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ほんとうの姿
監禁?
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いつ?
まさか――
「藍野の送別会の次の日、買い物してから車で公園行ったろ? ホテルにも。その時の写真あるんだよ」
ツーッと冷たい汗が体を伝った。
どのタイミングで撮られた?
私から手を離した雅夫兄さんがスマホを見せつける。
写真だ。
遠くから撮影したのか画質は荒いが車の窓が写されていた。
女がアイマスクをし、むき出しの乳房を車の窓に押し付ている。
それは、間違いなく私だった。
「大人しかったお前がこんな変態になっていたとはな」
羞恥で唇が震えた。
「お前を知ってる奴が見たら小学生のヌードよりも衝撃だろうなぁ」
私の弱味が増えて、心なしか雅夫兄さんの顔は嬉しそうにも見える。
「葉月も居ないし、今夜は寝ないで部屋で待ってろよ」
まるで死刑宣告を受けたみたいだ。立ち尽くしていると、数回のノックの後、「失礼します」と竹林部長が入ってきた。
「社長の代わりに返信しましたら、早速、藍野さんから電話がありました」
竹林部長は私に視線を向け、しかしそっぽを向いて雅夫兄さんと話し続ける。
「あー、そう。なんだって? 直ぐに来るって?」
「はい。今からこちらへ向かうそうです」
――藍野さんが、会社に来る――
こんな状況なのに、心が弾んでしまう。
「あー、明日美、お前は今から倉庫の片付けしてこい」
「……え?」
「色々と整理しないといけないからな」
こんな時に? なぜ?
わけが分からない私に、「行きましょうか」と竹林部長が退室を促す。
胸元が開いてしまったシャツを抑えながら社長室から倉庫へと移動した。
ビルの一階、駐車場横にある倉庫は、在庫品や書類の山だ。
こんな所、殆ど足を踏み入れたことはない。
「どんな風に片付けたらいいんですか? 領収書や請求書って十年保管でしたっけ?」
段ボールを確認する私に、竹林部長が答える。
「いや、七年だよ」
そして、
「………え?」
私を置いたまま、戸を閉めた。鍵を掛ける音が聞こえて、ぎょっとする。
「え? 何で鍵を掛けたんですか?」
「明日美さん、済まない。暫くここで待機してて欲しい」
戸の向こうから、竹林部長の申し訳なさ気な声が聞こえた。
「暫くって……」
「藍野さんが帰るまで」
私と藍野さんを会わせない為?
「雅夫兄さんの命令ですか?」
その問いに答えはなく、戸に押し付けた耳は、部長が立ち去る足音だけを拾った。
――嘘でしょ?
ここまでする?
電気を点けても薄暗く、カビ臭い所へ閉じ込められると、またあの日の事を思い出してしまう。
気を紛らわすように保管期限の過ぎた帳簿を台車に乗せたりしていても、本当に出して貰えるのか不安になってきた。
暫くすると、駐車場に入庫する音がした。
この静かなエンジン音は、恐らく藍野さんの車だ。
ドアを閉める音や、二人以上の靴音に耳を澄ませる。
――藍野さん……。
連絡を取りたいけれど、スマホは事務所の机に置いてきてしまった。
春とはいえ、日の当たらない倉庫の中は隙間風も有って肌寒い。
まさか、夜までここに閉じ込められることはないよね?
しかし、その予感は的中した。
ひたすら整理に没頭し、夕方になっても、戸が開けられることは無かった。
まさか――
「藍野の送別会の次の日、買い物してから車で公園行ったろ? ホテルにも。その時の写真あるんだよ」
ツーッと冷たい汗が体を伝った。
どのタイミングで撮られた?
私から手を離した雅夫兄さんがスマホを見せつける。
写真だ。
遠くから撮影したのか画質は荒いが車の窓が写されていた。
女がアイマスクをし、むき出しの乳房を車の窓に押し付ている。
それは、間違いなく私だった。
「大人しかったお前がこんな変態になっていたとはな」
羞恥で唇が震えた。
「お前を知ってる奴が見たら小学生のヌードよりも衝撃だろうなぁ」
私の弱味が増えて、心なしか雅夫兄さんの顔は嬉しそうにも見える。
「葉月も居ないし、今夜は寝ないで部屋で待ってろよ」
まるで死刑宣告を受けたみたいだ。立ち尽くしていると、数回のノックの後、「失礼します」と竹林部長が入ってきた。
「社長の代わりに返信しましたら、早速、藍野さんから電話がありました」
竹林部長は私に視線を向け、しかしそっぽを向いて雅夫兄さんと話し続ける。
「あー、そう。なんだって? 直ぐに来るって?」
「はい。今からこちらへ向かうそうです」
――藍野さんが、会社に来る――
こんな状況なのに、心が弾んでしまう。
「あー、明日美、お前は今から倉庫の片付けしてこい」
「……え?」
「色々と整理しないといけないからな」
こんな時に? なぜ?
わけが分からない私に、「行きましょうか」と竹林部長が退室を促す。
胸元が開いてしまったシャツを抑えながら社長室から倉庫へと移動した。
ビルの一階、駐車場横にある倉庫は、在庫品や書類の山だ。
こんな所、殆ど足を踏み入れたことはない。
「どんな風に片付けたらいいんですか? 領収書や請求書って十年保管でしたっけ?」
段ボールを確認する私に、竹林部長が答える。
「いや、七年だよ」
そして、
「………え?」
私を置いたまま、戸を閉めた。鍵を掛ける音が聞こえて、ぎょっとする。
「え? 何で鍵を掛けたんですか?」
「明日美さん、済まない。暫くここで待機してて欲しい」
戸の向こうから、竹林部長の申し訳なさ気な声が聞こえた。
「暫くって……」
「藍野さんが帰るまで」
私と藍野さんを会わせない為?
「雅夫兄さんの命令ですか?」
その問いに答えはなく、戸に押し付けた耳は、部長が立ち去る足音だけを拾った。
――嘘でしょ?
ここまでする?
電気を点けても薄暗く、カビ臭い所へ閉じ込められると、またあの日の事を思い出してしまう。
気を紛らわすように保管期限の過ぎた帳簿を台車に乗せたりしていても、本当に出して貰えるのか不安になってきた。
暫くすると、駐車場に入庫する音がした。
この静かなエンジン音は、恐らく藍野さんの車だ。
ドアを閉める音や、二人以上の靴音に耳を澄ませる。
――藍野さん……。
連絡を取りたいけれど、スマホは事務所の机に置いてきてしまった。
春とはいえ、日の当たらない倉庫の中は隙間風も有って肌寒い。
まさか、夜までここに閉じ込められることはないよね?
しかし、その予感は的中した。
ひたすら整理に没頭し、夕方になっても、戸が開けられることは無かった。
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