異世界で勇者兼聖女なりました!……が、現在ドラゴンにストーカーされてます!?

嘉藤 静狗

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第2章 『対・四天王①』編

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「ダルマ、ですか」
「はい、ダルマです」

 ちなみに、この世界にもダルマはある。
 イリオスが過去に招いた転移・転生者の一人がダルマ職人だったそうだ。私の今いる大陸から、少し離れた所にある島国の名産品だ。
 さらに言うと、この世界のダルマは魔道具である。効果は何だったっけな………あ、魔物避けですか。

「ダルマってことは……その、手足を?」
「ん?違うよ。手足はくっついてるよ───辛うじて、ね」

 ただ、数本は千切れてるはず。【雷】魔法を当てて気絶させたときに、当てる箇所と加減を間違えちゃったんだよね。あれは事故だと思う……いや、思いたい。
 じゃあ、どうやって『巨大蜘蛛ジャイアントスパイダー』をダルマにしたかって?
 簡単だよ。彼らの横糸を巻き付けたんだ。ぐるぐるとね!


 私が、最初にエンカウントした『大蜘蛛ビッグスパイダー』の群れは、丁度ソコで巣を作ってたんだ。
 で、このままじゃ繁殖するかなぁ、マズいなぁ……と思って、まず『大蜘蛛』を【氷】と【風】の複合魔法《雪華嵐セッカラン》でまとめて凍らせた。相変わらず《異空間収納》は自動回収モードだから、わざわざ拾い集める必要はない。
 それから、『巨大蜘蛛』に【雷】魔法を当てて──やり過ぎて。一匹は何とか完全体に出来たから凍らせたんだけど、残りを片付ける前に悲鳴が聞こえてきたから、取り敢えずの応急処置で近くにあった蜘蛛の巣で『巨大蜘蛛』たちを簀巻すまきにしたんだ。
 そいで、悲鳴の先に着いたら獣人ベスティアのお兄さんを見つけたってワケ。
 その後、怪我人を連れて森をうろちょろするのもアレだし、ってことで放置してきちゃったのだ。

「今ごろ、どこぞの冒険者さんに回収されてるんじゃないでしょうか?一応、瀕死にはしてあるので」
「ハルア様は、それでよろしいのですか?」

 利益が減るのにってこと?
 うーん、正直さぁ……今回の報酬だけで慎ましく過ごせば二ヶ月はよゆーなんだよねぇ。それに、あんまり高ランク依頼の報酬を独占するのも反感買いそうだし。
 ま、テキトーに他人様ひとさまの役に立ちゃあいいんでない?

「そうですか……分っかりました♪
 そう言うことなら、このまま鑑定に回しますね!」

 さっすがお姉さん!話が分かるぅ。
 私は満面の笑みでアイテムを運ぶお姉さんを見送った。





 さてと、コレでしばらくは依頼を受けなくてもいいし、森の調査に専念出来る。
 でも、何から調べようかなぁ……。うーむ。

「なぁ」

 テンプレだと、やっぱり怪しいのは森の奥の方だよね!
 でも、森自体がそこそこ広いからなー。当たりを付けなきゃ効率悪いし。

「おい、君?」

 うー、あー。そうか!
 今回の『大蜘蛛』は、もしかして森の奥から逃げてきたのかも?
 なら、『大蜘蛛』の本来の生息域周辺から当たればいいのか!

「えぇと……ハルア、様?」

 んー『大蜘蛛』の生息域は、っと………違う違う!全世界版じゃなくて、ヴァストークの森内のほうだよ!そんな広範囲は調べないって!もう!!
 ………あ、なるほどそこら辺。中心からは、やや外れてるのか。最奥には……ぬしがいるから?へー。

「っ、おい!いい加減、気づいてくれよ!」
「へみゃっ!?」

 ななななんぞや!?ビックリしたー!
 てか、肩を叩くな!肩を!!え、縁起悪いじゃないかっ……て、獣人のお兄さん?
 ん?そーいや、どーしてそんなに汗だくなのさ?

「(マジで気づかれてなかったのか……)いや、《救出・保護証明》のここにサインしてくれ」
「あ、はい」

 なんだ~、そゆこと。
 心臓止まって死ぬかと思ったわ。………えぇ、えぇ、分かってますよ。チートスペックな私が、そんなヤワじゃないってことぐらい!
 ………ちびっとぐらい、か弱い振りしたっていーじゃん。ぶもぅ。


 おっとっと。そうだ、サインしてあげなきゃ。
 えー、救出・保護者名……あざなで、『ハルア・キラ』っと。そいでランクは+プラスB。あとは、性別?……女で。最後に年齢も、ちょちょいっと。
 あー、うん。必須項目はこんなもんかな。

「書き終わりましたよ、お兄さん」
「………………うん」

 ん?……なんぞ今の、
 どっかに記入抜けでもあったんかな?一応、しっかり確認したんだけど……。だって、書類不備ってマジで笑えないし、ね。
 だから、気になるならちゃちゃっと言ってくりゃれ。

「……えっとぉ、あのさぁ。ここなんだけど。
 ───君、二十七歳って、マジ?」


 ………………
 …………
 ……


 あ、なんだ。そんなことか。
 うん、マジも大マジだよ。みんな『お嬢』だとか『少女』扱いしてるけど。そんな子どもっぽいかね?私は。
 あ、でもこの世界じゃ、あながち間違いでもない?


 実は、この世界。
 魔力の関係で、人間種の寿命が全体的に長いのだ。

 例えば、ユマン族。
 私にとって、前世での人間にあたる彼らは、平均寿命が大体百五十年ほど。で、限界は二百五十年。
 そいで、どっかで見たんだけど……前世(←つまり地球)の人間って、脳の老化やら何やらの都合で最大百二十五歳までしか生きられないってあったんだよね。

 つまり、この世界のヒトは、前世の人間に比べて約二倍は生きられる。

 厳密には種族差もかなりあるらしい。
 五百年は余裕の長命な妖精エルフ族と短命(と言っても、百二十年は生きるそう)の獣人族とか。けど、人間種全体の平均は、人族のものとそう変わらないんだそうな。

 んで、こうも寿命が長いせいか、成人は全体的に遅い傾向にある。
 成人は早くて二十歳、遅いと五十歳ぐらいの地域もあるんだって。ちなみに、これは人族の場合だ。獣人族だと十五歳のところもあるらしいけど。
 ま、成人は三十歳ってところが多いそうだ。


 つまり……って、アレ?ちと待て。

 ──私、もしかして。
 この世界じゃ、まだ未成年?
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