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追い込みと反撃
独りよがり
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ゴシップでやられたら、同じように仕返しをするつもりだったのか、雅夫兄さん達は藍野さんの女性遍歴からも粗を探そうとしていた。
「そんな事まで調べてるんだ。それ、プライバシーの侵害だし、公にしようものなら名誉毀損が成立するけど」
藍野さんは、半開きだったドアを全開にして、しかし私を入れようとせず話を続けた。
「……なら、事実ということですか?」
「何て書いてあるか知らないけど、SMプレイ中に首絞めて失神させたくらいだよ。それも窒息させたわけじゃないからな」
失神……。
藍野さんが他の女性にしたことを想像すると、嫉妬で苦しくなる。
「俺個人の性癖なんて暴露したところで、俺が訴えれば、しようとした側が不利になる。逆に多くの従業員を抱えた会社の場合、取引先の損失にも影響する横領や暴力の公開は正当性が認められる」
淡々と冷たく正論を振りかざされ、みじめになった。
藍野さんの為に、と家を出る覚悟でここに来たのに、取るに足らない報告書だったということか。
「でも、折角だから貰っておくよ。わざわざ済まなかった」
「……いいえ」
USBメモリを手に取り、そしてシャツの胸ポケットに入れる。藍野さんは、それでも帰らない私に半分呆れたように言った。
「何、どうした? 明日美も俺に失神させられたい?」
その一言で顔が熱くなる。
「相変わらず反応可愛いな。明日美はドMだから首絞められても、なんなら窒息しても下は濡らしてそうだよな」
馬鹿にしたような言い方に、思わず言い返す。
「私はドMなんかじゃありません」
本当にそうなら、兄達に襲われそうになっても抵抗なんてしなかったはずだ。
性的な事だけじゃない。生活面も搾取されて、実際私は苦しいし、ずっと逃げ出したいと思っている。
「そうなんだ。じゃあ、俺とは合わないね」
お父さんの件を知る前は、藍野さんが、檻から解き放ってくれることを願っていた。
「……私とは、それだけですか?」
「ん?」
「私がМで利用価値があると思ったから、会ってたんですか?」
「はじめにそう言ったよ、″契約″って」
私の、独りよがりだった。
「……契約以前に、最初からお父さんの仇を打つために潜入したんですよね?」
「それ、梅野家の考え? それとも明日美もそう思ってる?」
藍野さんが軽く息をついて見せた。
「俺の旧姓に辿り着いたのは竹林だったな。奴がそう言ったんだろ?」
「そうです」
竹林さんは、会社と継母の為に尽くしている。
「まぁ、どうでもいいし。明日美が被虐性体質じゃないなら、竹林ともお似合いだ」
「……お似合い?」
″明日美は俺のモノだろ。ヘタレに好きなようにさせるな″
つい、この前は、藍野さんの一言で舞い上がったのに。
「М体質じゃなくて、私は藍野さんになら何をされてもいいんです。藍野さんにだけМなんです。この前も言いましたよね」
「言ってたね、俺になら犯されてもいいって」
そんな事は口に出していない。
でも、きっと、顔に出ていたんたろう。
「俺、明日美にはソフトだったけど、ハードなセックスしかしないんだよ」
藍野さんの声に、少しだけ柔らかさが帯びた気がした。
それに釣られるように、私は彼の胸に身体を任せた。
この人になら何をされてもいい。
被虐性とは違う。
でも、依存なのかもしれない。
彼の手に頬を包まれ、そっと目を閉じる。
唇が重なった。
舌を絡めるうちに、彼の指が私の首を絞め始めた。
「そんな事まで調べてるんだ。それ、プライバシーの侵害だし、公にしようものなら名誉毀損が成立するけど」
藍野さんは、半開きだったドアを全開にして、しかし私を入れようとせず話を続けた。
「……なら、事実ということですか?」
「何て書いてあるか知らないけど、SMプレイ中に首絞めて失神させたくらいだよ。それも窒息させたわけじゃないからな」
失神……。
藍野さんが他の女性にしたことを想像すると、嫉妬で苦しくなる。
「俺個人の性癖なんて暴露したところで、俺が訴えれば、しようとした側が不利になる。逆に多くの従業員を抱えた会社の場合、取引先の損失にも影響する横領や暴力の公開は正当性が認められる」
淡々と冷たく正論を振りかざされ、みじめになった。
藍野さんの為に、と家を出る覚悟でここに来たのに、取るに足らない報告書だったということか。
「でも、折角だから貰っておくよ。わざわざ済まなかった」
「……いいえ」
USBメモリを手に取り、そしてシャツの胸ポケットに入れる。藍野さんは、それでも帰らない私に半分呆れたように言った。
「何、どうした? 明日美も俺に失神させられたい?」
その一言で顔が熱くなる。
「相変わらず反応可愛いな。明日美はドMだから首絞められても、なんなら窒息しても下は濡らしてそうだよな」
馬鹿にしたような言い方に、思わず言い返す。
「私はドMなんかじゃありません」
本当にそうなら、兄達に襲われそうになっても抵抗なんてしなかったはずだ。
性的な事だけじゃない。生活面も搾取されて、実際私は苦しいし、ずっと逃げ出したいと思っている。
「そうなんだ。じゃあ、俺とは合わないね」
お父さんの件を知る前は、藍野さんが、檻から解き放ってくれることを願っていた。
「……私とは、それだけですか?」
「ん?」
「私がМで利用価値があると思ったから、会ってたんですか?」
「はじめにそう言ったよ、″契約″って」
私の、独りよがりだった。
「……契約以前に、最初からお父さんの仇を打つために潜入したんですよね?」
「それ、梅野家の考え? それとも明日美もそう思ってる?」
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「俺の旧姓に辿り着いたのは竹林だったな。奴がそう言ったんだろ?」
「そうです」
竹林さんは、会社と継母の為に尽くしている。
「まぁ、どうでもいいし。明日美が被虐性体質じゃないなら、竹林ともお似合いだ」
「……お似合い?」
″明日美は俺のモノだろ。ヘタレに好きなようにさせるな″
つい、この前は、藍野さんの一言で舞い上がったのに。
「М体質じゃなくて、私は藍野さんになら何をされてもいいんです。藍野さんにだけМなんです。この前も言いましたよね」
「言ってたね、俺になら犯されてもいいって」
そんな事は口に出していない。
でも、きっと、顔に出ていたんたろう。
「俺、明日美にはソフトだったけど、ハードなセックスしかしないんだよ」
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それに釣られるように、私は彼の胸に身体を任せた。
この人になら何をされてもいい。
被虐性とは違う。
でも、依存なのかもしれない。
彼の手に頬を包まれ、そっと目を閉じる。
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舌を絡めるうちに、彼の指が私の首を絞め始めた。
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