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消えていく未来
消えていく未来・・・その19
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緊張しまくっている直美を面白そうに覗き込んでいる夏樹。
「ふふっ、ちょっと懐かしい、あたしの魅力にハマっちゃったみたいね?」
「へっ・・・?」
「京子と結婚する前のあたし・・・に・・・」
「えっ・・・?いや~ぁぁぁ、はい?」
まともに会話が出来ない、というか、まともな会話が成り立たないというか、
そんな直美に気を遣ってか?どうか?は分からないが、笑みを浮かべながらの優しい口調で、
「あたしたちはのんびりお散歩しなから帰るから、ここでゆっくり安んでから来なさい」
と言うと、夏樹は、冴子と手を繋ぎながら歩き始めていく。
直美が、そんな夏樹たちの後ろ姿をボーっとしながら見つめていると、
冴子が夏樹の腕の中から直美の方を振り返って可愛いお手手で可愛くバイバイをしてくれた。
慌てて直美も可愛く?は、別として、右手で扇を現すように手を振りながら、
はぁ・・・びっくりしたな~もう・・・
まさか、こんなところで夏樹さんにばったり会うなんて考えてもいなかったから、びっくり!
でも、幼い女の子と手を繋いで歩いている夏樹さんって、似合ってるっていうかなんていうか、
まるで、本当の母親と娘の親子みたいに見えちゃうから不思議よね。
今では、もう、立派な?・・・大人になった亜晃君や省吾君にも、
きっと、今のあの子のように、夏樹さんと手を繋いで歩いていた頃があったんだろうな~。
夏樹と冴子の姿が見えなくなるまで、二人が歩いていく後ろ姿を眺めながら、
京子と暮らしていた頃の夏樹と、子供たちの姿を重ね合わせしまう自分に直美は、
戻れない儚さの中にいる夏樹が、もう、そこには居ない、京子たちの今を思ってしまうのある。
とりあえず空けた缶コーヒーを飲んでからと思い、運転席のドアを開けた時、
バッグの中の携帯が、着信音を鳴らし始めていた。
誰だろう?そう思いながら着信の相手を確認してみると京子からの着信だった。
京子からだわ?・・・どうしたのかしら?
昨日の事もあってか、というより、その後の直美自身が、夏樹に会わなければとうい衝動が
今、鳴っている京子からの着信音に、なにか嫌な予感が脳裏を横切ってしまうのを感じた。
「もしもし、京子?どうしたの?」
「あっ、直美?」
「うん、そうだけど・・・どうしたの?何かあったの?」
「直美、今、どこにいるの?」
「えっ?どこって言われても・・・」
「あの人に会いに行ったんでしょ?」
「えっ・・・?あの・・・いや、それは、あの・・・」
「別に隠さなくてもいいわよ?」
やっぱりだわ!・・・やっぱり、時間が早く進んでいるんだわ!
昨日の今日よ・・・?
いくら何でも、私が、夏樹さんに会いに行くなんて、京子に分かるわけなんてないはずだし。
いえ、そうじゃないわ!
私が夏樹さんに会いに?なんて、京子が考えること自体、あり得るわけがないはず。
それだけじゃないわ、省吾君にしたってそうだったし、たぶん亜晃君もそうなんじゃないかしら?
そして・・・雪子さんも・・・きっと・・・。
なぜかしら?・・・まるで、みんなが生き急いでいるみたいに、
何か見えない運命に引き寄せられていくみたいに、みんなの時間が早くなっていってるみたい。
夏樹さんが雪子さんと再会したのが約1年前、いえ・・・まだ、1年しか経ってないのよ?
それなのに、まるで、錆び付いて長く放置されていた歯車が、
突然、動き始めたかと思えば、夏樹さんの周りの何もかもを巻き込みながら、
人の想いの是非もなく、無感情のまま、歯車が動き続けていくみたいに思えてしまう。
そんな時間の中にいると、ある事に気づかされてしまうの。
動き始めた時間は、人の意思とは無関係に進んでいくように思えても、実はそうじゃない。
その時間の中にいる人たちは、ある意味において強制的に何かしらの選択肢を
選ばなけれなならないように、追い詰められていくように感じられてしまうのは、なぜ?
「ふふっ、ちょっと懐かしい、あたしの魅力にハマっちゃったみたいね?」
「へっ・・・?」
「京子と結婚する前のあたし・・・に・・・」
「えっ・・・?いや~ぁぁぁ、はい?」
まともに会話が出来ない、というか、まともな会話が成り立たないというか、
そんな直美に気を遣ってか?どうか?は分からないが、笑みを浮かべながらの優しい口調で、
「あたしたちはのんびりお散歩しなから帰るから、ここでゆっくり安んでから来なさい」
と言うと、夏樹は、冴子と手を繋ぎながら歩き始めていく。
直美が、そんな夏樹たちの後ろ姿をボーっとしながら見つめていると、
冴子が夏樹の腕の中から直美の方を振り返って可愛いお手手で可愛くバイバイをしてくれた。
慌てて直美も可愛く?は、別として、右手で扇を現すように手を振りながら、
はぁ・・・びっくりしたな~もう・・・
まさか、こんなところで夏樹さんにばったり会うなんて考えてもいなかったから、びっくり!
でも、幼い女の子と手を繋いで歩いている夏樹さんって、似合ってるっていうかなんていうか、
まるで、本当の母親と娘の親子みたいに見えちゃうから不思議よね。
今では、もう、立派な?・・・大人になった亜晃君や省吾君にも、
きっと、今のあの子のように、夏樹さんと手を繋いで歩いていた頃があったんだろうな~。
夏樹と冴子の姿が見えなくなるまで、二人が歩いていく後ろ姿を眺めながら、
京子と暮らしていた頃の夏樹と、子供たちの姿を重ね合わせしまう自分に直美は、
戻れない儚さの中にいる夏樹が、もう、そこには居ない、京子たちの今を思ってしまうのある。
とりあえず空けた缶コーヒーを飲んでからと思い、運転席のドアを開けた時、
バッグの中の携帯が、着信音を鳴らし始めていた。
誰だろう?そう思いながら着信の相手を確認してみると京子からの着信だった。
京子からだわ?・・・どうしたのかしら?
昨日の事もあってか、というより、その後の直美自身が、夏樹に会わなければとうい衝動が
今、鳴っている京子からの着信音に、なにか嫌な予感が脳裏を横切ってしまうのを感じた。
「もしもし、京子?どうしたの?」
「あっ、直美?」
「うん、そうだけど・・・どうしたの?何かあったの?」
「直美、今、どこにいるの?」
「えっ?どこって言われても・・・」
「あの人に会いに行ったんでしょ?」
「えっ・・・?あの・・・いや、それは、あの・・・」
「別に隠さなくてもいいわよ?」
やっぱりだわ!・・・やっぱり、時間が早く進んでいるんだわ!
昨日の今日よ・・・?
いくら何でも、私が、夏樹さんに会いに行くなんて、京子に分かるわけなんてないはずだし。
いえ、そうじゃないわ!
私が夏樹さんに会いに?なんて、京子が考えること自体、あり得るわけがないはず。
それだけじゃないわ、省吾君にしたってそうだったし、たぶん亜晃君もそうなんじゃないかしら?
そして・・・雪子さんも・・・きっと・・・。
なぜかしら?・・・まるで、みんなが生き急いでいるみたいに、
何か見えない運命に引き寄せられていくみたいに、みんなの時間が早くなっていってるみたい。
夏樹さんが雪子さんと再会したのが約1年前、いえ・・・まだ、1年しか経ってないのよ?
それなのに、まるで、錆び付いて長く放置されていた歯車が、
突然、動き始めたかと思えば、夏樹さんの周りの何もかもを巻き込みながら、
人の想いの是非もなく、無感情のまま、歯車が動き続けていくみたいに思えてしまう。
そんな時間の中にいると、ある事に気づかされてしまうの。
動き始めた時間は、人の意思とは無関係に進んでいくように思えても、実はそうじゃない。
その時間の中にいる人たちは、ある意味において強制的に何かしらの選択肢を
選ばなけれなならないように、追い詰められていくように感じられてしまうのは、なぜ?
応援ありがとうございます!
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