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誠実 清

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序章

あの日、全てが逆転した

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 ぽつぽつと雨が降り始めた夕暮れ、傘を持ってなかった俺は走りだした。
あの日、もっと早くに帰宅していれば両親は死なずに済んだかもしれない。

 両親は連続殺人の罪を誰かに擦り付けられ、自殺としてこの世界から抹消された。
警察も全く助けになってくれず、幸せな生活は多額の借金を負う地獄へと化した。
犯人は相当に権力のある組織の連中らしく、事件の真相を探ってもほこり一つ出なかった。

 俺は借金返済の為、ろくに睡眠も取らず必死に働いた。
そんな生活を続けて2年、とうとう身体を壊し手足が過労により動かなくなった。
病院で入院していたところを借金取りに襲われ、ボスがいるアジトまで連行された。

「藤原 勇。貴様はもう使えない。臓器を売る事に同意しろ」

 同意をするかしないかなど関係ない、もう身体は固定されメスを持った集団に囲まれている。
おまけに口も開かないように縫い付けられいる。

「返事が無いと言うことは、同意だな。よしやれ」

 麻酔も無しでメスを身体に入れる。
痛みにより、気が狂い始める。

「そうだ。藤原、闇のゲームに参加しないか?闇社会の金持ち達の良い見世物になるんだ。もちろん勝てば借金をチャラにしてやるさ。勝てばな」

 俺は必死に首を縦に振った。
メスで開いたところに何やら機械を埋め込んでいる。
意識を失った頃には、もう機械だらけの身体になっていた。
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