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空気を激しく震わせる金属音は生き霊の心情を表しているかのようだった。ギギギとガラスを引っ掻くような音に茶碗や湯飲みがいくつも割れるような音まで混じっている。珠吉にはそう感じられたが、実際は生き霊の叫び声だったのかもしれない。
顔をしかめながら耳を塞いでいた珠吉は、生き霊が憤怒の表情で破裂するように霧散するのを見た。後には白い煙のようなものがわずかに漂っている。
「すごい声だったね」
『耳の中の毛まで逆立つかと思ったぞ』
生き霊は消えたものの、珠吉は頬や指先にビリリとした痺れを感じた。足元を見ると茶々丸の毛がぶわりと膨らんでいる。どうやら本人の意志ではないようで、前脚で顔に触れてはバチッと音を立て「にゃっ」と小さな悲鳴を上げていた。
「……いなくなったのか?」
右肩を見ながらリチャードが囁いた。「たぶん」と答えながら珠吉が手鏡を見せるとホッとしたような顔に変わる。
「それにしても上手ですね」
「何がだ?」
「さっきの話です。まるで本当に身請けするような口調でした」
「そうか? 別に大袈裟に言ったつもりも嘘をついたつもりもないんだが」
リチャードの返事に「そういうことか」と珠吉はため息をついた。
たしかにリチャードは嘘をついていない。仕事や給金だけでなく住む場所、衣服その他必要なものがあればすべて用意すると約束してくれたのも本当だ。そんなことをリチャードが言ったのは伊勢太夫の言葉があったからで、太夫は男物の服すら持っていない珠吉のためにと思って話をつけてくれたのだろう。そうしたことを「身一つで」と表現したのだろうが、あれでは惚れた遊女を身請けする男の言い方だ。
(「早くその日が来ないかと待ち遠しかった」っていうのは、単に妖話を聞きたいだけだろうし)
祖国にそうした話がないのか、リチャードは心から楽しみにしているようだ。しかも本気で本にしたいと考えているようで、狐のような話をいくつ知っているか聞かれたのはつい先日のことだ。
懐に手鏡を仕舞いながら、ちろっとリチャードを見る。「うん?」と珠吉を見る表情はいつもと変わらない。
(さっきのもこの人の素だとしたら、影で泣いてる人も多そうだな)
こういうのを無自覚の色男というのだろう。これは本格的に魔除けを持たせたほうがよさそうだ。
「生き霊はいなくなりました。ですが一時的なものかもしれません。念のためお札か何か持ったほうがいいですよ。そのほうが周囲に迷惑をかけないと思います」
「お札というのは?」
「お守り、魔除けといったものです」
「あぁ、あの可愛らしい巾着か」
ポンと手を叩くリチャードはすっかり元どおりだ。本人に取り憑かれていた自覚はないのだから危機感がなくて当然だろう。厄介な体質の雇い主に、珠吉は内心「祓う力があっても役立たずだ」とため息をついた。
「リチャード様が力を使いこなせれば魔除け要らずなんですけどね」
「どういうことだ?」
「だってリチャード様、妖や幽霊を祓う力をお持ちじゃないですか」
「……なんだって?」
『おい』と茶々丸が尻尾で足を叩いた。
『余計なことまで言うつもりか?』
茶々丸がそう言うとリチャードの視線が足元に移った。視線を感じた茶々丸が「なんだ?」と口にするとリチャードの顔がわずかに険しくなる。
『もしかして俺の声が聞こえているのか?』
「……聞こえているな」
生き霊が消えれば茶々丸の声も聞こえなくなると思っていたのか、リチャードが右手で目元を覆いながら大きなため息をついた。それは珠吉も同じで「えぇ?」と眉をひそめる。
「茶々丸、声が聞こえるのは一時的なものじゃなかったの?」
『そうだと思ったんだが……どういうことだ?』
「わたしにわかるはずないでしょ」
「きみの猫はやはり人語を話せるのか……」
二人と一匹がそれぞれ複雑そうな表情を浮かべる。
『これは予想なんだが……』
神妙な茶々丸の声に珠吉とリチャードが視線を向けた。
『祓う力が少しずつ開花しているのかもしれない』
「少しずつ力が強くなってるってこと?」
『強くというより使い方がわかってきた、ということかもしれないが』
珠吉は眉をひそめ、リチャードは「力の使い方?」と首を傾げている。
『力の使い方がわかれば魔除けの類いは必要ないだろう。もともと祓う力があるんだ、使いこなせれば生き霊に取り憑かれるなんてことは起きないはずだ』
「使い方ねぇ」
それよりも無自覚に女たちをその気にさせないようにすればいいんじゃないだろうか。そう思ったものの、さすがに口に出すことはしない。戸惑っているリチャードを見ながら「いまの話、わかります?」と珠吉が声をかけた。
「あぁ、なんとなくだが。つまりわたしには幽霊を追い払う力がある、そういうことだな?」
「はい」
「そんな力がわたしに……?」
両手を見ながら「幽霊を追い払う力か」とリチャードがつぶやく。
「信じられない」
「嘘は言ってません。……わたしはそういうものが見えるんで、間違いありません」
『おい』
「茶々丸の声も聞こえてるんだから、もう隠しとおすのは無理だよ」
『いいのか?』
茶々丸の問いかけに「仕方ないでしょ」と珠吉がため息を漏らす。
「わたしは鏡を使わなくても生き霊が見えていました。リチャード様、こんなわたしや茶々丸は恐ろしいですか?」
両手を見ていた碧眼が珠吉を見た。それから足元にいる黒猫を見る。しばらく交互に見ていたリチャードだが「いいや」と首を横に振った。
「怖いとは思わない。そもそも助けてもらったのにそんなことを思うはずがない」
「それはよかった。もし怖がられたら働き先を失うところでした」
珠吉の返事にリチャードが眉をひそめた。
「もしかして、わたしが身請け話を反故にすると思ったのか?」
「だって、普通はこんな気味の悪い者を雇いたいとは思わないですから」
「心外だな。わたしは太夫とした約束を破ったりはしない。太夫への気持ちはそんなに簡単に壊れるものじゃない」
力強い声に「どうしてこれで惚れた腫れたにならないんだろう」と珠吉は不思議に思った。そのくらいリチャードの声も表情も伊勢太夫を強く思っているように見える。しかしそれを指摘するほど珠吉も野暮ではない。
二人と一匹は連れ立って歩き出した。各々思うことがあるのか言葉を交わすことはなく、ときおり冷たい風がどこかの扉をカタカタと鳴らす音が聞こえてくる。小径を出て大きな通りに戻ると、いつもどおり赤い灯りが煌めく新吉原が広がっていた。その灯りにホッとしたのはリチャードで、それを斜め後ろで見ていた珠吉が「早まったかな」とほんの少し後悔する。
口ではああ言ったリチャードも、内心は珠吉を気味悪がっているに違いない。それでも伊勢太夫の頼みだからとすべてを呑み込むつもりなのだろう。
「そうだ」
不意にリチャードがくるりと振り返った。「きみを新しい従者にしよう」と言い、「そうだ、それがいい」と頷き始める。
「リチャード様、声をひそめてください」
「おっと、そうだった」
新吉原での珠吉は女だ。実は男だと知っているのはリチャードと伊勢太夫、それに店の主人やわずかな遊女だけで、新吉原を出るまでは男だとばれるわけにはいかない。
「それで、従者というのはどういうことですか?」
顔をしかめながら耳を塞いでいた珠吉は、生き霊が憤怒の表情で破裂するように霧散するのを見た。後には白い煙のようなものがわずかに漂っている。
「すごい声だったね」
『耳の中の毛まで逆立つかと思ったぞ』
生き霊は消えたものの、珠吉は頬や指先にビリリとした痺れを感じた。足元を見ると茶々丸の毛がぶわりと膨らんでいる。どうやら本人の意志ではないようで、前脚で顔に触れてはバチッと音を立て「にゃっ」と小さな悲鳴を上げていた。
「……いなくなったのか?」
右肩を見ながらリチャードが囁いた。「たぶん」と答えながら珠吉が手鏡を見せるとホッとしたような顔に変わる。
「それにしても上手ですね」
「何がだ?」
「さっきの話です。まるで本当に身請けするような口調でした」
「そうか? 別に大袈裟に言ったつもりも嘘をついたつもりもないんだが」
リチャードの返事に「そういうことか」と珠吉はため息をついた。
たしかにリチャードは嘘をついていない。仕事や給金だけでなく住む場所、衣服その他必要なものがあればすべて用意すると約束してくれたのも本当だ。そんなことをリチャードが言ったのは伊勢太夫の言葉があったからで、太夫は男物の服すら持っていない珠吉のためにと思って話をつけてくれたのだろう。そうしたことを「身一つで」と表現したのだろうが、あれでは惚れた遊女を身請けする男の言い方だ。
(「早くその日が来ないかと待ち遠しかった」っていうのは、単に妖話を聞きたいだけだろうし)
祖国にそうした話がないのか、リチャードは心から楽しみにしているようだ。しかも本気で本にしたいと考えているようで、狐のような話をいくつ知っているか聞かれたのはつい先日のことだ。
懐に手鏡を仕舞いながら、ちろっとリチャードを見る。「うん?」と珠吉を見る表情はいつもと変わらない。
(さっきのもこの人の素だとしたら、影で泣いてる人も多そうだな)
こういうのを無自覚の色男というのだろう。これは本格的に魔除けを持たせたほうがよさそうだ。
「生き霊はいなくなりました。ですが一時的なものかもしれません。念のためお札か何か持ったほうがいいですよ。そのほうが周囲に迷惑をかけないと思います」
「お札というのは?」
「お守り、魔除けといったものです」
「あぁ、あの可愛らしい巾着か」
ポンと手を叩くリチャードはすっかり元どおりだ。本人に取り憑かれていた自覚はないのだから危機感がなくて当然だろう。厄介な体質の雇い主に、珠吉は内心「祓う力があっても役立たずだ」とため息をついた。
「リチャード様が力を使いこなせれば魔除け要らずなんですけどね」
「どういうことだ?」
「だってリチャード様、妖や幽霊を祓う力をお持ちじゃないですか」
「……なんだって?」
『おい』と茶々丸が尻尾で足を叩いた。
『余計なことまで言うつもりか?』
茶々丸がそう言うとリチャードの視線が足元に移った。視線を感じた茶々丸が「なんだ?」と口にするとリチャードの顔がわずかに険しくなる。
『もしかして俺の声が聞こえているのか?』
「……聞こえているな」
生き霊が消えれば茶々丸の声も聞こえなくなると思っていたのか、リチャードが右手で目元を覆いながら大きなため息をついた。それは珠吉も同じで「えぇ?」と眉をひそめる。
「茶々丸、声が聞こえるのは一時的なものじゃなかったの?」
『そうだと思ったんだが……どういうことだ?』
「わたしにわかるはずないでしょ」
「きみの猫はやはり人語を話せるのか……」
二人と一匹がそれぞれ複雑そうな表情を浮かべる。
『これは予想なんだが……』
神妙な茶々丸の声に珠吉とリチャードが視線を向けた。
『祓う力が少しずつ開花しているのかもしれない』
「少しずつ力が強くなってるってこと?」
『強くというより使い方がわかってきた、ということかもしれないが』
珠吉は眉をひそめ、リチャードは「力の使い方?」と首を傾げている。
『力の使い方がわかれば魔除けの類いは必要ないだろう。もともと祓う力があるんだ、使いこなせれば生き霊に取り憑かれるなんてことは起きないはずだ』
「使い方ねぇ」
それよりも無自覚に女たちをその気にさせないようにすればいいんじゃないだろうか。そう思ったものの、さすがに口に出すことはしない。戸惑っているリチャードを見ながら「いまの話、わかります?」と珠吉が声をかけた。
「あぁ、なんとなくだが。つまりわたしには幽霊を追い払う力がある、そういうことだな?」
「はい」
「そんな力がわたしに……?」
両手を見ながら「幽霊を追い払う力か」とリチャードがつぶやく。
「信じられない」
「嘘は言ってません。……わたしはそういうものが見えるんで、間違いありません」
『おい』
「茶々丸の声も聞こえてるんだから、もう隠しとおすのは無理だよ」
『いいのか?』
茶々丸の問いかけに「仕方ないでしょ」と珠吉がため息を漏らす。
「わたしは鏡を使わなくても生き霊が見えていました。リチャード様、こんなわたしや茶々丸は恐ろしいですか?」
両手を見ていた碧眼が珠吉を見た。それから足元にいる黒猫を見る。しばらく交互に見ていたリチャードだが「いいや」と首を横に振った。
「怖いとは思わない。そもそも助けてもらったのにそんなことを思うはずがない」
「それはよかった。もし怖がられたら働き先を失うところでした」
珠吉の返事にリチャードが眉をひそめた。
「もしかして、わたしが身請け話を反故にすると思ったのか?」
「だって、普通はこんな気味の悪い者を雇いたいとは思わないですから」
「心外だな。わたしは太夫とした約束を破ったりはしない。太夫への気持ちはそんなに簡単に壊れるものじゃない」
力強い声に「どうしてこれで惚れた腫れたにならないんだろう」と珠吉は不思議に思った。そのくらいリチャードの声も表情も伊勢太夫を強く思っているように見える。しかしそれを指摘するほど珠吉も野暮ではない。
二人と一匹は連れ立って歩き出した。各々思うことがあるのか言葉を交わすことはなく、ときおり冷たい風がどこかの扉をカタカタと鳴らす音が聞こえてくる。小径を出て大きな通りに戻ると、いつもどおり赤い灯りが煌めく新吉原が広がっていた。その灯りにホッとしたのはリチャードで、それを斜め後ろで見ていた珠吉が「早まったかな」とほんの少し後悔する。
口ではああ言ったリチャードも、内心は珠吉を気味悪がっているに違いない。それでも伊勢太夫の頼みだからとすべてを呑み込むつもりなのだろう。
「そうだ」
不意にリチャードがくるりと振り返った。「きみを新しい従者にしよう」と言い、「そうだ、それがいい」と頷き始める。
「リチャード様、声をひそめてください」
「おっと、そうだった」
新吉原での珠吉は女だ。実は男だと知っているのはリチャードと伊勢太夫、それに店の主人やわずかな遊女だけで、新吉原を出るまでは男だとばれるわけにはいかない。
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