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裏切りと恋と2
甘い生活2
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「あの、まだ手も洗ってないんだけど」
ラグの上に組み敷かれたまま、自分を見下ろす神城くんに手のひらを向ける。ダンボール作業って短時間でも手が荒れるし、埃っぽくなる。それなのに、
「荷解き中にヤッちゃうエロ漫画……」
「……え?」
「今までは流し読みしてたけど、そのシチュエーションでしたくなる気持ちわからなくもなくない?」
彼はその手を排除して同意まで求めてきた。
「エロ漫画とか読むんだ?」
「読むよ。広告のやつとかクリックすることある」
意外。
もしかして神童とか呼ばれてた中学時代もコッソリ読んでたんだろうか? まぁ読むよね。普通に男の子だもの。あんなクールな美少年が……、と想像したら萌だわ。
「何ニヤニヤしてんの」
私のTシャツを捲りあげながら、神城くんが怪訝な目を向ける。
「……中学生の時に仲良くなりたかったなぁ……て」
あの頃は、まさか彼とこんな事するようになるとは思ってなかったから。
「悪かったな、オッサンになってからで」
神城くんが子供みたいに口元を尖らせる。そこも萌なんですが。
「そういう意味じゃないし、それなら私もオバさんでごめんなさいだよ」
機嫌直して、と彼の首筋にキスをすると、「足らない」とギュッと抱きしめられる。
スーツとは違うルームウェアの匂いは、ふわりと柔軟剤の匂いがした。
私は過敏症ではないけど、他人のそういう香りを嗅ぐと体が少し心配になる。大切な人なら尚更。
「洗剤とか、私の好みに変えてもいい?」
「え」
当然、家事全般するつもりでいたのに、神城くんは驚いた声を出した。
「洗濯するつもり?」
「え、あ、ダメ?」
「ダメじゃないけど。家政婦さんいるからね」
「仕事取り上げちゃう?」
「いや、家政婦協会から派遣されてくるから、他にも仕事はあるだろうけど」
「じゃあ、洗濯は私やっちゃおうかな」
掃除はやってくれた方がこの綺麗さを維持できると思うし。
「俺は一緒にいられるだけでいいから、そのへん気を遣わなくていい」
サラリと悦ばしいことを言ってのけて、神城くんはあっという間に私を上半身裸にした。
カーテンのない窓から射し込む夕陽が生々しい肉を際立せる。
「お、お風呂入ってからにしない?」
「綺麗になってからこのシチュエーションは嫌じゃない?」
それはそうだけど。
「このダンボールの中でヤるのがいいんだよ」
わかるようなわからないような……。
私の胸の間に顔を埋めて、無心に皮膚を吸う神城くんの髪を撫でる。
エアコンが効いていたとはいえ、ずっと動いていたから私、汗臭くないかな……そんな心配も、乳房の先端を吸われ舌で弄られているうちに気持ち良さに変わった。
「鈴木さんのジーンズ姿いいんだけど、履いたままじゃ流石に出来ないしな」
不意に冷静に言われ、元カレの言葉を思い出した。
『女がジーンズとかオーバーオール穿いてると萎える』
こればっかりは人それぞれだ。
格好や状況で盛り上がることを知ってるからこそ、バーチャル恋愛なんて作れるのかも。
流されるようにこんな関係になってしまったけれど、神城くんの好きなタイプって結局どんななのか分からない。
私のジーンズをやや苦労して下ろしたあと、神城くんはスルスルと脱いでいく。少し時間が経ったせいか彼自身は鎮まっている。それを恥ずかしそうにしてるのも母性とやらをくすぐり、私は柔らかなラグの上で体勢を変え、そこに手を添えた。
そうだ。手洗ってないから。
乱れた髪を耳に掛け、顔を陰部に近づける。
神城くんの戸惑いが呼吸に混じるのを感じながら、さっきよりも堅さの増したそれを口に含む。
そうしないうちに、彼の甘い吐息が聞こえてきた。
ラグの上に組み敷かれたまま、自分を見下ろす神城くんに手のひらを向ける。ダンボール作業って短時間でも手が荒れるし、埃っぽくなる。それなのに、
「荷解き中にヤッちゃうエロ漫画……」
「……え?」
「今までは流し読みしてたけど、そのシチュエーションでしたくなる気持ちわからなくもなくない?」
彼はその手を排除して同意まで求めてきた。
「エロ漫画とか読むんだ?」
「読むよ。広告のやつとかクリックすることある」
意外。
もしかして神童とか呼ばれてた中学時代もコッソリ読んでたんだろうか? まぁ読むよね。普通に男の子だもの。あんなクールな美少年が……、と想像したら萌だわ。
「何ニヤニヤしてんの」
私のTシャツを捲りあげながら、神城くんが怪訝な目を向ける。
「……中学生の時に仲良くなりたかったなぁ……て」
あの頃は、まさか彼とこんな事するようになるとは思ってなかったから。
「悪かったな、オッサンになってからで」
神城くんが子供みたいに口元を尖らせる。そこも萌なんですが。
「そういう意味じゃないし、それなら私もオバさんでごめんなさいだよ」
機嫌直して、と彼の首筋にキスをすると、「足らない」とギュッと抱きしめられる。
スーツとは違うルームウェアの匂いは、ふわりと柔軟剤の匂いがした。
私は過敏症ではないけど、他人のそういう香りを嗅ぐと体が少し心配になる。大切な人なら尚更。
「洗剤とか、私の好みに変えてもいい?」
「え」
当然、家事全般するつもりでいたのに、神城くんは驚いた声を出した。
「洗濯するつもり?」
「え、あ、ダメ?」
「ダメじゃないけど。家政婦さんいるからね」
「仕事取り上げちゃう?」
「いや、家政婦協会から派遣されてくるから、他にも仕事はあるだろうけど」
「じゃあ、洗濯は私やっちゃおうかな」
掃除はやってくれた方がこの綺麗さを維持できると思うし。
「俺は一緒にいられるだけでいいから、そのへん気を遣わなくていい」
サラリと悦ばしいことを言ってのけて、神城くんはあっという間に私を上半身裸にした。
カーテンのない窓から射し込む夕陽が生々しい肉を際立せる。
「お、お風呂入ってからにしない?」
「綺麗になってからこのシチュエーションは嫌じゃない?」
それはそうだけど。
「このダンボールの中でヤるのがいいんだよ」
わかるようなわからないような……。
私の胸の間に顔を埋めて、無心に皮膚を吸う神城くんの髪を撫でる。
エアコンが効いていたとはいえ、ずっと動いていたから私、汗臭くないかな……そんな心配も、乳房の先端を吸われ舌で弄られているうちに気持ち良さに変わった。
「鈴木さんのジーンズ姿いいんだけど、履いたままじゃ流石に出来ないしな」
不意に冷静に言われ、元カレの言葉を思い出した。
『女がジーンズとかオーバーオール穿いてると萎える』
こればっかりは人それぞれだ。
格好や状況で盛り上がることを知ってるからこそ、バーチャル恋愛なんて作れるのかも。
流されるようにこんな関係になってしまったけれど、神城くんの好きなタイプって結局どんななのか分からない。
私のジーンズをやや苦労して下ろしたあと、神城くんはスルスルと脱いでいく。少し時間が経ったせいか彼自身は鎮まっている。それを恥ずかしそうにしてるのも母性とやらをくすぐり、私は柔らかなラグの上で体勢を変え、そこに手を添えた。
そうだ。手洗ってないから。
乱れた髪を耳に掛け、顔を陰部に近づける。
神城くんの戸惑いが呼吸に混じるのを感じながら、さっきよりも堅さの増したそれを口に含む。
そうしないうちに、彼の甘い吐息が聞こえてきた。
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