【虐げヒロインはドSエリートに翻弄される】〜囚える鎖を放すか否か(仮)

光月海愛(こうつきみあ)

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追い込みと反撃

失意

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 驚いて、唇を離した。
 しかし藍野さんは、私の頸動脈を指で圧迫し続ける。
 
「挿れてる時もだけど、俺は前戯でも女の首を絞めたら興奮するんだ」

 言うように、腹部に押し付けられた彼の下半身は硬くなっていた。
 それを肌身で感じて、私も疼かないわけじゃないけれど、やっぱり、怖かった。
 息は出来てるはずなのに、苦しい。

 藍野さんは、親指と人差し指で圧迫を強める。

「俺の力加減一つで明日美の″生″を終わらせる事も出来る」

「……や、め、」

「女の苦しそうな顔を見ていると、交配欲と支配欲が刺激されるんだ」

 そう言う彼の呼吸は更に短くなっていた。

「……、、は、」

 絞める力を弱められ、私は床に座り込んだ。
 ようやく血流が戻っていく。
 しかし、


「俺には、何されてもいいんだよな?」

 頭が酸欠状態の私の首に、藍野さんが再び手を掛ける。

「……い、や、」

 咄嗟に顔を背けた途端、後ろの方から人の気配と、カシャ、と冷たい電子音が聞こえた。

 今、写真撮られた?

 人影は素早くエレベーターへ乗りこんでしまい、誰か分からなかった。
 もしかして、後を付けられてた?


「……一人じゃ無かったんだな」

 冷めた目をして、藍野さんが私から離れる。

「ご、ごめんなさい、家には誰も居なかったから油断をしてました」

 血の気が引く。
 首を絞められた所、撮られてたらどうしよう……。
 これじゃ、まるで私が彼を嵌めたみたいだ。

「もう二度と、ここには来るな」

 怒りの滲んだ声とももに、藍野さんは事務所の中に消えて行った。

 藍野さんの為に、と思ってやったことが水の泡になった。

 無力なくせに、感情だけで突っ走ってこのザマだ。
 何より、


 ″何をされてもいい″


 口だけが威勢良く、いざとなったら怖気づいた自分にガッカリしていた。



 結局、そのまま梅野家に戻った私は、その数日後にお見合いするために品川のホテルに赴いたのだった。










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