92 / 117
092 『嘆きの地下墳墓』⑥
しおりを挟む
カラカラと鳴り響く音がだんだんと大きくなる。
ジッと見つめる先、まるで深淵のように真っ暗な通路の前方から、白い骸骨がぼうっと現れる。その数二体。
スケルトンだ。
スケルトンはオレを見つけると、カタカタを嗤うように歯を鳴らす。
オレは二体のスケルトンにダッシュすると、その首を叩き斬った。パキッとまるで小枝を折るような感覚だった。
スケルトンの頭が二つ通路に転がり、ぼふんっと白い煙となって消える。
「ドロップアイテムはなしか」
準備運動にもならなかったが、まぁスケルトン相手ならこんなものか。スケルトンの相手に慣れてきたというのもあるし、オレも強くなっているのだ。
若干の達成感を感じながら、オレは松明の明かりを頼りに通路を奥へと歩いていく。
前回と同じく、最短ルートを選択した。前回はジゼルや上級生がいたが、今回はオレ一人だからね。攻略に時間がかかるのではと思って、できる限り無駄を省く。
途中何度かスケルトンと戦闘し、オレは第一階層を踏破した。
続く第二階層。第二階層からはゾンビが現れる。注意が必要だ。
ゾンビの攻撃を受けると、確率で毒や麻痺になる。ゲームでは、毒や麻痺になっても戦闘が継続できたためさほど意識していなかった。それで前回失敗してしまったわけだが、生身で毒や麻痺になるのは危険だ。一瞬で動けなくなる。
前回はジゼルがカバーしてくれたし、フェルディナンの助言もあったが、今回はオレ一人だ。一度でも麻痺になれば、それだけで一気に戦況は傾き、最悪死ぬ可能性すらある。
つまり、今回のオレは一度も攻撃を受けることを許されない状態だ。
わくわくするね?
気を引き締めて第二階層に降りると、臭気が一段とアップする。歩く腐乱死体が徘徊しているから当たり前と言えば当たり前かもしれない。
最短ルートを選びながら通路を進んでいると、ピチャピチャと湿っぽい音が聞こえてきた。ゾンビだ。
オレは腰に佩いた片手剣を抜いて構える。
ゾンビはすぐに現れた。その数二体。
できれば、一対一の戦闘で慣らしておきたかったが、そんな都合よくはいかないみたいだ。
「来い!」
松明をオレとゾンビの中間地点に投げると、オレは盾を構えて突進する。
前回は失敗したが、今回は失敗しないぞ!
「せあ!」
ひどい臭気に怯みそうになるが、大きく一歩踏み出す。そして、腰を使うことを意識して、捻るようにゾンビの胸部にシールドバッシュを叩き込んだ。
ポキポキと小枝を折るような感覚、そして、まるでゼリーを叩いたような手応え、プチプチとゾンビの腐敗した筋繊維が千切れていくような音、それらすべてを感じながら、ゾンビを一体吹き飛ばす。
これで、時間制限はあるが一対一の状況が整ったな。
ゾンビの大振りな叩き落としを避け、その懐へと侵入する。
「はあっ!」
ゾンビを袈裟斬りにし、その回転の勢いのまま回し蹴りを放つ。蹴り飛ばされたゾンビは壁に叩きつけられ、ぼふんっと白い煙となって消えた。
まずは一体。
この頃になると、最初にシールドバッシュを喰らわせたゾンビが緩慢な動きで立ち上がる。
オレはその頭に片手剣を振り下ろし、ゾンビを片付けた。
ゾンビがぼふんっと白い煙となって消えると、剣や盾、服やブーツに付いていた汚汁も一緒に綺麗さっぱり消える。掃除しなくていいのは楽だね。血糊で剣の切れ味が鈍ることもないし、便利な仕様だ。
まぁ、モンスター自体消えちゃうから、ドロップアイテムという観点から見たらあまり嬉しいことではないかもしれない。
今はスケルトンやゾンビだから惜しくはないけど、例えばせっかくドラゴンを倒したのに消えちゃったらかなり悲しいと思う。
一応、ドロップアイテムという救済処置があるにはあるが……。それでもモンスターの死体が丸々手に入るのに比べれば微々たるものだしなぁ。
そんなことを思いながら、オレは軽く片手剣を振ると、腰の鞘に戻す。
通路に投げた松明を拾おうとすると、だいぶ短くなっていた。
腰のマジックバッグから新しい松明を取り出して火を着ける。
やっぱりマジックバッグは便利だね。松明みたいなどう見ても入らないような嵩張る物も問題なく入る。買ってよかったよ。
ジッと見つめる先、まるで深淵のように真っ暗な通路の前方から、白い骸骨がぼうっと現れる。その数二体。
スケルトンだ。
スケルトンはオレを見つけると、カタカタを嗤うように歯を鳴らす。
オレは二体のスケルトンにダッシュすると、その首を叩き斬った。パキッとまるで小枝を折るような感覚だった。
スケルトンの頭が二つ通路に転がり、ぼふんっと白い煙となって消える。
「ドロップアイテムはなしか」
準備運動にもならなかったが、まぁスケルトン相手ならこんなものか。スケルトンの相手に慣れてきたというのもあるし、オレも強くなっているのだ。
若干の達成感を感じながら、オレは松明の明かりを頼りに通路を奥へと歩いていく。
前回と同じく、最短ルートを選択した。前回はジゼルや上級生がいたが、今回はオレ一人だからね。攻略に時間がかかるのではと思って、できる限り無駄を省く。
途中何度かスケルトンと戦闘し、オレは第一階層を踏破した。
続く第二階層。第二階層からはゾンビが現れる。注意が必要だ。
ゾンビの攻撃を受けると、確率で毒や麻痺になる。ゲームでは、毒や麻痺になっても戦闘が継続できたためさほど意識していなかった。それで前回失敗してしまったわけだが、生身で毒や麻痺になるのは危険だ。一瞬で動けなくなる。
前回はジゼルがカバーしてくれたし、フェルディナンの助言もあったが、今回はオレ一人だ。一度でも麻痺になれば、それだけで一気に戦況は傾き、最悪死ぬ可能性すらある。
つまり、今回のオレは一度も攻撃を受けることを許されない状態だ。
わくわくするね?
気を引き締めて第二階層に降りると、臭気が一段とアップする。歩く腐乱死体が徘徊しているから当たり前と言えば当たり前かもしれない。
最短ルートを選びながら通路を進んでいると、ピチャピチャと湿っぽい音が聞こえてきた。ゾンビだ。
オレは腰に佩いた片手剣を抜いて構える。
ゾンビはすぐに現れた。その数二体。
できれば、一対一の戦闘で慣らしておきたかったが、そんな都合よくはいかないみたいだ。
「来い!」
松明をオレとゾンビの中間地点に投げると、オレは盾を構えて突進する。
前回は失敗したが、今回は失敗しないぞ!
「せあ!」
ひどい臭気に怯みそうになるが、大きく一歩踏み出す。そして、腰を使うことを意識して、捻るようにゾンビの胸部にシールドバッシュを叩き込んだ。
ポキポキと小枝を折るような感覚、そして、まるでゼリーを叩いたような手応え、プチプチとゾンビの腐敗した筋繊維が千切れていくような音、それらすべてを感じながら、ゾンビを一体吹き飛ばす。
これで、時間制限はあるが一対一の状況が整ったな。
ゾンビの大振りな叩き落としを避け、その懐へと侵入する。
「はあっ!」
ゾンビを袈裟斬りにし、その回転の勢いのまま回し蹴りを放つ。蹴り飛ばされたゾンビは壁に叩きつけられ、ぼふんっと白い煙となって消えた。
まずは一体。
この頃になると、最初にシールドバッシュを喰らわせたゾンビが緩慢な動きで立ち上がる。
オレはその頭に片手剣を振り下ろし、ゾンビを片付けた。
ゾンビがぼふんっと白い煙となって消えると、剣や盾、服やブーツに付いていた汚汁も一緒に綺麗さっぱり消える。掃除しなくていいのは楽だね。血糊で剣の切れ味が鈍ることもないし、便利な仕様だ。
まぁ、モンスター自体消えちゃうから、ドロップアイテムという観点から見たらあまり嬉しいことではないかもしれない。
今はスケルトンやゾンビだから惜しくはないけど、例えばせっかくドラゴンを倒したのに消えちゃったらかなり悲しいと思う。
一応、ドロップアイテムという救済処置があるにはあるが……。それでもモンスターの死体が丸々手に入るのに比べれば微々たるものだしなぁ。
そんなことを思いながら、オレは軽く片手剣を振ると、腰の鞘に戻す。
通路に投げた松明を拾おうとすると、だいぶ短くなっていた。
腰のマジックバッグから新しい松明を取り出して火を着ける。
やっぱりマジックバッグは便利だね。松明みたいなどう見ても入らないような嵩張る物も問題なく入る。買ってよかったよ。
125
あなたにおすすめの小説
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
帰還勇者の盲愛生活〜異世界で失った仲間たちが現代で蘇り、俺を甘やかしてくる~
キョウキョウ
ファンタジー
普通の会社員だった佐藤隼人(さとうはやと)は、ある日突然異世界に招かれる。
異世界で勇者として10年間を旅して過ごしながら魔王との戦いに決着をつけた隼人。
役目を終えて、彼は異世界に旅立った直後の現代に戻ってきた。
隼人の意識では10年間という月日が流れていたが、こちらでは一瞬の出来事だった。
戻ってきたと実感した直後、彼の体に激痛が走る。
異世界での経験と成長が現代の体に統合される過程で、隼人は1ヶ月間寝込むことに。
まるで生まれ変わるかのような激しい体の変化が続き、思うように動けなくなった。
ようやく落ち着いた頃には無断欠勤により会社をクビになり、それを知った恋人から別れを告げられる。
それでも隼人は現代に戻ってきて、生きられることに感謝する。
次の仕事を見つけて、新しい生活を始めようと前向きになった矢先、とある人物が部屋を訪ねてくる。
その人物とは、異世界で戦友だった者の名を口にする女子高生だった。
「ハヤト様。私たちの世界を救ってくれて、本当にありがとう。今度は、私たちがあなたのことを幸せにします!」
※カクヨムにも掲載中です。
異世界帰りの元勇者、日本に突然ダンジョンが出現したので「俺、バイト辞めますっ!」
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
俺、結城ミサオは異世界帰りの元勇者。
異世界では強大な力を持った魔王を倒しもてはやされていたのに、こっちの世界に戻ったら平凡なコンビニバイト。
せっかく強くなったっていうのにこれじゃ宝の持ち腐れだ。
そう思っていたら突然目の前にダンジョンが現れた。
これは天啓か。
俺は一も二もなくダンジョンへと向かっていくのだった。
明日を信じて生きていきます~異世界に転生した俺はのんびり暮らします~
みなと劉
ファンタジー
異世界に転生した主人公は、新たな冒険が待っていることを知りながらも、のんびりとした暮らしを選ぶことに決めました。
彼は明日を信じて、異世界での新しい生活を楽しむ決意を固めました。
最初の仲間たちと共に、未知の地での平穏な冒険が繰り広げられます。
一種の童話感覚で物語は語られます。
童話小説を読む感じで一読頂けると幸いです
最低最悪の悪役令息に転生しましたが、神スキル構成を引き当てたので思うままに突き進みます! 〜何やら転生者の勇者から強いヘイトを買っている模様
コレゼン
ファンタジー
「おいおい、嘘だろ」
ある日、目が覚めて鏡を見ると俺はゲーム「ブレイス・オブ・ワールド」の公爵家三男の悪役令息グレイスに転生していた。
幸いにも「ブレイス・オブ・ワールド」は転生前にやりこんだゲームだった。
早速、どんなスキルを授かったのかとステータスを確認してみると――
「超低確率の神スキル構成、コピースキルとスキル融合の組み合わせを神引きしてるじゃん!!」
やったね! この神スキル構成なら処刑エンドを回避して、かなり有利にゲーム世界を進めることができるはず。
一方で、別の転生者の勇者であり、元エリートで地方自治体の首長でもあったアルフレッドは、
「なんでモブキャラの悪役令息があんなに強力なスキルを複数持ってるんだ! しかも俺が目指してる国王エンドを邪魔するような行動ばかり取りやがって!!」
悪役令息のグレイスに対して日々不満を高まらせていた。
なんか俺、勇者のアルフレッドからものすごいヘイト買ってる?
でもまあ、勇者が最強なのは検証が進む前の攻略情報だから大丈夫っしょ。
というわけで、ゲーム知識と神スキル構成で思うままにこのゲーム世界を突き進んでいきます!
異世界に転生したら?(改)
まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。
そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。
物語はまさに、その時に起きる!
横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。
そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。
◇
5年前の作品の改稿板になります。
少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。
生暖かい目で見て下されば幸いです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる