【最強モブの努力無双】~ゲームで名前も登場しないようなモブに転生したオレ、一途な努力とゲーム知識で最強になる~

くーねるでぶる(戒め)

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092 『嘆きの地下墳墓』⑥

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 カラカラと鳴り響く音がだんだんと大きくなる。

 ジッと見つめる先、まるで深淵のように真っ暗な通路の前方から、白い骸骨がぼうっと現れる。その数二体。

 スケルトンだ。

 スケルトンはオレを見つけると、カタカタを嗤うように歯を鳴らす。

 オレは二体のスケルトンにダッシュすると、その首を叩き斬った。パキッとまるで小枝を折るような感覚だった。

 スケルトンの頭が二つ通路に転がり、ぼふんっと白い煙となって消える。

「ドロップアイテムはなしか」

 準備運動にもならなかったが、まぁスケルトン相手ならこんなものか。スケルトンの相手に慣れてきたというのもあるし、オレも強くなっているのだ。

 若干の達成感を感じながら、オレは松明の明かりを頼りに通路を奥へと歩いていく。

 前回と同じく、最短ルートを選択した。前回はジゼルや上級生がいたが、今回はオレ一人だからね。攻略に時間がかかるのではと思って、できる限り無駄を省く。

 途中何度かスケルトンと戦闘し、オレは第一階層を踏破した。

 続く第二階層。第二階層からはゾンビが現れる。注意が必要だ。

 ゾンビの攻撃を受けると、確率で毒や麻痺になる。ゲームでは、毒や麻痺になっても戦闘が継続できたためさほど意識していなかった。それで前回失敗してしまったわけだが、生身で毒や麻痺になるのは危険だ。一瞬で動けなくなる。

 前回はジゼルがカバーしてくれたし、フェルディナンの助言もあったが、今回はオレ一人だ。一度でも麻痺になれば、それだけで一気に戦況は傾き、最悪死ぬ可能性すらある。

 つまり、今回のオレは一度も攻撃を受けることを許されない状態だ。

 わくわくするね?

 気を引き締めて第二階層に降りると、臭気が一段とアップする。歩く腐乱死体が徘徊しているから当たり前と言えば当たり前かもしれない。

 最短ルートを選びながら通路を進んでいると、ピチャピチャと湿っぽい音が聞こえてきた。ゾンビだ。

 オレは腰に佩いた片手剣を抜いて構える。

 ゾンビはすぐに現れた。その数二体。

 できれば、一対一の戦闘で慣らしておきたかったが、そんな都合よくはいかないみたいだ。

「来い!」

 松明をオレとゾンビの中間地点に投げると、オレは盾を構えて突進する。

 前回は失敗したが、今回は失敗しないぞ!

「せあ!」

 ひどい臭気に怯みそうになるが、大きく一歩踏み出す。そして、腰を使うことを意識して、捻るようにゾンビの胸部にシールドバッシュを叩き込んだ。

 ポキポキと小枝を折るような感覚、そして、まるでゼリーを叩いたような手応え、プチプチとゾンビの腐敗した筋繊維が千切れていくような音、それらすべてを感じながら、ゾンビを一体吹き飛ばす。

 これで、時間制限はあるが一対一の状況が整ったな。

 ゾンビの大振りな叩き落としを避け、その懐へと侵入する。

「はあっ!」

 ゾンビを袈裟斬りにし、その回転の勢いのまま回し蹴りを放つ。蹴り飛ばされたゾンビは壁に叩きつけられ、ぼふんっと白い煙となって消えた。

 まずは一体。

 この頃になると、最初にシールドバッシュを喰らわせたゾンビが緩慢な動きで立ち上がる。

 オレはその頭に片手剣を振り下ろし、ゾンビを片付けた。

 ゾンビがぼふんっと白い煙となって消えると、剣や盾、服やブーツに付いていた汚汁も一緒に綺麗さっぱり消える。掃除しなくていいのは楽だね。血糊で剣の切れ味が鈍ることもないし、便利な仕様だ。

 まぁ、モンスター自体消えちゃうから、ドロップアイテムという観点から見たらあまり嬉しいことではないかもしれない。

 今はスケルトンやゾンビだから惜しくはないけど、例えばせっかくドラゴンを倒したのに消えちゃったらかなり悲しいと思う。

 一応、ドロップアイテムという救済処置があるにはあるが……。それでもモンスターの死体が丸々手に入るのに比べれば微々たるものだしなぁ。

 そんなことを思いながら、オレは軽く片手剣を振ると、腰の鞘に戻す。

 通路に投げた松明を拾おうとすると、だいぶ短くなっていた。

 腰のマジックバッグから新しい松明を取り出して火を着ける。

 やっぱりマジックバッグは便利だね。松明みたいなどう見ても入らないような嵩張る物も問題なく入る。買ってよかったよ。
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