転生陰陽師は呪詛をしたくない—余命半年の陰陽師【全公開はカ◯ヨムのみ】

光月海愛(こうつきみあ)

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四 白と黒

赤い蛇

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 境内に行き、まず、藁人形が打ちつけてあった木の所へ霊視に出掛けた。
 神聖な木に、無残な釘跡がいくつもあった。

「藁人形はもう全て処分したんだっけ?」

「はい」

「それに、ターゲットの写真とか名前を書いた紙とか一緒に打ち付けてなかったのかな?」

「……父が見たのは髪の毛だったようです」

「で、もう昨日からないんだな?」

 山城が頷く。
 七日通しで出来たのか、それとも堀に見られたから、やり直すのか。

 生霊でも死霊でもない。
 ここに残っているのは、怨念と執念のみだろう。
 それでどれだけのことが感じ取れるのか。

 一番、真新しい被害樹に手を当てて、何か視えないか探ってみることにした。

 しかし、思ったほど怨念は感じない。
 何でだ?
 藁人形も処分したからか?

 俺は目を細めて脳をスクリーン状態にする。
 堀の消息の手掛かりになるものが視えないか神経を集中させた。

 堀 賢吾――彼はどんな思いでここに来た?
 そして、今、無事でいるのか?
 もし、事件に巻き込まれたなら、誰が彼を行方不明にしてるのか?

 俺は離れている彼の守護霊に話しかける。
 本来、霊視とは守護霊にヒントを貰うものなのだ。
 生年月日や、姓名や字画で何かを言い当てるなんて、それこそインチキくさい。
 そして、ようやく。

 ――視えてきた。

 堀を取り囲む複数の手。
 奴を拉致したのは、一人じゃない。

 しかも皆、同じような白い着物を纏ってとても気味が悪い。何かのカルト集団か?
 おまけに、

「蛇……」

 不意に、山城リリの声が聞こえてハッとする。

「そういえば、脅しの紙に、赤い蛇の絵が描かれてました」

「……そうか、俺も今、それが視えてた」

 蛇に何の意味が?
 確かにボンヤリと、木に巻き付く赤い蛇が視えた。

「堀先輩は無事なんでしょうか?」

「あぁ、奴が暗いどこかに閉じ込められてる姿が見えた」

 奴がここから連れ去られたのは間違いないようだ。



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