ込み滅多斬りにしてなんとかなった。
=====
一方その頃、別箇所担当の宿直のおじさんは……。
「……ん? なんかすごい音がした様な気がするが……気のせいか……クラブ棟はおっかなくて仕方ないなあ……」
校舎からでた生徒玄関先で、呑気に葉巻を吸っていた。
95
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
無名の三流テイマーは王都のはずれでのんびり暮らす~でも、国家の要職に就く弟子たちがなぜか頼ってきます~
鈴木竜一
ファンタジー
※本作の書籍化が決定いたしました!
詳細は近況ボードに載せていきます!
「もうおまえたちに教えることは何もない――いや、マジで!」
特にこれといった功績を挙げず、ダラダラと冒険者生活を続けてきた無名冒険者兼テイマーのバーツ。今日も危険とは無縁の安全な採集クエストをこなして飯代を稼げたことを喜ぶ彼の前に、自分を「師匠」と呼ぶ若い女性・ノエリ―が現れる。弟子をとった記憶のないバーツだったが、十年ほど前に当時惚れていた女性にいいところを見せようと、彼女が運営する施設の子どもたちにテイマーとしての心得を説いたことを思い出す。ノエリ―はその時にいた子どものひとりだったのだ。彼女曰く、師匠であるバーツの教えを守って修行を続けた結果、あの時の弟子たちはみんな国にとって欠かせない重要な役職に就いて繁栄に貢献しているという。すべては師匠であるバーツのおかげだと信じるノエリ―は、彼に王都へと移り住んでもらい、その教えを広めてほしいとお願いに来たのだ。
しかし、自身をただのしがない無名の三流冒険者だと思っているバーツは、そんな指導力はないと語る――が、そう思っているのは本人のみで、実はバーツはテイマーとしてだけでなく、【育成者】としてもとんでもない資質を持っていた。
バーツはノエリ―に押し切られる形で王都へと出向くことになるのだが、そこで立派に成長した弟子たちと再会。さらに、かつてテイムしていたが、諸事情で契約を解除した魔獣たちも、いつかバーツに再会することを夢見て自主的に鍛錬を続けており、気がつけばSランクを越える神獣へと進化していて――
こうして、無名のテイマー・バーツは慕ってくれる可愛い弟子や懐いている神獣たちとともにさまざまな国家絡みのトラブルを解決していき、気づけば国家の重要ポストの候補にまで名を連ねるが、当人は「勘弁してくれ」と困惑気味。そんなバーツは今日も王都のはずれにある運河のほとりに建てられた小屋を拠点に畑をしたり釣りをしたり、今日ものんびり暮らしつつ、弟子たちからの依頼をこなすのだった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな
七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」
「そうそう」
茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。
無理だと思うけど。
スキルはコピーして上書き最強でいいですか~改造初級魔法で便利に異世界ライフ~
深田くれと
ファンタジー
【文庫版2が4月8日に発売されます! ありがとうございます!】
異世界に飛ばされたものの、何の能力も得られなかった青年サナト。街で清掃係として働くかたわら、雑魚モンスターを狩る日々が続いていた。しかしある日、突然仕事を首になり、生きる糧を失ってしまう――。 そこで、サナトの人生を変える大事件が発生する!途方に暮れて挑んだダンジョンにて、ダンジョンを支配するドラゴンと遭遇し、自らを破壊するよう頼まれたのだ。その願いを聞きつつも、ダンジョンの後継者にはならず、能力だけを受け継いだサナト。新たな力――ダンジョンコアとともに、スキルを駆使して異世界で成り上がる!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。