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1部 1章
想い人の名はモエ=ファニー
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長屋に戻ってきたオレとシルキアは、あちこちの部屋から漏れ出た朝食のイイ匂いで満ちた通路を、ちょうど出くわした住人たちと挨拶を交わしながら進んでいく。
自宅の戸を開けた瞬間、甘い香りに出迎えられた。
え?
部屋を間違えたかと思い、全身の動きを止めてしまう。
それくらいに、我が家とこの甘さには縁がなかったから。
「くんくん」と、シルキアが鼻を鳴らす。「お兄ちゃん、なんかあっまぁ~い匂いするぅ」
「そうだな。どうやらウチからしてくるみたいだが」
そう口にしてみて、やはり違和感しかない。
我が家から、しかも朝から、こんなにも甘い匂いがしてくるだなんて。
信じられない。
しかし、生まれ育った場所だ、ここで合っている。
薄く開いたところで止めていた戸を、しっかりと押し開く。
「ただいま~」と言いながら、妹を先頭に、オレは中へと入った。
「おかえりなさい」
迎えてくれた声に、オレは内心ドキッとした。
高鳴った心臓は、ドクドクドクドクと、鼓動が聞こえてくるほどに加速している。額や背中には、じわっと、汗まで滲んできた。
緊張だ。でも嫌なものではない。
嬉しすぎるからこそというか、自分の振る舞いに失敗が許されなくなったことに対する緊張というか、そういったものだ。
まさか来ているなんて微塵も思っていなかった。
あまりにも不意打ちすぎる。
ゴクッと唾を飲み、変な顔していないかな~とか、オレ臭くないかな~とか、いろいろなことを頭に過らせながら、声のしたほうへと顔を向ける。
「あ~、モエお姉ちゃん!」
シルキアが食卓を囲うようにして並ぶ椅子の一つへと走っていく。
そこに座っているのは、オレやネルよりも三つ年上の女性。
「おはようございます、シルキア。今日も元気いっぱいですね」
「お姉ちゃん! 抱っこ抱っこぉ!」
「ふふふ、甘えん坊さんですね」
両手を広げ、胸を空けたモエねぇ。
シルキアが、両手に持っていた卵をちゃんと傍にある食卓に置いてから、モエねぇの太腿によじ登る。モエねぇの、瞳と似た濃い青色のドレスに包まれた胸に飛び込んだ。
柔らかそう……。
羨ましい……。
そんなやましいことを思ってしまい、自分が恥ずかしくなって体温が上がる。
オレは、妹の髪を撫でるカノジョの微笑に見惚れながら、また唾を飲みつつ近づく。
カノジョの目がこっちに向いた。
雲一つない快晴のような蒼い瞳はあまりにも美しくて、直視できなかった。
「おはよ、モエねぇ」
オレは右斜め下を見ながら、ぼそぼそと挨拶した。もっとハキハキ喋りたいのに――そのほうが好印象なのはわかっているからだ!――上手く声を出せなかったのだ。
「……床に何か落ちているのですか?」
「えっ、え?」
何を言われたのか、わからなかった。
「ワタクシには見えませんが、何かあるのですか?」
「へ、え、何かあるってっ、何がっ?」
「何がって、ワタクシにもわかりません。アクセルくんがこちらを見ずに、斜め下を見てばかりなので、何かあるのですか?と聞いたのですが」
ああ! そういうことか!
「いやっ、なっ何もない何もないっ、ごめんごめんっ」
そうだよな! 顔を見ないなんて変だよな! そう言い聞かせて、顔を向ける。
ぱっちりと目が合った。うわぁい可愛いっ!と心ときめいて反射的にまた逸らしてしまいそうになったが、グッと堪える。二度もやってしまえば、悪印象だ。絶対に。
「改めて。アクセルくん、おはようございます」
「おはよう、モエねぇ」
恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!と脳が嬉しい悲鳴を上げているも、カノジョに嫌われたくない!という想いだけで抗い、ちゃんと見返したままオレは返答した。
微笑みを深くしたカノジョ。
「かっ――」
あまりにも可愛くて。
可愛い!と思わず言ってしまいそうになった。
やばい!と堪えられてよかったと思う。
「か?」
「あ、えと、モエねぇの後ろにっ虫が飛んでてっ」
「虫ですか」首を右に左にと捻れるだけ捻って、モエねぇは周りを見た。「いませんね」
「あ~、うんっ、今はいないっ。もしかしたら見間違いだったかもっ」
あはは、とオレは場を繋ぐためだけに笑う。
「まあ、春が始まりますから。虫も出てくるでしょう」
「そうだねっ」
「虫さんかぁ~、やだなぁ~。刺されたら、かいかいだし~」
シルキアが、本当に嫌そうな口調で言った。
「痒くなったら、毎年のように軟膏を塗ってあげますよ」
「うんっ」
「アクセルくんも。ね?」
「ありがと……」
優しさを浴びて、顔が赤くなっていくのがわかる。すでにもう最高潮にあった照れ臭さがどばっと溢れたのだ。
真っ赤になる顔なんて絶対に見られたくない。
だから。
「あれ?」と言いながら、オレは部屋内を見回す。「母さんと父さん、いないのか……」
話題を変えることによって、いろいろなものを誤魔化すことにした。
誤魔化していることが見透かされたら死ぬほど恥ずかしいが、親がいないことを話題にすることはなんら不自然ではないはずだから、その心配はないだろう。
「今はお二人ともいませんよ。おじ様はもう仕事に出て行かれて、おば様は煮たばかりの牛乳をおじ様に持って行っているので」
「あ、そうなんだ、って! 牛乳っ⁉」
ビックリして、モエねぇのほうを見た。照れ臭さなんて、一瞬で吹っ飛んだ。
牛乳という存在は、それくらいの衝撃だった。
でも、やっぱりそうだったのか。
玄関戸を開けたときに嗅いだ匂いは、想像通り牛乳のものだったのだ。
しかし、予想通りの正体だったとはいえ、そもそもの疑問の解決にはなっていない。
どうしてこの家に牛乳なんてものがあるのか。
いや、考えるまでもないか。
モエねぇの存在が答えだ。
「このあっまぁ~いの! 牛乳なのっ? 牛乳あるのっ?」
シルキアがモエねぇの胸に凭れて甘えたまま、顔だけ上げてキョロキョロする。
「台所にありますよ。ワタクシが持ってきたんです」
「飲みたぁ~い!」
モエねぇの膝から離れたシルキアが、台所のほうへと駆けていく。
「火は消えていますが、まだ鍋は熱いはずなので触ってはダメですよ」モエねぇが椅子から立ち上がった。「ワタクシがコップに注いであげますから」
歩き出したモエねぇ。
オレの脇を通った瞬間、ふわりと爽やかな心地よい香りがした。
いつもカノジョが身に付けている匂い袋のものだ。
体温が急上昇していくのがわかる。
匂い、というものは印象深いというか、脳にとって強烈だ。
だって、カノジョからした匂いは、別に珍しいものではないから。
近くの林で採取できるハーブの一種だ。だから、さっき会ったときには感じなかったけれど、母親の仕事の手伝いをしているときやしたあとのネルのほうが、濃く身体から発していることも多い。それこそ、時々、臭いと思うくらいに。
モエねぇからした匂いは、匂ったといっても、本当に薄いものだった。
それなのに、脳にバチッときたというか、ひと嗅ぎしただけで身体は熱くなった。
ネルに対しても、ほかの異性に対しても、こんな、匂いで興奮なんてしたことないのに。
どうしてなのか。
……多分。
ハーブの匂いだから、ではない。
モエねぇからする匂い、だからだ。
モエねぇ、だからだ。
「アクセルくん? こっちに来てください。飲みましょう」
ハッとして、身体がさらにカッとなった。
モエねぇはすぐそこにいるのに、オレは何を考えているんだ。
「あ、うん」と返しながら、台所のほうへ向かっていく。
妹が小さな両手で包むように持ったコップに、ふぅふぅと息を吹きかけている。
マークベンチ家の使い古された鍋の前に立っているモエねぇが、右手に持つ木製の柄杓で掬い取ったものを、左手に持つ木製のコップに注いだ。
とろりとした乳白色の液体は、感動的な輝きを放っていた。
「はい、どうぞ」
「ありがと」
差し出されたコップを受け取る。
湯気と共に立つ甘い香りはとても濃かった。
ふぅふぅと適当な回数息を吹きかけ、ちびっと飲む。
「おいしぃ~! 美味しい美味しい美味しいぃ~!」
感激して大興奮のシルキア。
「うっまぁ」
オレもまったく同じ感想だった。
「喜んでもらえてよかったです」
ふふ、とモエねぇの嬉しそうな満足気な声。
「これ、モエねぇが持ってきてくれたんだよね?」
牛乳は高級品だ。
少なくとも、この町では。
なぜなら、牛を飼っている人がいないから。
それに、野生の牛もこの辺りには生息していない。
稀に商店に並ぶけれど、あまりに高価だからウチみたいな貧乏人では買えない。
そんな代物が、今、ここにある。昨晩までなかったものが、ここに、ある。
「はい。家にあったものです」
やっぱりか。
考えたとおり、モエねぇの存在自体が答えで当たっていた。
モエねぇの家は、豊かさでこの町五本の指に入るくらいの、裕福さだ。
その豊かさは、カノジョの両親とカノジョの三人が、装飾品を作って売ったことによって築いたもの。
『ファニーの飾り屋』という屋号は、王都のほうでも知られているのだと、以前、グレンさんから教えてもらった。実際、定期的に、装飾品を買い付けに馬車でやってくる、いかにも金を持っていそうな人たちを、オレも見かけたことがあった。
裕福なファニー家に牛乳があっても不思議なことはない。
だから今ここにある牛乳は、モエねぇが持ってきてくれたのだと予想は容易かった。
しかし、なぜ分けてくれたのかは、疑問だ。
こんなことは初めてだから。
――自分で稼いで得たものを人に渡すな。
モエねぇの父親のそんな言葉を、以前、耳にしたことがある。
それは何も間違っていない。厳しいことにも聞こえるが、正しさしかそこにはない。
だからこそ、今この状況に引っ掛かる。
牛乳は、ファニー家が丹精込め苦労して作った装飾品を売って、得たものなのだから。
「そうですね、本題に入りましょうか」
本題?
オレはなんとなく嫌な予感がした。
でも、それはそうだよなと納得もする。
朝のこの時間は、どこの家でも、誰であっても、真面な人間なら忙しくしている。そんな時間にわざわざやってきた理由が、牛乳をお裾分けに来た~だけなわけがない。
考えればわかること。
だから……悪いことを言われるような気がしてしょうがないのだ。
椅子に座って話しましょうとモエねぇに言われ、オレたちは先ほどまでいた食卓のほうへと戻った。四人家族だから四脚ある椅子に、オレとモエねぇは向かい合う形で座る。シルキアは、またモエねぇの膝の上に座った。
「アクセルくん」
「うん……」
嫌な予感があるせいか、オレの口調は意図せず落ち込んだものになった。
「ワタクシは、今日、この町を出て行くことになりました」
「……え?」
何を言われたのか、言葉としては意味も理解できた。
言葉として何一つ難しいことなんて言われていないのだから。
それでもバカっぽく尋ねてしまったのは、理解したくなかったから。
モエねぇが、この町を出て行く?
しかも、今日?
そんなの、そんなの……理解したいわけがない。
「モエお姉ちゃん、いなくなっちゃうのぉ?」
「はい」
「やだぁ! やだやだやだぁ!」
シルキアの抵抗は、幼いからこそ許されるものだった。
オレだってそんな風に感情だけで喚きたいが、オレがすれば情けなさの極みだろう。
やだやだやだやだやだやだ! いぃ~~~やぁ~~~だぁ~~~!
頭の中では、心の内では、もう一人の自分が両手両足ブンブンさせて喚いているが。
「ごめんなさい、シルキア。でも、これは大事なことなの」
「大事なこと?」と、オレは尋ねた。
「両親と共に、この国を見て回ることになったのです。各地に足を運び、そこで生活をしながら、装飾師としての腕を磨きつつ、商人としての知恵や経験を習得して欲しい。そう言われれば、ワタクシには拒む理由がありませんでした。ファニー家の後継ぎとして」
「そう、なんだ……」
確かに、大事なことだった。
あまりにも大事な、大事すぎることだった。
オレみたいな受け継ぐものもとくにない家に生まれた子どもにはないものが、モエねぇにはある。
一番わかりやすいものでいえば、それは親が築いてきた財産。
蓄えている金銭はもちろん、『ファニーの飾り屋』というお店やファニー家の装飾品に対するお客さんの信頼とか、そういったものだ。
モエねぇは、ファニー家の一人娘だ。
カノジョには、使命や責任というものがある。
一人娘だからといって、投げ出すこともできる。
でも、モエねぇがそんなことをしない人なのも、オレはよくわかっていた。
だから、家のため、そして自分のためと言われたら、もう何も言えない。
内側で駄々をこねていたもう一人の自分が、シュルシュルと縮んでいった。
「旅立つことを伝えるの、当日になってしまってごめんなさい。納品の近い仕事もいくつかある中で、荷造りもしなければならず、あまりにも忙しくて」
「ううん。ずっと忙しくしてたもんね……」
こうして会えた喜びで満たされて、そういえば考えもしなかったけれど、モエねぇとは最近しっかりと話せていなかったっけ。そうだ。町中で見かけることは何度もあったけれど、挨拶を交わして終わりということばかりで。カノジョはずっと忙しそうにしていた。
話したくて、遊びたくて、ネルと一緒に工房兼住居である家まで行ってみたことも一度ではなかったけれど、会えても、ごめんなさい仕事があるから……と断られてばかりだった。
装飾師としての仕事に迫られながら、旅立ちの支度もしていたのなら、オレたちと暢気に過ごせる時間なんてあるわけがなかった。
「本当は、旅立つからこそ、みんなと少しでも一緒にいたかったのですが」
「しょうがないよ。仕事があることはイイことだしさ」
ハハハ、とオレの口から出た笑い声は、とても渇いていた。
牛乳を飲む。
「っていうことは、この牛乳は旅に持っていかないから、ウチにくれたの?」
「はい。肉や魚、果物は干せば携帯食料にできますが、牛乳は氷室から出せばすぐに悪くなってしまうので、多めに持っていくことはやめました。ですから、持っていけないぶんは、アクセルくんたちに飲んでもらおうと思って」
水ものは、傷みやすい。
旅の天敵と言われるくらいに、旅行者や行商人は扱いに気を付けるという。
人間が生きていくことに欠かせないものだが、体調を壊す最大の原因でもあるのだ。
だから遠出する者は、道中で新鮮なものを確保していかなければならない。
そう、グレンさんから教えられたことを思い出した。
「――ただいまぁ」
背後で母親の声がした。
せっかくの牛乳という高級品を父親に持って行き、帰ってきたのだ。
「アンタたち、戻ってきてたのね。朝ご飯、すぐ作っちゃうから」
「それでは、ワタクシはお暇させていただきます」
「はぁい! 本当にありがとうねぇ! ほら、シルキア、お姉ちゃんが立てないでしょ」
母親に注意され、ムスッと顔のシルキアがモエねぇの膝から退いた。不機嫌な表情をしているのは、モエねぇがいなくなってしまうことを受け入れられていないからだ。
オレだって、受け入れられていない。
受け入れるだなんて、できるわけがない。
想い人が自分の日常からいなくなるなんて……。
でも、受け入れなければならない。
決心している想い人を困らせるなんて情けないこと、したくないから。
立ち上がったモエねぇが、母に丁寧にお辞儀をし、玄関へと向かう。
見送りしようと、オレもコップを食卓に置いて立ち上がった。
モエねぇを先頭に、通路に出る。
シルキアはついてこなかった。拗ねているからだ。
長屋から出たところで、オレとモエねぇは向き合う。
「アクセルくん。先ほど話したこと、ネルちゃんに伝えてもらっていいですか?」
「旅立つこと?」
「はい。ここに来る前に、ネルちゃんの家にも牛乳を持って行ったのですが、おば様にも会うことができなくて。待つこともできましたが、ここへ来ることもズルズルと遅くなってしまうほうがよくないかと考えまして」
待つよりも、次の予定を優先した。
確かに、そうしていなかったら、オレとシルキアがモエねぇに会えなかったかもしれない。モエねぇの来訪があったから母親は朝食作りを後回しにしたのだから。来訪がなければ母親はちゃっちゃと朝食を作り、オレたち兄妹はサッサと食べて外に出ていたかもしれない。
「わかった。学舎でネルに伝えるよ」
「ありがとうございます。それと、もしよければ、北門まで見送りに来てくれませんか? 学舎での学びが終わってから出発しますので」
え? もしよければ、だって?
何を言っているのだろうか、この人は。
「行くよっ」オレは前のめりになるくらい、言葉に勢いを乗せた。「絶対行くっ!」
行かない、なんて選択肢はない。
「嬉しいです」と、モエねぇは笑った。
それではまた後で、と言って背を向けたモエねぇ。
離れていくその背中を見て、オレは無性に抱き付きたくなった。
そんなことは、できないけれど。
というか、恋人でもないのだから、してはいけないけれど。
でも。
触りたかった。
抱き締めたかった。
好きだからだ、モエねぇのことが。
……告白、しておけばよかったな。
いつかしよういつかしよう、と恋心を抱いてからずっと思っていた。
でも、もうできない。
今日旅立つ人に告白するなんて、最低のことだ。
相手を困らせるだけってことくらい、恋愛ド初心者のオレでもわかる。
――いつかしよう、なんて言うばかりですぐに動こうとしないヤツは、どうせずっと動けはしない。もちろん、どんな物事かにもよるが、そういう人間には気を付けろ。傍に置くと足を引っ張らられる危険性があるぞ。
グレンさんの教えに、そんなこともあったな。
「……その通りだ」
小さく呟き、自虐的に笑う。
先延ばしにしてきた今のオレは、モエねぇが大好きなオレの足を引っ張ったんだから。
溜息を一つ吐いて、朝食のために長屋へと戻った。
自宅の戸を開けた瞬間、甘い香りに出迎えられた。
え?
部屋を間違えたかと思い、全身の動きを止めてしまう。
それくらいに、我が家とこの甘さには縁がなかったから。
「くんくん」と、シルキアが鼻を鳴らす。「お兄ちゃん、なんかあっまぁ~い匂いするぅ」
「そうだな。どうやらウチからしてくるみたいだが」
そう口にしてみて、やはり違和感しかない。
我が家から、しかも朝から、こんなにも甘い匂いがしてくるだなんて。
信じられない。
しかし、生まれ育った場所だ、ここで合っている。
薄く開いたところで止めていた戸を、しっかりと押し開く。
「ただいま~」と言いながら、妹を先頭に、オレは中へと入った。
「おかえりなさい」
迎えてくれた声に、オレは内心ドキッとした。
高鳴った心臓は、ドクドクドクドクと、鼓動が聞こえてくるほどに加速している。額や背中には、じわっと、汗まで滲んできた。
緊張だ。でも嫌なものではない。
嬉しすぎるからこそというか、自分の振る舞いに失敗が許されなくなったことに対する緊張というか、そういったものだ。
まさか来ているなんて微塵も思っていなかった。
あまりにも不意打ちすぎる。
ゴクッと唾を飲み、変な顔していないかな~とか、オレ臭くないかな~とか、いろいろなことを頭に過らせながら、声のしたほうへと顔を向ける。
「あ~、モエお姉ちゃん!」
シルキアが食卓を囲うようにして並ぶ椅子の一つへと走っていく。
そこに座っているのは、オレやネルよりも三つ年上の女性。
「おはようございます、シルキア。今日も元気いっぱいですね」
「お姉ちゃん! 抱っこ抱っこぉ!」
「ふふふ、甘えん坊さんですね」
両手を広げ、胸を空けたモエねぇ。
シルキアが、両手に持っていた卵をちゃんと傍にある食卓に置いてから、モエねぇの太腿によじ登る。モエねぇの、瞳と似た濃い青色のドレスに包まれた胸に飛び込んだ。
柔らかそう……。
羨ましい……。
そんなやましいことを思ってしまい、自分が恥ずかしくなって体温が上がる。
オレは、妹の髪を撫でるカノジョの微笑に見惚れながら、また唾を飲みつつ近づく。
カノジョの目がこっちに向いた。
雲一つない快晴のような蒼い瞳はあまりにも美しくて、直視できなかった。
「おはよ、モエねぇ」
オレは右斜め下を見ながら、ぼそぼそと挨拶した。もっとハキハキ喋りたいのに――そのほうが好印象なのはわかっているからだ!――上手く声を出せなかったのだ。
「……床に何か落ちているのですか?」
「えっ、え?」
何を言われたのか、わからなかった。
「ワタクシには見えませんが、何かあるのですか?」
「へ、え、何かあるってっ、何がっ?」
「何がって、ワタクシにもわかりません。アクセルくんがこちらを見ずに、斜め下を見てばかりなので、何かあるのですか?と聞いたのですが」
ああ! そういうことか!
「いやっ、なっ何もない何もないっ、ごめんごめんっ」
そうだよな! 顔を見ないなんて変だよな! そう言い聞かせて、顔を向ける。
ぱっちりと目が合った。うわぁい可愛いっ!と心ときめいて反射的にまた逸らしてしまいそうになったが、グッと堪える。二度もやってしまえば、悪印象だ。絶対に。
「改めて。アクセルくん、おはようございます」
「おはよう、モエねぇ」
恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい!と脳が嬉しい悲鳴を上げているも、カノジョに嫌われたくない!という想いだけで抗い、ちゃんと見返したままオレは返答した。
微笑みを深くしたカノジョ。
「かっ――」
あまりにも可愛くて。
可愛い!と思わず言ってしまいそうになった。
やばい!と堪えられてよかったと思う。
「か?」
「あ、えと、モエねぇの後ろにっ虫が飛んでてっ」
「虫ですか」首を右に左にと捻れるだけ捻って、モエねぇは周りを見た。「いませんね」
「あ~、うんっ、今はいないっ。もしかしたら見間違いだったかもっ」
あはは、とオレは場を繋ぐためだけに笑う。
「まあ、春が始まりますから。虫も出てくるでしょう」
「そうだねっ」
「虫さんかぁ~、やだなぁ~。刺されたら、かいかいだし~」
シルキアが、本当に嫌そうな口調で言った。
「痒くなったら、毎年のように軟膏を塗ってあげますよ」
「うんっ」
「アクセルくんも。ね?」
「ありがと……」
優しさを浴びて、顔が赤くなっていくのがわかる。すでにもう最高潮にあった照れ臭さがどばっと溢れたのだ。
真っ赤になる顔なんて絶対に見られたくない。
だから。
「あれ?」と言いながら、オレは部屋内を見回す。「母さんと父さん、いないのか……」
話題を変えることによって、いろいろなものを誤魔化すことにした。
誤魔化していることが見透かされたら死ぬほど恥ずかしいが、親がいないことを話題にすることはなんら不自然ではないはずだから、その心配はないだろう。
「今はお二人ともいませんよ。おじ様はもう仕事に出て行かれて、おば様は煮たばかりの牛乳をおじ様に持って行っているので」
「あ、そうなんだ、って! 牛乳っ⁉」
ビックリして、モエねぇのほうを見た。照れ臭さなんて、一瞬で吹っ飛んだ。
牛乳という存在は、それくらいの衝撃だった。
でも、やっぱりそうだったのか。
玄関戸を開けたときに嗅いだ匂いは、想像通り牛乳のものだったのだ。
しかし、予想通りの正体だったとはいえ、そもそもの疑問の解決にはなっていない。
どうしてこの家に牛乳なんてものがあるのか。
いや、考えるまでもないか。
モエねぇの存在が答えだ。
「このあっまぁ~いの! 牛乳なのっ? 牛乳あるのっ?」
シルキアがモエねぇの胸に凭れて甘えたまま、顔だけ上げてキョロキョロする。
「台所にありますよ。ワタクシが持ってきたんです」
「飲みたぁ~い!」
モエねぇの膝から離れたシルキアが、台所のほうへと駆けていく。
「火は消えていますが、まだ鍋は熱いはずなので触ってはダメですよ」モエねぇが椅子から立ち上がった。「ワタクシがコップに注いであげますから」
歩き出したモエねぇ。
オレの脇を通った瞬間、ふわりと爽やかな心地よい香りがした。
いつもカノジョが身に付けている匂い袋のものだ。
体温が急上昇していくのがわかる。
匂い、というものは印象深いというか、脳にとって強烈だ。
だって、カノジョからした匂いは、別に珍しいものではないから。
近くの林で採取できるハーブの一種だ。だから、さっき会ったときには感じなかったけれど、母親の仕事の手伝いをしているときやしたあとのネルのほうが、濃く身体から発していることも多い。それこそ、時々、臭いと思うくらいに。
モエねぇからした匂いは、匂ったといっても、本当に薄いものだった。
それなのに、脳にバチッときたというか、ひと嗅ぎしただけで身体は熱くなった。
ネルに対しても、ほかの異性に対しても、こんな、匂いで興奮なんてしたことないのに。
どうしてなのか。
……多分。
ハーブの匂いだから、ではない。
モエねぇからする匂い、だからだ。
モエねぇ、だからだ。
「アクセルくん? こっちに来てください。飲みましょう」
ハッとして、身体がさらにカッとなった。
モエねぇはすぐそこにいるのに、オレは何を考えているんだ。
「あ、うん」と返しながら、台所のほうへ向かっていく。
妹が小さな両手で包むように持ったコップに、ふぅふぅと息を吹きかけている。
マークベンチ家の使い古された鍋の前に立っているモエねぇが、右手に持つ木製の柄杓で掬い取ったものを、左手に持つ木製のコップに注いだ。
とろりとした乳白色の液体は、感動的な輝きを放っていた。
「はい、どうぞ」
「ありがと」
差し出されたコップを受け取る。
湯気と共に立つ甘い香りはとても濃かった。
ふぅふぅと適当な回数息を吹きかけ、ちびっと飲む。
「おいしぃ~! 美味しい美味しい美味しいぃ~!」
感激して大興奮のシルキア。
「うっまぁ」
オレもまったく同じ感想だった。
「喜んでもらえてよかったです」
ふふ、とモエねぇの嬉しそうな満足気な声。
「これ、モエねぇが持ってきてくれたんだよね?」
牛乳は高級品だ。
少なくとも、この町では。
なぜなら、牛を飼っている人がいないから。
それに、野生の牛もこの辺りには生息していない。
稀に商店に並ぶけれど、あまりに高価だからウチみたいな貧乏人では買えない。
そんな代物が、今、ここにある。昨晩までなかったものが、ここに、ある。
「はい。家にあったものです」
やっぱりか。
考えたとおり、モエねぇの存在自体が答えで当たっていた。
モエねぇの家は、豊かさでこの町五本の指に入るくらいの、裕福さだ。
その豊かさは、カノジョの両親とカノジョの三人が、装飾品を作って売ったことによって築いたもの。
『ファニーの飾り屋』という屋号は、王都のほうでも知られているのだと、以前、グレンさんから教えてもらった。実際、定期的に、装飾品を買い付けに馬車でやってくる、いかにも金を持っていそうな人たちを、オレも見かけたことがあった。
裕福なファニー家に牛乳があっても不思議なことはない。
だから今ここにある牛乳は、モエねぇが持ってきてくれたのだと予想は容易かった。
しかし、なぜ分けてくれたのかは、疑問だ。
こんなことは初めてだから。
――自分で稼いで得たものを人に渡すな。
モエねぇの父親のそんな言葉を、以前、耳にしたことがある。
それは何も間違っていない。厳しいことにも聞こえるが、正しさしかそこにはない。
だからこそ、今この状況に引っ掛かる。
牛乳は、ファニー家が丹精込め苦労して作った装飾品を売って、得たものなのだから。
「そうですね、本題に入りましょうか」
本題?
オレはなんとなく嫌な予感がした。
でも、それはそうだよなと納得もする。
朝のこの時間は、どこの家でも、誰であっても、真面な人間なら忙しくしている。そんな時間にわざわざやってきた理由が、牛乳をお裾分けに来た~だけなわけがない。
考えればわかること。
だから……悪いことを言われるような気がしてしょうがないのだ。
椅子に座って話しましょうとモエねぇに言われ、オレたちは先ほどまでいた食卓のほうへと戻った。四人家族だから四脚ある椅子に、オレとモエねぇは向かい合う形で座る。シルキアは、またモエねぇの膝の上に座った。
「アクセルくん」
「うん……」
嫌な予感があるせいか、オレの口調は意図せず落ち込んだものになった。
「ワタクシは、今日、この町を出て行くことになりました」
「……え?」
何を言われたのか、言葉としては意味も理解できた。
言葉として何一つ難しいことなんて言われていないのだから。
それでもバカっぽく尋ねてしまったのは、理解したくなかったから。
モエねぇが、この町を出て行く?
しかも、今日?
そんなの、そんなの……理解したいわけがない。
「モエお姉ちゃん、いなくなっちゃうのぉ?」
「はい」
「やだぁ! やだやだやだぁ!」
シルキアの抵抗は、幼いからこそ許されるものだった。
オレだってそんな風に感情だけで喚きたいが、オレがすれば情けなさの極みだろう。
やだやだやだやだやだやだ! いぃ~~~やぁ~~~だぁ~~~!
頭の中では、心の内では、もう一人の自分が両手両足ブンブンさせて喚いているが。
「ごめんなさい、シルキア。でも、これは大事なことなの」
「大事なこと?」と、オレは尋ねた。
「両親と共に、この国を見て回ることになったのです。各地に足を運び、そこで生活をしながら、装飾師としての腕を磨きつつ、商人としての知恵や経験を習得して欲しい。そう言われれば、ワタクシには拒む理由がありませんでした。ファニー家の後継ぎとして」
「そう、なんだ……」
確かに、大事なことだった。
あまりにも大事な、大事すぎることだった。
オレみたいな受け継ぐものもとくにない家に生まれた子どもにはないものが、モエねぇにはある。
一番わかりやすいものでいえば、それは親が築いてきた財産。
蓄えている金銭はもちろん、『ファニーの飾り屋』というお店やファニー家の装飾品に対するお客さんの信頼とか、そういったものだ。
モエねぇは、ファニー家の一人娘だ。
カノジョには、使命や責任というものがある。
一人娘だからといって、投げ出すこともできる。
でも、モエねぇがそんなことをしない人なのも、オレはよくわかっていた。
だから、家のため、そして自分のためと言われたら、もう何も言えない。
内側で駄々をこねていたもう一人の自分が、シュルシュルと縮んでいった。
「旅立つことを伝えるの、当日になってしまってごめんなさい。納品の近い仕事もいくつかある中で、荷造りもしなければならず、あまりにも忙しくて」
「ううん。ずっと忙しくしてたもんね……」
こうして会えた喜びで満たされて、そういえば考えもしなかったけれど、モエねぇとは最近しっかりと話せていなかったっけ。そうだ。町中で見かけることは何度もあったけれど、挨拶を交わして終わりということばかりで。カノジョはずっと忙しそうにしていた。
話したくて、遊びたくて、ネルと一緒に工房兼住居である家まで行ってみたことも一度ではなかったけれど、会えても、ごめんなさい仕事があるから……と断られてばかりだった。
装飾師としての仕事に迫られながら、旅立ちの支度もしていたのなら、オレたちと暢気に過ごせる時間なんてあるわけがなかった。
「本当は、旅立つからこそ、みんなと少しでも一緒にいたかったのですが」
「しょうがないよ。仕事があることはイイことだしさ」
ハハハ、とオレの口から出た笑い声は、とても渇いていた。
牛乳を飲む。
「っていうことは、この牛乳は旅に持っていかないから、ウチにくれたの?」
「はい。肉や魚、果物は干せば携帯食料にできますが、牛乳は氷室から出せばすぐに悪くなってしまうので、多めに持っていくことはやめました。ですから、持っていけないぶんは、アクセルくんたちに飲んでもらおうと思って」
水ものは、傷みやすい。
旅の天敵と言われるくらいに、旅行者や行商人は扱いに気を付けるという。
人間が生きていくことに欠かせないものだが、体調を壊す最大の原因でもあるのだ。
だから遠出する者は、道中で新鮮なものを確保していかなければならない。
そう、グレンさんから教えられたことを思い出した。
「――ただいまぁ」
背後で母親の声がした。
せっかくの牛乳という高級品を父親に持って行き、帰ってきたのだ。
「アンタたち、戻ってきてたのね。朝ご飯、すぐ作っちゃうから」
「それでは、ワタクシはお暇させていただきます」
「はぁい! 本当にありがとうねぇ! ほら、シルキア、お姉ちゃんが立てないでしょ」
母親に注意され、ムスッと顔のシルキアがモエねぇの膝から退いた。不機嫌な表情をしているのは、モエねぇがいなくなってしまうことを受け入れられていないからだ。
オレだって、受け入れられていない。
受け入れるだなんて、できるわけがない。
想い人が自分の日常からいなくなるなんて……。
でも、受け入れなければならない。
決心している想い人を困らせるなんて情けないこと、したくないから。
立ち上がったモエねぇが、母に丁寧にお辞儀をし、玄関へと向かう。
見送りしようと、オレもコップを食卓に置いて立ち上がった。
モエねぇを先頭に、通路に出る。
シルキアはついてこなかった。拗ねているからだ。
長屋から出たところで、オレとモエねぇは向き合う。
「アクセルくん。先ほど話したこと、ネルちゃんに伝えてもらっていいですか?」
「旅立つこと?」
「はい。ここに来る前に、ネルちゃんの家にも牛乳を持って行ったのですが、おば様にも会うことができなくて。待つこともできましたが、ここへ来ることもズルズルと遅くなってしまうほうがよくないかと考えまして」
待つよりも、次の予定を優先した。
確かに、そうしていなかったら、オレとシルキアがモエねぇに会えなかったかもしれない。モエねぇの来訪があったから母親は朝食作りを後回しにしたのだから。来訪がなければ母親はちゃっちゃと朝食を作り、オレたち兄妹はサッサと食べて外に出ていたかもしれない。
「わかった。学舎でネルに伝えるよ」
「ありがとうございます。それと、もしよければ、北門まで見送りに来てくれませんか? 学舎での学びが終わってから出発しますので」
え? もしよければ、だって?
何を言っているのだろうか、この人は。
「行くよっ」オレは前のめりになるくらい、言葉に勢いを乗せた。「絶対行くっ!」
行かない、なんて選択肢はない。
「嬉しいです」と、モエねぇは笑った。
それではまた後で、と言って背を向けたモエねぇ。
離れていくその背中を見て、オレは無性に抱き付きたくなった。
そんなことは、できないけれど。
というか、恋人でもないのだから、してはいけないけれど。
でも。
触りたかった。
抱き締めたかった。
好きだからだ、モエねぇのことが。
……告白、しておけばよかったな。
いつかしよういつかしよう、と恋心を抱いてからずっと思っていた。
でも、もうできない。
今日旅立つ人に告白するなんて、最低のことだ。
相手を困らせるだけってことくらい、恋愛ド初心者のオレでもわかる。
――いつかしよう、なんて言うばかりですぐに動こうとしないヤツは、どうせずっと動けはしない。もちろん、どんな物事かにもよるが、そういう人間には気を付けろ。傍に置くと足を引っ張らられる危険性があるぞ。
グレンさんの教えに、そんなこともあったな。
「……その通りだ」
小さく呟き、自虐的に笑う。
先延ばしにしてきた今のオレは、モエねぇが大好きなオレの足を引っ張ったんだから。
溜息を一つ吐いて、朝食のために長屋へと戻った。
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