51 / 55
『うそ』つき河童は結婚できない
しおりを挟む
条件:「う」「ぅ」「そ」「ぞ」を使用してはならない
家の近所の家庭菜園の横を通り抜けていたら、イケメンに抱きつかれた。変態は変態だ。イケメン無罪とか言わないからな!
「愛している。俺と結婚してほしい」
「はい、結婚詐欺師! おまわりさん、助けてください!」
「なぜだ! 今のナンパにここまで否定される部分があったか!」
「否定される部分しかなかったわ! 会ったばかりのイケメンにいきなり愛を囁かれてほいほいついていくほど、こっちも頭お花畑じゃねえんだわ」
「なんだ、この口の悪い女は!」
「口が悪くて、何かお前に迷惑かけたか? ああん?」
「だが、俺は四月一日に嫁を娶らねば、国に帰れぬのだ」
「はあ?」
「だから、最悪性別女なら誰でもいい。とりあえず花嫁を準備できれば」
「黙れ、誰でもいいとか失礼にもほどがあるわ!」
「なんだと? こちらも時間が限られているからお前みたいな猿もどきの失礼な女で我慢してやると言っているではないか!」
「なんだと? 今すぐ無駄に長い金髪ロン毛をむしり取って、ザビエルハゲにしてやるから覚悟しろ!」
「なぜだ、なぜ俺の名前がザビエルであることと、かつらをかぶっていることがバレている! やはり、この国の女は我らの髪型をまことに嫌っているのか!」
「げ、マジもんでザビエルハゲじゃん。こんなやつに、失礼な女呼ばわりされたくないわ」
「だが、これは誇り高き我らにのみ許された髪型で!」
「はっ、河童かよ」
「信じられない。貴様、何者だ! なぜ俺の秘密を知っている!」
「ああ、めんどくせえ。嫁探しでもなんでもいいから、勝手にやんなよ。私は帰るから」
「頼む! 俺を助けると思って、嫁になってくれ!」
「嫌だってばよ。人間界で嫁を連れてこないと跡継ぎになれないとか最悪な習わしがある世界で、実は他に囲っている女がいて、連れてきた花嫁は白い結婚のお飾り妻とかが関の山でしょ。誰がなるか、あほんだら!」
「なぜだ! なぜお見通しなのだ!」
「お前マジで、稀に見る下衆だな。いっぺん死ねよ」
「ええい、もはやこれまで。悪いが無理矢理でも連れ帰らせていただく!」
「ってかさあ、四月一日とかいつの話よ。とっくの昔に終わってんじゃん」
「は?」
「あんたの国のことは知らないけど、こっちじゃ日が昇って沈んで、さらに再び日が昇ったら翌日になってるから」
「ああああ、次に次元の扉が開くのは一年後なのに!」
「はあ、お疲れさま。じゃあ」
「頼む! 一年間俺のことを養ってくれ」
「何でお前みたいなナチュラルモラハラ男を世話しなきゃなんねえんだよ。死ね」
「頼む! 何でもするから!!!」
「ふふん、何でもするって言ったな? 言質は取ったからからな?」
河童の国から来たイケメンプリンス(ただし、ナチュラルに俺さま)は、口の悪すぎる科学者(実験大好き干物女)にひんむかれ、あんなことやこんなことまで観察され、お婿に行けないと泣かされる未来をまだ知らない。
家の近所の家庭菜園の横を通り抜けていたら、イケメンに抱きつかれた。変態は変態だ。イケメン無罪とか言わないからな!
「愛している。俺と結婚してほしい」
「はい、結婚詐欺師! おまわりさん、助けてください!」
「なぜだ! 今のナンパにここまで否定される部分があったか!」
「否定される部分しかなかったわ! 会ったばかりのイケメンにいきなり愛を囁かれてほいほいついていくほど、こっちも頭お花畑じゃねえんだわ」
「なんだ、この口の悪い女は!」
「口が悪くて、何かお前に迷惑かけたか? ああん?」
「だが、俺は四月一日に嫁を娶らねば、国に帰れぬのだ」
「はあ?」
「だから、最悪性別女なら誰でもいい。とりあえず花嫁を準備できれば」
「黙れ、誰でもいいとか失礼にもほどがあるわ!」
「なんだと? こちらも時間が限られているからお前みたいな猿もどきの失礼な女で我慢してやると言っているではないか!」
「なんだと? 今すぐ無駄に長い金髪ロン毛をむしり取って、ザビエルハゲにしてやるから覚悟しろ!」
「なぜだ、なぜ俺の名前がザビエルであることと、かつらをかぶっていることがバレている! やはり、この国の女は我らの髪型をまことに嫌っているのか!」
「げ、マジもんでザビエルハゲじゃん。こんなやつに、失礼な女呼ばわりされたくないわ」
「だが、これは誇り高き我らにのみ許された髪型で!」
「はっ、河童かよ」
「信じられない。貴様、何者だ! なぜ俺の秘密を知っている!」
「ああ、めんどくせえ。嫁探しでもなんでもいいから、勝手にやんなよ。私は帰るから」
「頼む! 俺を助けると思って、嫁になってくれ!」
「嫌だってばよ。人間界で嫁を連れてこないと跡継ぎになれないとか最悪な習わしがある世界で、実は他に囲っている女がいて、連れてきた花嫁は白い結婚のお飾り妻とかが関の山でしょ。誰がなるか、あほんだら!」
「なぜだ! なぜお見通しなのだ!」
「お前マジで、稀に見る下衆だな。いっぺん死ねよ」
「ええい、もはやこれまで。悪いが無理矢理でも連れ帰らせていただく!」
「ってかさあ、四月一日とかいつの話よ。とっくの昔に終わってんじゃん」
「は?」
「あんたの国のことは知らないけど、こっちじゃ日が昇って沈んで、さらに再び日が昇ったら翌日になってるから」
「ああああ、次に次元の扉が開くのは一年後なのに!」
「はあ、お疲れさま。じゃあ」
「頼む! 一年間俺のことを養ってくれ」
「何でお前みたいなナチュラルモラハラ男を世話しなきゃなんねえんだよ。死ね」
「頼む! 何でもするから!!!」
「ふふん、何でもするって言ったな? 言質は取ったからからな?」
河童の国から来たイケメンプリンス(ただし、ナチュラルに俺さま)は、口の悪すぎる科学者(実験大好き干物女)にひんむかれ、あんなことやこんなことまで観察され、お婿に行けないと泣かされる未来をまだ知らない。
0
あなたにおすすめの小説
麗しき未亡人
石田空
現代文学
地方都市の市議の秘書の仕事は慌ただしい。市議の秘書を務めている康隆は、市民の冠婚葬祭をチェックしてはいつも市議代行として出かけている。
そんな中、葬式に参加していて光恵と毎回出会うことに気付く……。
他サイトにも掲載しております。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる