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「マーシャがわたしではなく、猫とばかり遊んでいる。ずるい。わたしも猫になりたい」
黙っていればうっとりするようなイケメンが、唇をとがらせてむすくれています。
「はいはい、猫に嫉妬しないでください」
「だって、昼間は子どもたちにマーシャを取られている。その上夜は猫と遊ぶのなら、わたしとの時間がないじゃないか」
「聞き分けのない大きな長男を産んだ覚えはありませんよ」
「わたしだって、マーシャの子どもとして産まれた記憶はない」
「まったく困った国王さまですね」
そう言いながら、私は膝の上の猫を抱えました。仕方がありません。今日はこの面倒くさい旦那さまのご機嫌をとることにしましょうか。
「しばらく、お外で待っていてくださいね」
「ふみゃあ」
不満げに、でも仕方がないなあと言わんばかりに鳴いて、顔をどこかにぶつけたような愛猫は、ドアの向こう側に消えて行きました。すかさず扉を閉めると、旦那さまがごろごろと私に絡みついてきます。まったく旦那さまときたら、仔猫ちゃんと入れ替わってからツンデレを卒業し、すっかりデレデレにジョブチェンジしてしまわれたのです。
「マーシャ、好きだああああ」
「はいはい」
デレデレの猫と言いますか、もうすっかり謎の生き物に成り下がった国王さまは、見えないはずのしっぽをぴんと伸ばし、小刻みに震えさせながら私に愛を囁くのです。
黙っていればうっとりするようなイケメンが、唇をとがらせてむすくれています。
「はいはい、猫に嫉妬しないでください」
「だって、昼間は子どもたちにマーシャを取られている。その上夜は猫と遊ぶのなら、わたしとの時間がないじゃないか」
「聞き分けのない大きな長男を産んだ覚えはありませんよ」
「わたしだって、マーシャの子どもとして産まれた記憶はない」
「まったく困った国王さまですね」
そう言いながら、私は膝の上の猫を抱えました。仕方がありません。今日はこの面倒くさい旦那さまのご機嫌をとることにしましょうか。
「しばらく、お外で待っていてくださいね」
「ふみゃあ」
不満げに、でも仕方がないなあと言わんばかりに鳴いて、顔をどこかにぶつけたような愛猫は、ドアの向こう側に消えて行きました。すかさず扉を閉めると、旦那さまがごろごろと私に絡みついてきます。まったく旦那さまときたら、仔猫ちゃんと入れ替わってからツンデレを卒業し、すっかりデレデレにジョブチェンジしてしまわれたのです。
「マーシャ、好きだああああ」
「はいはい」
デレデレの猫と言いますか、もうすっかり謎の生き物に成り下がった国王さまは、見えないはずのしっぽをぴんと伸ばし、小刻みに震えさせながら私に愛を囁くのです。
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