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第1章 『最初の街』編
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ビー玉みたいに透き通った、丸い物体。
色は二色あって、アクアマリンのように極薄い青色とガーネットのような深い赤色。光を透かすと、影もその色に染まる。キラキラと。
しかも、見てるだけでも楽しいそれらは、大きめのビン一杯に詰められて、売り場に鎮座していた。どこにでもありそうな、雑貨屋の。
「お客サン、他所からの人かい?そーんなにポーション飴を見つめちゃってナァ」
あんまりにも私がそれに魅入っていたせいか、店主とおぼしきおばあちゃんに苦笑されてしまった。あはは……。
でもねでもね?しかたないと思うの。
だって、ホントにキレイなんだもん。キラキラしてて、まるで食べ物には見えないんだ。これなら、オブジェとしてずっとずーっと、部屋に飾っておいてもいいくらい。
こんなにステキな飴玉、前世でも見たことないよ!
って、ちょっと待って。
「これ……ポーション、なんですか?」
「そうだヨォ。青いのが体力、赤いのが魔力の回復薬サァ」
なんと、これがかの有名な魔水薬だったのか!……あれ?でも、飴タイプがあるなんて、イリオスは言ってなかったぞ。
この世界のポーションは、前世のゲームで言う回復薬とは、少しだけ違う。
傷を直接癒す、と言うよりも、それを促す効果の方が近いんだって。
体力回復薬→新陳代謝を引き上げ、傷を癒しやすくする。
しかし、欠損や大怪我には使えない。むしろショック死する。
魔力回復薬→大気中に漂う魔力の源──《シィーラ》を身体に取り込みやすくする。
ただし、魔力が減ってない状況下で誤って服用すると、魔力酔いを引き起こす。
まぁ、私には元々ポーションなんて存在しない世界で生きてた記憶しかないんだけど……。使い方さえ間違えなければスッゴく便利な物だよね。特に、体力回復薬の方。
あ、ちなみに怪我とかを治す薬の方は『霊薬』って言われてるらしいよ?
効果が高い上に、なかなか市場に流通しないから、かなりのレアアイテムなんだそう。なんでも、生成に使う素材が稀少なんだとか。
……で、話を戻すけど。
ポーションって、基本的に水薬なんだよ。イリオスの所では、そう教わった。
でも、水薬だと多く持ち歩くには傘張るし(ビン詰めだから)、保存方法を間違うと腐ってしまうことがあるんだそう。あと、飲みすぎると水中毒になる。
でも、この都市──《アトラスヴィル》じゃ違う。
ここは冒険者が多く集う位置にあるからか、昔から戦闘に関連する物が発展しやすかったらしい。武器とか装備品とかね。(←ギルドマスター談)
店主のおばあちゃん曰く、このポーション飴も、その一つ。数十年ほど前にこの地にいた錬金術師(←前世で言うと、化学者が近いかな?)が、手慰みに作ったそうだ。……天才って、スゴいよね。
小さく固形だから持ち運びやすい、ポーション飴。この飴のお陰で、《アトラスヴィル》の冒険者たちの生存率は、飛躍的にアップしたそうな。
それにね、
「大ビン一つで銀貨五枚……」
銀貨五枚──それは、私の感覚で言うところの、約五千円。
つまり、そこそこ値段は張るものの、ちゃんと稼いでいれば決して買えないわけじゃない値段設定なのだ。
コレは消耗品やら食事代、宿代なんかでお金がカツカツな冒険者には、嬉しいよね!
そうそう、今の私なら体力用、魔力用を各一つずつ買っても余裕はあるよ。
それに飴なら、大ビンなら二百個ほど、普通のビンでも百個ほど入ってるんだ。飴一つあたりの値段は銅貨五枚と大銅貨二枚──日本円で二十五円──で、水薬の小銀貨八枚──八百円──より、圧倒的に安い。効果は同じなのにだよ?
ちなみに水薬の方が高いのは、中身うんぬんよりビンのせいだ。基本、使い捨てだからね。
こーんなにキレイで、さらにお財布様にもやさしい飴。
……そんなの、私が買わない手はないよね?
「毎度アリィ~」
数分後、私はポーション飴の入った大ビン二つと普通の飴の入った小ビンを手に、ホクホク顔で店を出た。えへ、ラッキー♪
なんと、店主のおばあちゃんが、少しだけ値引きした上に、オマケまでくれたのだ。初めてポーション飴を見た、と言う私へのプレゼントだそう。あ、先行投資とも言ってたな。
《アトラスヴィル》周辺地域は魔物が発生しやすい土地柄ゆえに、魔物を討伐を生業にする冒険者たちはとても頼りにされている。
だから、初心者や逆に有名な冒険者には、みんな少しずつオマケをつけるのだ。『どうか、頑張って』と。
……なら、私も期待に応えなくちゃね!
「そうと決まれば、明日の依頼の準備だー!」
それから私は、屋台で串焼き肉とビール(←こっちの世界にもあった!)を買うと、さっさと宿へと戻っていった。
……酒と肉は、私の活力なんです!
ちなみに、武器や装備はイリオスから貰ったのがあるから買わないよ。
だって、下手すると神代魔道具並みに強いし。………あれ?これも神代魔道具の一種なの?知らんかった。
私のスペックに耐えうる物なんて、そうはないらしいし、まぁこの先も買うことはないんじゃないかな?
今の格好も、気に入ってるしね!
色は二色あって、アクアマリンのように極薄い青色とガーネットのような深い赤色。光を透かすと、影もその色に染まる。キラキラと。
しかも、見てるだけでも楽しいそれらは、大きめのビン一杯に詰められて、売り場に鎮座していた。どこにでもありそうな、雑貨屋の。
「お客サン、他所からの人かい?そーんなにポーション飴を見つめちゃってナァ」
あんまりにも私がそれに魅入っていたせいか、店主とおぼしきおばあちゃんに苦笑されてしまった。あはは……。
でもねでもね?しかたないと思うの。
だって、ホントにキレイなんだもん。キラキラしてて、まるで食べ物には見えないんだ。これなら、オブジェとしてずっとずーっと、部屋に飾っておいてもいいくらい。
こんなにステキな飴玉、前世でも見たことないよ!
って、ちょっと待って。
「これ……ポーション、なんですか?」
「そうだヨォ。青いのが体力、赤いのが魔力の回復薬サァ」
なんと、これがかの有名な魔水薬だったのか!……あれ?でも、飴タイプがあるなんて、イリオスは言ってなかったぞ。
この世界のポーションは、前世のゲームで言う回復薬とは、少しだけ違う。
傷を直接癒す、と言うよりも、それを促す効果の方が近いんだって。
体力回復薬→新陳代謝を引き上げ、傷を癒しやすくする。
しかし、欠損や大怪我には使えない。むしろショック死する。
魔力回復薬→大気中に漂う魔力の源──《シィーラ》を身体に取り込みやすくする。
ただし、魔力が減ってない状況下で誤って服用すると、魔力酔いを引き起こす。
まぁ、私には元々ポーションなんて存在しない世界で生きてた記憶しかないんだけど……。使い方さえ間違えなければスッゴく便利な物だよね。特に、体力回復薬の方。
あ、ちなみに怪我とかを治す薬の方は『霊薬』って言われてるらしいよ?
効果が高い上に、なかなか市場に流通しないから、かなりのレアアイテムなんだそう。なんでも、生成に使う素材が稀少なんだとか。
……で、話を戻すけど。
ポーションって、基本的に水薬なんだよ。イリオスの所では、そう教わった。
でも、水薬だと多く持ち歩くには傘張るし(ビン詰めだから)、保存方法を間違うと腐ってしまうことがあるんだそう。あと、飲みすぎると水中毒になる。
でも、この都市──《アトラスヴィル》じゃ違う。
ここは冒険者が多く集う位置にあるからか、昔から戦闘に関連する物が発展しやすかったらしい。武器とか装備品とかね。(←ギルドマスター談)
店主のおばあちゃん曰く、このポーション飴も、その一つ。数十年ほど前にこの地にいた錬金術師(←前世で言うと、化学者が近いかな?)が、手慰みに作ったそうだ。……天才って、スゴいよね。
小さく固形だから持ち運びやすい、ポーション飴。この飴のお陰で、《アトラスヴィル》の冒険者たちの生存率は、飛躍的にアップしたそうな。
それにね、
「大ビン一つで銀貨五枚……」
銀貨五枚──それは、私の感覚で言うところの、約五千円。
つまり、そこそこ値段は張るものの、ちゃんと稼いでいれば決して買えないわけじゃない値段設定なのだ。
コレは消耗品やら食事代、宿代なんかでお金がカツカツな冒険者には、嬉しいよね!
そうそう、今の私なら体力用、魔力用を各一つずつ買っても余裕はあるよ。
それに飴なら、大ビンなら二百個ほど、普通のビンでも百個ほど入ってるんだ。飴一つあたりの値段は銅貨五枚と大銅貨二枚──日本円で二十五円──で、水薬の小銀貨八枚──八百円──より、圧倒的に安い。効果は同じなのにだよ?
ちなみに水薬の方が高いのは、中身うんぬんよりビンのせいだ。基本、使い捨てだからね。
こーんなにキレイで、さらにお財布様にもやさしい飴。
……そんなの、私が買わない手はないよね?
「毎度アリィ~」
数分後、私はポーション飴の入った大ビン二つと普通の飴の入った小ビンを手に、ホクホク顔で店を出た。えへ、ラッキー♪
なんと、店主のおばあちゃんが、少しだけ値引きした上に、オマケまでくれたのだ。初めてポーション飴を見た、と言う私へのプレゼントだそう。あ、先行投資とも言ってたな。
《アトラスヴィル》周辺地域は魔物が発生しやすい土地柄ゆえに、魔物を討伐を生業にする冒険者たちはとても頼りにされている。
だから、初心者や逆に有名な冒険者には、みんな少しずつオマケをつけるのだ。『どうか、頑張って』と。
……なら、私も期待に応えなくちゃね!
「そうと決まれば、明日の依頼の準備だー!」
それから私は、屋台で串焼き肉とビール(←こっちの世界にもあった!)を買うと、さっさと宿へと戻っていった。
……酒と肉は、私の活力なんです!
ちなみに、武器や装備はイリオスから貰ったのがあるから買わないよ。
だって、下手すると神代魔道具並みに強いし。………あれ?これも神代魔道具の一種なの?知らんかった。
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