異世界で検索しながら無双する!!

なかの

文字の大きさ
53 / 100

第五十三話『10の首のヒュドラー』

しおりを挟む
「ええっ?」とカナデが驚く。
カナデが切り落とした首が光を放ち、二本の首が生えてきた。そう、9体だったヒュドラーは、さらに一体増え、10体になっていた。

ヒュドラーは1つの巨大な胴体に9つの首を持つモンスター。
そして、いまはもう一体増え10体になっていた。

「流石魔王城。しょっぱなから、めちゃくちゃヤバイのでてきたー!」
いきなりクライマックスである。かなり強い、とても強い。ヤバイ。

「みなさま」僕がみんなに呼びかける。
「この方は、ヒュドラー。首を落とすと、二本生えてきます。それから、毒を持っているので要注意でございます」
と、もはや丁寧に説明するしか気持ちのやり場を持っていく方法を思いつかなかったので、できるかぎりの敬語で説明してみた。

「なにその丁寧なしゃべり方!!おかしー!!ばかっぽーい。ございますだってー!!」と、ぷぷっと笑う。カナデ。
「馬鹿とはなんだ、馬鹿とは!!馬鹿っていう方が馬鹿なんだぞ!!」と僕と、カナデがお馬鹿なやり取りしていると。空気が変わる。

「攻撃してくる」
と、キョウちゃんが注意する。

ヒュドラーの首が一体ずつ僕らに飛びかかってきた。

「おっと」とジャンプして逃げる僕。
「よっ」と横に跳ぶカナデ。
なんとかこの距離を保っていれば避けられるようだ。やはり問題は根本的なヒュドラーの構造のようだ。

「うーん、アホなことしてる場合じゃなかった。」
と、僕が言う。

「さて、どうするか。」
9体が10体になったヒュドラーを見て言う。

「あの中に一体だけ本物があるらしい」
と僕がネットで見た知識を説明する。

「それを見つけて、一気に止めを刺せば勝てる」
と基本戦略を説明する。

「失敗すると??」
「どんどん増える」

「100体くらいまで増えるらしい」
本物をやっつけない限り、永遠に増え続けるらしい。
100体になったら流石にしっちゃかめっちゃかだ。
計画的に、戦わなければならない。

「ケルベロス戦の時は三体でもちゃんと苦戦したので、あまりこれ以上むやみに増やしたくないところだけど・・・本体を探したいから、一気にいくしかない」と僕は覚悟する。

「カナデ!」
「はいはい!」
とカナデが応える。

「一人五本ずつ行こう」
「なるほどね」
と、ざっくりした作戦を説明する。
切り落とす事自体は大して難しくない。
問題はそのあとだ。

「ヒビキさん!」
「はぁい」
僕の呼びかけに応えるヒビキさん。

「当たりが出たら、よろしくお願いします!」
とお願いする僕。
「了解!目印をつければいいのよね?」
一瞬で作戦を理解するヒビキさん。流石だった。
「そうです!じゃあ、お願いします!」と僕が頷く。
「まかせて!!」とヒビキさんが構えて待つ。

「行くぞ!」
「いくわよ!!」
僕とカナデが同時に、10の首の竜『ヒュドラー』に向かっていった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ネグレクトされていた四歳の末娘は、前世の経理知識で実家の横領を見抜き追放されました。これからはもふもふ聖獣と美食巡りの旅に出ます。

☆ほしい
ファンタジー
アークライト子爵家の四歳の末娘リリアは、家族から存在しないものとして扱われていた。食事は厨房の残飯、衣服は兄姉のお下がりを更に継ぎ接ぎしたもの。冷たい床で眠る日々の中、彼女は高熱を出したことをきっかけに前世の記憶を取り戻す。 前世の彼女は、ブラック企業で過労死した経理担当のOLだった。 ある日、父の書斎に忍び込んだリリアは、ずさんな管理の家計簿を発見する。前世の知識でそれを読み解くと、父による悪質な横領と、家の財産がすでに破綻寸前であることが判明した。 「この家は、もうすぐ潰れます」 家族会議の場で、リリアはたった四歳とは思えぬ明瞭な口調で破産の事実を突きつける。激昂した父に「疫病神め!」と罵られ家を追い出されたリリアだったが、それは彼女の望むところだった。 手切れ金代わりの銅貨数枚を握りしめ、自由を手に入れたリリア。これからは誰にも縛られず、前世で夢見た美味しいものをたくさん食べる生活を目指す。

高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません

下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。 横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。 偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。 すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。 兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。 この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。 しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。

転生先はご近所さん?

フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが… そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。 でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。

おばさん冒険者、職場復帰する

神田柊子
ファンタジー
アリス(43)は『完全防御の魔女』と呼ばれたA級冒険者。 子育て(子どもの修行)のために母子ふたりで旅をしていたけれど、子どもが父親の元で暮らすことになった。 ひとりになったアリスは、拠点にしていた街に五年ぶりに帰ってくる。 さっそくギルドに顔を出すと昔馴染みのギルドマスターから、ギルド職員のリーナを弟子にしてほしいと頼まれる……。 生活力は低め、戦闘力は高めなアリスおばさんの冒険譚。 ----- 剣と魔法の西洋風異世界。転移・転生なし。三人称。 一話ごとで一区切りの、連作短編(の予定)。 ----- ※小説家になろう様にも掲載中。

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした

月神世一
ファンタジー
​「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」 ​ ​ブラック企業で過労死した日本人、カイト。 彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。 ​女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。 ​孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった! ​しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。 ​ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!? ​ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!? ​世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる! ​「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。 これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

処理中です...