平凡な男娼は厳つい軍人に恋をする

朏猫(ミカヅキネコ)

文字の大きさ
26 / 27
番外編

旦那様を元気づけたい・前

しおりを挟む
 この国では、秋の収穫祭のときに恋人や家族に贈り物をする風習がある。お互いに身につけるものを贈るんだけれど、男娼だった僕はやったことがなかった。
 故郷にも、そういう風習があったのかもしれない。でも五歳だった僕は覚えていなくて、当然娼館でも贈り物をあげたことはなかった。
 だから、本当にすっかり忘れていたんだ。

 収穫祭当日は、夕方までお仕事だった少将と外で待ち合わせをして、賑やかな街を並んで歩いた。二人でいろんな屋台を見て回って、大好きなチョコレートも買ってホクホク顔で帰宅した僕に、少将が小さな箱を差し出してきた。

「ツバキ」
「これは?」
「収穫祭の贈り物だ」
「……あ!」

 言われて初めて思い出した。目の前のきれいな箱を見てから、そっと少将の顔を見上げる。

「あの……、僕、何も用意してなくて、」
「かまわない。これは俺が贈りたかったんだ」
「でも……」
「収穫祭は来年もあるだろう?」

 そうだ、来年も僕は少将と一緒にいられる。だから来年、贈り物をあげることができる。そう思ったら嬉しくなって、口がもにょっとしてしまった。

「開けてもいいですか?」

 少将が頷いたのを見て、白いレースのリボンを解く。リボンも箱の模様もきれいだなぁと思いながら蓋を開けたら、艶々で赤みがかった紫色の小さな布が入っていた。

「これは……?」

 布だけじゃなくて、よく見たら同じ色のレースも見える。

(なんだろう?)

 チラッと少将を見ると、椅子に座って僕を見ている。……もしかしなくても、手に取って見てみろってことだろうか。

「……ほぇ?」

 箱から布を取り出してみたら、細い紐がスルンと滑り落ちた。
 テーブルに箱を置いてから、両手で紐を持つ。真ん中はきれいな紫色の小さな布で、三角っぽい形をしている。縁にレースが付いていて、その小さな布の尖った二カ所からは細い紐が、一カ所からは紫色のレースが伸びていた。
 うーん、なんだろう? どこかで見たような気もするけれど、どこで見たのかなぁ……。

「……あ!」

 娼館のねえさんたちが持っていた下着に似ている。それも、商売用の下着のほうだ。

「少将、これって……」
「紐の下着だな」
「紐の下着……」

 やっぱり。でも、どうしてこれを僕に?

「毛を剃ったツルツルのツバキに、似合うと思ってな」
「……あ」

 そうだ。剣技大会のあといろいろあって、僕はお仕置きで下生えを剃られた。あのとき「この股間に似合う下着を用意しよう」と言われた気がする。……まさか、あのとき言っていた下着って、これのことだったんだろうか。

「少将、これって……」
「黒と迷ったんだが、この色を見たときにツバキの話を思い出したんだ」
「話?」
「ツバキの故郷では、紫詰草がたくさん咲くんだろう?」
「はい、どこの畑にもたくさん咲いてました」
「だから、紫がかったあの花の色に似ているこっちにしたんだ」

 紫詰草のことは、少し前にたまたま本の挿し絵に載っていたから出た話だ。ほんの少し話しただけで、そのあとはすぐに別の話になった。たったそれだけだったのに、少将は覚えていてくれたんだ。
 そのことは嬉しいけれど、でも、その話からこの紐の下着の色を選んだというのはどうなんだろう。少将って、やっぱり僕より変態かもしれない。

「これから寒くなる。暖かくなってから穿いてくれると嬉しい」
「ええと、はい」

 もう一度、小さな布を見た。たぶん、この小さな三角の布が前だろう。こんな小さな布でちゃんと隠れるのか心配だ。
 それに、こういう下着はそういうときに穿くものだろうから、ますます隠せなくなるような気がする。だって、そういうときは僕のもそれなりの大きさになるわけで、そうなると絶対にはみ出る。少なくとも、先っぽは出ちゃうんじゃないかな。
 そんなことを思いながら、下着を入れている引き出しの奥に大事にしまっておくことにした。



 年が明けて、王都に何度か雪が積もった冬が終わるくらいから、少将はとても忙しくなった。
 もちろん少将は偉い軍人さんだから忙しいのは当たり前なんだけれど、それにしても忙しすぎるような気がする。だって、お屋敷に帰れない日が何日も続くなんて、ちょっと普通じゃないと思う。あまりに忙しいからか、お屋敷に帰ってきたときも疲れたような顔をしているのがすごく気になった。

「あんなに体力がある少将が疲れるって、相当忙しいんだよね……」

 太い眉が少し寄るくらいだから、少将が疲れていることに周りの人たちは気づいていないかもしれない。でも僕には、少将がとても疲れているように見えた。
 それに、執事のおじいちゃんが「お城で少し厄介なことが起きているようですね」と話していた。どういう厄介なことかはわからないけれど、少将が疲れるくらい大変なことが起きているに違いない。

「何か、僕でもできることはないかな」

 疲れている少将のお手伝いをしたい。でも、元男娼の僕にできることなんて、まずない。もし僕が貴族出身なら、家族にお願いして手伝えることもあるんだろうけれど……。

「……やっぱり、元男娼が妻なんてダメだなぁ」

 だって、こういうときに何の役にも立てない。旦那様が大変なときこそ妻ががんばるときだと思うのに、僕には何もできない。

「それでも、少将の役に立ちたい。だって少将は、僕の大事な旦那様だから」

 軍人さんや貴族、お城のことでは何も手伝えない。じゃあ、別のことで何かできないだろうか。
 少将の疲れを癒せて、少将に喜んでもらえること。少しでも少将が元気になれること。僕でも、できること……。

「……あ!」

 あった! あれなら、僕でもできる。というより、元男娼の僕にピッタリだ。

「少将に喜んでもらえるかな」

 そうして、少しでも元気になってもらえるかな。いいや、僕が元気にするんだ。だって、僕にはそれくらいしかできないから。

「うん、僕にできることで、元気づけよう」

 僕は急いで部屋に行って、下着をしまってある引き出しの奥にあるはずのものをゴソゴソ探した。



 もうすぐ少将が帰って来る。朝一番でお城から届いた手紙には、明日からの三日間、休みをもぎ取ったと書いてあった。でも今日も帰りが遅くなるから、先に寝ているようにとも書いてあった。
 いつもなら少将に言われたとおりに寝るところだけれど、今夜は違う。ちゃんと起きて待つと決めた。そうして僕ができることで少将を元気にしようと考えていた。

「……これであってるよね」

 鏡の前で下着姿の自分を見る。ちなみに、全身が映るほど大きなこの姿見も少将が下着と一緒に買ってきたものだ。暖かくなったらベッド脇に置こうと言っていたけれど、いまはまだ扉の近くに置いてある。

(ってうか、こんな大きな鏡を置いたら邪魔になるんじゃないかな)

 そんなことを思いながら、もう一度下着を見た。少将にもらった紐の下着は、思っていた以上に小さな布だった。たぶん穿き方は合っているはずだけれど、どうしても双玉がはみ出てしまう。どう頑張っても小さな布に収まりきらなくて、鏡で見ても両方とも少しはみ出てしまっていた。

「……後ろから見ても、はみ出てるし」

 くるりと振り返って、お尻側を見る。いつもの下着なら尻たぶが隠れているのに、目の前には生白い尻たぶが見えたままだ。真ん中には紫色のきれいなレースが一本あって、それがかろうじてお尻の割れ目を隠している。そんなふうだから、少し前屈みになるだけで……。

「うーん、やっぱり見えちゃうよね」

 小さい布でも隠しきれない二つの玉が、レースの脇からポロンとこぼれ落ちてしまった。これじゃ隠れていないのと同じだ。

「まぁ女の人には双玉なんてないし、仕方ないか」

 それに、下生えがないだけマシかもしれない。もし下生えが生えたままだったら、絶対にみっともないことになっていた。でもツルツルなら小さな布も肌にピッタリくっついていて、それなりにいい感じに見える。
 それもこれも、下生えが少し生えただけで少将がきれいに剃っているからだ。そのせいか、いまではあまり生えなくなってきて常にツルツル状態だ。僕は元男娼だけれど、そんな自分の股間を見るたびに少し恥ずかしくなる。

「若くて可愛い男娼だったら、ツルツルでもおかしくないんだろうけど」

 僕みたいな大柄で可愛くもなんともない男がツルツルなんて、普通なら笑われるに違いない。それなのに少将は、僕のツルツルの股間を見るたびに満足そうな顔をする。

「まぁ、少将が喜んでくれるなら、ツルツルでもいいか」

 うん、ツルツルくらいで喜んでくれるなら安いものだ。それに、ツルツルだからこの小さな下着もどうにかなっているわけで、これで疲れた少将が元気になってくれるなら万々歳だ。
 腰の両側で蝶々結びにした紫色の細い紐のせいで、ゴツゴツした男の腰つきがよけいにはっきりする。でも、遠目で見たら案外悪くないかもしれない。少し離れて見てもらって、近づいたらすぐに脱げばいい。それなら骨張った腰も気にならないはず。

「うん、きっと大丈夫!」

 もう一度鏡に映ったお尻を見ながら右手で拳を握ったところで、急に扉が開いてビックリした。

「ツバキ、まだ起きて……」

 ガチャリと音を立てて開いた扉の向こうには、少将がいた。真っ黒な軍服姿の少将はとてもかっこよくて、少し疲れた顔でもドキドキしてしまう。
 そんなことを思いながら少将を見ていたんだけど、……どうして目を見開いているんだろう?

「……ひえぇ!」

(そうだった! 僕はいま、紐の下着しか穿いていなかった!)

 しかも鏡の前に立ったままで、お尻側を見ていたから前側は少将に丸見えだ。僕は慌てて股間を両手で隠しながらしゃがみ込んだ。そうしてそっと少将を見上げたけれど、まだ見開いたまま僕を見ている。

「……見ました?」

 僕が声をかけたら、ようやく少将が部屋に入って来た。

「見た」
「ですよね……」

 うぅ、恥ずかしい。さすがの僕でも、この格好は恥ずかしすぎる。
 本当ならガウンを着て、ベッドの上で待っているはずだった。それなのに、鏡の前で確認しているところを見られるなんて、恥ずかしすぎて全身真っ赤だ。

「あまりの光景に、俺の中の獣が目覚めるところだった」
「へ……?」

 獣ってなんだろう? そう思って顔を上げたら、目の前に少将が立っていた。というより、キッチリした軍服のズボンが目の前にあって、その股間のところがグンと膨らんでいるのが目に入った。

「さっきまで疲労困ぱいだったのが嘘のようだ」
「へ?」

 疲労困ぱいって、やっぱり疲れていたんだ。股間の逞しさには涎が出そうだけれど、疲れている少将に無理はさせられない。

「あの、疲れてるなら、今夜は寝たほうが……」
「頭は疲れているが、体は元気だ。むしろ元気になった」
「へ?」
「ツバキのおかげだな。下着一枚でこうまで元気になれるとは」
「ひゃっ!?」

 しゃがんだまま両手をつかまれたと思ったら、ヒョイッと抱え上げられてしまった。

「ぅわっ、少将、」
「さすが我が妻、俺が喜ぶことをよくわかっている」
「ええと、喜んでくれたのは嬉しいんですけど、でも、疲れてるなら、ひゃあ!」

 今度はベッドに転がされてビックリした。

「大丈夫だ。それに疲れているときこそ下半身が元気になると言うだろう?」
「え? そうなんですか?」
「少なくとも、いまの俺はそうだな」

 よくわからないけれど、少将が元気になってくれたならよかった。

「それに十日間だ。十日間もツバキを抱けなかった。古狸たちの化かし合いのために、十日間もだぞ」
「ええと、」
「せっかくツバキが穿いて待っていてくれたんだ。十日分、たっぷり楽しもう」

 少将の言葉にギョッとした。もしかしなくても、これから十日分をシようということだろうか。

「いまなら抜かずの五発も余裕だぞ?」
「ひええぇぇぇぇ……」

 少将が元気になったのは嬉しいけれど、さすがに少将相手に十日分は無理だ。可能なら思う存分相手をしたいと思っているけれど、どう考えても十日分は体が持たない。これまでの経験から「しょ、少将待って!」と声をかけたけれど、すっかりその気になっている少将はあっという間に軍服を脱いで僕にのし掛かってきた。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

バイト先に元カレがいるんだが、どうすりゃいい?

cheeery
BL
サークルに一人暮らしと、完璧なキャンパスライフが始まった俺……広瀬 陽(ひろせ あき) ひとつ問題があるとすれば金欠であるということだけ。 「そうだ、バイトをしよう!」 一人暮らしをしている近くのカフェでバイトをすることが決まり、初めてのバイトの日。 教育係として現れたのは……なんと高二の冬に俺を振った元カレ、三上 隼人(みかみ はやと)だった! なんで元カレがここにいるんだよ! 俺の気持ちを弄んでフッた最低な元カレだったのに……。 「あんまり隙見せない方がいいよ。遠慮なくつけこむから」 「ねぇ、今どっちにドキドキしてる?」 なんか、俺……ずっと心臓が落ち着かねぇ! もう一度期待したら、また傷つく? あの時、俺たちが別れた本当の理由は──? 「そろそろ我慢の限界かも」

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

過労死で異世界転生したら、勇者の魂を持つ僕が魔王の城で目覚めた。なぜか「魂の半身」と呼ばれ異常なまでに溺愛されてる件

水凪しおん
BL
ブラック企業で過労死した俺、雪斗(ユキト)が次に目覚めたのは、なんと異世界の魔王の城だった。 赤ん坊の姿で転生した俺は、自分がこの世界を滅ぼす魔王を討つための「勇者の魂」を持つと知る。 目の前にいるのは、冷酷非情と噂の魔王ゼノン。 「ああ、終わった……食べられるんだ」 絶望する俺を前に、しかし魔王はうっとりと目を細め、こう囁いた。 「ようやく会えた、我が魂の半身よ」 それから始まったのは、地獄のような日々――ではなく、至れり尽くせりの甘やかし生活!? 最高級の食事、ふわふわの寝具、傅役(もりやく)までつけられ、魔王自らが甲斐甲斐しくお菓子を食べさせてくる始末。 この溺愛は、俺を油断させて力を奪うための罠に違いない! そう信じて疑わない俺の勘違いをよそに、魔王の独占欲と愛情はどんどんエスカレートしていき……。 永い孤独を生きてきた最強魔王と、自己肯定感ゼロの元社畜勇者。 敵対するはずの運命が交わる時、世界を揺るがす壮大な愛の物語が始まる。

希少なΩだと隠して生きてきた薬師は、視察に来た冷徹なα騎士団長に一瞬で見抜かれ「お前は俺の番だ」と帝都に連れ去られてしまう

水凪しおん
BL
「君は、今日から俺のものだ」 辺境の村で薬師として静かに暮らす青年カイリ。彼には誰にも言えない秘密があった。それは希少なΩ(オメガ)でありながら、その性を偽りβ(ベータ)として生きていること。 ある日、村を訪れたのは『帝国の氷盾』と畏れられる冷徹な騎士団総長、リアム。彼は最上級のα(アルファ)であり、カイリが必死に隠してきたΩの資質をいとも簡単に見抜いてしまう。 「お前のその特異な力を、帝国のために使え」 強引に帝都へ連れ去られ、リアムの屋敷で“偽りの主従関係”を結ぶことになったカイリ。冷たい命令とは裏腹に、リアムが時折見せる不器用な優しさと孤独を秘めた瞳に、カイリの心は次第に揺らいでいく。 しかし、カイリの持つ特別なフェロモンは帝国の覇権を揺るがす甘美な毒。やがて二人は、宮廷を渦巻く巨大な陰謀に巻き込まれていく――。 運命の番(つがい)に抗う不遇のΩと、愛を知らない最強α騎士。 偽りの関係から始まる、甘く切ない身分差ファンタジー・ラブ!

隣国のΩに婚約破棄をされたので、お望み通り侵略して差し上げよう。

下井理佐
BL
救いなし。序盤で受けが死にます。 文章がおかしな所があったので修正しました。 大国の第一王子・αのジスランは、小国の王子・Ωのルシエルと幼い頃から許嫁の関係だった。 ただの政略結婚の相手であるとルシエルに興味を持たないジスランであったが、婚約発表の社交界前夜、ルシエルから婚約破棄するから受け入れてほしいと言われる。 理由を聞くジスランであったが、ルシエルはただ、 「必ず僕の国を滅ぼして」 それだけ言い、去っていった。 社交界当日、ルシエルは約束通り婚約破棄を皆の前で宣言する。

巷で噂の国宝級イケメンの辺境伯は冷徹なので、まっっったくモテませんが、この度婚約者ができました。

明太子
BL
オーディスは国宝級イケメンであるにも関わらず、冷徹な性格のせいで婚約破棄されてばかり。 新たな婚約者を探していたところ、パーティーで給仕をしていた貧乏貴族の次男セシルと出会い、一目惚れしてしまう。 しかし、恋愛偏差値がほぼ0のオーディスのアプローチは空回りするわ、前婚約者のフランチェスカの邪魔が入るわとセシルとの距離は縮まったり遠ざかったり…? 冷徹だったはずなのに溺愛まっしぐらのオーディスと元気だけどおっちょこちょいなセシルのドタバタラブコメです。

過労死転生した悪役令息Ωは、冷徹な隣国皇帝陛下の運命の番でした~婚約破棄と断罪からのざまぁ、そして始まる激甘な溺愛生活~

水凪しおん
BL
過労死した平凡な会社員が目を覚ますと、そこは愛読していたBL小説の世界。よりにもよって、義理の家族に虐げられ、最後は婚約者に断罪される「悪役令息」リオンに転生してしまった! 「出来損ないのΩ」と罵られ、食事もろくに与えられない絶望的な日々。破滅フラグしかない運命に抗うため、前世の知識を頼りに生き延びる決意をするリオン。 そんな彼の前に現れたのは、隣国から訪れた「冷徹皇帝」カイゼル。誰もが恐れる圧倒的カリスマを持つ彼に、なぜかリオンは助けられてしまう。カイゼルに触れられた瞬間、走る甘い痺れ。それは、αとΩを引き合わせる「運命の番」の兆しだった。 「お前がいいんだ、リオン」――まっすぐな求婚、惜しみない溺愛。 孤独だった悪役令息が、運命の番である皇帝に見出され、破滅の運命を覆していく。巧妙な罠、仕組まれた断罪劇、そして華麗なるざまぁ。絶望の淵から始まる、極上の逆転シンデレラストーリー!

雪を溶かすように

春野ひつじ
BL
人間と獣人の争いが終わった。 和平の条件で人間の国へ人質としていった獣人国の第八王子、薫(ゆき)。そして、薫を助けた人間国の第一王子、悠(はる)。二人の距離は次第に近づいていくが、実は薫が人間国に行くことになったのには理由があった……。 溺愛・甘々です。 *物語の進み方がゆっくりです。エブリスタにも掲載しています

処理中です...