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第2章 冒険記
Chapter53 エレンディースの過去【後編】
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――エレンディースは事件の真相を知っていた。
グオーリアの噂も何もかも独自に調べて。
《これは同じ年》
「嘘だ!」
エレンディースは言い報告書を机に叩きつける。
「では父は…私は何のため…これでは皇子の事も全てが違う!」
エレンディースは怒りに震える。
「全てが真実。そして現在が虚像しかない」
灰色の髪の大男が言う。
「ドメル将軍…」
エレンディースは彼の方を見る。
「アレシアに復讐したいのか?」
ドメルは冷静に言う。
「当然だ!誰も罰さないのであれば私が!」
「やめろ」
ドメルはエレンディースのしようとする事を止める。
「⁈ 何故?奴がグオーリアを乗っ取るのを指をくわえて見てろとでも?」
エレンディースは言い目を見開く。
「違う」
ドメルは言う。
「では…どうしろと!」
エレンディースはドメルの言葉に混乱する。
「奴は…と通じている。それを利用しろ。やるのであれば、お主が黒水晶の主となればいい」
ドメルは言う。
「!…しかし私では…」
エレンディースは困惑する。
「陛下に進言してやる。戦まで待てば」
ドメルが言っている所で場面が変わる。
寝室に上半身裸で書類を読んでいるジークリフトとそこで脱いで裸になるエレンディースがいる。
「陛下!お願いがございます!どうか私めにディラクトを任せて頂けませんか?」
エレンディースは言い色っぽい座り方をする。
「任せる?」
ジークリフトは静かに言う。
「何卒!」
エレンディースは言う。
「それで?また何かやって暴れながら抱かれて忠誠を誓う真似をするのか?下らん!」
ジークリフトは真顔で言う。
「いえ。任せて頂けるのであれば何でもします!もう無駄な抵抗もしません。だからどうか…」
エレンディースは真剣に言う。
《命令でも、強制でも無く自ら主となったのか》
アークトゥルスが呟く。
「それをどう証明する?」
「それは」
エレンディースはジークリフトのズボンのチャックに手をかける。
《うわっ駄目ぇ―!》
ルディースは言い焦る。
(前世は親子なんだから―!)
《ディラクトは闇の力。聖だから闇に身を染めて信頼を得る必要があった…と》
ヴェルニクスは言う。
ジークリフトはエレンディースを叩いて吹っ飛ばす。
ルディースは胸を撫で下ろす。
「ディラクトの主は今私だが、それ程言うなら」
ジークリフトは言い手から黒水晶を出す。
「今なるか?」
ジークリフトは言いエレンディースの目の前に黒水晶を見せる。
(ディラクト!)
ルディースは行こうとするがアークトゥルスに止められる。
「ひっ!」
エレンディースは怖気づく。
「どうした?任せて欲しいのだろう?」
ジークリフトは言う。
「ほら…主の契約は切ったぞ」
ジークリフトは言いニヤリと笑う。
「あ…あ」
エレンディースは震える。
「…け……血の契約…をっ」
エレンディースは震えながらも言う。
『承知した』
ディラクトはそう言いエレンディースの胸の中にスゥと入る。
「うわっ!やっ!ぐああああ!」
エレンディースは苦しみ悶える。
(私の馬鹿。これは望んだなのに…邪魔しては駄目だろう)
ルディースは苦悩する。
「ドメル抑えていろ」
「はっ!」
ドメルは苦しむエレンディースを押える。
《本来…契約は本人の強い意志で成される。あの場合性格が異なる為、常人では耐えられぬ》
アギール大魔導士は説明をする。
《余程の意志がなければ発狂か廃人…》
ヴェルニクスが言う。
《そして2年後…》
アギール大魔導士は言い場面が変わる。
『大気の矢!』
エレンディースは山奥で巨大芋虫に普通特有の自然魔法を唱える。
《もう二度とラフリィには戻れない。それどころか過剰な聖や悪の行為は自分では行えない》
アギール大魔導士は言う。
《それを行えば…》
アギール大魔導士は言うと同時にエレンディースはラフリィの自然魔法を唱えようとする。
「あぅ!」
エレンディースは激痛で倒れキャリオン・クロウラーの触手に身体が巻かれる。
「そりゃ黒なのに白を使えば痛いだろうに。習慣は怖いねぇ」
争い、不和の神ドラゴンのキーツガルドは笑いながら言う。
「キーツガルド様」
エレンディースは藻掻きながら言う。
「そのままでは喰われるぞ。助けて欲しいか?」
キーツガルドは言いエレンディースの近くまでくる。
「結構です!」
エレンディースは断る。
「そうか…ではな」
キーツガルドはエレンディースを助けもせず行ってしまう。
《これだから邪悪は…》
セオドアは言う。
焦げ茶の髪で紫色の目をした男がやって来て大剣でキャリオン・クロウラーの触手を斬る。
「エステリス…」
エレンディースは言い触手から逃れる。
「大丈夫ですか?エレンディース様」
エステリスはエレンディースを心配する。
「私はいい!早くカシムを」
エレンディースは倒れてるカシムという男の所に走る。
「そのキャリオン・クロウラーは倒さない方がいい」
長い金髪の髪の綺麗な男が来る。
(シルフィー!前世ではエレンの世話係だった…確か今はシルフィードと呼ばれてて私が10歳の頃2年間勉強と体術を教えてくれた先生!)
ルディースは目を輝かす。
「見せられるのはここまでだよ」
アギール大魔導士の声で皆一斉に目が覚める。
「大丈夫か?皆」
ヴェルニクスは皆を気遣う。
「大丈夫です!ありがとうございます」
セナンディアスは微笑みながら言う。
皆は立て直して跪きアギール大魔導士とニーナ大司祭を見る。
「もう一つ質問して宜しいでしょうか?ニーナ大司祭」
アークトゥルスは言う。
「何なりとどうぞ」
ニーナ大司祭は微笑みながら言う。
「セーラ・カイラムはどういう方で今は何処に住んでおられるのでしょう」
アークトゥルスは聞く。
「セーラはとても聡明な子ですよ。今なら北の大木にいるでしょう」
ニーナ大司祭は言いにっこり笑う。
「グオーリアとニジェルでは良く頑張りました。援助は送ったので安心しなさい」
続けてニーナ大司祭は言う。
「ありがとうございます!」
皆は礼を言い手を組む。
「それでは失礼します」
皆は謁見の間を後にする。
「やぁルディース先生」「久し振りだな」
外でギルディとメルキセデクが居た。
「ギルディ先生にメルキセデク長老!」
ルディースは駆け寄って行く。
「メルキセデク長老!お久し振りです!」
アリムレスは言いエクトゥルスを握り挨拶をする。
「同士アリムレス!久し振りだな。活躍ぶりは聞いているぞ」
メルキセデクは微笑んで言う。
「ありがとうございます!」
アリムレスは言いメルキセデクを見る。
「ルディース先生を借りるけどいいかな?」
ギルディは皆に聞く。
「ルディースがいいと言うなら…」
アークトゥルスは少し警戒しながら言う。
「君かな?アークトゥルスとは」
メルキセデクは聞く。
「そうですが。何か?」
アークトゥルスは言う。
「うむ…君も来てもらおうか。ルディースだけでは帰りに迷子になるかもしれないからな」
メルキセデクは言う。
「は、はい」
アークトゥルスは少しホッとした顔をする。
「皆は先にカフェに行って待ってて」
ルディースは笑いながら言う。
「分かった。先に食事してるぞ」
ヴェルニクスは言う。
「うん、分かった」
ルディースは微笑んで言う。
アークトゥルスとルディースを残し皆はカフェに向かった。
グオーリアの噂も何もかも独自に調べて。
《これは同じ年》
「嘘だ!」
エレンディースは言い報告書を机に叩きつける。
「では父は…私は何のため…これでは皇子の事も全てが違う!」
エレンディースは怒りに震える。
「全てが真実。そして現在が虚像しかない」
灰色の髪の大男が言う。
「ドメル将軍…」
エレンディースは彼の方を見る。
「アレシアに復讐したいのか?」
ドメルは冷静に言う。
「当然だ!誰も罰さないのであれば私が!」
「やめろ」
ドメルはエレンディースのしようとする事を止める。
「⁈ 何故?奴がグオーリアを乗っ取るのを指をくわえて見てろとでも?」
エレンディースは言い目を見開く。
「違う」
ドメルは言う。
「では…どうしろと!」
エレンディースはドメルの言葉に混乱する。
「奴は…と通じている。それを利用しろ。やるのであれば、お主が黒水晶の主となればいい」
ドメルは言う。
「!…しかし私では…」
エレンディースは困惑する。
「陛下に進言してやる。戦まで待てば」
ドメルが言っている所で場面が変わる。
寝室に上半身裸で書類を読んでいるジークリフトとそこで脱いで裸になるエレンディースがいる。
「陛下!お願いがございます!どうか私めにディラクトを任せて頂けませんか?」
エレンディースは言い色っぽい座り方をする。
「任せる?」
ジークリフトは静かに言う。
「何卒!」
エレンディースは言う。
「それで?また何かやって暴れながら抱かれて忠誠を誓う真似をするのか?下らん!」
ジークリフトは真顔で言う。
「いえ。任せて頂けるのであれば何でもします!もう無駄な抵抗もしません。だからどうか…」
エレンディースは真剣に言う。
《命令でも、強制でも無く自ら主となったのか》
アークトゥルスが呟く。
「それをどう証明する?」
「それは」
エレンディースはジークリフトのズボンのチャックに手をかける。
《うわっ駄目ぇ―!》
ルディースは言い焦る。
(前世は親子なんだから―!)
《ディラクトは闇の力。聖だから闇に身を染めて信頼を得る必要があった…と》
ヴェルニクスは言う。
ジークリフトはエレンディースを叩いて吹っ飛ばす。
ルディースは胸を撫で下ろす。
「ディラクトの主は今私だが、それ程言うなら」
ジークリフトは言い手から黒水晶を出す。
「今なるか?」
ジークリフトは言いエレンディースの目の前に黒水晶を見せる。
(ディラクト!)
ルディースは行こうとするがアークトゥルスに止められる。
「ひっ!」
エレンディースは怖気づく。
「どうした?任せて欲しいのだろう?」
ジークリフトは言う。
「ほら…主の契約は切ったぞ」
ジークリフトは言いニヤリと笑う。
「あ…あ」
エレンディースは震える。
「…け……血の契約…をっ」
エレンディースは震えながらも言う。
『承知した』
ディラクトはそう言いエレンディースの胸の中にスゥと入る。
「うわっ!やっ!ぐああああ!」
エレンディースは苦しみ悶える。
(私の馬鹿。これは望んだなのに…邪魔しては駄目だろう)
ルディースは苦悩する。
「ドメル抑えていろ」
「はっ!」
ドメルは苦しむエレンディースを押える。
《本来…契約は本人の強い意志で成される。あの場合性格が異なる為、常人では耐えられぬ》
アギール大魔導士は説明をする。
《余程の意志がなければ発狂か廃人…》
ヴェルニクスが言う。
《そして2年後…》
アギール大魔導士は言い場面が変わる。
『大気の矢!』
エレンディースは山奥で巨大芋虫に普通特有の自然魔法を唱える。
《もう二度とラフリィには戻れない。それどころか過剰な聖や悪の行為は自分では行えない》
アギール大魔導士は言う。
《それを行えば…》
アギール大魔導士は言うと同時にエレンディースはラフリィの自然魔法を唱えようとする。
「あぅ!」
エレンディースは激痛で倒れキャリオン・クロウラーの触手に身体が巻かれる。
「そりゃ黒なのに白を使えば痛いだろうに。習慣は怖いねぇ」
争い、不和の神ドラゴンのキーツガルドは笑いながら言う。
「キーツガルド様」
エレンディースは藻掻きながら言う。
「そのままでは喰われるぞ。助けて欲しいか?」
キーツガルドは言いエレンディースの近くまでくる。
「結構です!」
エレンディースは断る。
「そうか…ではな」
キーツガルドはエレンディースを助けもせず行ってしまう。
《これだから邪悪は…》
セオドアは言う。
焦げ茶の髪で紫色の目をした男がやって来て大剣でキャリオン・クロウラーの触手を斬る。
「エステリス…」
エレンディースは言い触手から逃れる。
「大丈夫ですか?エレンディース様」
エステリスはエレンディースを心配する。
「私はいい!早くカシムを」
エレンディースは倒れてるカシムという男の所に走る。
「そのキャリオン・クロウラーは倒さない方がいい」
長い金髪の髪の綺麗な男が来る。
(シルフィー!前世ではエレンの世話係だった…確か今はシルフィードと呼ばれてて私が10歳の頃2年間勉強と体術を教えてくれた先生!)
ルディースは目を輝かす。
「見せられるのはここまでだよ」
アギール大魔導士の声で皆一斉に目が覚める。
「大丈夫か?皆」
ヴェルニクスは皆を気遣う。
「大丈夫です!ありがとうございます」
セナンディアスは微笑みながら言う。
皆は立て直して跪きアギール大魔導士とニーナ大司祭を見る。
「もう一つ質問して宜しいでしょうか?ニーナ大司祭」
アークトゥルスは言う。
「何なりとどうぞ」
ニーナ大司祭は微笑みながら言う。
「セーラ・カイラムはどういう方で今は何処に住んでおられるのでしょう」
アークトゥルスは聞く。
「セーラはとても聡明な子ですよ。今なら北の大木にいるでしょう」
ニーナ大司祭は言いにっこり笑う。
「グオーリアとニジェルでは良く頑張りました。援助は送ったので安心しなさい」
続けてニーナ大司祭は言う。
「ありがとうございます!」
皆は礼を言い手を組む。
「それでは失礼します」
皆は謁見の間を後にする。
「やぁルディース先生」「久し振りだな」
外でギルディとメルキセデクが居た。
「ギルディ先生にメルキセデク長老!」
ルディースは駆け寄って行く。
「メルキセデク長老!お久し振りです!」
アリムレスは言いエクトゥルスを握り挨拶をする。
「同士アリムレス!久し振りだな。活躍ぶりは聞いているぞ」
メルキセデクは微笑んで言う。
「ありがとうございます!」
アリムレスは言いメルキセデクを見る。
「ルディース先生を借りるけどいいかな?」
ギルディは皆に聞く。
「ルディースがいいと言うなら…」
アークトゥルスは少し警戒しながら言う。
「君かな?アークトゥルスとは」
メルキセデクは聞く。
「そうですが。何か?」
アークトゥルスは言う。
「うむ…君も来てもらおうか。ルディースだけでは帰りに迷子になるかもしれないからな」
メルキセデクは言う。
「は、はい」
アークトゥルスは少しホッとした顔をする。
「皆は先にカフェに行って待ってて」
ルディースは笑いながら言う。
「分かった。先に食事してるぞ」
ヴェルニクスは言う。
「うん、分かった」
ルディースは微笑んで言う。
アークトゥルスとルディースを残し皆はカフェに向かった。
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