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こちらを向いた影は猫のように見えた。思わず「化け猫?」とつぶやいた珠吉だが、普段の茶々丸よりずっと大きな体で隣に立つ女の幽霊の腰ほどまである。帝都で人気の洋犬のような大きさに「まさか犬の妖……?」と眉をひそめた。
「あの幽霊が犬神を……なんてことはないか」
幽霊になってまで犬神を求めるとは思えない。恨みがあるなら直接相手の前に姿を現せばいいだけだ。「じゃあ、やっぱり化け猫ってこと?」と足元に座る茶々丸に尋ねると「化け猫だな」と返ってくる。
「化け猫なのにあんなに大きくて、しかも八つの尻尾なんて見たことも聞いたこともない。そもそも化け猫の尻尾って二またじゃなかったっけ」
『普通の化け猫ならな』
「普通のって……まさか、茶々丸の知り合い?」
茶々丸の尻尾も二またではない。もしかして尻尾が多い化け猫仲間だろうかと考える珠吉に、ちろっと見上げた茶々丸が「知り合いもなにも、俺の兄だ」と答えた。
「そっか、お兄さんか……って、お兄さん!? えっ!? 茶々丸って兄弟がいたの!?」
『兄弟がいる妖もいる。たまたま兄が尻尾の多い化け猫だっただけだ』
茶々丸の返事に驚きながら、もう一度獣の姿をした影を見た。すると少しずつ色味のようなものが現れ始める。
毛は灰色のようだがたしかに猫っぽい体をしていた。顔もよくよく見れば茶々丸に似ていなくもない。そう思ったものの珠吉に猫の容姿を見分けることなどできるはずもなく、「兄弟って言われればそう見えるけど……」という感想しか浮かばなかった。
『兄のほうはいい。それより女はどうだ? 見覚えはないか?』
「え? 女の幽霊のほう?」
言われて改めて幽霊を見た。化け猫とは違い影が薄いから顔かたちがはっきりしない。美しく結い上げられた髪と簪らしきものから「もしかして遊女だったのかな」と考えた。
こんなとこをに化けて出るということは元吉原で死んだ遊女だろうか。ここが新吉原なら見覚えがあったかもしれない。しかし元吉原に来たのは初めてで、遊女の絵姿を見ることがない珠吉には誰なのかわからなかった。
「遊女っぽく見えるけど、元吉原に知り合いなんていないからなぁ」
「ねぇ、茶々丸の知り合い?」と尋ねる珠吉に、茶々丸が「にゃあ」と鳴く。
『違う。いや、知り合いではあるか』
緑色の目が懐かしそうに幽霊を見た。茶々丸のそんな表情を見たのは初めてで、よほどの相手なのかと珠吉ももう一度幽霊を見る。
『あの幽霊はおまえの縁者だ』
「縁者って、親戚ってこと?」
茶々丸の言葉に目を見開いた。珠吉は新吉原の大門前に捨てられていた赤ん坊で、書き付けには名前しか書かれていなかったと聞いている。どこかに生みの親はいるだろうが、まさか親戚の幽霊に出くわすとは思わなかった。
(親戚って言われてもなぁ)
親すら知らない珠吉は戸惑った。しかも相手は幽霊だ。「初めまして」というのもおかしく、そもそも幽霊は珠吉たちのほうを見ようともしない。
「親戚って言われても幽霊だしなぁ」
『親戚というか……おまえの母親だ』
「母お……」
茶々丸の言葉をくり返そうとした珠吉の声が止まった。視線も女の幽霊を見たまま微動だにしない。しばらくじっと見つめ、小さく息を吐くと「あの幽霊が、母さん?」とつぶやいた。
『そうだ』
「……遊女だったんだ」
つぶやきに三本の尻尾が珠吉の足元を撫でる。
『おまえの母親は元吉原の太夫だった。老舗妓楼の一番人気で、当時鷹尾太夫と言えば新吉原でも一目置かれるほどの人気振りだった』
「……あの人が鷹尾太夫」
名前だけなら珠吉もよく知っていた。鷹尾太夫は新吉原でも語り継がれるほどの花魁で、その名前にあやかりたいからと桜蘭楼の花魁が鷹尾太夫の名前をもらったという話は有名だ。
『鷹尾太夫がおまえの母親だ』
そう言われても珠吉には実感がわかない。じぃっと幽霊を見つめるものの、幽霊のほうは物憂げに傍らの化け猫を見るばかりで珠吉を見ようとはしなかった。化け猫のほうは珠吉たちに視線を向けるが何かを訴える様子はない。
「ねぇ、どうして母さんが茶々丸のお兄さんと一緒にいるの?」
幽霊と妖が一緒に現れるのは珍しいことではない。しかし化け猫は明らかに幽霊を守っているような雰囲気だ。不思議に思い足元の茶々丸を見ると、茶々丸が髭をピクピクと揺らしながら珠吉を見上げた。
「どうしたの?」
『……いや』
「なにさ。答えられないこと?」
『そんなことはないが……』
言い渋る茶々丸に「はっきり言いなよ」と睨みつける。
『あの二人は夫婦だ』
「そっか、めお……え? 待って、いま夫婦って言った?」
『言った』
「それって……」
『あの化け猫はおまえの父親だ』
ぽかんと口を開けたまま化け猫の影を見た。何度見てもその姿は獣そのもので、そんな存在が父親だと言われてもにわかには信じられない。
眉を寄せる珠吉と化け猫の目らしき部分がぱちりと合った。実際に目が合ったかはわからないが、珠吉にはそう感じられた。影のようなその目が本当はどんな様子かはわからない。茶々丸のような緑色なのか違う色なのか判別することもできなかった。それでも見守るような眼差しに感じられたのは都合のいい妄想だろうか。
「そっか」
珠吉の口から出たのはそれだけだった。そんな珠吉をちろっと見上げた茶々丸だが何も言わない。
(だから妖が見えたのか)
物心ついたときから妖が見えたのは父親が化け猫だったからだ。妖を恐ろしいと思わないのは自分の体に流れる血のためだと珠吉は納得した。
「……ちょっと待って。あの化け猫が父親だとして、化け猫がお兄さんだっていう茶々丸は……」
眉を寄せながら足元を見る。茶々丸がちろっと視線を上げた。
『叔父さんというやつだな』
「…………うわぁ」
『なんだ、その嫌そうな声は』
「だって」と言いながら珠吉がますます眉間に皺を寄せる。
「食いしん坊の化け猫が叔父さんなんて、どう受け止めていいかわからない」
『おまえなぁ。俺は叔父としてずっと可愛い姪っ子を守ってやってきたんだぞ』
「絶対に可愛い姪っ子なんて思ってないよね」
『可愛いは言い過ぎた』
「そっちじゃなくて姪っ子のほう!」
思わず声を荒げる珠吉に、緑色の目がうろんげな視線を向けながら「可愛いは否定しないのか?」とため息をついた。
「自分で言うのもなんだけど、そこそこの顔をしてるとは思ってる」
『言い切ったな』
「このくらい思ってないと新吉原では生きていけないからね」
『まぁ、たしかにそうだな。それにその顔だから新吉原の妓楼にいても違和感がないとも言える』
茶々丸の言葉に重なるように「新吉原」と囁く声が聞こえてきた。珠吉がハッと幽霊を見ると、それまで一度もこちらを見なかった幽霊が珠吉たちを見ている。
(……あの人が、母さん)
顔はこちらを向いているが、幽霊が再び言葉を発することはなかった。
「あの幽霊が犬神を……なんてことはないか」
幽霊になってまで犬神を求めるとは思えない。恨みがあるなら直接相手の前に姿を現せばいいだけだ。「じゃあ、やっぱり化け猫ってこと?」と足元に座る茶々丸に尋ねると「化け猫だな」と返ってくる。
「化け猫なのにあんなに大きくて、しかも八つの尻尾なんて見たことも聞いたこともない。そもそも化け猫の尻尾って二またじゃなかったっけ」
『普通の化け猫ならな』
「普通のって……まさか、茶々丸の知り合い?」
茶々丸の尻尾も二またではない。もしかして尻尾が多い化け猫仲間だろうかと考える珠吉に、ちろっと見上げた茶々丸が「知り合いもなにも、俺の兄だ」と答えた。
「そっか、お兄さんか……って、お兄さん!? えっ!? 茶々丸って兄弟がいたの!?」
『兄弟がいる妖もいる。たまたま兄が尻尾の多い化け猫だっただけだ』
茶々丸の返事に驚きながら、もう一度獣の姿をした影を見た。すると少しずつ色味のようなものが現れ始める。
毛は灰色のようだがたしかに猫っぽい体をしていた。顔もよくよく見れば茶々丸に似ていなくもない。そう思ったものの珠吉に猫の容姿を見分けることなどできるはずもなく、「兄弟って言われればそう見えるけど……」という感想しか浮かばなかった。
『兄のほうはいい。それより女はどうだ? 見覚えはないか?』
「え? 女の幽霊のほう?」
言われて改めて幽霊を見た。化け猫とは違い影が薄いから顔かたちがはっきりしない。美しく結い上げられた髪と簪らしきものから「もしかして遊女だったのかな」と考えた。
こんなとこをに化けて出るということは元吉原で死んだ遊女だろうか。ここが新吉原なら見覚えがあったかもしれない。しかし元吉原に来たのは初めてで、遊女の絵姿を見ることがない珠吉には誰なのかわからなかった。
「遊女っぽく見えるけど、元吉原に知り合いなんていないからなぁ」
「ねぇ、茶々丸の知り合い?」と尋ねる珠吉に、茶々丸が「にゃあ」と鳴く。
『違う。いや、知り合いではあるか』
緑色の目が懐かしそうに幽霊を見た。茶々丸のそんな表情を見たのは初めてで、よほどの相手なのかと珠吉ももう一度幽霊を見る。
『あの幽霊はおまえの縁者だ』
「縁者って、親戚ってこと?」
茶々丸の言葉に目を見開いた。珠吉は新吉原の大門前に捨てられていた赤ん坊で、書き付けには名前しか書かれていなかったと聞いている。どこかに生みの親はいるだろうが、まさか親戚の幽霊に出くわすとは思わなかった。
(親戚って言われてもなぁ)
親すら知らない珠吉は戸惑った。しかも相手は幽霊だ。「初めまして」というのもおかしく、そもそも幽霊は珠吉たちのほうを見ようともしない。
「親戚って言われても幽霊だしなぁ」
『親戚というか……おまえの母親だ』
「母お……」
茶々丸の言葉をくり返そうとした珠吉の声が止まった。視線も女の幽霊を見たまま微動だにしない。しばらくじっと見つめ、小さく息を吐くと「あの幽霊が、母さん?」とつぶやいた。
『そうだ』
「……遊女だったんだ」
つぶやきに三本の尻尾が珠吉の足元を撫でる。
『おまえの母親は元吉原の太夫だった。老舗妓楼の一番人気で、当時鷹尾太夫と言えば新吉原でも一目置かれるほどの人気振りだった』
「……あの人が鷹尾太夫」
名前だけなら珠吉もよく知っていた。鷹尾太夫は新吉原でも語り継がれるほどの花魁で、その名前にあやかりたいからと桜蘭楼の花魁が鷹尾太夫の名前をもらったという話は有名だ。
『鷹尾太夫がおまえの母親だ』
そう言われても珠吉には実感がわかない。じぃっと幽霊を見つめるものの、幽霊のほうは物憂げに傍らの化け猫を見るばかりで珠吉を見ようとはしなかった。化け猫のほうは珠吉たちに視線を向けるが何かを訴える様子はない。
「ねぇ、どうして母さんが茶々丸のお兄さんと一緒にいるの?」
幽霊と妖が一緒に現れるのは珍しいことではない。しかし化け猫は明らかに幽霊を守っているような雰囲気だ。不思議に思い足元の茶々丸を見ると、茶々丸が髭をピクピクと揺らしながら珠吉を見上げた。
「どうしたの?」
『……いや』
「なにさ。答えられないこと?」
『そんなことはないが……』
言い渋る茶々丸に「はっきり言いなよ」と睨みつける。
『あの二人は夫婦だ』
「そっか、めお……え? 待って、いま夫婦って言った?」
『言った』
「それって……」
『あの化け猫はおまえの父親だ』
ぽかんと口を開けたまま化け猫の影を見た。何度見てもその姿は獣そのもので、そんな存在が父親だと言われてもにわかには信じられない。
眉を寄せる珠吉と化け猫の目らしき部分がぱちりと合った。実際に目が合ったかはわからないが、珠吉にはそう感じられた。影のようなその目が本当はどんな様子かはわからない。茶々丸のような緑色なのか違う色なのか判別することもできなかった。それでも見守るような眼差しに感じられたのは都合のいい妄想だろうか。
「そっか」
珠吉の口から出たのはそれだけだった。そんな珠吉をちろっと見上げた茶々丸だが何も言わない。
(だから妖が見えたのか)
物心ついたときから妖が見えたのは父親が化け猫だったからだ。妖を恐ろしいと思わないのは自分の体に流れる血のためだと珠吉は納得した。
「……ちょっと待って。あの化け猫が父親だとして、化け猫がお兄さんだっていう茶々丸は……」
眉を寄せながら足元を見る。茶々丸がちろっと視線を上げた。
『叔父さんというやつだな』
「…………うわぁ」
『なんだ、その嫌そうな声は』
「だって」と言いながら珠吉がますます眉間に皺を寄せる。
「食いしん坊の化け猫が叔父さんなんて、どう受け止めていいかわからない」
『おまえなぁ。俺は叔父としてずっと可愛い姪っ子を守ってやってきたんだぞ』
「絶対に可愛い姪っ子なんて思ってないよね」
『可愛いは言い過ぎた』
「そっちじゃなくて姪っ子のほう!」
思わず声を荒げる珠吉に、緑色の目がうろんげな視線を向けながら「可愛いは否定しないのか?」とため息をついた。
「自分で言うのもなんだけど、そこそこの顔をしてるとは思ってる」
『言い切ったな』
「このくらい思ってないと新吉原では生きていけないからね」
『まぁ、たしかにそうだな。それにその顔だから新吉原の妓楼にいても違和感がないとも言える』
茶々丸の言葉に重なるように「新吉原」と囁く声が聞こえてきた。珠吉がハッと幽霊を見ると、それまで一度もこちらを見なかった幽霊が珠吉たちを見ている。
(……あの人が、母さん)
顔はこちらを向いているが、幽霊が再び言葉を発することはなかった。
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