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2.変化
76.王子様
「いつも2人でこんなことしてるの?」
パッと永那ちゃんの頭に乗っていた手を離す。
私はなんて答えればいいかわからず、目を彷徨わせた。
なんか、佐藤さんとは少し関わり難いな…。
「いつもって…穂と2人になれる時間なんて少なすぎて、なかなかできないから。いつもも何もないわ」
足と足の間、お腹に近いところに顔を押し付けて永那ちゃんが話すから、振動と息が伝ってくる。
…永那ちゃん、なにやってるの?
「あたしが邪魔って言いたいの?」
「んなこと言ってないけどさ」
永那ちゃんが顔を上げる。
…あぁ、なんか、また喧嘩になりそうな雰囲気。
2人って仲いいんだよね?
「けど?」
「…お前ばっかかまってらんないって言ってんの」
佐藤さんの眉間にシワが寄る。
目が少し潤む。
なんでこうなるの。
いつもより永那ちゃんも刺々しいし。
「ま、まあ…2人とも…」
佐藤さんは大きくため息をつく。
「帰るんじゃないの?…帰らないの?」
立ち上がって、永那ちゃんのことを冷たい目で見下ろす。
今度は永那ちゃんが大きくため息をつく。
「帰るよ」
バサバサと適当に教材を鞄にしまってから、私に手を差し伸べてくれる。
私はその手に手を重ねる。
永那ちゃんが力強く引っ張ってくれて、私は立ち上がる。
「誉、お姉ちゃん、ちょっと2人送ってくるね!」
「はーい」
「いいよ、大丈夫だよ。玄関までで」
永那ちゃんが優しく頭を撫でてくれる。
「誉君とも、ちょっと話したかったなあ」
永那ちゃんが笑う。
「焦らなくても大丈夫だよ。時間はたくさんあるんだし、いつかそういう機会もあるでしょ」
私が笑うと、永那ちゃんは目を細めて、少し顔を赤らめた。
「そう、だね」
結局私は玄関ではなく、マンションの下まで2人を送った。
永那ちゃんは何度も振り向いて手を振ってくれる。
そのたびに佐藤さんも立ち止まって、最初は私達を交互に見ていたけど、そのうち振り向くことはなくなった。
家に戻ると、もう誉がリビングに出てきていた。
誉は基本的に部屋にいることが少ない。
ずっとリビングにいて、まるで自室のように使っている。
「姉ちゃん、あの人めっちゃ美人だったね!姉ちゃんの友達すげー!」
…友達?佐藤さんは友達、なのかな?違う気がする。
「この前家に来た…永那ちゃん?も、美人だし」
「そうだね」
「あの人はかっこいいよね!」
誉の友達はみんな、私が注意したりすると反抗的になったりするけど、誉はいつも素直だなあと感心する。
こうやって人のことも普通に褒められて、えらいえらい。
頭を撫でてあげると、誉は嬉しそうに笑う。
「今日寝てたね、永那ちゃん」
「そうだね、永那ちゃんは学校でもずっと寝てるよ」
「そーなの?テスト平気なの?」
「それが成績良いんだよね」
「えー、すご。なんで?」
「さあ?今度聞いてみたら?」
誉の顔がパッと明るくなって「うん!」と頷いた。
「俺も宿題やる!…姉ちゃんも勉強するでしょ?」
「うん」
勉強をしている間は、他に何も考えずに済むからいい。
永那ちゃんと2人で過ごせると思っていたのが、3人になって、永那ちゃんと佐藤さんの間に入れなくて少し暗い気持ちにもなった。
でもすぐに2人の空気が悪くなって、どうすればいいかわからず、ただ戸惑うことしかできなかった。
佐藤さんと2人の時間は緊張しっぱなしで、一息つく間もなかった。
永那ちゃんが起きたら、予想外に触れ合える時間があって嬉しかったけど、また2人の雰囲気が悪くなって焦った。
…これが1週間も続くとなると、心も体も保つか不安だ。
でも明日は篠田さんが一緒なら、佐藤さんと2人の時間はなくなるのかな?…そうだといいなあ。
パッと永那ちゃんの頭に乗っていた手を離す。
私はなんて答えればいいかわからず、目を彷徨わせた。
なんか、佐藤さんとは少し関わり難いな…。
「いつもって…穂と2人になれる時間なんて少なすぎて、なかなかできないから。いつもも何もないわ」
足と足の間、お腹に近いところに顔を押し付けて永那ちゃんが話すから、振動と息が伝ってくる。
…永那ちゃん、なにやってるの?
「あたしが邪魔って言いたいの?」
「んなこと言ってないけどさ」
永那ちゃんが顔を上げる。
…あぁ、なんか、また喧嘩になりそうな雰囲気。
2人って仲いいんだよね?
「けど?」
「…お前ばっかかまってらんないって言ってんの」
佐藤さんの眉間にシワが寄る。
目が少し潤む。
なんでこうなるの。
いつもより永那ちゃんも刺々しいし。
「ま、まあ…2人とも…」
佐藤さんは大きくため息をつく。
「帰るんじゃないの?…帰らないの?」
立ち上がって、永那ちゃんのことを冷たい目で見下ろす。
今度は永那ちゃんが大きくため息をつく。
「帰るよ」
バサバサと適当に教材を鞄にしまってから、私に手を差し伸べてくれる。
私はその手に手を重ねる。
永那ちゃんが力強く引っ張ってくれて、私は立ち上がる。
「誉、お姉ちゃん、ちょっと2人送ってくるね!」
「はーい」
「いいよ、大丈夫だよ。玄関までで」
永那ちゃんが優しく頭を撫でてくれる。
「誉君とも、ちょっと話したかったなあ」
永那ちゃんが笑う。
「焦らなくても大丈夫だよ。時間はたくさんあるんだし、いつかそういう機会もあるでしょ」
私が笑うと、永那ちゃんは目を細めて、少し顔を赤らめた。
「そう、だね」
結局私は玄関ではなく、マンションの下まで2人を送った。
永那ちゃんは何度も振り向いて手を振ってくれる。
そのたびに佐藤さんも立ち止まって、最初は私達を交互に見ていたけど、そのうち振り向くことはなくなった。
家に戻ると、もう誉がリビングに出てきていた。
誉は基本的に部屋にいることが少ない。
ずっとリビングにいて、まるで自室のように使っている。
「姉ちゃん、あの人めっちゃ美人だったね!姉ちゃんの友達すげー!」
…友達?佐藤さんは友達、なのかな?違う気がする。
「この前家に来た…永那ちゃん?も、美人だし」
「そうだね」
「あの人はかっこいいよね!」
誉の友達はみんな、私が注意したりすると反抗的になったりするけど、誉はいつも素直だなあと感心する。
こうやって人のことも普通に褒められて、えらいえらい。
頭を撫でてあげると、誉は嬉しそうに笑う。
「今日寝てたね、永那ちゃん」
「そうだね、永那ちゃんは学校でもずっと寝てるよ」
「そーなの?テスト平気なの?」
「それが成績良いんだよね」
「えー、すご。なんで?」
「さあ?今度聞いてみたら?」
誉の顔がパッと明るくなって「うん!」と頷いた。
「俺も宿題やる!…姉ちゃんも勉強するでしょ?」
「うん」
勉強をしている間は、他に何も考えずに済むからいい。
永那ちゃんと2人で過ごせると思っていたのが、3人になって、永那ちゃんと佐藤さんの間に入れなくて少し暗い気持ちにもなった。
でもすぐに2人の空気が悪くなって、どうすればいいかわからず、ただ戸惑うことしかできなかった。
佐藤さんと2人の時間は緊張しっぱなしで、一息つく間もなかった。
永那ちゃんが起きたら、予想外に触れ合える時間があって嬉しかったけど、また2人の雰囲気が悪くなって焦った。
…これが1週間も続くとなると、心も体も保つか不安だ。
でも明日は篠田さんが一緒なら、佐藤さんと2人の時間はなくなるのかな?…そうだといいなあ。
感想 56
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