【書籍化】パーティー追放から始まる収納無双!~姪っ子パーティといく最強ハーレム成り上がり~

くーねるでぶる(戒め)

文字の大きさ
82 / 124

082 捲る

しおりを挟む
「お疲れさん。皆、楽にしてくれ」

 イザベルとリディを引き連れて、オレはクロエたちに合流する。その際に、前衛陣の怪我の有無や装備、疲れ具合などもチェックすることを怠らない。特に心配なのが、エレオノールだ。

「はぁ、はぁ……」

 エレオノールは息も荒く、疲労が激しそうだ。だが、その顔にはやりきった満足感が浮かんでいるのが窺えた。

 エレオノールの姿を頭のてっぺんからつま先まで入念にチェックする。白狼に突き飛ばされたりしていたからな。リディのおかげで怪我は治っただろうが、装備の破損が心配だ。

「あの……いかがなさいましたぁ?」

 エレオノールがおっとりした調子で頬に手を当ててオレを見る。オレがエレオノールの装備を隅々まで見ていることに気が付いたのだろう。その顔は、先程までよりも上気しているような気がした。

「ちょっと装備の点検だ」

 オレはそう言うと、しゃがみ込んでエレオノールのロングスカートを捲る。スカートに隠された左足を注目した。特にここが激しく白狼に接触していた。装備がダメになってないか心配だ……。

「ひゃっ……。え? え? あのぅ……?」
「ちょちょちょっ! 叔父さんっ!」
「わーお!」
「……なにしてるの?」
「へん、たい……?」

 オレがエレオノールのスカートを捲ると、なぜか少女たちが騒ぎ出した。エレオノールは状況がつかめないのか疑問の声を上げ、クロエはなぜか慌てたようにオレを呼ぶ。ジゼルはなぜか興奮したように黄色い歓声を上げ、その真逆に、イザベルは凍えそうなほど冷たい声を発していた。

 そして、オレはリディの「へん、たい……?」発言に、自身の行動を冷静に客観視してみた。15歳の少女のスカートを捲る32歳オレ。これはどう見てもアウトだった。

「いや、待て待て待て待て。オレはエレオノールの左足の脚甲の調子を見たかっただけで! と言うか、エレオノールは下に鎧下を着てるから! そんなに言わなくてもいいだろ?」

 たしかに、絵面だけ見れば、オレは立派な痴漢のようだが、待ってほしい。エレオノールは、ロングスカートの下に、鎧下という白い厚手のズボンのような物を穿いているのだ。断じてオレは、エレオノールの下着を無理やり見ようとしたわけではない。

「いえ、女性のスカートを捲るという行為自体が問題なのよ?」
「「「「うんうん」」」」

 冷たさすら感じるイザベルの声に頷いて同意を示すクロエたち。その中でもエレオノールは、顔を真っ赤にして高速で頷いている。

「そういうもんか……?」

 男のオレには分からん。鎧下を穿いているのだから、恥ずかしがる必要など、どこにもないと思うのだが……。

 だが、肝心のエレオノールが顔を真っ赤にして、手で顔を覆っている。目尻には小さく涙まで浮かんでいる始末だ。どう見てもエレオノールは恥ずかしがっているように見えた。

「それは……。すまなかった」

 オレは、ロングスカートから手を離し、エレオノールに向かって軽く頭を下げた。

 なんとなく納得できないものを感じるが、オレは知らず知らずのうちにエレオノールを辱めてしまったらしい。鎧下を見られて恥ずかしがるってなんだよ……。

 だが、オレは空気の読めるおじさんだ。女の子特有の機微には疎いかもしれないが、どんなに不可思議なものも、そういうものとして受け止める度量があるつもりだ。

 だから、オレはエレオノールに謝罪し、許しを請うことができる。オレ以外、皆年頃の少女だからな。命に係わる重大事でなければ、オレが折れてるのが最も平和な解決策だろう。

「そのぉ……大丈夫ですわぁ……平気ですぅ……」

 どう見ても平気そうには見えないが、エレオノールが顔を赤らめたままオレに向かって小さく笑みを浮かべてみせた。

 まぁ、例え強がりだったとしても、本人も平気だと言っているんだし、たぶん平気なのだろう。

「ふぅー……」

 オレは小さく安堵の息を漏らした。こんな小さなバカらしいとも言えることで、パーティの和が崩れるなんて、あっては堪らんからな。

「じゃあ、エレオノール。改めて、左足を見せてくれないか? 装備に不具合が無いか確認する」
「……はいぃ……」

 エレオノールが赤らんだ顔でちらちらとオレの様子を窺ってくる。だが、オレに引くつもりは無いと知ると、観念したようにその紺色のロングスカートを摘まんだ。そして、まるでカーテシーを披露するように、ゆっくりと徐々に徐々に両手でロングスカートを吊り上げていく。

 エレオノールが顔を赤らめて恥ずかしそうにしていることといい、まるでオレを焦らすような速度で吊り上がっていくスカートといい、なんだか妙なことをしている気さえしてきた。

 これは乙女的にはセーフなのだろうか?

 これがセーフなら、さっきのもセーフじゃないのか?

 そんな疑問が頭を過るが、オレは努めてそれを無視した。

「そのぉ……。どうぞぉ……」
「ああ……」

 やがて現れたエレオノールの左足の脚甲。オレは、少女たちに監視されながら、エレオノールの脚甲を観察していくのだった。
しおりを挟む
感想 11

あなたにおすすめの小説

異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 番外編『旅日記』

アーエル
ファンタジー
カクヨムさん→小説家になろうさんで連載(完結済)していた 【 異世界生活〜異世界に飛ばされても生活水準は変えません〜 】の番外編です。 カクヨム版の 分割投稿となりますので 一話が長かったり短かったりしています。

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜

霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!! 「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」 回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。 フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。 しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを…… 途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。 フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。 フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった…… これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である! (160話で完結予定) 元タイトル 「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

念願の異世界転生できましたが、滅亡寸前の辺境伯家の長男、魔力なしでした。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリーです。

お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~

志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」 この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。 父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。 ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。 今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。 その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。

異世界あるある 転生物語  たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?

よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する! 土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。 自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。 『あ、やべ!』 そして・・・・ 【あれ?ここは何処だ?】 気が付けば真っ白な世界。 気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ? ・・・・ ・・・ ・・ ・ 【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】 こうして剛史は新た生を異世界で受けた。 そして何も思い出す事なく10歳に。 そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。 スキルによって一生が決まるからだ。 最低1、最高でも10。平均すると概ね5。 そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。 しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。 そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。 追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。 だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。 『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』 不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。 そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。 その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。 前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。 但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。 転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。 これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな? 何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが? 俺は農家の4男だぞ?

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

処理中です...