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第一章
(2)おばあちゃんに会いました。
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冬だから観光客のひとは少なくて、わたしはすぐにお目当てのひとを見つけることができたのだけれど、嬉しいの前にびっくりしてしまった。
お母さんには、「おばあちゃんの特徴? 大丈夫よ。ありえないくらいのド派手な車の横にいる女の人がいたら、それがおばあちゃんよ。まったく、年甲斐もなく恥ずかしい」と言われていたから、どんな車だろうとは思っていた。
キーホルダーをくれた友だちは、「最近流行りのVチューバ―の痛車だったらどうする?」なんて笑っていたっけ。車のことをよく知らないわたしはまあなんでもいいかなって思っていたのだけれど、まさかフェリーターミナルを出てすぐの駐車場には真っ赤な外車が止まっていて、みんなの注目を集めているなんて。
もちろんそれは車がカッコいいって理由だけではなくて、車の隣にびっくりするくらい美人なおばあさんが立っていたからだとは思う。えーと、もしかしてあれがわたしのおばあちゃんなの?
おばあちゃんって聞くと、ドラマとかアニメに出てくるみたいにちんまりしているイメージがあったのに、目の前の女の人はなんだか外国の映画に出てくるモデルさんみたい。
おばあちゃんというよりも、おばあさまとか、グランマみたいな言い方が似合いそう。でもわたしがグランマって呼ぶのはなんだかちょっと恥ずかしい。おばあちゃん?にはぴったりだけれど、わたしには似合わないっていうか。そういうあれこれをひっくるめて、あまりの驚きにさっきまで目の縁にたまっていたはずの涙はどこかに引っ込んでしまっていた。
「あら、あなたが美優ちゃんね。私があなたのおばあちゃんよ。おばあちゃんって呼んでくれたら嬉しいけれど、そんな急に呼べないと思うからとりあえず椿さんって呼んでくれたらいいわよ」
ぱちりとウインクされて、思わずドキドキしてしまう。意外な提案に一瞬迷った。でもこんなに綺麗なひとが「おばあちゃん」っていうのはやっぱりなんだか不思議で仕方がなくて、しかも初めましての女の人にいくら親戚とはいえ「おばあちゃん」と呼んでしまうのは妙に後ろめたくて、「椿さん」と呼んでみた。
「あの、美優です。急に一緒に住むことになってすみません。どうかよろしくお願いします」
「あなたが『すみません』と言う必要はないのよ。さあて、これからどうしましょうか。本当はこのまま家に戻って、引っ越し荷物を片付けるつもりだったんだけれど。いい天気だし、どうせなら、ドライブにしない? 島を一周……うーん、半周してきましょ」
「え?」
「そうよね、ええ、それがいいわ」
返事は待たないままにこりと笑って、椿さんはわたしを車に押し込んでしまった。
***
「椿さんって、おばあちゃんなのに運転するんですね」
「おばあちゃんだからこそ、運転するのよ。自転車で島内を回れるほど、若くはないわ」
「お父さんもお母さんも運転しないんです。ときどき、旅行先でレンタカーを借りるくらい。普段は全然車に乗らないのでわざわざ買ってもフケーザイだって言っていました」
「まあ、そういう考え方もあるわよね。都会なら、車がなくても公共交通機関でどうとでもなるのでしょうけれど。田舎に行くほど、車がないとなかなか厳しいかもしれないわ」
椿さんは危なげない手つきでハンドルを操作する。お父さんやお母さんだと、「運転中に話しかけないで」って怒られるのに。これが普段から車に乗り慣れているせいなのか、この島には車があまり走っていないせいなのか、わたしには判断できなかった。
「この島を一周するのに、だいたいどれくらいかかるんですか?」
「さあ、どれくらいかかると思う? せっかくだから当ててごらんなさい。もちろん、ヒントは出してあげるわよ。ハーフマラソンくらいか、フルマラソンくらいか、トライアスロンくらいか。まあトライアスロンには種類があるけれど、ロング・ディスタンスのほうで答えてもらおうかしら」
「ろんぐ・でぃすたんす? 何ですか、それ?」
「いいから、いいから。さあ、何キロくらいでしょう~。正解は、約38キロ。フルマラソンよりちょっと短いくらいでした~」
「ちょっと椿さん! わたし、まだ答えてません!」
「あはははは、ごめ~ん」
底抜けに明るい椿さんは、けらけら笑っている。それがなんだか妙に可愛くて、わたしもげらげら笑ってしまう。ちなみに沖縄の宮古島は外周100キロちょっとくらい、鹿児島県の屋久島で外周130キロくらいと教えてもらったけれど、わたしには何の参考にもならなかった。窓の向こうには、大きな砂浜が広がっている。
「海、綺麗ですね」
「冬の海も綺麗だけれど、夏場は本当に綺麗なんだから。この海の青さは、県内でも有名なのよ」
「へえ」
「ちなみに、海水浴場にはハマボウフウっていう植物が生えているの。昔は酢味噌をつけたり、甘酢漬けや天ぷらにして食べたりしたものよ。とっても美味しいせいか、数が少なくなってしまって。今では採取禁止なの。美優ちゃんもむやみに採ってはダメよ」
「椿さんに言われるまで、その植物のことを知りませんでした」
乱獲されて数が減ってしまったハマボウフウという謎の植物。椿さんの食欲も要因のひとつなのではないかと思って、わたしはちょっとだけ心配になった。
「今はいないけれど、あたたかくなるとこのあたりは牛が歩いているのよ」
「牛? ここ、牧場なんですか?」
「なんというか、ざっくり島全体が放牧地みたいな感覚ね。厳密に言うと全然違うけれど。牛ってねえ、本当に可愛いのよ。そしてね、この島の牛はとっても美味しいの」
さわやかに可愛いと美味しいを並列にしてくる椿さん。どうしよう、椿さんがマイペースすぎて頭がぐるぐるしてきちゃうよ。目を回しそうなわたしのことを車に酔ったと思ったのか、椿さんがちらりと時計を見ながら言った。
「あら、疲れちゃったかしら。じゃあ、島の半分くらいは見れたし、家に戻ろうかしら」
「もう半分も回ってたんですか?」
「ええ、もう少し行けば灯台やら神社なんかもあるけれど、そんなにいっぺんに見て回ることもないでしょう? これからいくらだって時間はあるんだし」
「あっという間のドライブでしたね」
「完全にドライブで、車から降りていないからね。都会と違って渋滞もないから。これでも、夏場になると多少は観光客で道も混むのよ。そういえば、美優ちゃん。気が付いた?」
「何にですか?」
「この車、まだ一回も信号に引っかかってないでしょ」
「あ、本当だ」
「実はね、今通ってきた道には信号がないのよ」
でも、今通ってきたのは港のフェリーターミナルから続く、この島のメインストリートだったはず。お巡りさんのいる交番……じゃなくってチュウザイショとか、区役所……じゃなくってヤクバもあるって聞いたし。さっき椿さんに教わったばかりの単語を思い出しながら、わたしは窓の向こうをひたすら確認する。不安になるくらい、この先もずっと信号がない。
「もしかして島の中には信号がないんですか?」
「あなたの通う小学校の前に、島にひとつだけの信号があるのよ」
「小学校って、ヤクバからは離れた場所にあるんですよね? 信号をつけるくらい混むんですか?」
「信号がないと、子どもたちが島外で道を歩くときに困るじゃない?」
「完全に練習用だ!」
どうしよう。離島どころか、わたしったら、異次元に来てしまったのかもしれない。慌てるわたしに向かって、椿さんがまた笑った。
「とりあえず、ちょっとは元気になったみたいね」
「え?」
「さっきフェリーターミナルで見かけたときは、ひどい顔をしていたから。少しでも気分転換できたならよかったわ」
椿さんは、わたしが泣きべそをかいていたことを知っていたみたい。知っていて、聞かずにいてくれた。でも放置するわけじゃなくって、わたしのことを慰めてくれていた。その優しさが嬉しくて、胸がじんわりと温かくなる。
この島は今まで暮らしてきていた場所とは全然違っていて頭がくらくらしてしまうことばかりだけれど、それでもこの会ったばかりの椿さん――まだおばあちゃんって呼ぶのは恥ずかしい――のことは、好きになれる気がした。
お母さんには、「おばあちゃんの特徴? 大丈夫よ。ありえないくらいのド派手な車の横にいる女の人がいたら、それがおばあちゃんよ。まったく、年甲斐もなく恥ずかしい」と言われていたから、どんな車だろうとは思っていた。
キーホルダーをくれた友だちは、「最近流行りのVチューバ―の痛車だったらどうする?」なんて笑っていたっけ。車のことをよく知らないわたしはまあなんでもいいかなって思っていたのだけれど、まさかフェリーターミナルを出てすぐの駐車場には真っ赤な外車が止まっていて、みんなの注目を集めているなんて。
もちろんそれは車がカッコいいって理由だけではなくて、車の隣にびっくりするくらい美人なおばあさんが立っていたからだとは思う。えーと、もしかしてあれがわたしのおばあちゃんなの?
おばあちゃんって聞くと、ドラマとかアニメに出てくるみたいにちんまりしているイメージがあったのに、目の前の女の人はなんだか外国の映画に出てくるモデルさんみたい。
おばあちゃんというよりも、おばあさまとか、グランマみたいな言い方が似合いそう。でもわたしがグランマって呼ぶのはなんだかちょっと恥ずかしい。おばあちゃん?にはぴったりだけれど、わたしには似合わないっていうか。そういうあれこれをひっくるめて、あまりの驚きにさっきまで目の縁にたまっていたはずの涙はどこかに引っ込んでしまっていた。
「あら、あなたが美優ちゃんね。私があなたのおばあちゃんよ。おばあちゃんって呼んでくれたら嬉しいけれど、そんな急に呼べないと思うからとりあえず椿さんって呼んでくれたらいいわよ」
ぱちりとウインクされて、思わずドキドキしてしまう。意外な提案に一瞬迷った。でもこんなに綺麗なひとが「おばあちゃん」っていうのはやっぱりなんだか不思議で仕方がなくて、しかも初めましての女の人にいくら親戚とはいえ「おばあちゃん」と呼んでしまうのは妙に後ろめたくて、「椿さん」と呼んでみた。
「あの、美優です。急に一緒に住むことになってすみません。どうかよろしくお願いします」
「あなたが『すみません』と言う必要はないのよ。さあて、これからどうしましょうか。本当はこのまま家に戻って、引っ越し荷物を片付けるつもりだったんだけれど。いい天気だし、どうせなら、ドライブにしない? 島を一周……うーん、半周してきましょ」
「え?」
「そうよね、ええ、それがいいわ」
返事は待たないままにこりと笑って、椿さんはわたしを車に押し込んでしまった。
***
「椿さんって、おばあちゃんなのに運転するんですね」
「おばあちゃんだからこそ、運転するのよ。自転車で島内を回れるほど、若くはないわ」
「お父さんもお母さんも運転しないんです。ときどき、旅行先でレンタカーを借りるくらい。普段は全然車に乗らないのでわざわざ買ってもフケーザイだって言っていました」
「まあ、そういう考え方もあるわよね。都会なら、車がなくても公共交通機関でどうとでもなるのでしょうけれど。田舎に行くほど、車がないとなかなか厳しいかもしれないわ」
椿さんは危なげない手つきでハンドルを操作する。お父さんやお母さんだと、「運転中に話しかけないで」って怒られるのに。これが普段から車に乗り慣れているせいなのか、この島には車があまり走っていないせいなのか、わたしには判断できなかった。
「この島を一周するのに、だいたいどれくらいかかるんですか?」
「さあ、どれくらいかかると思う? せっかくだから当ててごらんなさい。もちろん、ヒントは出してあげるわよ。ハーフマラソンくらいか、フルマラソンくらいか、トライアスロンくらいか。まあトライアスロンには種類があるけれど、ロング・ディスタンスのほうで答えてもらおうかしら」
「ろんぐ・でぃすたんす? 何ですか、それ?」
「いいから、いいから。さあ、何キロくらいでしょう~。正解は、約38キロ。フルマラソンよりちょっと短いくらいでした~」
「ちょっと椿さん! わたし、まだ答えてません!」
「あはははは、ごめ~ん」
底抜けに明るい椿さんは、けらけら笑っている。それがなんだか妙に可愛くて、わたしもげらげら笑ってしまう。ちなみに沖縄の宮古島は外周100キロちょっとくらい、鹿児島県の屋久島で外周130キロくらいと教えてもらったけれど、わたしには何の参考にもならなかった。窓の向こうには、大きな砂浜が広がっている。
「海、綺麗ですね」
「冬の海も綺麗だけれど、夏場は本当に綺麗なんだから。この海の青さは、県内でも有名なのよ」
「へえ」
「ちなみに、海水浴場にはハマボウフウっていう植物が生えているの。昔は酢味噌をつけたり、甘酢漬けや天ぷらにして食べたりしたものよ。とっても美味しいせいか、数が少なくなってしまって。今では採取禁止なの。美優ちゃんもむやみに採ってはダメよ」
「椿さんに言われるまで、その植物のことを知りませんでした」
乱獲されて数が減ってしまったハマボウフウという謎の植物。椿さんの食欲も要因のひとつなのではないかと思って、わたしはちょっとだけ心配になった。
「今はいないけれど、あたたかくなるとこのあたりは牛が歩いているのよ」
「牛? ここ、牧場なんですか?」
「なんというか、ざっくり島全体が放牧地みたいな感覚ね。厳密に言うと全然違うけれど。牛ってねえ、本当に可愛いのよ。そしてね、この島の牛はとっても美味しいの」
さわやかに可愛いと美味しいを並列にしてくる椿さん。どうしよう、椿さんがマイペースすぎて頭がぐるぐるしてきちゃうよ。目を回しそうなわたしのことを車に酔ったと思ったのか、椿さんがちらりと時計を見ながら言った。
「あら、疲れちゃったかしら。じゃあ、島の半分くらいは見れたし、家に戻ろうかしら」
「もう半分も回ってたんですか?」
「ええ、もう少し行けば灯台やら神社なんかもあるけれど、そんなにいっぺんに見て回ることもないでしょう? これからいくらだって時間はあるんだし」
「あっという間のドライブでしたね」
「完全にドライブで、車から降りていないからね。都会と違って渋滞もないから。これでも、夏場になると多少は観光客で道も混むのよ。そういえば、美優ちゃん。気が付いた?」
「何にですか?」
「この車、まだ一回も信号に引っかかってないでしょ」
「あ、本当だ」
「実はね、今通ってきた道には信号がないのよ」
でも、今通ってきたのは港のフェリーターミナルから続く、この島のメインストリートだったはず。お巡りさんのいる交番……じゃなくってチュウザイショとか、区役所……じゃなくってヤクバもあるって聞いたし。さっき椿さんに教わったばかりの単語を思い出しながら、わたしは窓の向こうをひたすら確認する。不安になるくらい、この先もずっと信号がない。
「もしかして島の中には信号がないんですか?」
「あなたの通う小学校の前に、島にひとつだけの信号があるのよ」
「小学校って、ヤクバからは離れた場所にあるんですよね? 信号をつけるくらい混むんですか?」
「信号がないと、子どもたちが島外で道を歩くときに困るじゃない?」
「完全に練習用だ!」
どうしよう。離島どころか、わたしったら、異次元に来てしまったのかもしれない。慌てるわたしに向かって、椿さんがまた笑った。
「とりあえず、ちょっとは元気になったみたいね」
「え?」
「さっきフェリーターミナルで見かけたときは、ひどい顔をしていたから。少しでも気分転換できたならよかったわ」
椿さんは、わたしが泣きべそをかいていたことを知っていたみたい。知っていて、聞かずにいてくれた。でも放置するわけじゃなくって、わたしのことを慰めてくれていた。その優しさが嬉しくて、胸がじんわりと温かくなる。
この島は今まで暮らしてきていた場所とは全然違っていて頭がくらくらしてしまうことばかりだけれど、それでもこの会ったばかりの椿さん――まだおばあちゃんって呼ぶのは恥ずかしい――のことは、好きになれる気がした。
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