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4 勇者の胸のうち

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「死ぬんじゃねぇ! こんな、たかが腹に穴が空いたくらいで魔王が死んだりするんじゃねぇよ……ッ」

 なんという無茶を言うのだ。そもそも穴を開けたのは勇者自身じゃないか。それに魔王を滅ぼすために存在している聖剣で思い切り腹を抉っておいて死ぬなとはどういうことだろう。

「やっぱり、おまえは神官たちに聞いてた魔王とは違う。こんなヤツが人間を滅ぼす魔王のはずがねぇ」

 勇者の足音が近づいて来るのが聞こえる。目はすでに使い物にならなくなってしまったが、耳はまだ何とか音を拾えるようだ。

「こんな……勇者に斬られ放題の魔王なんて、観察とかふざけたことを言いやがる魔王なんて魔王なわけねぇだろ……ッ」

 すぐそばで勇者の怒鳴り声がした。それにいつもとは違った雰囲気で……そうだ、声に嗚咽が混じっているように聞こえる。

(やはり、最後に見たのは涙だったのか)

 なぜ泣いているのかはわからないが、できればもっと早くに見たかった表情だ。

「死なせねぇ……。やっぱりおまえは死なせねぇから」

 いくら勇者でもそれは無理というものだ。たとえ腹の穴を塞いだとしても、魔力の根源がなくなったこの体が朽ちるのを止めることはできない。そろそろ耳も使い物にならなくなるだろう。

「死ぬなよ……」

(だから、それは無理だと……うん?)

 不意に腹の辺りにおかしな熱を感じた。抉られたときも熱く感じたが、それとは別のもう少し穏やかな熱を感じる。

(そういえば足元がおかしいような……)

 最後に勇者を見たときは血溜まりの中に立っていたはずだ。ところがなぜか立っている感覚がない。「変だな」と思いながらほんの少し動かした手に硬いものが触れた。この冷たさはおそらく床に違いない。

(いつの間に倒れたのだ?)

 意識が揺らいでいるから倒れたことにも気づかなかったのだろうか。……いや、それにしては頭の辺りに床ではないものを感じる。少し柔らかく温かいその感触も気になるが、腹を覆う熱も気になった。

「……クソッ! もっと早く、もっとたくさん出ねぇのかよ……ッ」

 顔のすぐ近くで勇者の声がした。一体どうしたというのだろう。それに「出る」というのは一体……?

「もっとだ……もっと……!」

 勇者の声に反応するかのように腹を覆う熱がさらに強くなった。まるで暖かな羽毛の塊を抱いているような感じさえする。それに頭が痺れるようなゾクゾクするものも感じた。

「死なせねぇ……。おまえは絶対に死なせねぇから」

(まだ、そんなことを……)

 諦めが悪いなと思っていると、頭がグイッと持ち上がった。……もしかして、わたしの頭は勇者の腕に乗っているのではないだろうか。

(体は床に倒れていて、それなのに頭は勇者の腕の上……?)

 自分がどういう状況なのか想像できない。消滅寸前だというのに、いまの状況が気になって仕方がなくなってくる。

「絶対に死なせねぇからな。人間にとっちゃ魔王かもしれねぇけど、俺にとっておまえは魔王なんかじゃねぇ。だから、絶対に死なせねぇ」

 段々と胸が苦しくなってきた。消滅するのだから当然かもしれないが、それにしては呼吸だけが苦しくなっているように感じる。それに腹のあたりがジクジクして、肉が焼けるような嫌な臭いまでしてきそうな気配だ。

(……いや、これは花の香り、か?)

 一体どういうことだろう。いろいろ気になるのに息苦しさと腹の熱さに訳がわからなくなる。見えない目を開くと、吐息のようなものが頬に触れるのを感じた。

「おまえが言うとおりだよ。俺はたぶん……おまえに恋してるんだ」

(……うん?)

「いや、たぶんじゃねぇ。俺はおまえが好きだ。だから、絶対に死なせたりしねぇ」

 先ほどから勇者は何を言っているのだろうか。勇者がわたしに恋をしていることは以前からわかっていた。だからこそ日々熱心に観察をしていたのだ。

「だから、死ぬな」

 話がよく見えない。目を閉じたわたしは、残り少ない魔力を自分の眼球に集めた。そうして勇者の声がしたほうに頭を向け、ゆっくりと瞼を開く。

「……なぜ、顔を赤らめながら、泣いて、いる?」

 思っていたよりもずっと近くにあった勇者の顔は真っ赤だった。それに湖面のように潤んだ碧眼からはポタポタと涙がこぼれている。

「美しい、瞳、だな」

 最期の瞬間にこれほど美しいものを見ることができるとは思わなかった。これなら心置きなく消滅することができる。そう思って再び目を閉じると「魔王!」という叫び声が響いた。同時に全身を熱いものに包まれたような感覚に襲われる。

(最期まで、わからないこと、ばかりだ)

「魔王!」

 今度は全身を何かに縛られるような苦しさを感じた。思わず目を開くと、視界にうっすらと金の髪が見える。

(……これは……)

 もしかして、これは抱擁という状況じゃないだろうか。まさか消滅前にこんな貴重な経験ができるとは思わなかった。しかし、なぜ勇者がわたしを抱きしめているのだろう。それに泣いている理由もわからない。
 次々と疑問が浮かんでは散り散りになり、意識がすぅっと遠のくのを感じた。

  ・・・・

「なるほど、あの花のような香りは魔力の匂いだったのか。ということは、腹の穴が塞がったのは勇者せいということだな」
せい・・とか言うなよ。それに塞がってなけりゃあんたは死んでたんだぞ?」
「あぁ、すまない。まだよく理解できなくて混乱しているのだ」
「……いや、別に責めてるわけじゃねぇけどよ」

 ベッドの傍らに座る勇者の手がわたしの手を握りしめる。こうして肌を触れ合わせると、より効率よく勇者の魔力をわたしの体内に流し込めるというのは数日前にわかったことだ。
 聖剣で腹を抉られたわたしは、体内のほとんどの魔力を失って消滅する寸前だった。ところが勇者が自分の魔力を注ぎ込んだおかげで腹の穴が塞がり、結果として消滅の危機を免れることができた。

「まさか魔族であるわたしの体が勇者の魔力を受け入れられるとは思わなかった」

 魔族と勇者の魔力は正反対の性質を持つ。本来は勇者の魔力を注ぎ込まれた段階で魔族であるわたしは消えるはずだ。ところがなぜか腹の穴が塞がり、抉り取られた根源まで再生され始めたのだ。

「俺だって成功するとは思ってなかった。そもそも俺は魔法が使えねぇし、治癒魔法なんて使い方すら知らねぇしさ。あのときはとにかく必死だったんだ」
「ふむ。これは治癒魔法というより、死者復活の魔法に近いかもしれないな」
「死者復活?」
「反魂、蘇生、そういう言葉で表現される魔法だ。さすがのわたしもそこまでの力は持っていなかったが、さすがは勇者だ」
「誉めんなよ。照れるだろ」

 目元を赤く染めながら口元を少し歪めた勇者の顔は、意識が戻ってから何度も目にするようになった表情だ。それをベッドに横になったまま「愛らしいな」と見つめる。

(穴が塞がったとはいえ、再生されつつある魔力が馴染むにはもう少し時間がかかるだろうが)

 根源は再生されつつあるが以前とは何かが違う。勇者の魔力の影響を受けているからだろうが、うまく魔力を動かすことができないままだ。

(しばらくはおとなしくしているか)

 勇者からも「まだ寝てろ」と毎日のように言われている。そうして寝ているわたしの手を握り、自分の魔力を注ぎ続けていた。

「ところで、本当に帰らなくていいのか?」
「だから、いいんだって言ってるだろ」

 わたしの質問に勇者の口が不機嫌そうに尖る。そういう反応をするとわかっていても、気になって尋ねずにはいられなかった。
 わたしの腹を抉った日以降、勇者は一度も魔王城から出ていない。人間たちの元に帰らなくていいのかと尋ねると、「あんなむかつくヤツらのところになんか二度と戻らねぇよ」と吐き捨てるように答えた。
 それが本心だと示すためか、持っていた帰還魔法の魔法具まで壊してしまった。それに魔王城の地下に聖剣を封印するという荒技までくり出した。
 この城の地下にはすべての魔族を生み出した魔力の泉がある。魔力が強い者しか近づけない場所のため、歴代魔王でも直接見たことがあるのはわたしを含めて一部だけだろう。そんな場所に難なく入り込んだ勇者は、持っていた聖剣を泉に突き刺したのだそうだ。
 魔力の泉は異物である聖剣を喰らおうとし、聖剣は逆に泉の魔力を焼き尽くそうとしている。地下で蠢く二つの魔力の動きはベッドで寝ているわたしにも感じられた。

(あれでは、人間たちが聖剣を取り戻すのは難しいだろうな)

 聖剣をあんなところに封印してしまって本当によかったのだろうか。そのことも何度か尋ねたものの、そのたびに「いいんだよ」とやっぱり口を尖らせた。
 いろいろわからないことばかりだが、こうして傍らに勇者がいる日常というのは悪くない。むしろわたし自身が望んでいた状況だ。これなら心置きなく観察することができるし、知らない表情をじっくり見ることもできる。しばらくは記録書に書き記すことができないだろうから、それまでに発見した様々なことを忘れないようにと日々心がけているところだ。

「でもよ、なんで俺があんたに恋してるってわかったんだ?」
「あぁ、そのことか。それは先々代魔王が書き記した書物を読んだからだ」
「先々代の魔王? 書物? よくわかんねぇけど、それのおかげで俺は自分の気持ちに気づけたってことか。じゃあ、その魔王に感謝しねぇとな。それに勇者を辞めるきっかけにもなったし、やっと自由になれた。これからは俺の好きに生きるんだ」

 うれしそうに笑う勇者の指が、するするとわたしの頬を撫でた。

(勇者は肌を撫でるのが好きなのだな)

 握った手の甲を撫でられるのはいつものことで、腕や肩、頬、それに唇を撫でられるようにもなった。毎回あまりに楽しそうな顔をするから理由を聞き損ねてしまったが、顔を撫でられることには正直戸惑っている。

(だからといって「やめてくれ」とも言いづらいしな)

 ちらりと見た勇者の碧眼は、対峙していたときとは違う輝きに満ちていた。この輝きを曇らせるようなことは言いたくない。

「それにしても、あんたって本当に変わった魔王だよな」
「そうか?」
「そうだろ? 最初は何度攻撃しても防御壁に傷をつけることしかできなかったのに、急にあちこち攻撃を食らうようになっただろ? おまけに斬られてもニコニコ笑ってるわ、変わってるっていうより不気味だったぞ?」
「そうか、わたしはそんなに笑っていたのか」
「なんだ、気づいてなかったのかよ」
「観察に夢中になっていたからな。笑っているように見えたのは、想像以上に観察が楽しかったからだろう」

 わたしの言葉に勇者が「ははっ、やっぱりおもしれぇ」と笑った。

「ほんと変わってる。魔王が勇者を観察するなんて聞いたことねぇ」
「歴代の魔王はしなかったかもしれないが、わたしは初めて見る人間というものが気になって仕方なかったのだ。それに先々代魔王の書物でしか読んだことがなかった恋という現象に出くわすこともできた。直接観察できる機会は二度とないだろうと思ったら、ますます夢中になった」
「ほら、やっぱり変だ。うん、あんたはやっぱり魔王なんかじゃねぇよ」

 そう言った勇者が握っていたわたしの手を持ち上げ、なぜか指先に唇で触れた。そうして伺うようにわたしを見る。

「どうかしたか?」
「うーん、人間とはいろいろ違うんだな」
「違う? 何がだ?」
「ま、そういうところもこれからのお楽しみってことにしとくか」

 こうして話すようになってから、勇者はたびたびわたしが理解できないことを口にするようになった。中には先々代魔王が記した言葉とよく似たことを口にすることもある。気になってどういう意味か尋ねても「お楽しみってことで」と言って教えてくれない。

「それにしてもあんなにムカついてたのに、まさかこんなになるなんてなぁ」
「むかつく……?」
「そうだよ。最初はさ、何やっても表情一つ変わらねぇことにすっげぇムカついてた。スカした美形ってのもムカついた。俺は勇者なのに、目の前の魔王を倒さないといけないのにって焦ってもいた。それにあいつらからも……、あー、最初に一緒に来てたヤツらな? あいつらが『早く魔王を殺せ。殺せないのなら、せめて囮りになって殺す機会を作れ』ってうるさくてさ。役に立たねぇくせに口だけは達者なんだよな、神殿が選ぶ奴らって」

 なるほど、あの者たちは勇者と意見が合わなくなったから一緒に来なくなったのか。それにしても「囮になって」というのはどういうことだろう。一行にとって勇者とは大切な存在ではなかったのだろうか。

(……やはり不愉快だな)

 もう顔すら覚えていない一行だが、つぎに現れたら真っ先に排除してしまおう。

「ムカつきながらメチャクチャ攻撃してんのに、あんたは全然反撃しようとしねぇ。何とかしないとって聖剣を鍛え直したりしたけど、それも通用しねぇ。そのうち、なんで反撃しないんだろうって思うようになった。そうしたら今度は急に攻撃が当たるようになるし、斬られてもニコニコ笑ってるし、正直不気味でちょっと怖かった」
「不気味だったか」
「あぁ。ある意味魔王っぽかったけどな? とにかく聞いてた魔王像と全然違うから、もっと自分の頭で考えないとって思うようになったんだ。だけど神殿のヤツらがさ……」
「さっさと殺せと言ったのだろう?」
「魔王を殺さない限り人間は滅ぼされる。おまえは魔王を殺すために生まれてきたのだから、役目を果たせ。……小せぇ頃から毎日言われてきたことだけどよ。俺は魔王を殺すことでしか生きる意味がねぇのかと思ったら、なんかすげぇ虚しくなってきたんだよな」

 その解釈は間違っていない。勇者は魔王を倒すために生まれ、存在している。それは歴代魔王も書き記してきたことで、わたしもそう理解していた。しかし勇者は違うと思っているらしい。

(そんなふうに考える勇者も変わっているじゃないか)

 わたしを変わっていると言う勇者だが当人も十分変わっている。しかし、それを指摘することはできなかった。

(なんというか、この表情が口をつぐませるというか……)

 先ほどと同じように口元を歪ませた表情だが、笑っているというよりも悲しんでいるように見える。そのせいか愛らしさより憐憫を感じた。

「どうしていいのか、正直わからなくなった。あんたは聞いてた魔王と全然違うし、俺を観察したいとか言ってメガネまでかけるし。……倒すことよりも、おかしな魔王だって思うほうが強くなっていった。魔王の行動が気になって眠れなくなった。丸三日眠れなくて、あの日は睡眠不足だったんだ。そのせいで力加減を間違えて、それで腹に穴を……ごめん」
「謝る必要はない。それにおまえの魔力のおかげで消滅しなかったのだ。そもそも魔王に謝る勇者というのも大概おかしなものだと思うぞ?」
「あー……ははっ。そっか、そうだよな」

 今度は照れくさそうに笑っている。先ほどの悲しそうな表情より、勇者にはこうした顔のほうが合っている。そう思うようになったのも、毎日そばで勇者をじっくり観察するようになったからに違いない。

(間近で観察できるのは喜ばしいことなのだが……)

「首を撫でるのはやめてくれないか?」

 さすがに気になって告げることにした。残念がられるかもしれないが、くすぐったいやら指の熱が気になるやらで会話に集中できない。
 すると一瞬だけ止まった指先が、なぜか耳たぶをキュッと摘んできた。

「だから……」
「ムリ」
「無理?」
「好きなヤツが目の前にいるのに、触らないなんてムリ。それにできるだけ魔力を注いでおきてぇし。そうすりゃ、きっと早く元に戻る。元に戻ればやりたいこともできる」
「やりたいこと? それは何だ?」
「元に戻ってからのお楽しみな」

 満面の笑みを浮かべる勇者の顔に、なぜか胸の奥がざわりとした。
 それにしても、これほどあちこち触られることになるとは思わなかった。おかげで勇者の指が熱いことも、筋肉質な体でも指先は柔らかいのだということもわかった。先々代魔王の書物には“触れ合うようになれば恋の成就”と書いてあったが、これで成就したことになるのだろうか。

(いや、魔力を供給するための触れ合いの延長上と考えれば恋の触れ合いではないか)

 しかし魔力供給のためなら手に触れるだけで十分なはずなのに、なぜ耳にまで触れるのだろう。耳に触れられると、くすぐったいというより首がぞわっとして落ち着かなくなる。

(毎日そばで観察しているというのに、わからないことばかりが増えていくな)

 しかし、これからは焦って観察する必要はない。勇者はわたしのそばにずっといると話しているし、それなら一つずつゆっくり知っていけばいい。
 期待に少し胸が高鳴ったところで「ふあ」とあくびが出てしまった。

「眠くなったのか?」
「あぁ……魔力が完全に交わるまで、どうにも眠くなるようだ……」
「へぇ。……まさか、体が交わるときも眠くなったりはしないよな?」
「体……何……?」
「いや、それもお楽しみってことでいいや。それより早く元に戻れよな。そろそろ俺のほうがガマンできなくなりそうだからさ」

 何を我慢しているのだろうか。こうして理解できない言葉が日々増えてきているような気がする。先々代魔王の書物を読み返せばわかるのかもしれないが、元に戻るまでは絶対安静だと言って書物を読むことすら禁じられてしまった。

(自分の食事すら傍らで取るくらいだしな)

 この城には勇者の休息のためにと用意しておいた人間用の食料がある。勇者にそれを食べるようにと言ったのだが、毎回わたしの傍らで食べるようになった。まるでひとときも離れたくないというような姿に、なんと愛らしいのだろうと密かに感動しているところだ。

「は~、やっぱおまえ美人だな」

 頬に熱くて柔らかな何かが触れたような気がした。それに何か話している声も聞こえたが、眠気が勝っていたわたしはそのまま深い眠りに落ちていった。
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