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132 神造兵器
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巨大ムカデを倒したオレは、瘴気の発生源と対面していた。
「間違いない。まさかこんな所にあるとは……。夢にも思わなかったな」
瘴気の発生源。それは一対の剣だ。まるで光をすべて吸収しているかのような、まるで立体感の無い二つの剣だ。幅広で重そうな見た目のダガー。湾曲した刀身の見た目はシミターに似ているだろうか。
このもうもうと湧き上がる瘴気には覚えがある。学園に保管されていた水の魔剣だ。
ゲームの知識をすべて網羅しているオレは、こんな所に魔剣が祀られているとは知らなかった。間違いなくオレの知らない魔剣だ。
見ているだけでも理性が拒否している。それほど強い呪いだ。
「ぐっ!」
意を決して魔剣を手に取り、解呪していく。手がヒリヒリする。解呪しているというのに、逆にこちらを呪おうと反撃してくる。
オレの聖者のギフトもかなり成長した。一瞬とはいかないが、かなり短い時間で二本の剣の解呪に成功した。
その瞬間。ふとオレは気が付いた。ああ、聖者のギフトがカンストしたな。まぁ、毎日呪われたアイテムを解呪しているし、魔剣を二回も解呪すればそうなるか。
視線を落とすと、まるで暗闇を切り取ったような双剣があった。填まっている宝珠の色からして、おそらく闇の聖剣だろう。
両手に闇の聖剣を持つと、驚くほどしっくりきた。これはオレが使わてもらうか。
数度振って感触を確かめながら、オレは来た道を戻る。小型ピラミッドから出る頃には、日が高く昇っていた。帰る頃には昼を過ぎているだろう。
コルネリアたちに怪しまれるかもしれない。しかし、聖剣を確実に手に入れるためにはこうするしかなかった。
「ん?」
しかし、今考えてみると、あの濃度の瘴気を誰が突破できるというのだろう?
「あまり急ぐ必要はなかったか……」
まぁ、聖剣が手に入った今はすべてが些事だ。
「ゲームに登場しなかった聖剣の威力はどれほどか……。まず双剣というのが珍しいな。わくわくする」
オレの知る限りでは、二本で一対の双聖剣というのは初めてだ。
「これ以上急ぐ必要も無いし、試し斬りでもするか」
ドラゴンの血を浴びたこの体は疲れ知らずだ。村に向けて駆けていれば、モンスターの一体や二体に遭遇するだろう。
◇
予想に反してモンスターに会わずに村まで戻ってきてしまった。
活気のある村の中、石畳の敷かれたメインストリートを歩いて屋敷に戻ると、コルネリアとリリーが腕を組んで仁王立ちしていた。リリーはいつもの無表情だが、コルネリアは完全に眉を逆立てて不機嫌そうだ。
「お兄さま、お早いお帰りですね」
「お兄どこ行ってた?」
「いやー、散歩だよ、散歩」
「本当は娼館にでも行っていたのではありませんか?」
「まさか。そんなわけないだろ?」
しかし、コルネリアもリリーも胡散臭い者を見るような目でオレを見ている。
「本当かしら?」
「かしら?」
「本当だよ」
そう言っても信じてくれなかったのか、コルネリアとリリーがオレの服の匂いを嗅いでくる。
「香水の甘ったるい匂いじゃありませんね」
「森の匂い?」
「ああ。ちょっと早く起きたから、森まで散歩していたんだ」
「そのお腰のものは何ですか? 真っ黒ですけど……。剣?」
「そう。実は森で不思議な建物を見つけて、そこで見つけたんだ」
オレは腰に差していた闇の双聖剣を抜き放つ。
「本当にどこまでも真っ黒……。遠近感が狂いますね。この剣を持つ人とは戦いたくないです……」
「炭みたい……」
さすがコルネリア。この剣の特徴をよくとらえている。
炭というのも頷けるけど……。せっかく手に入れた聖剣なんだ。そんな表現しないでくれ。
「よく見ると、丸いものが填まっていますね。もしかしてこの剣も魔法が使えたり……?」
「そうなんだよ! なんと、闇の魔法が使えるんだ!」
「まさか、私の剣以外にもそんな剣があるなんて!」
「すごい……!」
コルネリアもリリーもひどく驚いている。それはそうだろう。魔法というのは、それ用のギフトを貰えないと普通は使えないものだ。
ということは、この双聖剣やコルネリアの持つ水の聖剣、オレの装備している炎の宝珠を持っていることは、ギフトを二つ持っているに等しい。ギフトに依存したこの世界の人間なら、驚くに決まっている。たとえ一属性しか使えないとしても、そもそも一属性しか使えない魔法使いが大半の世の中なのだ。
しかも、聖剣は神造兵器と呼ばれる神の作った兵器だ。ゲームで登場した中で最高の性能を持つ武器であり、基本的に壊れるということはない。刃こぼれすらしない堅牢っぷりだ。
そして聖剣の最大の特徴は、邪神とその眷属であるモンスターにダメージ特攻がある。とくに邪神に止めをさせるのは、聖剣だけだ。
聖剣とはそれだけ特別な剣なのだ。
ゲームでは、主人公は三つ聖剣を手に入れる。残り四つあると言われているが、ゲームでは入手不可能だった。ゲームでは手にすることができなかった聖剣が、今オレの目の前に二本もある。
これってすごいことだよな。ゲームのファンとしてコレクター魂が確かな充足感を覚えた。
主人公が手に入れるはずの聖剣を奪うわけにはいかないが、残り二つの聖剣も手に入れたいな。
「間違いない。まさかこんな所にあるとは……。夢にも思わなかったな」
瘴気の発生源。それは一対の剣だ。まるで光をすべて吸収しているかのような、まるで立体感の無い二つの剣だ。幅広で重そうな見た目のダガー。湾曲した刀身の見た目はシミターに似ているだろうか。
このもうもうと湧き上がる瘴気には覚えがある。学園に保管されていた水の魔剣だ。
ゲームの知識をすべて網羅しているオレは、こんな所に魔剣が祀られているとは知らなかった。間違いなくオレの知らない魔剣だ。
見ているだけでも理性が拒否している。それほど強い呪いだ。
「ぐっ!」
意を決して魔剣を手に取り、解呪していく。手がヒリヒリする。解呪しているというのに、逆にこちらを呪おうと反撃してくる。
オレの聖者のギフトもかなり成長した。一瞬とはいかないが、かなり短い時間で二本の剣の解呪に成功した。
その瞬間。ふとオレは気が付いた。ああ、聖者のギフトがカンストしたな。まぁ、毎日呪われたアイテムを解呪しているし、魔剣を二回も解呪すればそうなるか。
視線を落とすと、まるで暗闇を切り取ったような双剣があった。填まっている宝珠の色からして、おそらく闇の聖剣だろう。
両手に闇の聖剣を持つと、驚くほどしっくりきた。これはオレが使わてもらうか。
数度振って感触を確かめながら、オレは来た道を戻る。小型ピラミッドから出る頃には、日が高く昇っていた。帰る頃には昼を過ぎているだろう。
コルネリアたちに怪しまれるかもしれない。しかし、聖剣を確実に手に入れるためにはこうするしかなかった。
「ん?」
しかし、今考えてみると、あの濃度の瘴気を誰が突破できるというのだろう?
「あまり急ぐ必要はなかったか……」
まぁ、聖剣が手に入った今はすべてが些事だ。
「ゲームに登場しなかった聖剣の威力はどれほどか……。まず双剣というのが珍しいな。わくわくする」
オレの知る限りでは、二本で一対の双聖剣というのは初めてだ。
「これ以上急ぐ必要も無いし、試し斬りでもするか」
ドラゴンの血を浴びたこの体は疲れ知らずだ。村に向けて駆けていれば、モンスターの一体や二体に遭遇するだろう。
◇
予想に反してモンスターに会わずに村まで戻ってきてしまった。
活気のある村の中、石畳の敷かれたメインストリートを歩いて屋敷に戻ると、コルネリアとリリーが腕を組んで仁王立ちしていた。リリーはいつもの無表情だが、コルネリアは完全に眉を逆立てて不機嫌そうだ。
「お兄さま、お早いお帰りですね」
「お兄どこ行ってた?」
「いやー、散歩だよ、散歩」
「本当は娼館にでも行っていたのではありませんか?」
「まさか。そんなわけないだろ?」
しかし、コルネリアもリリーも胡散臭い者を見るような目でオレを見ている。
「本当かしら?」
「かしら?」
「本当だよ」
そう言っても信じてくれなかったのか、コルネリアとリリーがオレの服の匂いを嗅いでくる。
「香水の甘ったるい匂いじゃありませんね」
「森の匂い?」
「ああ。ちょっと早く起きたから、森まで散歩していたんだ」
「そのお腰のものは何ですか? 真っ黒ですけど……。剣?」
「そう。実は森で不思議な建物を見つけて、そこで見つけたんだ」
オレは腰に差していた闇の双聖剣を抜き放つ。
「本当にどこまでも真っ黒……。遠近感が狂いますね。この剣を持つ人とは戦いたくないです……」
「炭みたい……」
さすがコルネリア。この剣の特徴をよくとらえている。
炭というのも頷けるけど……。せっかく手に入れた聖剣なんだ。そんな表現しないでくれ。
「よく見ると、丸いものが填まっていますね。もしかしてこの剣も魔法が使えたり……?」
「そうなんだよ! なんと、闇の魔法が使えるんだ!」
「まさか、私の剣以外にもそんな剣があるなんて!」
「すごい……!」
コルネリアもリリーもひどく驚いている。それはそうだろう。魔法というのは、それ用のギフトを貰えないと普通は使えないものだ。
ということは、この双聖剣やコルネリアの持つ水の聖剣、オレの装備している炎の宝珠を持っていることは、ギフトを二つ持っているに等しい。ギフトに依存したこの世界の人間なら、驚くに決まっている。たとえ一属性しか使えないとしても、そもそも一属性しか使えない魔法使いが大半の世の中なのだ。
しかも、聖剣は神造兵器と呼ばれる神の作った兵器だ。ゲームで登場した中で最高の性能を持つ武器であり、基本的に壊れるということはない。刃こぼれすらしない堅牢っぷりだ。
そして聖剣の最大の特徴は、邪神とその眷属であるモンスターにダメージ特攻がある。とくに邪神に止めをさせるのは、聖剣だけだ。
聖剣とはそれだけ特別な剣なのだ。
ゲームでは、主人公は三つ聖剣を手に入れる。残り四つあると言われているが、ゲームでは入手不可能だった。ゲームでは手にすることができなかった聖剣が、今オレの目の前に二本もある。
これってすごいことだよな。ゲームのファンとしてコレクター魂が確かな充足感を覚えた。
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