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女
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自動ドアが開く。一気に肌寒さを感じる。
何も得るものの無い講義であった。ただただ、配られた英語の文章を訳す。
スマホを使っていいため、自分の語学力では全くない。あの時間を思い出したくもなく、飯のことで頭を埋める。
カレー屋かそば屋か。もう少し迷う猶予がある。ふと、家に買ったまま食べなかった弁当があることを思い出す。
気は乗らなかったが、しょうがないから駅ではなく、家に向かって歩き始めた。大学からはそれなりに近い。
川沿いに少し歩くと、見た目のいいアパートが見えてくる。それが部屋を選んだ決め手だった。
だが、実際に住んでみると、何だか狭く、日当たりが悪いせいか住み心地は悪かった。
階段を登り、鍵のしていないドアを開けた。
その瞬間、俺は動けなく声も出なくなった。女が座り込んでいるのだ。体育座りをして、顔を腕と膝の中にしまい込んでいる。
俺に気付いていないのか、全くもって動かない。とにかく、肩を叩いてみることにする。
なんとなく、恐怖は感じなかった。肩に触れた途端、女は顔を上げた。頬がびしょびしょで、目が赤く腫れあがっている。
なんで入れたのかは分かっている。鍵をしていないから。だが、どうしてここに入って来たのか。俺は聞いた。
「何でこの部屋にいる?」
女は特に何も答えず、ただ俺を見つめて来た。
「前に住んでた」
しばらくして、彼女は答えた。
「だが、もう人が住んでいるのに入ったらダメだろ」
「行くとこがない」
今度はすぐに答えてきた。
「だから、いさせろって?俺には関係のないことだろ」
「ただでとは言わない。奉仕はする」
「なんだ、奉仕って。普通に家借りろよ」
「お金ない」
「じゃあ、親から借りるかしろよ」
見たところ女は若く、自分と同じくらいの年の大学生に見えた。
「無理。体でするよ?」
なんだか、上からでムカついたが体の中がゾワゾワした。俺はまだ、女を知らなかった。
何も得るものの無い講義であった。ただただ、配られた英語の文章を訳す。
スマホを使っていいため、自分の語学力では全くない。あの時間を思い出したくもなく、飯のことで頭を埋める。
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気は乗らなかったが、しょうがないから駅ではなく、家に向かって歩き始めた。大学からはそれなりに近い。
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だが、実際に住んでみると、何だか狭く、日当たりが悪いせいか住み心地は悪かった。
階段を登り、鍵のしていないドアを開けた。
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なんとなく、恐怖は感じなかった。肩に触れた途端、女は顔を上げた。頬がびしょびしょで、目が赤く腫れあがっている。
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「何でこの部屋にいる?」
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