【最強モブの努力無双】~ゲームで名前も登場しないようなモブに転生したオレ、一途な努力とゲーム知識で最強になる~

くーねるでぶる(戒め)

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108 『洞窟』③

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 昼食を終えて元気いっぱいのオレたちは、第十一階層へと足を踏み入れた。

 そこはどこまでも続く洞窟の地下世界だった。そこを隊列を組んで並んで歩く。まるでアリにでもなった気分だな。

 出現するモンスターも第一から第十階層までとあまり変わらない。だが……。

「さっきのってホーンラビットだったよな?」

 先ほど、確かにホーンラビットを倒したエロワが疑問を口にする。

「なんか、デカくなかったか? それに妙にすばしっこくなってたような……」
「ボクが戦ったゴブリンも少し大きかったんだなー」

 さすがに今まで何度もホーンラビットやゴブリンと戦ってきたエロワとポールは気が付いたようだ。

「二人の感覚は間違いじゃないよ。モンスターは確かに大きく、そして強くなっている」

 そう。出現するモンスターの種類こそ今までとは変わらないが、モンスターのレベルが違うのだ。

 まぁ、エロワもポールも一撃で倒せるから、勘違いかと迷う程度の差しかないけどね。それだけエロワとポールも成長しているのだ。

 そして、成長しているのはオレたち男だけじゃない。シャルリーヌ、アリソン、ブリジットの女の子たちも成長している。三人ともオレみたいに休みの日にダンジョンに潜るわけじゃないから成長は限定的だけど、毎朝の朝練で技量はかなり上がっている。

 ゲームでは、肉体的な強度を示す肉体レベルと、武器や魔法の扱いの習熟度を表した技量レベルというものが存在した。シャルリーヌたちは、肉体レベルこそまだ低いが、技量レベルはクラスメイトの中でも高めだろう。

 技量レベルが上がれば、新しい技や魔法を覚えられる。シャルリーヌたちは手札の多い状態で攻略に臨んでいるわけだね。

 低かった肉体レベルも今回のダンジョン攻略で育つだろうし、なかなか将来有望だと思う。

 七色クリスタルに照らされた洞窟を進むこと一時間弱。次の階層への下り坂が現れた。

「上級生の方たちには『洞窟』はまるで迷路のような構造だから攻略には時間が取られると教えられましたけど……アベル様は一度も行き止まりにぶつかりませんね」
「ま、まぁ運がよかったんじゃないか?」

 ヤッベ。やっぱたまに道を間違えないといくらなんでも不自然だよなぁ。

 だからといって、マッピングしているアリソンに指摘された直後に道を間違えるのもわざとらしい。十二階層では、一度くらいはミスしておくか。

 そんなことを考えながら、オレたちはホーンラビットを倒し、ゴブリンを倒し、ウルフを倒し、第十二階層を攻略していく。

「お?」

 順調に攻略していると、初めて見た物体が姿を現した。

 まるで幼稚園児が石を積み上げて作った二メートルほどの人形のようなフォルム。その頭部、人形の目に当たる部分には赤い丸い水晶球が填まっており、鈍い輝きを放っていた。

 ストーンゴーレム。ゴーレム系のモンスターは、第十一階層から出現する物理ダメージに高い耐性を持つモンスターだ。

「はぁああああああああああああああああッ!」

 オレはストーゴーレムを見つけると同時に斬りかかった。

 ガキンッという硬質な音が洞窟内に響き渡り、右腕が強く痺れた。文字通り、本当に石を殴ってるみたいだ。これでは武器の方が壊れてしまう。事実、オレはこれまで連れ添ってきた片手剣に若干の違和感を感じていた。

 だが、斬りかかった効果はあったようで、ストーンゴーレムはオレを標的に選んだようだ。その石柱のような両腕を振り上げてオレに迫る。

「アイスランス!」

 シャルリーヌの涼やかな声が洞窟内に響き渡り、洞窟内の気温が下がったような気がした。

 その瞬間、ゴカーンッと凄まじい激音を立ててストーンゴーレムと氷柱がぶつかり合う。シャルリーヌのアイスランスだ。ストーンゴーレムはバラバラに砕け散り、白い煙となって消えた。

 倒したみたいだ。

「シャルリーヌ、いい魔法だったよ。助かった」
「ふふんっ! いいのよ」
「アベル、ストーンゴーレムはどうだった? 斬れそうか?」
「斬るのは難しいな。良くて少し砕けるくらいだろうし、そんなことをしても意味があるとも思えない。さっきみたいに魔法で片付けるか、コアである目を狙うかだな」
「硬い相手は苦手なんだなー……」
「わたくしの弓も役に立ちそうにありませんね……」

 シャルリーヌは得意げだったが、ポールとブリジットがげんなりとしていた。オレだって硬い相手は苦手だ。

「シャルリーヌ様、ドロップアイテムを見つけました」
「ありがとう、アリソン」

 シャルリーヌがアリソンからストーンゴーレムのドロップアイテムを受け取って、腰のマジックバッグに収めていた。

 パッと見たところ、あの黒い石はたぶん鉄鉱石だな。ゴーレム系のモンスターは、ゲーム通りなら鉱石かコアである赤い宝玉をドロップするはずだ。

「ストーンゴーレムの相手はシャルリーヌに任せるよ。大丈夫そう?」
「任せておきなさい!」

 これまで魔法禁止で鬱憤が溜まっていたのか、シャルリーヌはとてもいい笑顔で頷いた。

 スクショしたい。
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